GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり 作:にょろ35106
え?
そんなのやってる暇あったらとっとと続き書けって?
勘弁しておくんなまし。
8/5追記。
感想欄でご指摘がありましたので。
本作品では自衛隊のおやっさんこと桑原 惣一郎と伊丹は過去にあったことがないという設定でお願いします。
かつておやっさんが伊丹の訓練教官だったらしいのですが作者はそれを知らず・・・。
書き直すとなるとかなりの量になってしまうので・・・・。
堪忍や・・・・。
「で、何か言う事は?」
「マジすんませんっした!」
仁王立ちする本気怒りモードの霊夢にびしょ濡れ状態の伊丹は見事なジャンピングDO・GE・ZAを敢行した。
「ったく、しょうがないわねぇ・・・・。帰ったら特訓よ」
「う、うすっ!」
自衛隊員達が見守る中、伊丹が霊夢に叱られていた。
魔理沙は建物の陰で濡れた服を着替えていた。
一応女の子らしく恥じらいは「マスタースパーーーク!!」ピチュンッ!
「まぁまぁ、伊丹だって悪気があったわけじゃないんだし、そもそも・・・」
着替え終わった魔理沙が伊丹を擁護するも
「魔理沙、あんたがついていながらなんて有様なのよ?」
「藪蛇だったぜ・・・・」
「こほん。もういいかな?私達は日本国の陸上自衛隊の者なのだが・・・」
桑原が聞きたいのは彼等が何者かという事だ。
三人が三人とも空を飛んだ事から銀座から拉致された民間人と言う可能性は消えた。
残る可能性は二つ。
元からこの世界の何処かに日本と似た和風の文化があるところがあるか、あるいは・・・。
「私の名前は桑原 惣一郎、この部隊の隊長を拝命している」
「あら、ご丁寧に。楽園の素敵な巫女、博麗 霊夢よ」
「東洋の西洋魔法使い、霧雨 魔理沙だぜ」
「えと、一般人の伊丹 耀司です」
この時、自衛隊側は全員が《東洋なのか西洋なのかどっちだ!?》《空を飛ぶ一般人がいるか!》と心の中で突っ込んだとか突っ込まなかったとか。
「君達は、どこから来たのか教えて貰ってもいいかな?」
「嫌よ、面倒臭い」
「ちょ、霊夢!一応接触したんだからちゃんとやっとかないと」
「じゃあ、あんたがやってよ耀司。紫がお遊びで作ったとはいえ、一応幻想郷防衛軍って組織のサブリーダーだっけ?なんだし」
面倒臭そうに霊夢が伊丹に丸投げする。
魔理沙は腕組みをしうんうん唸りながら何かを思い出そうとしている。
伊丹と桑原の会話は続く。
「ええと、俺達の拠点はあの丘の近くにある湖の畔の紅魔館て館です」
「紅魔館・・・。じゃあ、やはり君達はあの第二ゲートから・・・」
「たぶん、そこだと思います。こっちの方は異界門って名前ですけど」
「異界門・・・か。君達の世界はなんて名前なんだ?」
「一応、幻想郷って名前ですけど」
「幻想郷・・・それが星の名前か国の名前なのか?」
伊丹は答えに窮する。
どう答えたものかと考えあぐねていた時だった。
ポンっていい音がなりそうな感じで魔理沙が手を叩いた。
「思い出した!自衛隊ってどこかで聞いたと思ってたら伊丹が幻想郷に来る前にいた職場だかの名前だったな!」
「ちょっ!?魔理沙!?」
盛大に伊丹の過去を勝手にカミングアウトしてしまう魔理沙だった。
「ああ、そういえばそうだったわね。自衛隊って所宛の休職届ってのを伊丹に頼まれて外界に出て適当に近くにあった郵便ポストってのに入れた事もあったわね、懐かしいわ」
「霊夢まで!?」
「あれ?言っちゃダメだっけ?」
「いや、ダメってわけじゃ・・・。ああ、バレたら仕方がない」
ザッ!
ビシッと桑原に向かって敬礼する。
「三等陸尉、伊丹 耀司であります!一身上の都合により、現在自衛隊を休職中であります!・・・・・・多分、失踪でとっくに除籍されてると思いますが・・・・」
伊丹の発言にも桑原が驚く。
その背後では他の隊員達も驚く。
「自衛隊員なのか・・・・!?」
「一応・・・・でありますが・・・・・」
「伊丹、あなたはもうとっくに幻想郷の住人なんだから外の世界の身分とかにこだわる必要はないんじゃない?」
「そうだぜ。お前はとっくにわたしの弟子なんだしな」
「ううむ・・・とりあえずは本部に確認を取りながら引き返すとしよう。例のドラゴンがコダ村を襲うかもしれない・・・。良ければ一緒に行かないか?スペースに余裕はあるからな」
特に断る理由もなく、自衛隊に幻想郷防衛軍側は同行することにした。
「うげ・・・・気持ち悪い・・・」
「うぷっ・・・。もう勘弁だぜ・・・」
早々に乗り物酔いになってしまった霊夢と魔理沙は空を飛んで行くことにした。
伊丹は車に残り桑原と情報交換を行っている。
「深部偵察隊からの緊急報告です」
柳田が顔色を変えて狭間のところに来た。
「どうした?」
「はっ。ドラゴンと思わしき生物に襲撃されていた村に到着後、四名の人物に遭遇。一名は意識不明状態の現地の生存者ですが、残りの三名は第二ゲート勢力との事です!」
「なっ・・・接触したのか・・・・」
「使用している言語は間違いなく日本語であり、コミュニケーションには支障がないとの事です。なお、女性二名、男性一名。女性二名は未成年と思われるが男性一名は成人と」
「ううむ・・・。他には?」
「接触した人物の名前ですが、彼らがした自己紹介文をそのまま読み上げます。女性二名は一名が《楽園の素敵な巫女、博麗 霊夢》もう一名が《東洋の西洋魔術師、霧雨 魔理沙》残る男性一名ですが・・・」
「どうした?」
《伊丹 耀司、三等陸尉。休職中とのことです》
「なにっ!?自衛隊員だと!?」
「現在、彼の言っていたことが真実かどうかを所属していたと言う駐屯地に問い合わせ中ですが・・・」
「そうか・・・・。ううむ、複雑だな。第二ゲートの向こうの世界については?
「はい。第二ゲート側の向こうの世界の名前は《幻想郷》との事です」
「《幻想郷》か・・・・」
バタバタバタッ!ガチャッ!
「し、失礼します!第二ゲートに関する緊急報告です!!」
上官の部屋に名乗りも上げずに駆け込んで来る。
平時なら叱責ものだが第二ゲートに関する緊急報告という事もあり狭間は不問にした。
「し、失礼しました!」
柳田に報告書を渡して退室する隊員。
柳田は報告書に目を通していくがその目は次第に見開かれ汗を流し手は震えている。
「ほ、報告します。伊丹 耀司三等陸尉の記録がありました。全て彼の供述と一致しています。駐屯地の責任者が当時の彼の身辺上の事情を鑑みて特例で休職届を受理したとの事です」
「そうか・・・。その驚き様、他にもあるんだろう?」
「はっ。幻想郷に関して深部偵察隊からの追加報告です・・・」
「言ってくれ」
「幻想郷の人間は日本人との事です・・・・幻想郷は日本国内に存在すると・・・・」
「な、なんだとっ!?いや、他の地域にゲートが出現したとの報告は一切ないし、そもそも空を飛んだり吸血鬼の様な存在が日本の何処に・・・・」
「これによりますと、《博麗大結界》と呼ばれる巨大な結界に幻想郷全体が包まれ、一種の位相の異なる隔絶空間を構築しているらしいと・・・・」
「つ、続けてくれ・・・・」
「彼らは明治時代に結界を張り、それ以降結界内で暮らして来たそうです・・・」
報告が終わり、見れば狭間はデスクから胃薬を取り出しザラザラ大量に飲んでいた。
それを見て柳田もポケットから胃薬を鷲掴みで取り出すとボリボリと噛み砕き一気に飲み込んだ。
「お互い、次の健康診断が心配だな・・・・」
「えぇ・・・・」
医務局長
「大至急胃薬の追加発注だッ!」