GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:にょろ35106

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お久です、最近忙しくてなかなか時間が取れなかったです。

これからさらに忙しくなりそうな気がするのでタグに念の為に亀更新と不定期更新を追加しました。



それと47、48話を一部改変しました。
帝国を帝政に戻しピニャが新皇帝に改変しました。


博麗神社にて

博麗神社。

 

そこは人里から遠く離れ訪れる人は少ない。

 

守谷神社が幻想郷へ越してくるまでは幻想郷唯一の神社であったがより人里に近い場所に新たな神社が在るとなれば自然と人はそこに集まりだす。

 

結果、先代巫女の代から参拝客の少なかった博麗神社へ訪れる人は更に減り一ヶ月の間に知り合い以外の参拝客が一人も訪れないこともザラである。

 

現在の博麗神社の主人である霊夢ですら何の神を祀っているのか知らないのである。

 

妖怪に襲われる危険を考えれば足が遠のくのは自明の理。

 

少しでも参拝客を取り戻そうと祭り等の催し事を開催したりするがそれ以外の日には参拝客を見ることはない様な状態である。

 

異変解決の際に知り合った鬼やら妖怪やら天狗やら仙人やらが訪れる事は多々あり、時には入り浸る。

 

結果、別名・妖怪神社と呼ばれる様になった。

 

しかしそんな状態でも境内の掃除や自分で可能な修繕は怠らない。

 

先代巫女にみっちりと叩き込まれ最早生活習慣の一部となっている様な状態である。

 

怠けて体力が落ちて異変解決に失敗しましたなんて事になれば笑い話にもならない。

 

「おーい、霊夢ー」

 

魔理沙が訪れて来た。

 

「なぁ、今噂の正体不明の妖怪って知ってるか?」

 

「正体不明の妖怪?初耳ね。最近はあまり人里に行ってないし」

 

「まぁ、正体不明なだけあってみんないろんな噂してて尾ひれ付きまくってもうどれが最初の情報なのか分からなくなってる様な状態だけどな。まぁ、人間に危害を加えるどころか逆に助けてくれたってところは共通だから異変になるかどうかは分からないけどな」

 

「魔理沙、縁起でもないこと言わないでよ。異変なんて起きないに越した事はないんだから」

 

「まぁいいや。で、今夜伊丹達がここに泊まるんだっけ?」

 

「ええ。宴会の準備ももう整ってるわ」

 

「気のせいか?縁側でもうおっ始めてる奴がいる気がするんだが・・・・」

 

そう言いながら魔理沙は縁側で一人で酒盛りをしている鬼を見る。

 

「目の錯覚よ」

 

「いや、何処をどう見ても萃香だろあれ・・・・」

 

「・・・・・どこで聞きつけたのやら・・・・よ。まぁ、お酒なら萃香は好きなだけ出せるから問題ないけど。なんか、勇儀も聞きつけて来るらしいわよ。食材は持って来るって萃香が言ってたけど何を持ってるのやら」

 

噂をすれば何とやら、勇儀が両手に荷物を担ぎ上げた状態で境内に現れた。

 

「おー、勇儀ー」

 

酔った萃香が真っ先に声をかけた。

 

「萃香、もう飲んでるのかい?あたしも混ぜな」

 

「おー、飲め飲めー」

 

ずしんっ、と勇儀が担いでいた物を下ろす。

 

「よう霊夢、久しぶりだな」

 

「ええ、そうね。それで一体どんな大荷物を持って来たのよ?」

 

「ああ、まずはこっち。旧地獄の鬼の必需品、鬼殺しさ」

 

「ちょっとあんた、今日の参加者はほとんどが普通の人間よ?そんなの飲んだら一瞬で酔い潰れるわよ」

 

「まぁ、そこは気をつけるさね。んで、こっちが酒の肴になりそうな物を適当に、こっちは鍋料理用の具材の詰め合わせさ」

 

「詰め合わせ・・・。ちゃんと人間が食べられる物よね?」

 

「その点は心配ない、持ち出す前にさとりに半分以上減らされた。こんなの食べたら普通の人間は死にますよ?だって言われてな」

 

「・・・・・さとり、グッジョブ!」

 

「旧地獄でも珍しいキノコもあったんだけどねぇ・・・。残念だったよ」

 

「キノコ!?」

 

魔理沙が食いつく。

 

「なんでさとりなんかに見つかったんだよ!?」

 

「い、いやぁ、面目無・・・・ちょっと待ちな、なんであたしが魔理沙に怒られなきゃならないんだい?」

 

「魔理沙のビョーキよ」

 

「ああ、そう言えばそんな事以前聞いたっけな。まぁ、諦めな」

 

「うぐぐ、せ、せめて場所教えてくれ!今度取りに行く!」

 

必死に食らいつく魔理沙に勇儀は困った顔をした。

 

「おいおい、いいのか?旧地獄下層部だぞ?」

 

「問題ない!」

 

「はぁ〜、そこまで覚悟があるなら教えてやるよ。手伝わないけどな」

 

「構わないぜ」

 

魔理沙は詳しい話を聞くために酒盛りをする萃香のところに向かう勇儀に着いて行く。

 

その後ろ姿を見送る霊夢の耳に聞き覚えのある微かな音が聞こえた。

 

「あ、これ確かエンジンって奴の音だっけ?伊丹達着いたのね」

 

予想通り、しばらくして石段を登って来る一行の姿が見えた。

 

 

 

夜、人里周辺。

 

人里外周部にある無数の畑の上空に射命丸はいた。

 

にとりから借りた暗視機器で周囲を見回す。

 

あの後UMA?と思われる足跡を辿って来ていた。

 

しかしここまで辿っている間に本当にこれは足跡なのだろうかと疑問が出て来た。

 

端から端への間隔が誤差のない程に均等であり、なおかつ段差や障害物以外では一切途切れない一直線。

 

方向転換したと思われる場所に至っては長い物が横滑りした様な痕跡だったのだ。

 

その跡はここ人里の外周部とも言える畑近くまで来ていた。

 

しかし人里へ入るでもなく遠巻きにぐるっと回り込む様な形で続いている。

 

まるで人里を守っている様にも見える。

 

やがて射命丸の目に光学処理された獲物が見えた。

 

「チャンス!出来るだけ近付いて・・・!」

 

だがすぐに気付かれたのかそれはその場で旋回する。

 

「気付かれた!?こうなったら・・・・・!!」

 

すぐにカメラを構える。

 

同じくにとり製の夜間撮影特化カメラである。

 

パシャッ!パシャッ!パシャッ!パシャッ!

 

急降下で近付きながら一心不乱にシャッターを切る。

 

シャッターを切りながらスクープの事で頭が一杯の射命丸だったがその片隅では何処かで見た何かに似ている様か気がしていた。

 

噂では正体不明の妖怪の鼻と呼ばれていた物が射命丸を直線上の射程に捉えた。

 

ドンッ!

 

そんな音と共に超高速で一直線にそれは射命丸に直撃。

 

ピチュンッ!

 

射命丸は撃墜される。

 

これが弾幕ごっこであったなら残機とやらが一機減る程度で済んだだろうがそれなりの威力があった為射命丸は追跡を諦めその場を離脱。

 

撮影に成功した為当初の目的が果たされた事もあり、そのまま新聞発行の拠点に戻る。

 

既に椛が手伝いの準備をしていたがボロボロになった射命丸見て驚いていた。

 

ともあれ、その記事と写真は無事に朝刊のトップを飾ることが出来た。

 

人里以外でも博麗神社にもそれは配られる。

 

そして偶然それを見た自衛隊一行はこの異変に巻き込まれる事となった。

 

 




もう音で正体不明の存在の正体わかっちゃったよね?

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