GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり 作:にょろ35106
((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ピクピク
・・・・・・・・・・マジで?
コロコロコロ…
( Д ) ..._。..._。
様々な感想ありがとうございます。
返事を全く送れていませんが全て読ませていただいています。
相変わらず捏造設定全開の御都合主義ですがこれからもお付き合いください。
「うーん、動かないねぇ」
にとりの乗った車は渋滞にはまっていた。
「すみません、どうやら人身事故が発生した様で・・・」
運転手兼付き人の文科省の役人が機嫌を損ねない様に言う。
「事故じゃ仕方がないよ、気にしないで。でも、予定の時間まで後どれくらい?」
「十分です・・・。遅れると連絡を入れてありますから大丈夫だとは思いますが・・・」
「目的地はあそこに見える建物の敷地内なんだよね?」
「ええ」
「じゃあ、私は飛んでいくから後から追いかけて来てよ」
「ええ、わかり・・・・え?」
ガチャっとにとりはドアを開け道路に出る。
「うひゃー、こうして見ると本当に混んでるねー。自動車って便利だけどこうなるとただの金属の塊状態だよ」
「か、河城さん!危険です!」
「あー、大丈夫大丈夫。でもここは少し狭いかな?上に乗らせてもらうね?」
そう言うと戸惑う役人を尻目ににとりは車の屋根によじ登ってしまう。
流石の役人も車から降りて車内に戻る様に促す。
この時、中国の工作員達がにとりを拉致しようと周囲を人混みに紛れて囲んでいた。
この事故も工作員がにとり拉致の為に引き起こした事故であった。
後は催涙ガスを周囲に撒き混乱に乗じてにとりを攫うだけであった。
しかしここで急に拉致対象が車から降りて屋根によじ登ってしまった。
運転手も降りてしまい、周囲の通行人や周囲の車のドライバーや同乗者からの注目を浴びている。
工作員のリーダーは作戦決行のゴーサインを出せない状態でいる。
拉致対象が目立ち過ぎている。
「にとりさんお願いします。何をするのか分かりませんけど、危険ですから・・・」
「システムはオールオッケーっと。じゃあ、先に行ってるよー」
にとりがそう言うと背中に背負っていたリュックからポールの様なものが飛び出した。
役人が戸惑い周囲の通行人や工作員達が何事かと思っているとそのポールからブレードが飛び出し回転を始めた。
回転はすぐに高速になり、そのままにとりの体を空中に浮かび上がらせる。
「じゃーね、先行ってるよ。あ、でもこのままじゃ目立っちゃうよね」
もう十分目立っていますと役人は心の中でツッコミを入れた。
「じゃあ、目的地まで光学迷彩スーツをオンにしていくから安心しててよ」
そう言い残しにとりは飛行を始めそのまま透明になった。
遠ざかっていくプロペラ音を聞きながら役人、通行人、工作員はポカンとするしかなかった。
少しして工作員のリーダーは作戦の失敗を力なく報告するしかなかった。
拉致対象が宙に浮かび透明になって去って行きましたと報告をした。
だが本国からは「お前寝ぼけてるのか?粛清だ」と返答が来て粛清命令を受けた他の工作員に頭を撃ち抜かれ処刑される運命となる。
都内の貸しイベント会場に各企業から応募し国から許可を得たエンジニアの集団がその会場にいた。
敷地の周囲は警察が、内側は自衛隊が警備を行なっている物々しさ。
「松上さん、幻想郷の頭脳集団の一人が来るって話ですがどんな人が来ると思います?」
「SOMYさん、人じゃなくて河童らしいですよ」
「ああ、そうでした。河童と言うと水辺に住んでて頭に皿があるイメージですよね?」
「ええ、しかし渋滞に巻き込まれて遅くなると連絡があったみたいですがまだでしょうかねぇ?」
そんな中、プルルルルルルルッと奇妙な音が近付いてきた。
参加者達は辺りを見回す。
「やぁやぁ、遅くなってしまってごめんごめん」
光学迷彩スーツの機能をオフにし姿を現わすにとり。
背中に背負ったリュックから伸びたプロペラで空中に浮いていた。
「あまりにも渋滞ってのが凄くて進めそうになかったから先に飛んで来たよ」
地上に足を着け、プロペラを折り畳みエンジニア達の前に立つにとり。
「こ、こんなに小さい子が・・・?」
「いや、河童だって言うから・・・ほら、昨日のテレビでやってた国会中継の様に私達よりずっと年上かもしれない。外見で判断はできない」
「あ、ああ、確かにそうだ。えーと・・・」
「ああ、にとりでいいよ?」
「わ、わかった・・・・。じゃ、じゃあ、にとり。先程突然姿を現したのは、何か妖怪としての力かな?」
「ううん、違うよ。河童に出来るのは水を自在に操る程度だよ」
ザワザワとエンジニア達が騒めく。
「水を自在に操るだけでもすごいのに、程度って・・・」
「水を自在に操れれば水を使用する作業に有利だ・・・」
等率直な感想が出て来る。
「さっき私が姿を消してたのはこの光学迷彩スーツの機能だよ。河童はみんなこのスーツを着てるんだ」
「こっ、光学迷彩!?」
あまりのハイテクぶりに思わず声が上ずるエンジニア。
「今、光学迷彩って・・・・」
「普通の服にみえるのに・・・・。そもそも、スーツの機能であの機械を含めて何も覆っていない顔や手を不可視化・・・・空間の光を屈折させてるとしか思えない・・・!」
「米国・・・いや、どこの国でもこんな風に透明になる物は・・・」
「いや、しかし本当にこのスーツだけで?」
この発言ににとりが反応する。
「やっぱ最初はそう思うよね?だから・・・・ジャーンッ!もう一着あるんだよ。流石にあげる事は出来ないけど誰か試してみる?」
この提案に食い付かなければそれはエンジニアではない。
事実、にとりの発言の直後に全員が試してみたいと立候補する。
結局、順番で試す事になったが本当に透明になると本人も周囲も大興奮に陥った。
試した後はにとりに質問が殺到する。
その答えにエンジニア達は
「まさかそんな物質が存在するとは!?」と未知の物質の存在に興奮したり、
「こんな小型の端末で制御してるなんて!」と光学迷彩システムの制御装置の説明で衝撃を受けたり、
この質問に対する答えだけで応用は光学迷彩以外にも効く予感を感じさせエンジニア達は技術的ブレイクスルーの予感を感じた。
にとりの使っていた飛行機械も注目の的で同じくいくつもの質問が来た。
他の質問では河童は物質転送装置を開発済みであり無機物はもちろん人間も転送可能だと知らされ衝撃を受ける。
更には既に量子コンピュータの開発に成功しており、そのポータブル端末を使用させてもらったエンジニア達は歓声をあげた。
「今度はこっちから質問いいかな?」
にとりからの問いかけにエンジニア達は緊張する。
幻想郷頭脳集団の河童代表からの質問だ。
何を聞かれるのかと緊張しないわけがない。
「こっちの世界のエンジニアの君達にとっての障害って何?」
技術系の質問が来るかと思ったエンジニア達は拍子抜けすると同時ににとりの言いたい事をなんとなく理解した。
「やはり、産業スパイやコンピューターネットワークからのの侵入・・・ですね」
今やエンジニア達は河童の技術力に高さに敬意を抱きにとりに対しても自然と敬語になっている。
産業スパイ、特に国外からのスパイだ。
それがにとりが一番聞きたいものだと思ったのはここにいるエンジニア達の人数だ。
にとりに当初知らされていた人数の半分以下の人数のエンジニアしかここにはいないのだ。
昨日、さとりが人の心を読めると証明されている。
そこで政府がさとりに協力を要請し技術交流会の参加者達と入場前の所持品検査と同時にさとりにリーディングをして貰った。
結果、参加者の半分以上が国外の企業や外国政府が送り込んだ産業スパイであると判明。
しかし現状の日本の法律では罰せられず、参加不許可を伝える。
当然だが反発が出たがさとりが自ら彼らの前に姿を見せると我先にと逃げ出した。
一緒に来た同僚がスパイだったと知らされショックを受けていたエンジニアもいた。
なお、この知らせを受けた内閣は昨日の偽幸原のスパイ事案もあり、早急にスパイ防止法の成立を目指さなければならないと実感する。
「コンピューターネットワークでの侵入は目に見えませんから、やはり重要なデータはスタンドアロン端末で使用するしか・・・」
「製品作成の作業用機械に侵入されて部分的なデータを盗まれることもやはり・・・・」
「部分委託している子会社のコンピューターに侵入された事件もあります」
「でもそれって、えーと・・・・会社名忘れちゃったけどあめりか?って所の会社のOS使ってるからだよね?確か世界シェアNo.1なんだっけ?」
世界中で使用されているからこそ侵入脆弱性を悪用される。
開発者が使用するOSは異なるOSだがやはりそれも世界中で使用されている上にオープンコード。
日本で独自OSを開発しようとする動きもあったが頓挫している。
「そこで幻想郷の河童一同から同じエンジニアの志を持つ外界のエンジニアのあなた達にプレゼント!」
にとりは一枚のディスクの入ったケースを掲げる。
「河童謹製のOS、その名もKAPPA-OS!あ、ちゃんとこっちのパソコンで動く事は確認済みだよ。ライセンスフリー、コピーしたければコピーして使ってもいいよ。あ、互換性なら気にしないで。盟友・・・あ、幻想郷に迷い込んで来た伊丹の事だけど、伊丹もこのOSの入ったパソコンでインターネットに接続して外界の蒸気?ってところからパソコンゲーム買ってよく遊んでるけど問題が出たなんて一度も聞いた事ないから。誰か試してみる?」
その提案に一人のエンジニアが自身の会社のノートパソコンを提供、重要データをUSBメモリに退避させた後OSをクリーンインストールした。
インストールはすぐに終わりOSが起動する。
河童のイラストが数秒だけ表示され画面が現れる。
ネットの回線にも普通に繋がり、試しにと危険なサイトにアクセスするとウィルスも弾いた。
操作性は快調でいくつかのアプリケーションがデスクトップに表示されている。
「侵入に対する対策は?」
操作しているエンジニアがにとりに聞く。
「攻性防壁。人のパソコンに侵入する悪い奴のパソコンなんか壊しちゃえばいいんだし。あ、ちゃんと正規ルートでのリモートアクセス機能もあるから安心していいよ。ついでにプログラミング言語は日本語だから同じ日本語を使うあなた達なら改良とかもすぐにできるようになると思うよ。一通りの使い方とかは中にヘルプ機能があるからそっち見てよ」
エンジニア達は提供されたOSの挙動を確認しながら歓声を上げる。
「すごい技術力だ!」
誰かは分からないがエンジニアの一人が大きく声を上げる。
にとりはその場から少し離れて空を見上げる。
そこには薄っすらと姿を見せる月。
幻想郷で見る月も外界で見る月も同じだ。
「すごい技術力・・・・か。でも、河童の技術力は月の連中の足元にも及ばないんだけどね・・・・」
にとりの呟きは興奮状態のエンジニア達の耳には届く事はなかった。
なお、KAPPA-OSの汎用性は異様に高く、おまけにライセンスフリーでデフォルトで人工知能型アンチウィルス機能と攻性防壁付き。
現状のアプリケーション等も問題なく動き、次第に日本国内の個人用PCにまで普及して行く事となる。
なお、普及後に人工知能の画面表示方法が判明しネット民が外観を変更することに成功。
毎年の様に人工知能たんは俺の嫁コンテストが行われるようになりそれを見たにとりが大爆笑したとか。
スパイ防止法は現実世界でも必要だと思う。
河童の物質転送装置は東方二次創作の某ローグライクゲームより。
量子コンピューターは捏造設定だが核融合と同じく人類の夢だから幻想郷で先に河童達が開発しててもおかしくはないと思う。
河童だから人工知能実用化しててもおかしくない。