GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:にょろ35106

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何となく「あれ?”炎”龍ってことは他の龍もいるのかな?そうじゃなきゃただの龍だし・・・・」と思いwiki見てたらいましたよマジで。
しかもハーディが絡んでて炎龍と番で卵も生まれてて新生龍ってのがそうだときた。
うん、利用しない術はないと一時間ほど妄想のままに打ち込みました。
日本出発編を楽しみにしていた方すんません!
でもこのネタはやるなら早い方がいいと思い急遽投稿しました。


ジゼルの口調とか水龍の事とかはすべて作者の想像で書きました。
手元に資料がないので・・・・。


「炎龍って言うぐらいだから逆の水龍ってのもいたりして。え?いる?マジで・・・・?」by伊丹

話は少しさかのぼり、イタリカから戻ってきてすぐの事。

 

 

 

なんとなくレレィに話を振ってみたら本当にいると返ってきた。

 

「うわぁ〜、絶対遭遇したくねぇ〜・・・」

 

炎龍は炎を吐いたから水龍は水を吐くのだろうか?

 

もしかしたら土龍とか空龍ってのもいるのか?

 

と、伊丹は想像した。

 

 

水龍の巣穴。

 

洞窟の奥にその水龍はいる。

 

ハーディから神託を受け、定期的に様子を見に来ているハーディ信徒の亜神ジゼル。

 

炎龍が随分前に倒されたと知り大慌てでこの水龍の巣へ来た。

 

「さ、さみぃ・・・・なんでこんなにさみぃんだ・・・・」

 

巣穴へ続く洞窟の中は何故か異常に寒い。

 

外の方が暖かいぐらいだ。

 

ようやく巣が見えて来た。

 

「は?」

 

思わず呟く。

 

そこにはカチコチに凍りついた巨大な水龍の姿があった。

 

そしてその凍りついた水龍の頭の上に動く小さな影。

 

灯りをその方向へ向けると水色の髪をした小柄すぎる少女が仁王立ちしている。

 

「やっぱあたいってさいきょーね!」

 

冷気を操る妖精チルノの姿がそこにあった。

 

そう、水は凍る。

 

冷気を操りちょこまかと動き回るチルノに対しどうしても動きが大振りになる水龍はあっという間に氷漬けになってしまったのだ。

 

 

ジゼルは卵をとにかく確保しようとするが目の前の地面が急に凍り、ジゼル自身の足も凍り付き動かせなくなる。

 

「お前、さいきょーか!?」

 

チルノがジゼルの前に降り立つ。

 

放たれる冷気でジゼルの体の感覚が無くなって行く。

 

「た、たまご・・・」

 

寒さで口もかじかむ。

 

「卵?あれが欲しいのか?」

 

コクコクと頷くジゼル。

 

「だめ!あれは大ちゃんと目玉焼きにして食べるんだからあげない!」

 

チルノはさっさと二つの卵を風呂敷に包むとジゼルを放って飛び去ってしまった。

 

ピシッ!

 

そんなジゼルの目の前でピシピシと水龍の氷に亀裂が入る。

 

「さ、さすがは古代龍・・・!さぁっ、あの小娘を追えっ・・・・!!」

 

と感心し水龍に命じたが亀裂は水龍本体にも入り、水龍もろとも崩れ去ってしまった。

 

「あああああっ!?」

 

崩壊した水龍の身体が雪崩のようにジゼルに襲いかかる。

 

崩れた所は凍りついているためジゼルの身体をズタズタに切り裂く。

 

 

 

 

 

「どーだ!でっかい卵だ!」

 

紅魔館にて伊丹はチルノが持って来た卵を目の前にしていた。

 

「うん、でかいね。で、なんの卵?」

 

「わかんない!でっかいトカゲだった!」

 

「で、どうしろと?」

 

「目玉焼き!大ちゃんの分も作って!」

 

「はぁ〜」と、伊丹はため息をつく。

 

そもそもトカゲの卵って食べられるのか?

 

って言うか、大きなトカゲってドラゴンじゃないのか?

 

しかしチルノに難しい話は通用しない。

 

だって⑨だから。

 

「まずはトカゲの卵が食えるかどうかだな。パチュリーさんの所に料理本あるのかなぁ?」

 

10分後、地下図書館。

 

「マジであったよ・・・」

 

小悪魔に聞いたらすぐに持って来てくれた。

 

世界の卵料理と書かれた本。

 

トカゲの卵も食えなくはないらしい。

 

「仕方ない、作るか・・・」

 

パチュリーに本の貸し出しを頼み咲夜に厨房の一角を借りる。

 

「ってか、これ無精卵か?それとも有精卵か?もしそうなら中身入ってるんじゃ・・・・・」

 

触って撫でてみると何やら中で動いている気配。

 

「孵化寸前か!?」

 

ピシッと一つの卵に亀裂が入る。

 

少し遅れてもう一つの卵にも亀裂が。

 

伊丹が唖然としている中、卵の中の龍は殻を破り姿を見せる。

 

「クルルルルルルッ」

 

小さな声で鳴く赤ちゃんドラゴン。

 

すっと目が開き、最初に伊丹を見た。

 

そう、二匹とも最初に伊丹を見た。

 

刷り込みというものがある。

 

一部の動物が最初に見た物を親だと思いこむ習性だ。

 

「キュルキュルキュルキュルッ」

 

二匹の赤ちゃんドラゴンは伊丹を親だと思い懐いてしまっている。

 

 

 

 

「あたいの目玉焼きどこ!?」

 

「えーとね、卵孵っちゃったからこの二匹」

 

「そんなの食べらんない!目玉焼き食べたい!」

 

しばらくのちに騒ぎを聞きつけたレミリアが咲夜に命じてチルノと大妖精に満足行くまで卵料理を御馳走することで騒ぎは収まった。

 

「災難だったわね、伊丹。ところでこの二匹はどうするのかしら?」

 

「野生のドラゴンの生態なんてわからないですし、このまま野生に返しても自力で生きていけるか分かりませんし仕方がないので世話をしようかと」

 

「そう。じゃあ庭の一角にその子達用の小屋でも建てさせましょう。名前はもう決めたの?」

 

「ええ、タマにポチです」

 

「・・・・そ、そう・・・・いい名前ね・・・・」

 

実は密かに名付け親になりたいようなレミリアお嬢様であった。

 

 

「さて、明日は日本行きだし早めにレミリアさんに貰った資料に目を通さないと・・・・」

 

 

 




出発編を楽しみにしていた読者の方マジすんませんでした!
時系列的には前話のイタリカから帰ってきてレレィが伊丹の部屋でパチュリーの魔道書を読みふけっているシーンの間の出来事だと思ってください。



ハーディの手先になって自衛隊に退治される筈だった新生龍二匹を幻想郷側にしちゃいました。

新生龍の生態なんかも分からないのでご都合主義の捏造設定です。

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