GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:にょろ35106

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今回はかなり短いですがお付き合いください。


一時の休息(主に作者的に)

 

聖輦船に乗り込む一行。

 

自衛隊の車両はワイヤーを使って聖輦船から吊り下げる事にし自衛隊一行も聖輦船に乗り込む。

 

ピニャ達も乗り込み、アンカーを引き上げる。

 

聖輦船のすぐ側には見送りに来た百人を超えるイタリカの住民達がいる。

 

「聖様ー!また来てくれますかー!?」

 

「聖様!またあの有難いお話を聞かせてください!」

 

「いつか命蓮寺に行ってもいいですかー!?」

 

見送りの住民のほぼ全てが聖に向かって声をかけている。

 

聖もその声に答えるように彼等に向かって返事をしている。

 

イタリカ・・・・後にこの異界において一大宗教となる仏教が初めて伝わった土地として後世の仏教徒の聖地となったとか。

 

 

 

地上を離れ、聖輦船がアルヌスの丘へ進路を取る。

 

後部甲板で小柄な少女・・・・椛が小さな扇の様なもの・・・天狗の団扇で帆に風を送るのを見るピニャとボーゼス。

 

この様な小さな物で船を進ませる風を発生させているのを神の奇跡を見る様な感じで二人は見ていた。

 

 

 

短い時間でアルヌスの丘に到着したのを驚くピニャ達だが地上から聞こえる轟音に更に驚く。

 

戦闘訓練を行っている自衛隊の戦車隊や歩兵の戦闘方法をレレィから解説を受けるピニャは幻想郷も含め何故この様な二大勢力が帝国に攻めて来たのかと呟いてしまった。

 

「あら、あなた達が攻め込んで来たから彼等も私達も自衛の為にこちらに来たのよ?自分達だけが攻め込んでいいだなんて、自分勝手過ぎるのにも程があるのではなくて?」

 

飲み物を給仕していた咲夜がハッキリと言う。

 

その咲夜の一言にピニャは反論できない。

 

「帝国はグリフォンの尾と古代龍の尾を同時に踏んだ。こうなるのは必然」

 

レレィもまたハッキリと帝国が過ちを犯したと指摘した。

 

「そうです!撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけです!」

 

早苗がここぞとばかりにとあるロボットアニメの有名なセリフを叫んだ。

 

 

 

自衛隊一行を基地の手前で降ろし、聖輦船は紅魔館の脇に日当たりの邪魔にならない様に着地した。

 

自衛隊側からの要望でピニャとボーゼスは自衛隊側に同行する事となった。

 

なにやら伊丹に同行したがったが自衛隊側から重要な話をしたいと言われ渋々そこで別行動をするしかないと理解し二人は自衛隊基地に入って行った。

 

 

 

「ロゥリィ・マーキュリーさん?」

 

紫がロゥリィに声をかける。

 

「あらぁ・・・あなたはたしかぁ・・・・」

 

「ええ、こちらでは幻想郷の代表をさせて頂いている八雲紫です。どうぞ紫とお呼びください」

 

「わかったわぁ。それでぇ、その紫さんがどんな用事かしらぁ?」

 

「うふふ、お互いの為となるお話です。私達幻想郷と、あなたが仕えるエムロイと言う名の神様と・・・・ね」

 

「それは興味あるわぁ・・・・」

 

ロゥリィは紫と共に紅魔館内の応接間に消えて行った。

 

 

 

 

 

「この本、凄く興味深い」

 

レレィが地下の大図書館から借りて来た魔道書を読み更けっている。

 

「あの、レレィさん?ここ、俺の部屋なんですけど・・・」

 

「大丈夫」

 

(何が!?)と思いつつもこの会話を何度も繰り返していたので伊丹が折れる形となった。

 

伊丹自身もレミリアから渡された現状の報告書の様なものを読んでいた。

 

(紫さん、暗躍しすぎ!?)

 

異界だけでなく日本で行った紫の行動も記載されている。

 

(これで全部じゃないんだろうけどな・・・・・)

 

あの八雲紫が全て知らせているとは思えない。

 

主に面白いと言う理由で一部の情報を意図的に隠しているのは簡単に想像できる。

 

「っと、もうこんな時間か・・・・?」

 

時計を見ればもう夜中。

 

「レレィは・・・・寝ちゃってるか。俺も風呂入って寝るかぁ」

 

部屋を出て紅魔館内の客人用浴室へ向かう。

 

先客がいないことを確認し着ているものを脱ぎ熱過ぎずぬる過ぎない適温に保たれている浴槽に肩まで浸かる。

 

「明日は数年ぶりの日本かぁ・・・。幻想郷に迷い込んでから色々あったなぁ・・・・」

 

今までの事をゆっくりと思い返していた。

 

・・・・・。

 

・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・。

 

「ぷはっ!?」

 

息苦しさに顔を上げる。

 

「やばっ、風呂で眠っちまってた・・・」

 

指を見るとかなりふやけている。

 

相当風呂に浸かっていたらしい。

 

風呂から上がり体を拭いて再び服を着る、部屋に戻る。

 

「どんな状況よ、これ・・・・」

 

ベッドの上にはレレィが眠っている。

 

うん、ここまでは部屋を出た時のままだ。

 

問題は人数が増えている。

 

「なんでフランちゃんと橙ちゃんが俺のベッドでレレィと寝てるんだ・・・・。こんなとこ見られたら事案発生扱い確定だぞ・・・・」

 

即座にドアを閉めて咲夜を探し回り、代わりの部屋を用意してもらい事なきを得たが何故か翌朝三人の機嫌が少し悪かった。

 

橙とフランは伊丹にこの異界の街の話を聞きたかったらしく後日話をしてあげることで取引が成立した。

 

何故レレィの機嫌も悪かったのかは伊丹には理解出来なかった。

 

機嫌といえばロゥリィはやけに上機嫌だった。

 

聞けば紫と話をしていたらしいが詳しい事はまだ秘密だと言われた。

 

 

そして日本に行く面々が次々に紅魔館の前に集まりだす。

 

迎えに来た自衛隊一行にとっても初めて見る顔が多い。

 

 




いよいよ次回、日本に行くメンバーが集まります。

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