GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:にょろ35106

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遂にピニャさんも登場します。


作者は漫画版のピニャさんが好きです。



お気に入り190件突破・・・・ぐはっ(吐血)


ピニャさん初登場

 

 

side:中国

 

「全く忌々しい。門が日本に開いただけでなく、幻想郷なる異界の様なものまで存在するだと・・・・。その様なものは我が中国こそがふさわしいと思わんか?」

 

薹 徳愁国家主席は忌々しげに日本政府の記者会見の報告書を読み終える。

 

「全くその通りです」

 

イエスマンの秘書が同意する。

 

「党をあげて国内の自称を含めた仙人という仙人、道士という道士を掻き集め幻想郷と同じ様な結界を作らせろ。拷問しても死んでも構わん」

 

「わかりました、すぐに手配します」

 

だがこの行為は修行中を含めた本物の仙人や道士を見つけることすら出来ず、売名目的で仙人や道士を名乗っていたインチキ仙人やインチキ道士が拷問の末に大量死する結末で終わった。

 

だが中国共産党の隠蔽で全てはなかった事にされる。

 

 

side:out

 

 

 

 

太陽が顔を出して数時間が経っていた。

 

ブロロロロロロロッ・・・・・。

 

「よく生きてましたね、俺たち」

 

「うん、そだねー」

 

「炎龍、ボロ雑巾になってましたもんね」

 

「うん、そだねー」

 

倉田の話しかけに少し魂が抜けた様な返事をする伊丹。

 

後ろに目をやると金髪エルフ・・・後にテュカと名乗る・・・が寝ていた。

 

炎龍の目を狙えと言った直後に岩で車体がバウンドし頭をぶつけ昏倒し今に至っていた。

 

エルフにたんこぶが出来ているというシュールな光景だ。

 

その横には疲れて眠っているお空。

 

相変わらずお空の翼が金髪エルフの顔に被さったりしている。

 

自衛隊車列の後ろには炎龍襲撃で両親を失ったり避難していたものの頼る先のない人々だ。

 

ほとんどの避難民とは炎龍撃滅後の犠牲者の弔い後に別れた。

 

 

 

あの時。

 

自衛隊車両は一直線に勇儀が全力で掘った穴に突っ込み勇儀が突入口を内側から岩で塞いだ。

 

無論それだけでは不十分だ。

 

賭けはお空が制御を放棄してから爆発が起こるまでのわずかな時間だった。

 

お空に霊符の反応を目印に急降下する核反応制御不能ダイブしてもらい着地と同時に反転し核熱バイザーを展開しあの灼熱地獄を乗り越えた。

 

避難壕内は滅茶苦茶暑くなったが・・・・。

 

避難民達は神奈子が複数のオンバシラを出して障壁にし、更に霊夢の二重結界を神奈子と諏訪子と早苗が霊力を霊夢に供給することにより広範囲展開し乗り切った。

 

自衛隊一行が穴から出て見たものはクレーターと一部ガラス化した大地、そしてボロ雑巾の様になった原型を留めない炎龍の死体だった。

 

辛うじて一部の鱗が残っており、それで炎龍と分かった程。

 

炎龍を滅ぼした地上に現れた太陽を見た避難民達はお空の事を《オクー様》と呼び慕っていた。

 

ロゥリィ曰く、どうも新しい神だと思われているとか。

 

守矢勢だがオンバシラによる防御壁などを作って避難民を守った結果、お空には及ばないが霊夢と共に信仰心の確保に成功。

 

この爆心地・・・・後に特地グラウンド・ゼロと自衛隊が命名・・・・に博麗と守矢の分社を作るらしい。

 

懸念されていた放射線量だが調査隊が所持していたガイガーカウンターを使用した結果、自然放射線レベルで核汚染は見られないとの事だった。

 

 

 

「安請け合いしちゃったかなー。でも、あそこで見捨てて行くなんて無理だしなぁ・・・」

 

伊丹がぼやく。

 

紫に避難民がいたら連れて来てもいいとは一言も言われていない。

 

「まぁ、紫さんに土下座でもなんでもしてOK貰わないとな・・・」

 

「伊丹さん、自分からも上官に掛け合ってみます。伊丹さんの行動は人として当然の行動ですよ」

 

隊長の桑原が伊丹に敬意を示し敬礼する。

 

「ちょ、やめてくださいよ、自衛隊の階級としては自分は隊長さんより下なんですから」

 

「ですが、今は民間人ですよ」

 

桑原が笑いながら言う。

 

「ん?ヘリが飛んでくる・・・?」

 

「昨夜の爆発の光とか音が届いたのかもしれません。その調査かと。栗林、無線で連絡をとってみろ」

 

「了解。上空を飛行中のヘリへ。こちら特地深部調査派遣隊、応答求む」

 

ヘリとのやりとりの結果、やはりアルヌス駐屯地から光が見え、核爆発かどうかの調査を日本政府より支持されたと判明。

 

こちらの事情を説明し放射線量は自然放射線レベルと伝える。

 

 

 

自衛隊アルヌス駐屯地。

 

「だ、誰が連れて来ていいと言った!?」

 

こめかみをピクピクさせながら桑原を叱責する柳田。

 

「はっ!しかし、行く当てもない避難民を置き去りにする事はとても出来ませんでした!」

 

柳田の頭の中では後に拉致されたとか強制連行されたとか言い出されたらどうすると言う考えがあった。

 

良くも悪くも、戦後の自虐史観教育を受けた者の悲しい性であった。

 

 

 

幻想郷アルヌスの丘紅魔館。

 

「あら、いいわよ?」

 

紫があっさりと許可を出しながらレミリアとのケーキとティータイムを楽しむ。

 

「へ?」

 

紫が怒ると思っていた伊丹には拍子抜けであった。

 

椅子を勧められた伊丹にも咲夜が紅茶とケーキを出す。

 

「伊丹、幻想郷は全てを受け入れるのよ?それが幻想郷を滅ぼす意志を持っていない限りは」

 

とは言っても・・・と紫は続ける。

 

「無理に幻想郷へ連れて行くのは不本意ね。自衛隊の方でも受け入れるかどうか考えてるんでしょ?だったら・・・・」

 

紫は手紙を書くとスキマを開いてそれを自衛隊側の指揮官である狭間の目の前に置いた。

 

突如スキマが開いてにゅっと手紙を持った手が現れた時には狭間の心臓が止まりかけたが。

 

自衛隊アルヌス駐屯地と紅魔館の中間地点に避難民の受け入れ施設が作られる事に決まったのはそれからすぐの事だった。

 

 

 

避難民初の異世界の食事タイム。

 

自衛隊側と幻想郷側が食料を提供している。

 

「んまーい!このパン!モチモチ!モッチモチじゃぁーっ!」

 

「お師匠、もう少し静かに食べて欲しい。でも、すごく美味しい」

 

「ほんとぅねぇ。こっちの“オハギ”と言うのも、甘くて美味しいわぁ」

 

パン自体は食べ慣れていたがおはぎは未知の食べ物であり、その甘さに驚く。

 

 

 

ロゥリィは幻想郷と伊丹に興味津々であり、レレィは自衛隊の近代装備と幻想郷の見たことも聞いたこともない魔法とも違う力に興味津々、そしてようやくたんこぶの消えたテュカは父親の幻覚を見ているかのように振る舞う。

 

 

なお、レレィの師であるカトーは魔法使いである事から紅魔館の地下図書館の主人パチュリーに招かれその蔵書量に驚愕。

 

世界は違えど同じ魔法使い同士、意気投合しカトーは紅魔館の地下図書館近くに部屋を与えられほとんど図書館に入り浸り異世界の文字を学習していた。

 

 

 

 

どこかの街、酒場。

 

帝国の皇女ピニャ・コ・ラーダは部下の騎士ノーマ他数名と情報収集でその場末の酒場を訪れていた。

 

その酒場で酔った客達がある話で盛り上がっていた。

 

「炎龍を倒したぁっ!?」

 

「ああ、そうとも!ありゃあ凄かったねぇ!」

 

「おいおい、さすがに冗談だろ?大型のワイバーンと見間違えたんじゃねぇか?」

 

「ま、そりゃそうだな。はははは!」

 

「本当に炎龍を倒したんだって!ったく、誰も信じちゃくんないよ」

 

ぼやくウェイトレス。

 

「その話、もっと聞きたい」

 

「おや?騎士様は信じてくれるのかい?」

 

「ああ、信じてもいい。だからもっと詳しい話を頼む」

 

「どおしようかねぇ。あたしも今仕事中だし・・・」

 

「これでどうだ?」

 

金貨を見せるピニャ。

 

「しょ、しょうがないねぇ!」

 

ひったくる様に金貨を手にすると「コホン」と咳払いをする。

 

「まず、ニホンとか言うところから来たって言う緑の人とゲンソーキョーって言うところから来たって言う神様と神官様達があたし達の村に炎龍が出たって知らせてくれたんだ。当然村を捨てて全員で逃げてた。その最中さ、炎龍が出たのは」

 

「それで?」

 

「もうあたし達は必死になって逃げたね。でも、何人かは炎龍に喰われちまったり焼き殺されちまったり。必死になって神様に祈っても無駄だと思ったさ。でも、緑の人とゲンソーキョーの神様と神官様達は炎龍に立ち向かった。最初に炎龍に手傷を負わせたのが鉄の逸物さね」

 

「鉄の逸物?」

 

聞き慣れない言葉にピニャ達はもちろん酒場の客達も興味津々だ。

 

「たぶん魔道具の一種じゃないかと思うよ。緑の人が『コウホウノアゼンカクニ』って呪文を唱えるとその鉄の逸物から魔法が飛び出して炎龍の顔面で爆発したのさ」

 

「じゃあ、ゲンソーキョーって言うのは?」

 

「まぁまぁ、ここからだよ盛り上がるのは。突然、空から巨大な大木が降って来たんだ。本当に巨大でね、炎龍の炎にも耐え、炎龍に直撃して炎龍がフラつく程にね。カナコって神様が出したオンバシラって言う大木さ。本当に助かったよ。なんせ炎龍の炎でも燃えなくてね、あたし達はそのオンバシラからオンバシラへと身を隠しながら逃げたのさ。途中でスワコって神様が雨を降らしてくれたおかげで水にも助かったね。そして日も沈んだ時に、オクー様が太陽を作り出して炎龍を焼き殺したのさ」

 

「オクー様?太陽を作った?」

 

「ゲンソーキョーから来た太陽の神様さ。何でも、カクユーゴーって力で小さな太陽を作り上げたって言うのさ。物凄い大爆発が起きてね。一部じゃ地面まで溶けて固まっちまったのさ。その爆発の後には炎龍がズタボロになって死んでいたってわけさ」

 

ゴトリとウェイトレスが何かを置いた。

 

「死んだ炎龍の鱗の一部、あたしの宝さ」

 

真っ赤な鱗の欠片、それは一部が溶けていた。

 

周囲がざわめく。

 

「これを譲ってはくれないだろうか?」

 

ピニャが持ちかける。

 

「え?困るよ、さっきも言ったろ?あたしの宝だって」

 

「無論、ただでとは言わない。金貨5・・・いや、10枚出そう!」

 

「じゅ、10枚!?本当かい!?」

 

「ああ、ツケでとかではない。今この場で払おう」

 

じゃらっ。

 

「ほ、他ならぬ騎士様の頼みだし・・・・分かった!譲るよ!」

 

「ありがとう!じゃあ、金貨10枚だ」

 

「た、確かに10枚!毎度あり!」

 

上機嫌で10枚の金貨を大事に抱えてテーブルを去るウェイトレス。

 

「ひ、姫様!まさかあんな与太話を本気に・・・・?」

 

「まさか。流石に炎龍は盛っていると思うが・・・なぁ、ノーマ。たとえ突然変異の翼竜だとしても、鱗をこの様に溶かせるものか・・・・?」

 

「そ、それは・・・」

 

「ニホンとゲンソーキョー・・・帝国最大の危機かもしれん・・・」

 

ピニャは溶けた炎龍の鱗の欠片を睨みながら呟いた。

 

 

 

 

 

おまけの駄文

 

 

もしこの作品世界に転生者がいてその転生者の反応

 

 

この世界に転生して早数年。

 

チートすらない一般人として転生した。

 

ニュースで北条総理、ディレル大統領という名前を見て「あ、この世界GATEの世界だ」と直感した。

 

出来るだけ銀座に近付かないように気をつけていたらやっぱり銀座事件が起こった。

 

しかしGATE主人公にして銀座事件での英雄伊丹耀司がいなかった。

 

少しだけがっかりしつつも普段通り生活を続けある日テレビを見てたら特地に別のゲートがあるとか言う記者会見をやっていた。

 

んで、嘉納さんの口から信じられない言葉が発せられた。

 

“幻想郷”・・・東方projectの弾幕シューティングゲームの舞台となる博麗大結界に閉ざされた世界。

 

もう一つのゲートはそこに繋がっているという。

 

思わず「は?」と呟いた。

 

しかも映像で美鈴が岩を砕くシーンが流されたり八雲紫という名前もちゃんと出て来た。

 

後ろに写ってる真っ赤な館って紅魔館?

 

・・・・・銀座にばかり集中してて失敗した・・・・?

 

幻想郷行けばワンチャンあったかな・・・・・?

 

 




最後におまけの駄文を付け加えてみました。

駄文のおまけの駄文・・・・。

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