GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり 作:にょろ35106
物理的にありえねぇっ!な展開等ありますがスルーするのが吉。
地面に突き刺さる無数の巨大オンバシラ。
地上を逃げ惑っていた人々には炎龍から身を隠す壁として役立つ。
そして大質量の直撃を受け炎龍は体勢を崩していた。
「あんた達、何しにきたのよ?」
「ご挨拶だね博麗の巫女。それが命の恩人に言う台詞かい?」
「そりゃどうも。でも、どーせ近くを通りかかってピンチの一般人が居たから助けて信仰を集めるチャンスだと思ったんじゃないの?」
ギクッ!
ギクッ!
神奈子と諏訪子は平静を装うも冷や汗をかいていた。
「何故バレたかって聞きたいみたいね?そうね、そのオンバシラの注連縄のところで失神して目を回してる巫女がいなけりゃ完璧だったわね。大方、突然の進路変更と急降下の連続衝撃に耐えきれずに失神ってところかしら?」
ギクッ!
ギクッ!
「あ、でも最後の着地の衝撃はどうかしら?もしかしたら、早苗の内臓が破裂してたりして・・・・」
「うわぁぁぁんっ!早苗死んじゃやだよー!」
「くっ、やるじゃないか博麗の巫女・・・!」
「いや、あんた達の自爆でしょ・・・」
まさか本当だったのかと呆れる霊夢。
諏訪子、早苗の治療の為戦線離脱。
「ま、まぁ、早苗の事は諏訪子に任せてわたしはあのでかいトカゲモドキの相手をしようかねぇ」
「まぁ、やる気になってるのなら構わないわ。せいぜい足を引っ張らないでよ?」
霊夢はそう言い残し神奈子から離れた。
(あいつら、多分紫に言わずに勝手にこっち来たわね。そうじゃなきゃ勇儀達みたいに翻訳機持たされているはずだし・・・)
そう、守矢勢は誰一人として翻訳機とその保護袋を持っていなかったのだ。
「ふふふっ、ここで大活躍してこっちにも分社作って信仰心確保よ」
下心ありまくりな神様であった。
「あらあらぁ、面白いわぁ。あの二人、神なのねぇ」
自衛隊側は炎龍に畳み掛けるべく銃を発砲し続けブレスの前兆があればオンバシラの陰に隠れる作戦行動を繰り返していた。
亜神のロゥリィには神奈子と諏訪子が神である事が直感で分かったらしい。
その隙にオンバシラからオンバシラの影へと魔理沙が合図して生き残った村人達は炎龍から離れる。
秘策を伊丹は考え付いていたのであった。
だが、その為には生存者を出来るだけ炎龍から引き離す必要があった。
炎龍を追い払うか倒すか、二つに一つ。
しばらく前に金髪エルフ・・・テュカと名乗った・・・が目を覚まし、目を狙えと言って来た。
ロケットランチャーが目に直撃したがオンバシラ攻撃やら魔理沙が意地で弾幕によって炎龍を陽動したりした結果、どうやら獲物ではなく敵認定されたのか手負いになっても去らず執拗に自衛隊車両をつけ狙い始めていた。
しかし銃火器の火力ではパワー負けしている。
そう、銃火器の火力では。
日が沈みかけ、辺りが暗くなる頃に避難民の退避は完了したと霊夢から連絡があった。
数時間にも渡り、炎龍を避難民の元へ行かせないべく自衛隊は奮闘した。
ハンドルを捌きまくった倉田の腕はパンパンに腫れていた。
神奈子と諏訪子も意識を取り戻した早苗と退避した。
この作戦を伊丹から聞いた神奈子は一言「正気じゃない」と言ったそうだ。
神様に正気じゃない宣言をされた・・・・されちゃったのである(後日、レレィ嬢談)
「よし、行けぇっ!!」
伊丹の合図に自衛隊車両の後部が開き一つの影が飛び出した。
「全車両、指定ポイントまで退避!全速力でだ!!」
桑原の合図で一斉に自衛隊車両がオンバシラの影から飛び出し、一方向へ向かう。
滅する対象が無防備に背を向けたことを本能で察した炎龍は攻撃を行おうとした。
だが、その攻撃は行われなかった。
炎龍の目の前に一つの影が降りて来たからだ。
炎龍の体躯からすれば腕の一振りで消し飛ばせる大きさ。
だが炎龍は本能で危険を察したかもしれない。
目の前の存在の危険性に。
お空は炎龍の前に立ちふさがるように空中にとどまっていた。
霊符が伊丹達の準備が整ったことを知らせてくるのを待つ。
炎龍が動こうとすればお空はそれを防ぐように動く。
そしてその合図が来た。
「ごめんね、炎龍さん。わたし、あなたに恨みはないけど伊丹達を殺そうとするなら・・・・」
お空の胸の八咫烏の目が輝き出す。
「あなたがもう少し大人しければ、もしかしたらさとり様のペットになれたかもしれないのに・・・・」
「お空、そもそもそんな巨体では地霊殿まで連れてくる事ができませんよ?」(後日、さとり様談)
炎龍を囲む様に無数の弾幕が展開される。
だがその一つ一つが弾幕ごっこのルール適用外の殺傷力を持った超高温の弾幕。
炎龍の逃げ場を塞ぐかの様に円形に展開された弾幕。
バサッ!バサッ!
炎龍が大きく羽ばたく。
分厚い弾幕だが上に抜け出られると考えたのだろう。
そんな炎龍の目に飛び込んで来たのは一際高密度で巨大な球。
その球は時間とともに縮む。
お空の核融合制御で更に高密度になって行く。
炎龍は生命の危機を感じ取り、自らを逃さない為に周囲に張られた弾幕を強行突破しようとした。
「じゃあね、バイバイ」
お空は制御を放棄する。
途端、上空の一際高密度の球が内包していたエネルギーを一気に解放した。
アルヌス駐屯地。
日が沈み、人工の明かりが敷地内を照らす。
食事に行こうと食堂に向かう隊員達。
彼らは見た。
カッ!
遥か遠方で閃光が走った。
何事かと全員がそっちを見た。
閃光はすぐに収まったが遥か遠方の空が赤く見えた。
ある隊員が双眼鏡で覗き込む。
「お、おいおい!冗談だろ!!?」
隊員は思わず叫ぶ。
双眼鏡で見えた物。
それはキノコ雲だった。
最初はアビスノヴァ辺りにしようかと思いましたがオリジナルで核爆発にしました。
調べたら核兵器は核分裂兵器と核融合兵器に分類され、水爆が核融合側だったので。
でもまぁ、小規模な核爆発でお空の力で微弱な放射線も出ないご都合主義ってことで。
サラダバー!(逃走)