GATE 幻想郷防衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:にょろ35106

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アイエエエエエッ!
UA一万越え!?一万越えナンデ!?
お気に入りも90越え!?

作者はしめやかに失禁!
コワイ!


炎龍と遭遇

 

 

「ねぇ、さっきのは本当に必要だったの?」

 

霊夢が徐行走行中の車の真横に降りて窓越しに伊丹と自衛隊員達に聞く。

 

さっきの・・・・とは、壊れた馬車に火を放たせた事だった。

 

「仕方ないよ、あのままあそこから動きそうになかったんだし。炎龍がいつ襲ってくるか分からない現状じゃあ、他の村人達を危険に晒したまま待っているわけにもいかないし・・・な・・・・」

 

「そっ・・・」

 

納得し、再び霊夢は空中に戻る。

 

「あの、本部に連絡して助けを求めればよかったのでは・・・」

 

倉田が桑原に聞くが彼は首を横に降る。

 

「ねぇ、倉田ちゃん。今なんで隊長さんが首を横に振ったかわかる?」

 

短い時間だが同じ車に乗って会話をしているうちに伊丹と倉田は意気投合していた。

 

「え?」

 

「ここ、敵地のど真ん中でしょ?」

 

「ええ、はい」

 

「今は少数だけだから見逃してもらえてるかもしれないけど、大部隊が移動したのを知ったら?向こうさんも侵攻してきたって思って部隊を差し向けて、結果戦闘に突入・・・避難民にも被害・・・って可能性もあるんだと思うんだよね」

 

伊丹の考えに倉田はハッとした。

 

ここは敵地。

 

いつ帝国の軍隊が現れてもおかしくない。

 

「流石っすね、伊丹さん・・・」

 

「まぁ、幻想郷で色々あったからね。ある程度先を読む癖がついちゃってるんだよ」

 

「色々、ですか?」

 

「そ、色々」

 

再び前方を眺める伊丹。

 

しばらく進み、やがて前方に黒い何かが伊丹の視界に入った。

 

「カラス・・・ですかね?」

 

「ああ、カラスだな。死体でもあるのか?」

 

「うぇっ・・・・」

 

伊丹は村の外に出て妖怪の餌食になりカラスのたかっている死体を何度か見たことがあるからある程度耐性がある。

 

「うーん、死体にたかっているにしてはなんか変だな・・・」

 

伊丹の言葉に倉田が運転しながら双眼鏡を覗いた。

 

特にぶつかるものも無い。

 

「・・・・鎌?」

 

「鎌?」

 

「ゴスロリ!」

 

「マジ!?」

 

「体操着!」

 

「体操着!?」

 

「堕天使!?」

 

「・・・・・・・・・」

 

伊丹の中で予感めいたものがあった。

 

「倉田ちゃん、双眼鏡を貸してもらってもいいかな?」

 

「ええ、いいっすよ?」

 

「ありがと」

 

倉田から双眼鏡を借り、覗き込む。

 

「うわー・・・・知ってる顔が混じってるよ・・・・」

 

「お知り合いですか?」

 

「うん、鎌を持ったゴスロリ以外はね」

 

最初鎌と聞いててっきり小町がいるのかと思ったが違い少し安堵する。

 

「体操服に見える格好している方は勇儀さんで・・・堕天使って倉田ちゃんが言ったのは地獄鴉の妖怪のお空って子だ」

 

「体操服の方は・・・?」

 

「ああ、勇儀さんね。彼女、鬼なんだよ」

 

「怖い人なんすか・・・・?」

 

「いや、文字通り鬼って種族。旧地獄に住んでる鬼の四天王の一人」

 

「鬼って本当にいるんすか!?ってか、地獄もあるの!?しかも旧地獄って何!?」

 

「うおっ・・・耳が・・・」

 

突然の大声に思わず耳をふさぐ。

 

「あ、すんません・・・」

 

「いや、いい。驚くのも無理ないよな。でも、実際鬼っているんだよ。まぁ、勇儀さんの場合は気さくな姐御って感じだな。あ、勇儀さんは嘘と卑怯な行動が大っ嫌いだから気を付けて。本気を出したらこの部隊全滅するよ」

 

「わ、わかりました・・・」

 

「で、旧地獄ってのは地獄のスリム化のために引っ越した後の跡地。鬼を始め地下に住処を移した一部の妖怪が住んでる所」

 

「地獄ってあるんすね・・・・。じゃあ、閻魔大王も・・・・?」

 

「ああ、幻想郷の閻魔様は四季映姫・ヤマザナドゥってロリッ子」

 

「ろ、ロリッ子閻魔様!?」

 

思わず食いつく倉田。

 

「あ、本人の前で言うなよ?外見はロリッ子でも何百年も生きてるわけだし怒ると滅茶苦茶怖いんだ」

 

「あ、会ったことあるんすか・・・・?」

 

「うん、用事で地獄の手伝いに行った時にね」

 

「じ、地獄の手伝いって・・・・」

 

「ちなみに外界の閻魔様は厳ついおっさんらしいよ」

 

「死ぬ時は幻想郷で死にてぇっす・・・・・」

 

倉田が想像し呟いた。

 

そうこう話しているうちに双眼鏡で姿を確認できる程度の距離だったのが今や十数メートルまで接近していた。

 

 

 

 

 

 

 

「神官様だ!」

 

避難民の子供達がロゥリィを慕うように駆け寄って行く。

 

「あなた達、どこへ行くのぉ?」

 

「分からない。炎龍から逃げてるんだ」

 

「無理矢理じゃないのねぇ」

 

「はっ、そこに伊丹がいつもの感じで乗ってるのに無理矢理はありえないって言ったろ?」

 

「おーい、れーむに魔理沙ー」

 

「お空に勇儀じゃない。なに、あんた達も来たの?」

 

「ああ、お前達と合流しろって紫が言って来てな。ついでに河童の翻訳機とやらの機能が向上されたって言ってたな。近付いてしばらくそのままでいれば機械の方が勝手に同期とかってのをやるって言ってたな」

 

「それはご苦労さん。生憎俺たちはこの人達連れて炎龍って奴から逃げてるのさ・・・・って、ちょ、お、お嬢さん・・・・?どうしてそこに・・・・?」

 

「だってぇ、座り心地がいいんですもの。それからぁ、私の名前はロゥリィ・マーキュリー。ロゥリィって呼んでいいのよぉ?」

 

「さ、さいですか・・・」

 

ロゥリィが伊丹の膝の上に座った。

 

倉田がそれを羨ましそうに見る。

 

「あー・・・・、んで、炎龍だったかい?なんだいそりゃあ」

 

「火を吐いて村を焼き尽くす巨大な龍だよ」

 

「へぇ、こっちにはそんなのも居るのかい?面白いねぇ」

 

「勇儀さん、あの人達の近くじゃ面白いなんて言わない方がいいですよ。その龍が近くに出たってだけで村を捨てて逃げ出す程ですし・・・」

 

「そいつは失言だったね・・・・」

 

 

 

「うにゅ、眠い・・・・」

 

「は?」

 

霊夢と魔理沙と話していたお空が目を擦って言う。

 

「うにゅ、昨日寝てないの・・・・。勇儀にお酒付き合わされて・・・・」

 

「そいつは災難なのだぜ・・・・」

 

魔理沙が同情する。

 

 

 

 

道中。

 

 

「すぴー・・・すぴー・・・」

 

伊丹が頼み込んでお空は焼き尽くされた村から助け出した金髪エルフの横で寝息を立てて寝ていた。

 

「う・・・ううん・・・・」

 

お空の翼が顔に当たったりするお陰で金髪エルフはうなされていた。

 

「うにゅ・・・・お燐・・・それわたしのごはん・・・・・」

 

「あらあら、よだれ垂らしちゃって・・・・」

 

女性自衛官の黒川がお空のよだれをティッシュで拭いてやる。

 

「黒川さん、そっちの子の方はどんな感じです?」

 

「いつ意識を取り戻してもおかしく無い状態ですよ伊丹さん」

 

「そりゃよかった。どれぐらい水に浮かんでいたか分からなかったからな・・・」

 

 

 

 

「根性出せーー!押せーーー!」

 

泥濘に車輪がはまり動けなくなった馬車がいた。

 

自衛隊員が汗だくになって押すのを手伝うがなかなか脱出できない。

 

「難儀してるようだね。ちょっとあたしにかわりな」

 

「え?いや、いくら鬼って言っても一人じゃ無理なんじゃ・・・・」

 

「無理と言われたら余計燃えるのがあたしさね!」

 

グィッ!!

 

あっさりと泥濘から車輪が脱出する。

 

「ま、軽いものさね」

 

訓練した大の男数人がかりでも苦労していたのがあまりにもあっさり終わったのを見て戦慄する隊員達であった。

 

 

 

「んー・・・・だだっ広い場所だなぁ・・・・」

 

「こんなところで襲われたら、ひとたまりも無いっすよね・・・」

 

「倉田ちゃん、なにフラグ建ててんの・・・・」

 

そう呟きながら外を眺める。

 

「外界も幻想郷も異界も、太陽はやっぱ黄色いんだなぁ・・・・」

 

太陽に黒い影が映った。

 

野生のワイバーンだろうか。

 

ふっ・・・と、そのワイバーンが影に覆われ、巨大な牙が生えた炎龍に食い殺された。

 

「で、出やがった!炎龍だ!!」

 

「総員!応戦準備!避難民の退避を援護する!倉田、喰いつかれるなよ!?」

 

「りょ、了解!!」

 

アクセルを踏み込み、ハンドルを捌く。

 

 

 

 

コダ村の避難民達も炎龍に気付き、パニックを起こす。

 

馬に鞭を入れ、全力で逃げ出す。

 

徒歩の者は必死に走る。

 

 

「うわあああぁっ!!?」

 

「ぎゃああああああっ!!」

 

炎龍の吐いた炎が馬車ごと村人を焼き殺す。

 

 

 

「撃て撃て撃てっ!!」

 

パパパパパパパパッ!パパパパパパパパッ!

 

自衛隊車両が炎龍に向かって突進し窓から身を乗り出して銃を発砲する。

 

だが鉛の弾は硬質な炎龍の鱗に弾かれる。

 

パシュッ!パシュッ!

 

伊丹が独特な音を出すにとり特製小型レールガンを撃つ。

 

「うおおっ!伊丹さん何すかそれ!?」

 

「うちの河童特製のレールガンだよ!くそっ!効いてるように思えない!あんなデカブツとやりあうなんて思ってもなかったから弾丸も少ししか無いぞ!!」」

 

「レールガン!?マジッすか!?」

 

「倉田ちゃん!ブレスが来るぞ!?」

 

「こ、こなくそおぉぉっ!!」

 

ハンドルを勢いよく切り、ブレス直撃を避けるが一気に車内の温度が上がる。

 

 

 

 

 

「やらせないぜ!!マスター・スパーーーーーク!!」

 

弾幕を張りつつ必殺の一撃を叩き込む。

 

だが、弾幕が消えた後にあったのは無傷の炎龍。

 

微かに鱗が煤けている程度だった。

 

「き、効いてない!?マジかよ!?」

 

炎龍から距離を取るため再び弾幕を張る。

 

 

 

 

「おりゃぁぁっ!!こいつを喰らいな!!」

 

勇儀は一抱えもある岩を放り投げると金棒で思い切り殴りつける。

 

ガッギイィィィィィンッ!!

 

ビリビリと腕が痺れるがそのままで金棒を振り抜く。

 

勇儀の全力で殴りつけられた岩は炎龍に直撃し体勢を崩す。

 

炎龍が勇儀に向かってブレスを吐くが勇儀はその脚力で地面を踏み砕き、即席の土壁で直撃を防ぐ。

 

「いいねいいねぇ、この命のやり取り!最っ高だよ!!」

 

勇儀は闘いに血の滾りを抑え切れない。

 

 

 

 

 

「助けて神様!神様!!」

 

炎龍に追われる女性が神に助けを求めるが炎龍の口内がブレスの準備を始める。

 

ああ、神様なんて在るだけで助けてくれない・・・。

 

「いやああああぁぁっ!死にたくない!誰か助けてーーーっ!!」

 

ゴオォッ!

 

熱風が襲いかかる。

 

「二重結界!!」

 

熱風は弱まり、何事かと目を開ける。

 

緑の人とは違う紅白の奇妙な服を着た女の子の後ろ姿。

 

炎龍のブレスはその少し手前で見えない壁に阻まれていた。

 

「あんた!大丈夫!?まだ走れる!?」

 

その剣幕にコクコクと頷く。

 

「だったら振り向かずに必死に走りなさい!いくら神に祈っても無駄よ!あいつらにとっちゃ、人間が死のうが生きようが気にしないんだから!」

 

あまりにも必死な霊夢の剣幕に霊夢が助けた女性は彼女が過去に辛い経験をしたと思った。

 

ふっと、炎龍の影以外に別の影が女性と霊夢を覆った。

 

 

 

 

 

「そいつは聞き捨てならないね!博麗の巫女!」

 

その声は大騒ぎの混乱状況にある人々にも聞こえた。

 

ドガァッ!!

 

空から降ってきた巨大な何かが炎龍にぶつかる。

 

それは複数あり、巨大な注連縄の巻かれた木の柱だった。

 

いくつかはそのまま地面に突き刺さる。

 

単純な大質量の直撃に流石の炎龍も痛みからか咆哮を上げた。

 

「言ってくれるじゃあないか、博麗の巫女。そうまで言われちゃあ、神の沽券に関わるってもんだよ。なぁ、諏訪子」

 

「そうそう。この世界の神がどうかは知らないけど、私たちは違うもんね神奈子」

 

霊夢の近くに突き刺さった巨大オンバシラの上に守矢の二柱が立っていた。

 

 




そのうち伊丹が幻想協で冒険(紫のパシリとか)していた頃の番外編書きたいなぁ・・・。

映姫様は様々な二次作品のロリッ子Ver、お姉さまVer、熟女Verのどれも好きですが本作品ではロリッ子Ver。



え?
霊夢の過去の辛い経験?
大晦日も正月も一年中賽銭箱が空なのは辛いでしょ?


なお、個人的には霊夢は比較的裕福だと思ってます。
個人的な想像では参拝客は来なくても生活には困らないかと。
食料は八雲家の紫や藍が持って来てると思います。
博麗の巫女は結界の維持と言う大役を担う代わりに紫に生活を保障されているかと。
博麗の巫女が飢え死にとか洒落にならないし・・・・・・。



オンバシラ直撃はシドニアの騎士の大質量砲を見て思い付きました。
あ、シドニアがオンバシラに見えました。

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