ツナside
新しい文官も増えて部隊展開や色々なことができるようになったのは嬉しいんだけど、最近みんなの様子がおかしいんだよね。
季衣と鈴々はことあるごとに
「手合わせしようよ〜」
と抱きついてくるし。手合わせはともかく抱きつくのはやめてほしいな。
流琉には料理の試食を頼まれるのは構わないんだけど、なんで
「兄様、あ〜〜ん。」
なのかな!?可愛い妹からの頼みだから断らないけど恥ずかしくないわけではないんだよ?
桂花にいたっては秘書みたいに付き添ってくれるのはいいんだけど
「秘書たるものお風呂や寝床も一緒にしなくては!」
とか言い出すし、言うたびに愛紗達にチョップされてるから冗談なんだろうけど。女の子なんだから冗談でも言っちゃいけないと思うんだ。
ねねと張々は
「ツナ殿!疲れてませんか?張々を枕に休むといいのです!」
ナッツも出して寛いでるといつの間にかねねと一緒に寝ちゃってるんだよね。ねねが抱きついてるのも可愛いし。あの空間には正直癒されてます。
新しく入った風、朱里、雛里は勉強熱心でよく自室にまで来て勉強会を開いているんだけど
「今回も風がはやく解けたので、お兄さんの膝に風が座りますね。」
「はわわ 強敵だよ雛里ちゃん。」
「あわわ 風ちゃんばっかりすわってるよ朱里ちゃん。」
何故かはやく問題を解けた人が俺の膝に座る権利があることなっていて三人で競ってるし、確かに競いながらやる勉強は効率はいいけど、膝ではなくてお菓子とかにしない?
子供組はまだいいんだよ。
でも大人組はヤバイ。
最近、璃々ちゃんが
「お父さ〜ん!」
って抱きついてくることがある。それは別に構わないんだ。璃々ちゃんの年齢からしたら甘えたい盛りだろうし、でも
「璃々ったら、ツナくんが困ってるでしょ。」
と止めてくれるのはいいんですが、俺が構わないですよって答えると
「ごめんなさいね。私もお父さんって呼んじゃおうかしら」
って言いながら腕を絡めてくるのはやめてくれませんか?璃々ちゃんもいるから逃げられないし。胸も当たっているんですよね。
稟は新しく入った文官で、桃香とよく一緒にいるのだけれども、よく鼻血を出して倒れるんだよね。
この間も桃香がお茶を運んでいる途中で転びそうになっていたから受け止めてあげたんだけど。
「ツナヨシさん!すすすすいません。あ!お洋服が!とりあえず脱いでください!」
持っていたお茶がスーツにかかっちゃったから、上着とシャツを脱いだんだけど。
脱いだ瞬間に
ドプシャァァァァァァァァァ
って盛大に鼻血を出して
「ご・・馳走様・・です。」
意味がわからないことを言って倒れちゃうし、桃香は桃香で顔を赤くしてクネクネしてたし。しょうがないからお姫様抱っこで運んだんだけど。それをきいた稟がまた倒れるし。
凪には近接格闘の訓練、愛紗は体が硬いから柔軟をメインに訓練をしている。
凪との訓練では密着する機会が増えてるんだよね。抱きついたら訓練にならないって言ってるんだけど、
「そんなことはありません。ツナ隊長は動きがはやいので、抱き抱えてしまえば動けないかと、このまま絞め技や寝技に持ち込みたいと考えてますので。」
確かにスピード重視の相手には正しい攻撃だけど!汗とか匂いも気になるしお互いに大人なんだから色々とヤバイんだよ!
愛紗とは互いにペアになって柔軟をしているんだけど、体を押すときに体重をかけてくるから背中に胸が当たるんだよね。愛紗が真面目にやってくれているわけだから、こっちも意識しないようにしているんだけど。愛紗の体を押してあげてる時の
「ン! ハァッアン! ツナ・・ヨシ殿。」
痛くて声が出ちゃうのはわかるけど、なんでそんな艶めかしい声なの?この間、その声を聞いた桂花や朱里、雛里が訓練場に雪崩れ込んできて大変だったんだよ。
真桜と沙和とは物資の調達で買い物に行く機会が多いのだけれども、二人ともなんであんな格好なのかな。ほとんど下着だよねあれは。わかっていないのかよく屈んで話しかけてくるし、沙和なんかは後ろから抱きついてきたりするから心臓に悪いんだよね。それを注意すると
「隊長もうちらに興味あるんや!」
「隊長も男の子だから当然なの!嬉しいの~」
と逆に喜んで手に負えなくなるし。
side out
そんなことを自室にて思い出していると
「貴方様がお猫神様ですか?」
「え?いやさ、いるのはわかっていたから驚かないけどね。お猫神ってなに?」
天井裏から黒髪長髪の女の子が降りてきて、意味不明なことを言い始めた。
「なんでも猫を使って戦う武神がいるときいております。」
「ナッツのことかな?ナッツ出ておいで。」
「ガウッ」
アニマルリングからナッツを出してあげると。
「お猫様~~、もふもふしてもよろしいでしょうか?」
「大丈夫だよ。」
ナッツを女の子に手渡し、書類に向き合う。女の子は長い時間ナッツと戯れていた。全ての書類が終わり立ち上がると
「ハッ!今日はお願いがあって来たんでした!」
「ナッツを見に来たんじゃないの?」
「それも違わないのですが~あぅあぅ。」
女の子はナッツを撫でながら困ったような表情になる。
「用事って?」
「私の名前は周泰 幼平。私がお仕えしている太守の二人娘をこちらに避難させていただきたいのです。」
「つまり誰かに嫁がせて同盟関係になりたいと?」
ツナは不快感を露わにし殺気を飛ばしながら女の子を睨む。
「!!! いえ!ただ・・・才能があるようであれば、武官でも文官でもいいので召し抱えてもらえないかと思っております。」
「ちゃんと理由を話してくれない?」
周泰の言葉に嘘がないことは超直感ではなくても目を見ればわかったので、殺気を消して周泰と向き合う。
「私がお仕えしているのは皖城にいる喬公様なのですが、喬公様曰く皖城はこの先、孫家によって占拠されると見ております。孫家は賊として有名でして、そんな危ない場所に娘たちを置いてはおけない、そこでいま最も力をつけている黄忠殿の街に住まわせたいと考えたのです。私の他に護衛がもう一人おりますので四名にてこちらに参りました。」
「なるほどね。・・・(ハァ、超直感が断るなと主張している以上、断るわけにはいかないか)わかった。連れてきていいよ。」
「ありがとうございます!」
「だけど!官吏になれるかどうかはその娘達次第だからね。」
「はい!私の真名は明命です。受け取ってください。」
「俺は沢田綱吉。ツナでいいから。」
明命と真名交換し、城内の宿屋にて休んでいるそうなので明日の朝に太守や他の官吏との顔合わせを行うことにした。
「あ!待って!俺も宿屋に行っていいかな?」
「?それは構いませんが?」
立ち去ろうとする明命を呼び止め一緒に行くと伝える。明名は小首を傾げ不思議がっていた。
「明命。自分の腕の中を見てみて。」
「え?・・・あ!」
「ナッツを連れてかれるのは困るから。まだ一緒にいたいなら宿屋までついて行くよ」
「あぅあぅ・・・・すいません。」
明命が自身の腕をみると寝ているナッツを抱き込んでいたのだ。
孫家についての賊云々は私の勝手な解釈です。