翌日
執務室には、紫苑、璃々、季衣、流琉、凪、真桜、沙和、桂花、ねね、桃香、愛紗、鈴々があつまっていた。
「兄ちゃんには兵を連れて昨夜捕らえた賊の尋問をお願いしてる。」
「ここに集まった方々は少なからず兄様に好意を抱いていると思いますので、兄様の秘密を教えておきます。」
「隊長の秘密だと?」
「ツナヨシさんの秘密か〜」
「ツナくんの服装や炎に関係あることかしら?」
「はい。兄様は伝承にある天の御遣いです。本人は否定していますが、遠いい国から来たことと、見たこともない武器や食事、ナッツちゃんという神獣を扱っていますから間違いはないかと。」
「天の御遣いでもツナ殿はツナ殿ですぞ!」
「ねねちゃんの言う通りだよ。ツナヨシさんなら優しい王様になれるよ。」
「それに関しては私達も心配はしておりません。ですが、伝承では天の御遣いは任務が終わったら国に帰ってしまう話になっていたと思います。誰か違う結末を聞いたことはありますか?」
流琉の問いに各々が考えるが誰も違う話を聞いたことがなく、暗い空気が漂っていた。
「鈴々には難しい話はさっぱりなのだ!」
「でもツナお兄さんがいなくなるのは嫌だよ〜」
鈴々が頭を上げて叫ぶと、璃々が泣きそうな顔で紫苑に抱きつく。
「そうね。私も嫌よ。なら帰りたくならないようにしちゃえばいいのよね?」
「隊長の好きなもの・・・思い浮かばないの!」
「肉まんじゃダメかな?」
「季衣殿が食べたいだけですよね?」
「そやな〜。隊長に欲求ってあるんかいな?」
「ツナヨシ様も男性ですから、女性には欲情するかと。やはり私が今夜夜伽に!」
「桂花殿落ち着いてください。」
紫苑が璃々を抱き上げながらニッコリと笑い提案をする。それを聞いた凪、真桜、沙和はツナの日常を思い出すが、酒に溺れるでもなく、地位や名誉にも興味がなさそうなため悩んでしまう。
季衣は食べ物をあげるが、ねねに自分が食べたいだけと一蹴されてしまった。
すると、桂花がやはり私の出番ですねと夜伽を提案し、立ち上がるが、隣にいた愛紗に落ち着くように言われて席に着く。
「はい。桂花ちゃんの言う事にも一理あります。兄様が誰かを好きになればいいんじゃないかと思うんです。」
「流琉ちゃん。この中の誰かがツナくんの子を孕ればもっと確実になるわよ。幸いにも色んなタイプがいるんだからいけるんじゃないかしら?」
紫苑が言った意味を理解し全員が顔を赤くしてしまう。桃香やねねなんかは手で顔を隠しており、愛紗や桂花はブツブツとなにかを呟いている。どうやら紫苑が言った先を想像しているようだ。
「でもツナ隊長は色恋沙汰に鈍感ですよね?桂花ちゃんがあからさまに迫っても気づいていないみたいですし。」
「兄様は勘がいいはずなんですが・・・。確かに紫苑様の言うことが一番確実ではありますが、あからさまに体で誘惑すると逃げてしまうかもしれませんので、じっくりと進めていけたらと考えています。」
「そうやなー。隊長は女に免疫がなさそうやし。」
「まずは軽いボディータッチから始めたらいいと思うの!」
流琉も紫苑の案には賛成だが、ツナの性格からしてゆっくり攻めるべきと主張した。真桜と沙和が同意し、また他のみんなも頷いていた。
ここに胸の大小問わずの協定が結ばれたのだった。