城壁の上では始まった模擬戦に参加していない黄忠軍が見守っていたが、
「桂花さん。私達もこちらで見学してもよろしいでしょうか?」
「久しぶりね。てっきり朱里が参加しているかと思ったわ。」
「月さん!?それじゃああそこにいるのは!?」
「詠さんも!?いったいどうなっているんでしゅか!?」
「模擬戦に参加しているのが不思議でしたが、替え玉でしたか〜。遠くて分かりにくいですが、そっくりすぎませんか〜?」
「ツナヨシの知り合いだという人に頼まれたのよ。私も月には参加してほしくなかったし、今回に限っては細かな策はいらないから丁度良かったの。」
「似ているというより、沢田さんに近い技を使用する方達ですよ。」
霧の中から突然現れた二人に驚愕していた。
「あちゃー、この場合も失格になるん?」
「そうね。足が動かない兵は武器を捨てて伏せてなさい。下手に頭を上げてると巻き込まれるわよ。」
「あーまじか詠さんもか。ってか骸!!気持ち悪いからその喋り方やめろ!!それにユニ、危ないからユニも下がっていてくれないかな?護衛はいるみたいだけどさ。」
「クフフ もうバレてしまいしましたか・・・まあ貴方を少しでも騙せただけでも良しとしましょうかね。最近は悪義を仕掛けても事前に潰されてたので、つまらなかったんですよ?貴方のそれ年々成長していません?」
「お久しぶりです。ツナさん。流石です!六道さんはそのお話を後でもっと詳しく聞かせてくださいね。はい!私は戦うつもりはないので、トリカブトは私を月さん達のところまでお願いします。」
月と詠が霧に包まれ、その霧が晴れると中から出てきたのはユニと六道骸で、ユニの後ろからトリカブトが現れてまた霧に包まれて消えて行った。残った骸は三叉槍を構えてツナに切りかかり、兵達に指示を飛ばす。
「綱吉くんは僕が相手をしますから貴女達三人は侵攻していていいですよ。」
「ケッ!うちに命令すんなや!」
「どっちでもいい。恋は行く。」
「ふん。すぐに本陣を落とす!」
「ツッ!!骸!ユニを危険な場所に連れてきてどういうつもりだ!!」
骸の攻撃を受け止めたツナだが、その間に霞・華雄・恋、恋の部隊の兵達は黄忠軍の陣に駆けて行った。
「クフフ ボクがあのお姫様と仲良く来るはずがないでしょ。だいたいは察しているんじゃないですか?ほら 急がないとあちら側が大惨事になりますよ。」
「あーもう!知ってるよ。二人が姿を現してからガンガン知らせてきてるから!!」
三叉槍と拳で競り合いながら話して二人だが、ふと公孫瓚軍の方に視線を向けると白い竜が空に向かって行き消えているのが目に入った。