ツナは楽しそうに話をしているちびっ子軍師たちの元に近づき
「提案があるんだけど。せっかくだし五日後にある董卓軍と公孫瓚軍との軍議前に行われる三軍入り乱れての模擬戦を利用しない?参加できる将軍は五名までだから、三日後に各々が考えてきた策を元に軍を編成して、一番いい策を考えた人が総指揮官として率いてもらおうかな。」
「フフ フハハハハハハハハハハ 面白い!朱里!雛里!愛里!私の力を見せてやろう!」
「なら今回私は遠慮しようかしら。」
「そうですね~~。風が入ったら勝負が決まってしまいますし~同門四人での勝負でよろしいかと~~。」
「はい!ツナヨシ様に認められるような策を考えてきます!」
「あわわ 朱里ちゃんがいつも以上にやる気だよ。」
「ひょえぇ なんで私も巻き込まれているんでちゅか~~~。」
「雛里ちゃんもっとやる気をださないと。総指揮官になったら模擬戦の間、ツナヨシ様に自由に命令できるんだよ!こんな機会滅多にないよ。」
「さすが朱里ちゃん。うん わかった。私も頑張る。」
「桂花と風は二人にうちの軍と相手の軍の特徴や将軍のことを説明してあげて。」
「「わかりました。」」
~~~~~三日後~~~~~
紫苑を含めた黄忠軍の将軍達は一つの部屋に集まっていた。
「じゃあ四人共説明よろしくね。」
「最終的な判断は私とツナくんがするから四人は無理難題とか気にしないで発言をして頂戴。」
「まずは私からだ!参加する将軍は関羽殿・太史慈殿・典韋殿・楽進殿の四名、作戦としては太史慈殿と典韋殿には董卓軍の足止めを、その間に関羽殿と楽進殿には公孫瓚軍と同盟の交渉に向かってもらう。同盟を結べなくとも公孫瓚軍なら二人の将軍でも制圧が可能な戦力差がある。二人は公孫瓚軍と一緒に攻め込んできている董卓軍の後方から攻め込んでもらう。あとは流動的にその場その場での判断になるのでなんとも言えんな。」
「次は私です。将軍は関羽さん・楽進さん・典韋さん・許褚さんの四名。私も公孫瓚軍との同盟は考えておりますが、すでに董卓軍との同盟が組まれているものと想定しています。なので三軍入り乱れてというよりは黄忠軍対董卓軍&公孫瓚軍との模擬戦になるかと。混戦が予想されるため、攻撃範囲の広い典韋さんと許褚さんの二人には前日から伏兵として隠れていただきます。危険ではありますが、腹の中から暴れてもらい混乱したタイミングで関羽さんと楽進さんには突撃をしてもらいます。あとは薫ちゃんと同じでその場その場になるかと。」
「待て!朱里!事前に同盟を組むのは協定違反ではないのか!?」
「いいえ薫ちゃん。今回の模擬戦の協定にはそれに関する項目は書かれていないので賈詡さんならそれくらいは実行に移すかと。」
「つめるのは後で次は雛里ちゃんいい?」
「はい!参加者は周泰さん・太史慈さん・李典さん・楽進さんです。私は二人みたいな正攻法な策よりも工作ありきの策の方が得意なので、周泰さんと李典さんには工作兵として太史慈さんと楽進さんの負担が大きくなってしまいますが、二人には本陣を守備する形をお願いできればと。本陣の周りには人体には害のないようにした落とし穴と眠り薬を設置、周泰さんはその地点へ誘導と追い込みをお願いします。あとはその場で考えます。」
「しゃいごでしゅか。参加者は周泰殿・つなよし様・関羽殿・楽進殿でしゅ。雛里ちゃんと同じで周泰さんには工作・隠密部隊として楽進さんは本隊の守備、関羽さんは公孫瓚軍の対応、つなよし様には董卓軍に突撃をお願いしたいでしゅ。」
「馬鹿め!それでは関羽殿の軍はすぐに公孫瓚軍にのみこまれるぞ!」
「はいでしゅ。その対処として西涼の馬一族に書簡で遊びのお誘いをしておりましゅ。馬超殿と馬岱殿、馬鉄殿が参加の表明、馬騰殿はこの同盟関係に入れてほしいということで模擬戦には参加しませんが後ほど合流しましゅ。馬一族のお三方には後方からの奇襲にて公孫瓚軍を相手にしてもらうことになってましゅ。」
「へぇ~~~それはまた凄いことを考えたね。」
「なん・・・だと!愛里よ そのようなことを勝手に決めたのか?」
「えっと・・・事前に太守様にはご許可をいただいており、程昱殿・張飛殿・于禁殿に早馬にて書簡を届けてもらいまちた。」
「えぇ 面白そうな話だったからツナくんにも内緒にしちゃった。」
「凄い!さすが愛里ちゃん!」
「うん。うん。」
周りにいた関わった三人を除く武官と文官達も皆同じように驚いた表情で徐庶のことを見つめていた。
「愛里ちゃんは普段の立ち振る舞いや言動から、どうしても下に見られてしまうんです。本人も自信がないみたいですし。でもやればできる子なんですよ。(よし、一回も噛んでないちゅよ)」
「うん。朱里ちゃんが全体を見て流動的に指示を出し、私が工作や隠密、愛里ちゃんが奇策や道筋を正すというのが水鏡先生の所にいた時からの役割だったんです。(やったよ朱里ちゃん。私も噛まにゃかった。)」
「くっ まさか貴様に驚かされるとはな。いいだろう。愛里、貴様もライバルと認めてやろうではないか。」
「ひょっ たまたまでしゅ。今回だけでしゅから!」
注目された徐庶は身を隠せる場所を探すようにキョロキョロするが頼みの綱の朱里と雛里は逆に自身を注目させようとするのがわかっていたためどうすることもできず戸惑っていた。
「ツナくん もう決めているんでしょ?」
見かねた紫苑は考えがまとめ終わっているツナにお開きにしちゃいましょという感じで締めを頼む。
「今回は徐庶の案を骨子に模擬戦を行いたいと思う。参加する将軍は変更させてもらうね。まずは俺と周泰に関羽、それと徐庶と司馬懿にも参加してもらうよ。模擬戦とはいえ実戦は初めてになるからね。司馬懿には徐庶のフォローをお願いしたいかな。」
司馬懿と徐庶が全員と真名交換をしていないため、真名呼びにはしていません。