大空の恋姫無双   作:ばすけばすけ

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第2話

ツナはチェッカー・フェイスの力により、異世界に来ていた。一応予備知識として、中国の三国志の時代で、主だった武官文官は男性ではなく女性になっている。ということは学んでいた。

 

「ふぅ。とりあえずは衣食住の確保をしないと、あとは服装どうしようかな。」

 

ツナがいる場所は荒野の真ん中で周辺に街は見当たらない。服装にも問題があり、防護力や利便性からレオンが作ったスーツを着て来たはいいが時代的に不釣り合いだろうといま気づく。

この世界に持ってきた物は、霧の炎が埋め込まれている装飾品を数点に、晴れの炎が埋め込まれている装飾品を数点、念のため換金用の宝石類、チェッカー・フェイスからもらった飲食物の箱のみである。

 

姿を隠しながら飛んでいると村が見えてきたため地面に降りる。村からは煙が上がっており死体も確認できた。

 

生存者を探して歩いていると、男数人が二人の少女に剣や槍を向けて囲っていた。

 

「やめろー!」

 

ツナは叫びながら二〜三人男達を気絶させて少女の前に立ち男達から庇う。

 

「まだ生き残りがいたのか。」「邪魔すんなよ!いまからお楽しみなんだ」

 

残りの男達は下衆な笑みを浮かべながら、ジリジリと近づいてくる。

 

「お兄さん逃げてください!」

 

「私たちが道を開く。」

 

ツナが素手なのに気づいた少女二人も逆にツナを守るように武器を構え直す。そんな二人に対して大丈夫と言いながら頭を撫でてニッコリと笑顔をむける。

 

「お前達は許さない。この子達は俺が守る!ナッツ!」

 

「ガオーーー」

 

ツナはアニマルリングからナッツを呼び出す。ナッツが吠えると男達の武器が石になり崩れ落ちた。

 

「な!」

 

男達は驚くが、すぐにツナの拳により意識を断たれた。

 

「今のはなんですか?」

 

「この猫可愛いな!抱いてもいいか?」

 

「いまは他の生存者を探して避難する方が優先。質問とかは後でね。」

 

三人は村を捜索したが、他に生き残りはいなく近くの河原で休むことにした。

 

「俺の名前は沢田綱吉。ツナで大丈夫だよ。」

 

「真名がツナなんですか?」

 

「俺は違う場所から来て、真名って習慣がないんだ。」

 

「そっかー。さっきは助かったよ。ボクは許褚 仲康 真名は季衣。よろしくね兄ちゃん!」

 

ピンク色の髪の毛で鉄球を持っている女の子が自己紹介をする。ツナは季衣を見ながら(鉄球かーただ投げてるだけだったし、ランチアさんの技を少し教えてあげようかな。)と考える。

 

「先ほどは危ないところをありがとうございました。私は典韋 真名は流琉です。兄様よろしくお願いいたします。」

 

緑色の髪の毛でヨーヨーを持っている女の子が自己紹介をする。ツナは流琉を見ながら(この子はヨーヨーか、なら千種さんみたいな小技を教えてあげるべきかな。)と考える。

 

「季衣ちゃんに流琉ちゃんね。よろしく!」

 

「兄ちゃんは仙術が使えるのか?敵の武器を石にしたやつ!」

 

「あれはナッツの力なんだ。ナッツ出ておいで。」

 

「ガウッ」

 

ツナはナッツをアニマルリングから出して季衣に見せる。

 

「抱いてもいいか?」

 

「神獣というやつでしょうか?可愛いですねー。季衣ちゃん。次は私にも抱かせてください。」

 

季衣と流琉は交互にナッツを抱き締めたり、一緒に遊んだりと年相応の笑顔を見せていた。

ツナはそんな光景を見て、異世界の三国時代とはいえあんな少女達も武器を取り戦わないといけないことに悲しい気持ちになる。

 

「流琉ーお腹すいたよ。」

 

先ほどの戦闘の疲れが出てきたのか、季衣がお腹を鳴らしながら座り込んでしまう。流琉は少し困った表情を浮かべて

 

「この河原には魚がいないんですよね。近くの街まで三日はかかりますし。村に戻って食材を探すしか。でも季衣ちゃん大食いだし満足できるほどはないかも。」

 

「俺の国のご飯でいいなら用意するよ。口にあえばいいんだけど。」

 

ツナはチェッカー・フェイスからもらった箱を取り出す。この箱は普通の箱とは違い、思い描いた料理が出てくる箱で1日の使用回数はあるが、何度でも使用可能な優れものだった。

とりあえず、ハンバーグ・カレー・パスタ・炒飯・餃子・肉まんを四人前だすことにした。

 

「はい。見たことないものもあるかもしれないけど、騙されたと思って食べてみてよ。」

 

「「いただきます!」」

 

「兄ちゃん!なにこれ!?美味しいな!」

 

「兄様。後で作り方を教えてほしいです!」

 

「それはカレーっていう食べ物だよ。」

 

「流琉ちゃんのはハンバーグだね。ん〜材料が手に入ったらになっちゃうかな。」

 

ツナ達三人は箸を進めていくが、季衣の食べる量が半端なく、まだ食べたいとおねだりされてもう一度同じ量を取り出した。季衣が食べてる間にツナと流琉は今後のことを決めることにした。

 

「とりあえず、大きな街に行きたいね。」

 

「ここからなら楽成城が一番近いですね。太守は劉璋配下だったはずですが、いまは独立していますのでシガラミはないかと。」

 

「ならそこに行こうか。」

 

流琉が顎に手を当てながら考えてツナに提案をする。ツナも説明を聞いて、行くあてもないことから楽成城に向かうことに決まった。


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