明命・ねね・大喬・小喬・風・稟・香風・電々・雷々・張三姉妹・曹純と顔良を寝かせた馬車は一足早く楽成城への帰還のために兵を進める。
ツナ達は新たに領土となる土地の確認をしながら帰還することにした。
長かった黄巾賊討伐の任が終わり、第一部隊と第二部隊の面々が楽成城に帰ってくる。城内ではお祭りのように屋台が出ており人々が賑わいを見せて帰還を喜んでいた。舞台では張三姉妹と大喬・小喬が歌い盛り上げていた。
なぜタイミングよくできたのかというと、物見をしていた兵からの情報と伝令を常に飛ばしあっていたからである。
「みんなー!帰ってきたよー!」
「姉上!あんまり騒がれてては馬から落ちてしまいます。」
「愛紗も嬉しそうなのだー」
桃果・愛紗・鈴々の部隊から姿を現し、三人は嬉しそうに笑いながらすすんでいく。桃果は手を振りすぎてバランスを崩していた。
「はわわっ しゅごい人でしゅ。あ!水鏡先生もいます!」
「あわわっ 私たちもいていいんでしゅかね?え!朱里ちゃんどこ?」
「落ち着きなさい二人とも・・・あれが貴女達の先生なのね。後で紹介してくれないかしら?」
続いてきたのは朱里・雛里・桂花の部隊で二人は声援にびっくりしながら進んでいくが、人混みの中に二人が通っていた塾の先生である水鏡の姿を確認すると笑顔で手を振っていた。桂花は二人の先生に興味を持ち交流できないかを考えている。
「うむ。入って間もない私にまでこんな声援をいただけるとは。」
「梨晏さんは人気あるんですよ。だから兄様も気に入っているんです。季衣ちゃん!ちょっと我慢して!」
「あ!あの屋台美味しそう!流琉!買ってきてもいいかな?」
続いてきたのは梨晏・流琉・季衣の部隊であり、梨晏は自分達を迎えてくれる人々に感動し、季衣は屋台の料理が気になるようでフラフラと屋台のある方に行こうとしていたが、流琉が必死に止めていた。
「なんで俺だけ一人なのかな〜。ナッツがいるからいいけど。」
「ガウガウ」
最後に入ってきたのはツナの部隊とナッツで、姿が見えた瞬間に悲鳴にも似た歓声が鳴り響く。
「きゃー!ツナヨシ様よ!」
「噂通りのイケメンね!」
「ナッツちゃんも可愛い〜〜」
「ツナヨシ様ー。またお店に飲みにきてくださいねー」
「ツナヨシー!無事に帰ってきて嬉しいぜー」
「また店に寄ってくれよ!」
悲鳴をあげていたのは主に女性で、男性はツナの帰還に酒を片手に声をあげていた。ツナは女性だけでなく男性にも人気があり領内の人々に愛されていた。
パレードが終わると季衣と鈴々は屋台の食べ物を目指して走り出し、桃花と愛紗、流琉が二人を追いかける。
朱里と雛里は水鏡の元に駆け寄り抱きついていた。桂花は二人に手を引っ張られており一緒に抱きつく形になってしまっていた。
梨晏は舞台で歌い終わり休んでいる大喬と小喬に近づいて飲み物を渡していた。
ツナはそんな光景を見ながら誰も欠けずに戻ってきてよかったと安堵していた。