その後、諸侯連合は董卓軍・公孫瓚軍・黄忠軍を中心に次々と黄巾賊を破っていき、遂に黄巾本隊にまで迫っていた。いまだ首謀者とされている張三兄弟を見たものはいない。
黄巾賊は四方向から攻められて中央に集まる形となり広宗に篭城することになった。
漢軍からの伝令により東門には曹操軍、西門には董卓軍・公孫瓚軍・黄忠軍、南門には袁紹軍、北門には漢軍(何進、皇甫嵩、慮植)が攻めてきた方角から突入することになった。
「うちらの戦力だけ過剰すぎるんちゃうん?」
「恋だけでもいいくらい。」
「霞殿、恋殿。油断はダメですぞ!」
「ねねちゃんの言う通りなのです〜」
「まだ首謀者の三人の姿が確認できていませんので、念には念を入れます。」
「ボクも同意見だよ。あとツナヨシに燃やされたくないからね。」
門の前にて霞と恋がつまらなさそうに合図を待っていると、ねね・風・桂花ら軍師陣から釘を刺される。詠は戦後のツナが行なっている火葬を思い出し、あれは嫌だと告げる。霞と恋も同意見なようで頷いていた。
董卓軍、公孫瓚軍にもツナが死体を燃やしている理由は話しており、必要性は理解しているのだが賊と一緒に燃やされるのは嫌らしい。
「今回も全員では突入しないよ。部隊をいくつかに分けるからね。」
ツナが月・白蓮・朱里・雛里・桃花・大喬・小喬と一緒に天幕から出てくる。
朱里と雛里の策は
突入部隊
愛紗・鈴々・霞・恋・星・ねね・朱里
救援部隊
白蓮率いる騎馬部隊、季衣・電々・雷々・風・稟
自陣防衛部隊
流琉・香風・梨晏・桃香・桂花・大喬・小喬・月・詠・華雄
隠密部隊
ツナ・明命・雛里
となった。
「明命殿!ツナヨシ殿を頼みました。」
「兄様?無茶はしないでくださいね。」
「雛里ちゃん。頑張ってね。」
「明命、ツナヨシ様をしっかりとお守りするのよ。雛里、常に考えを巡らせて思考を止めちゃダメだからね。」
隠密部隊は他の部隊と違い、ツナ達三人のみである。そんな三人を案じ、近衛隊長である梨晏が明命にツナを託し、流琉はツナに釘をさすのを忘れない。朱里は雛里を応援する。桂花は明命にはツナに怪我を負わせないように言いつけ、雛里にはアドバイスを送る。
桂花はちびっ子軍師達の中ではお姉さん的な立ち位置になっており慕われていた。
それぞれが持ち場につき、
「ツナヨシ殿達に見向きしないように、我々が大暴れすればいいのだろ。」
「星の言う通りだ。朱里、指示を頼む。」
「霞さんも鈴々ちゃんもよろしくお願いします。」
「任せるのだー」
「クゥー、このメンツで戦とかたのしゅうてしょうがないわ。」
「恋殿!よろしくですぞ!」
「恋も暴れる。みんなを守る。」
突入部隊が各々士気を高めあう。また自分達の頑張りによって、隠密部隊の行動が変わってくるため気合いも入れている。
「機動力なら任せてくれ!」
「ボクは混戦地帯より突破された箇所の救援かな。」
「雷々様に任せときなさい!」
「電々も頑張りますよ〜」
「危険なのは漢軍に袁紹軍ですかね〜」
「そうですね。曹操軍には勇猛な武将が揃っていますから。」
救援部隊は劣勢な場所の救援をするのが目的である。そのため各軍に密偵を潜り込ませており、戦況によって色狼煙をあげるように指示を出している。
「シャンも頑張る〜」
「大喬ちゃん、小喬ちゃん。私達は後方支援だよ。頑張ろうね。」
「桃香さん最近太りました?」
「桃マンの食べ過ぎですね。」
「大喬ちゃん、小喬ちゃん。桃香さんをいじるのはその辺にしてあげてください。」
「自陣だからって気を抜いてちゃダメよ。」
「フフフ、詠ちゃん。黄忠軍の皆さんはどんな時でも楽しそうだね。」
「月・・・そうね(この戦の後にも友好な関係でいたいわね。)」
「私がいるのだから問題ない!」
自陣防衛部隊にはみんなが帰ってくる場所を守るという責任があり、重圧もあるのだが大喬・小喬が桃香をいじり、桃香がリアクションをとることで場を和まさせていた。
「ツナヨシ殿。お猫様寝ちゃいました。」
「ナッツも明命に抱かれて安心しているんだと思うよ。」
「常に考えを巡らせて・・・うん。大丈夫。ツナヨシ様のお膝暖かい。」
隠密部隊は明命がナッツを抱きながらツナと背中合わせに寄りかかっており、ツナの膝の上では雛里が策を考えており癒し空間を作っていた。
そして漢軍からの合図が鳴る。