大空の恋姫無双   作:ばすけばすけ

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第13話

「初めまして、沢田綱吉です。真名はないのでツナかツナヨシとお呼びください。この度は急なことにもかかわらずありがとうございます。」

 

「公孫瓚 伯珪だ。こちらこそよろしく頼む。」

 

「ボクは董卓軍筆頭の賈駆 文和。」

 

お互いに礼をした後にさっそく軍議に入った。軍議では黄忠軍の軍師四人と賈駆が中心となり策を練り、ツナが時々補填し、公孫瓚も自身の意見を飛ばしていた。

 

集積所は崖に囲まれており、入り口は正面のみしかない場所に存在していた。しかも入り口の道も狭く、大軍を持って攻め込むことができない地形になっていた。

 

「しかし・・・ツナヨシ殿が空を飛べるのは誠のことでしたか。」

 

「何人も乗せた馬車を持って飛べるわけ?なんてデタラメな。」

 

公孫瓚と賈駆は桂花達が立てた前代未聞の策に驚いていた。

 

策の内容は

ツナが闇夜に紛れながら崖上から馬車を持って空から奇襲を仕掛けるというものだった。馬車には黄忠軍からは電々、雷々、香風、梨晏。公孫瓚軍からは趙子龍。董卓軍からは呂布、張遼、華雄が乗り込む事になった。

 

入り口に続く狭い道には季衣と流琉が逃げる賊を待ち構えており撃退することになっていた。季衣と流琉の武器と連携なら、狭い道は相性がいいのだ。

 

 

曹操side

 

「華琳様。黄巾賊の集積所ですが、董卓軍が壊滅させたという書状が入ってまいりました。」

 

私達が黄巾賊の集積所の情報を得たのと同じタイミングで、その集積所を壊滅させたという情報がまわってきた。

 

董卓軍の方がいかに早く情報を得ていたかの証明にもなるわけで、こちら側の人材不足が露呈した瞬間でもあった。

 

いま私の元にいる名高る者は従姉妹の夏侯惇、夏侯淵、曹仁、曹純、曹洪のみであり曹一族しかいない。

 

「この度の進軍に関しては同盟が結ばれたと聞いております。」

 

「秋蘭。それはどれくらいまでわかっているのかしら。」

 

「董卓軍の他に公孫瓚軍、それと黄忠軍となっております。」

 

公孫瓚軍に関しては、まあいいわ。どちらかというとこういう行動ができただけでも評価されるべきね。

 

だけど黄忠軍は、武神といわれている青年を筆頭に一騎当千の武将達。それを支える知略に長けた軍師が多いと聞くわ。わざわざ董卓軍と手を組んで進軍する必要はないはずよ。なにか裏があるわね。

 

「理由もわかっているのかしら?」

 

「申し訳ございません。理由や経緯までは判明しておりません。」

 

「そう。わかったわ。情報が入ったら教えて頂戴。」

 

本当に人材不足ね。いえ、武将は足りているのよ。ただ軍師がいないのよね。噂の武神を取り込めれば何人かついてくるかしら。地位や名誉?それとも女?いいわ。本気になった曹家の力を見せてあげる。

 

「栄華と柳琳を呼んで頂戴。」

 

 

 

 

ガタッ

 

「お兄さん。どうしたのですか?ついに風に欲情したのですか?」

 

「違う。いま悪寒がしたんだ。」

 

「ツナヨシ様の悪寒ですか?警戒が必要ですね。それと風、場所を変わりなさい。」

 

「はわわっ あんなに強く抱き締められてます。」

 

「あわわっ そんなにされなら壊れちゃいましゅ。」

 

ツナは董卓軍、公孫瓚軍との軍議の最中にいままで感じたことのない悪寒を感じて立ち上がり、周りを警戒し始めた。ツナの上に座っていた風を抱き締めながら立ち上がったため風は嬉しそうに身を預けていた。

 

それを見た桂花は警戒が必要だと衛兵に指示を出しながら風を睨む。朱里と雛里は風を自分に置き換えて想像しているのか頭から煙をだしていた。

 

「沢田様大丈夫ですか?」

 

「ちょっとツナヨシ。月の前で変なことしないでくれない!」

 

「ツナヨシ殿は人気者ですね。」

 

先の戦にて真名交換をした月、詠、白蓮がツナの行動に驚いていた。

 

「大丈夫だよ。軍議中に失礼しました。」

 

ツナは謝罪し席に座りなおす。

 

(月ちゃんをみてるとユニを思い出すな。こんな優しい子があの董卓なんて。)ツナは月を見ながら三国志の董卓を思い出す。

 

「ちょっと!月をジロジロ見ないでくれないかしら。」

 

「大丈夫だよ詠ちゃん。」

 

「ごめんね。こんなに可愛くて優しい笑顔をする子が董卓さんだったなんて想像していなくて。」

 

ツナはニコリと笑いながら見ていた理由を話す。その笑顔を見た月は顔を赤くし照れ笑いを浮かべていた。

 

「お上手ですね。ありがとうございます。沢田様も素敵な笑顔をされてますよ。」

 

ツナと月は互いに褒め合いながら微笑む。黄忠軍の軍師四人は新たなライバルに溜息をつき、白蓮はこの二人雰囲気が似てるな〜と考え、詠はまさか月が!と衝撃をうけていた。

 

天幕の中では軍議をしているが、外では飲めや騒げやの宴会が始まっており、第二部隊の将軍達や、城の防備が完全なものになったためねねも合流していた。

 

「ツナ殿!皆様も宴会に合流するですよ!」

 

「そうだよ〜白蓮ちゃんも一緒に食べよ〜」

 

「ちょ!桃香。」

 

「じゃあ後はまた今度にしようか。」

 

天幕にねねと桃香が入ってきて軍議に参加していたメンバーを誘う。

 

宴会では

 

星、梨晏、霞が呑み比べをしていたり

季衣、鈴々、恋が同じテーブルで料理を食べ続け流琉が必死に料理を作り

愛紗、華雄、電々、雷々が武勇を語っていたり

香風、明命、大喬、小喬、稟がナッツと戯れていた。




ねねが合流しています。

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