大空の恋姫無双   作:ばすけばすけ

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第12話

ツナに対するお願いに関しては、黄巾討伐が終了してからと各官吏達の間で取り決められた。

 

現在の黄巾討伐の武勲だが、黄忠軍がぶっちぎりの一番で二番に曹操軍、三番に董卓軍ときている。

 

ツナ達は黄巾賊を数十万単位討伐しており、救出した街や村へは第二部隊が上手く物資を届けており民衆からの指示も高いのだ。

 

そんな中、諜報部隊の明命から伝書鳩が飛ばされてきた。書状には黄巾賊の集積所を発見したと書いてあった。

 

「ツナヨシ様。これは更に武勲を高めるチャンスです。一気に進軍いたしましょう。」

 

「そうでしゅ。集積所を叩けばこの辺りの黄巾賊を一網打尽にできましゅ。はわわっ噛みまくり。」

 

「集積所となるとかなりの人数が予想できますから第二部隊から予備戦力を投入しゅべききゃと。あわわっわたしも噛んじゃった。」

 

軍師三人娘が集積所を叩くべきだと進言するが、

 

「できればこれ以上の武勲はほしくないかな。これ以上は政争に巻き込まれかねない。」

 

「一理ありますわね。どこかと手を組みますか?」

 

ツナがこれ以上は危険になることを説明し、三人娘も政争は遠慮したいと手を考える。その時、天幕が開き

 

「お兄さん。近くには公孫瓚軍と董卓軍、少し離れた場所には曹操軍がいたと思うのですよ〜。」

 

と風と明命が合流した。

 

「おかえり。風と明命は色々な情報を持ってると思うから確認したいんだけど、手を組むなら公孫瓚軍と董卓軍で問題ないかな?」

 

風がツナの足に抱きついてきたので、抱え上げて頭を撫でながら質問をする。明命はナッツを抱きついていた。

 

「風も同じ意見ですよ。曹操は危険だと思うのです。」

 

「お猫様〜。は!・・・曹操軍の武勲は高いのですが、情報操作も凄いんです。」

 

「曹操さんは美少女好きだという噂も凄いですから、あまりかかわりたくはないですね。」

 

風と明命もツナの意見に賛成であり、桂花も自身が聞いた噂を話し曹操軍を敬遠する。

 

「なら決まりだね。公孫瓚軍と董卓軍に伝令を飛ばして!合流次第集積所を叩く!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

ツナは策を練るのを四人に任し天幕から出て行く。

 

明命が董卓軍に風が公孫瓚軍に行くことになり二人と護衛を見送る。

 

「あ!ツナ発見。雷々達三人を武官にというのは本当なの!?」

 

雷々、電々、春風がツナに駆け寄る。

 

「ツナさん、ありがとうございます。電々頑張ります!」

 

「この戦いで雷々様が一旗あげちゃうわよ」

 

「おにいちゃんの近くに入れば、空を飛べるようになるかもだから、シャンも頑張る。」

 

「ツナヨシ殿。三人共なかなかの武ですぞ。」

 

「兄ちゃん!近接戦闘をもっと教えてほしい。」

 

後から梨晏が笑いながらやってきて三人を褒める。どうやら手合わせをしていたようだ。梨晏の影から季衣が飛び出してきてツナに抱きつきながら訓練を頼み込む。武器の違いから難しい手合わせになったようで季衣なりに考える部分があったようだ。

 

「季衣には季衣の長所があるんだから、その部分を伸ばして行こうか?でも最低限の護身術程度でいいなら教えてあげる。」

 

「兄様。皆さんもお食事の用意ができましたので、休憩にしましょう。」

 

 

公孫瓚side

 

いま私達の陣に噂の黄忠軍からの使者がやってきていた。正直な話、黄忠殿の領土と私の領土は近くにあるため、いつかは接触したいとは考えていた。

 

「私は程昱 仲徳と申します〜。公孫瓚殿にお願いがあり参りました〜」

 

「黄忠軍の武勲は聞いている。私なんかにできることがあるのか?」

 

驚くことに使者として来ていたのは、黄忠軍の程昱将軍だった。まさか将軍自らやってくるとは思わなかったが、それほど重要な案件なのだろう。

 

「これを読んでいただけたら、おおよそのことはわかるかとー」

 

私が受け取った書状をみていると

 

「おお、風ではないか!いまは黄忠軍にいたのだな。」

 

「星ちゃん久しぶりです〜。公孫瓚殿の元にいたのですね〜。稟ちゃんと一緒に士官したのですよ〜」

 

客将の趙子龍が表れて雑談を始めていた。

 

「程昱殿。手を組むことに関してはこちらとしてはありがたいのだが、そちら側にメリットがないと思うのだが?」

 

「そんなことはないのですよ〜。騎馬技術や良馬の仕入れ方法で頼りにしたいと考えてます。」

 

うわ〜過剰に評価されてるな〜。だけどこの機会を逃したくないし、趙子龍の目もギラギラしてるよ。あいつも本当は黄忠軍に行きたいんだろうな。

 

 

董卓side

 

「月。黄忠軍から伝令が来て書状が届いたわ。」

 

「詠ちゃん。どんな内容だったの?」

 

いま私達は黄忠殿の領地を進軍していた。都からの勅命だから許可はいらないのだが、何かしらの無茶なことを言われる可能性がある。

 

私は書状を読み進めていく

 

「黄巾賊の集積所を発見したから一緒に討伐しないかって書いてあるわ。」

 

これはなんか裏があるわね。黄忠軍ならうちと手を組まなくても問題ないはずよ。たぶんこれ以上の成果をあげて、袁家や曹家に睨まれたくないっていうのもあるんでしょうけど。

 

「詠ちゃん。この話受けよう。損得よりも、この集積所を叩くことで救える命があるなら私はそれを優先したい。」

 

「月・・・わかったわ。」


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