賢者な英霊(仮)はとにかくヤりたい(真顔)   作:おき太さんかわゆい

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リアルでアクシデントがあったりしましたが、何とか今日中に投稿完了

前回の話の誤字報告してくれた方々、本当にありがとうございます!

そしてお待たせしました
今回は予定通り第4特異点『ロンドン』(後編・下)です

今回も汚いことは汚いですが……作者的に感覚が麻痺してきてるのかこれが普通な気がしてきました
作者が一番汚染されてますね(汗)

それではどうぞ


宝具と性具は紙一重(暴論)

 わたし達は賢者さんに助けられましたが、一緒にカルデアから来ていたクー・フーリンさんがやられてしまいました。

 カルデアに無事帰還できてると良いのですが……。

 

 皆さんを守ることこそがわたしの役目。

 それなのにわたしが不甲斐ないばかりに、この特異点で仲間になってくれた何人ものサーヴァントも犠牲になってしまった上、賢者さんの手を煩わせる事態になってしまいました。

 

 

 そして、情けないことにわたしはソロモンの力に今までの戦い以上の恐怖を感じていました。

 何せとんでもない人知を超えたような出力……それでいて彼は明らかに手を抜いている。

 このままでは全滅は必至でした。

 

 それなのにソロモン王が発生させている力場が原因でレイシフトを使って撤退することすらできない。

 

 

 でもせめて先輩だけは……!

 先輩だけはこの場から逃がさないと! …………逃がさ、ないと……。

 

 頭ではわかっているのに、体が動いてくれません。

 

 

 心が悲鳴を上げている。

 あのサーヴァントには決して勝てない、と。

 

 

 抗ったってどうせ勝てず苦しいだけならもうやめていい、とわたしを深い闇に引きずり込むような甘い声まで聞こえてくる。

 

 

 

 わたしはデミ・サーヴァント。

 いくら歴戦の英霊がこの身に宿ってくれても、本物の英霊になれる訳じゃない。

 わたしはわたしでしかない。

 

 

 英霊という武器をその身に纏っただけのマシュ・キリエライトという少女でしか。

 

 

 武器を使うのはわたし。

 なら、その武器を十全に振るうことすらできないわたしなんかじゃ、グランド・キャスター相手にマスターを守り抜くなんてできるはずがない。

 

 

 

 

 

 それでも……! わたしは諦めたくありませんでした。

 先輩と、賢者さん達とまだこの旅を続けていたいから!

 

 

 

 

 

 そんな想いを胸にわたしは隣の賢者さんに目を向けたんです。

 

 彼が見据える先にはあのとんでもない力を有したサーヴァントがいました。

 

 けれど、賢者さんに臆した様子はまったく見られません。

 やっぱりあの人は強い、力だけじゃなく心が。

 

 

 

 

 ソロモン王も彼の視線に気付き、そこで驚愕していました。

 

 

 

 賢者さんの情報をまるで読み取れないことに。

 

 

 

 確かに未だ賢者さんの正体はわからないままでしたけど……自分で全てを見通すと豪語していたソロモン王にすらまるで把握できないなんて……もしかして賢者さんはわたし達が思っている以上にすごい英霊なんじゃ……。

 

 そんなすごい英霊かもしれない頼もしい味方な賢者さんに、一片足りとも諦めた様子は見られない。

 

 なら、わたしも先輩のサーヴァントとして、ここで折れる訳には行きません!

 

 

 

 

 

 

 

 さ、流石にソロモン王のことを激怒した賢者さんが変態呼ばわりした時は肝を冷やしましたけどね……。

 

 

 

 

 

 

 

 そのあと知った賢者さんが語るソロモン王の真意に、わたしは新たに立ち向かう決意をしました。

 あんな酷い理由で世界が終わるなんて、わたしも認められる訳がありませんでした。

 

 賢者さんが激怒したのも今ならわかります。

 

 

 

 

 だから力を貸して欲しいと、あの人に言われた時、わたしは少し賢者さんに近付けた気がして嬉しかったんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直、協力要請中に偽ソロモンが邪魔してくると踏んでいたのだが、些か拍子抜けだった。

 どう考えても気付いてんのに何故見逃したんでしょうね?(すっとぼけ)

 嘲笑う気満々な小便王がスタンバってるんで言い分を聞いてやりましょう!

 

 

「こそこそと、有象無象が寄ってたかって反吐が出る。貴様らただの英霊風情が何をしようが無駄だとまだわからんのか? 全員揃って知能が猿以下か?」

 

「我みたいな名も知れぬサーヴァント一人に手こずってる変態のくせに口だけは達者だな」

 

「貴様ァ……まだ言うかァァァああああああ!!」

 

 

 苛烈さが増したよ! シェルターがもう間もなく切れるのにヤバイね!

 

 うん、マジやばい。冗談抜きで焼かれる。このままじゃ、燃焼プレイとかいう新ジャンル開拓するはめになりそう(冷や汗ダラダラ)

 偽ソロモンさん煽り耐性低すぎんよ。

 まあ、ヘイト集めてるおかげでみんなに被害がいってないんだけども。

 

 

「そうだ、小便王なんざにとやかく言われたくなんかねぇんだよ誰も!」

 

 

 モードレッドが赤雷を纏う聖剣で魔神柱(チンコ)の動きを抑制しながら口を挟んできた。

 

 

「モードレッド……元はと言えば貴様が小便などと言うからこんなことに……! 消し炭にしてくれる!!」

 

「させません! わたしが守ります!」

 

 

 偽ソロモンの注意がモードレッド達の方に向いた!

 今だ! 離脱!

 白濁の光を宝具(こかん)からは出せないが、疑似金玉が内蔵された性剣『天我裸ティン(TENガラティーン)』の刀身も同じ白濁の光だ。

 応用することで、刀身の形を保つのを一時的に解除し、ロケットブースターのような使用も可能とする。

 

 おかげで何とか爆炎の中を逃れた。

 シェルター解除と同時にジェット噴射した為、多少焼かれはしたがそれだけ。

 痛いっちゃ痛いが火傷程度で済んだのは充分僥倖だ。

 

 

「令呪をもって命ず。アヴェンジャー! 宝具を解放せよ!」

 

 

 ナイスタイミングだマスター!

 後は奥の手を使うのみ!

 

 

 

「この剣は金玉(黄金)の写し身。天我裸ティン(TENガラティーン)よ真の姿を我の前に示せ!」

 

 

 

 俺の詠唱に応じ性剣のギミックが稼働する。

 刀身が上空に射出され、白濁の光が5つに分裂し全てリング状へと姿を変える。

 

 

「あのアヴェンジャー、いったい何を!?」

 

『賢者君の邪魔はさせませんよ!』

 

「余所見してんなよ変態野郎!」

 

「ぐっ、無駄な足掻きをしおって!!」

 

 

 エックスさんとモーさん援護ナイスゥ!

 つーかこんなところでブリテン親子のコラボ見られるとは思わなかったぜ。

 

 

「『瞬間強化』発動。やっちゃえ! 賢者さん!」

 

 

 マスター……こりゃ期待には答えねーとな!

 

 

 

「それはあらゆる性器(精気)を搾り取る光の円筒。臨界にて果てろ! 『白濁光膜の円環(プレジャーホール)』!!」

 

 

 

 上空に展開していた5つの白濁の光の輪が、さらに円筒へと姿を変えそのまま落下する。

 

 そして、四本の魔神柱(チンコ)を包み込んだ。

 

 残念ながらソロモンには避けられた挙げ句、奴が使う魔術に破壊されたがな。

 

 刹那、四本の魔神柱(チンコ)を締め付けながら上下運動謂わばピストン運動をし出す。

 それも高速で。

 

 もうわかるだろ? 脳内フレンズ(我 が 同 胞)よ。

 

 即ち『白濁光膜の円環(プレジャーホール)』とは────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────巨大なオナホールのことだったんだよ(目逸らし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや、本当は違うんだよ?

 白濁光膜の円環(プレジャーホール)ってのは対象を包むことで身動きを取れなくしたり、振るたんびにブオンブオン鳴ることからも、凄まじい切れ味なのでそのまま圧搾するだけで中に入った対象を細切れにしたりする宝具なんだよな(それはそれでヤバいが)

 

 上下運動をする理由も上と下は穴が開いてる為、上下から包んだ対象が逃げ出さないようにしてるだけなんだわ。

 

 つまり魔神柱の外見がチンコみたいだった上、頑丈だったからこそ圧搾しても細切れにできず、オナホールにしか見えなくなったって訳だ(訴訟)

 

 結局は魔神柱のデザインと頑丈なのが悪い。

 そしてそのデザインにした偽ソロモンがなんもかんもわるい(理不尽)

 

 

 

 チェーンソーが稼働してる時の音と、切断音が混じったようなけたたましい音が四本の魔神柱(チンコ)から響き渡る。

 

 なんかめっちゃ痛そう……(アンタがやってんだよ)

 あれ見てると、性欲が死んでるから縮んでる俺の股間ですら、さらに萎縮するんだよなー。

 まあ、ナニはともあれ魔神柱(チンコ)の動きは封じた。あとは────

 

 

 

 

「役に立たぬ魔神どもめがッ! もういい。第三宝具を用いてでも貴様だけは滅ぼしてくれる! 名もなきアヴェンジャー!!」

 

 

 

 

 ちょっと偽ソロモンさんキレ過ぎじゃないですかね?(自業自得)

 つーかオイ! あの天に渦巻く光帯が我が宝具とか言ってたよなあの野郎!?

 あれを俺にぶっぱなす気か!?

 

 いやあんなもんぶちかまされたら、このロンドン諸とも消し飛ぶわ!!

 

 ちょっと小便王さん? アンタさっきお前達のことなんかどうでもいいって、ここで殺すも生かすもどうでもいいって言ってたよね? はじめから見るに値しないとも言ってたよね? 気まぐれで来たからもう帰るって言ってたよね?

 

 なのに俺を潰す為だけに本領発揮とか、やだー! 前言撤回早過ぎんよー! 

 七つの特異点を全て消去したら解決すべき案件として考えてやるとかぬかしてたくせに、俺ごとマスターもマシュもまとめてここで滅ぼす気かよ!? せこいな!

 

 

 うわっ……偽ソロモン(ラ ス ボ ス)の沸点低すぎ……?

 

 

(※いくら人理焼却の黒幕だからって、あれだけの誹謗中傷を受けたら誰でもキレます)

 

 

 

 

 

 

「安心しろ、全力は出さん。そこの不届き者を焼き尽くすだけの出力に留めてやる」

 

 

 

 うわーそれなら安心だね! 安心できねーよ。

 つまりあれだろ? 俺を容易く焼死体にするだけの火力は放つ気満々ってことっしょ?

 

 アーサー王の聖剣の光を幾つも束ねた一撃とか、焼死体どころか霊基自体が蒸発しそうだよね(白目)

 

 逃げねば(死相感)

 

 

 

 って、あれ? おや体が……まさか魔力切れ……!?

 

 

 

 しまった……! 魔力の源(俺の子種)は乳上で全部出し切ってたんだった!?

 ……ぶっちゃけ俺の魔力総量って白濁の液体が9割以上占めてるから、残りは絞りカス程度だってのに、いくら令呪を使ってもらったとはいえ、基本的に対象は一人な宝具(オナホ)を、5つに分割するなんて無茶な解放をしちゃったせいだ……(やっぱりオナホじゃねーか)

 

 

 

 あれ? ちょっと待て……普通にやばくね? 魔力量的に防御も回避も無理だぞオイ。

 

 

 え? マジでどうすんの!? どうすんの!?

 

 

 

 

 

「マシュは賢者さんを守護! エックスとモードレッドはソロモン王の宝具発動の妨害を! アンデルセンはみんなの支援をお願い!」

 

「了解です先輩!」

 

『お任せを! 宇宙船に乗りながらも流星剣をぶつけてあげましょう!』

 

「おう! 妨害どころかぶっ潰すつもりで行くぞ!」

 

「ったく、作家使いの荒いマスターだ。ゲルダの涙よ、心を溶かせ」

 

 

 

 

 

「その男を見捨てていれば、この場では貴様らだけでも助かったものを……愚かな」

 

 

 

 なっ……ちょ、みんな何して……?

 

 

「……キミたち、何をしている?」

 

「何って……賢者さんを守りに来たんです。動けない様子でしたので……ご迷惑でしたか?」

 

「勘違いすんなよ。オレは助けに来た訳じゃねぇ。ただこの変態野郎をロンディウムから追放するためだからな!」

 

「とう! ドゥ・スタリオンⅡからこんにちは! 素直じゃないのでまとめてカリバー!!」

 

「ち、父上!? あ、危ないだろうが!」

 

「誰にでも反抗期な息子に、お仕置きがてらのソロモン王と一緒にカリバー!!」

 

「うわっ!? だから危ないっての!」

 

 

 いつもは反抗期な俺の息子(意味深)も、今は萎れてふにゃふにゃだぜ(現実逃避)

 ブリテン親子がじゃれてると、なんか和むよね……。

 

 じゃなくて!

 

 

「すまない魔神柱で精一杯だった。……奴の標的は我一人だ。早くこの場を離れろ。宝具が来る。魔神柱は何とかなったがソロモンは……」

 

「馬鹿かおまえは。そんなものは承知の上でコイツらはここに立っている。無論俺もな。それに魔神柱四体を一人で仕留めればサーヴァントとしては上出来だ。……正直、肉体労働などこれっぽっちもやりたくないが、おまえがやられたからって、あの夢だけは人一倍の変態が逃がしてくれる保証はどこにもない」

 

 

 アンデルセンの言うことにも一理ある。

 偽ソロモンは俺の挑発程度で怒りに任せて潰そうとする輩だ。

 俺がやられた後、口の悪いモードレットとアンデルセンが残ってる中、本当に見逃してくれるのかは疑わしい。

 だが、だからって!

 

 

「そうかもしれないが、このまま全滅するつもりか?」

 

「おまえ程の英霊がやられたあと、奴に牙を向かれれば俺なんかは即お陀仏だ。ならば賢者とは程遠い肉弾戦上等なエセ賢者をさっさと戦線復帰させ、肉壁になってもらうのが一番妥当だと判断したまでだ」

 

「そういうこと! ほら賢者さん! 火傷してる箇所見せて。応急手当するからさ」

 

「……ああ」

 

「賢者さんが回復するまでの間くらいはわたしが防ぎきります! 安心して下さい!」

 

「……わかった」

 

 

 ツンデレが二人もいる6人パーティってのもまあ、悪くないか……片方男だが。

 つーか、何気に立香ちゃんってばカルデアの魔術礼装使いこなしてるよな。

 さっきの宝具発動手前で瞬間強化のバフをかけてくれたり、今も回復魔術で回復してくれてるし。

 

 ……どうする? こっから逆転の目なんてあるのか?

 でもここまで尽くしてくれるマスターやマシュ、なんだかんだで助けてくれる仲間達を、汚い俺なんかと心中させられるかよ!

 

 考えろ! 

 

 今出せる手札を……()()()しかないか?

 いや、でも()()()には時間が足りない!

 

 性剣は……まだ魔神柱を締め付けてる最中で使用不可か!

 

 クソッ! 他に手札は……。

 

 

 

 

「無駄だ! 第三宝具、展開。 誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの」

 

「そんな!?」

 

「くっ、マシュ! 宝具の準備を!」

 

 

 

 

 

 慈悲もなく光帯が回り始めた。

 

 ちくしょう! 他に手立ては!?

 クソったれ……こんな時、大賢者モードなら何とかできるはずなのに…………大賢者? ………………………………あ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──焼け死ぬがよい! アルス・アルマデぶふぅぅぅううううううううううう!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宝具、展開しうぇ?」 

 

「「えっ」」

 

「「……はっ?」」

 

 

 偽ソロモンが宝具を発動しようとした瞬間、()()()()()()()()が偽ソロモンの左頬にめり込んだ。

 

 

 彼は錐揉み状に回転しながら、吹き飛んでいった。

 仲間のみんなは全員唖然としている。

 

 

 ……まあ、無理もないよな。

 自分で自分のことぶん殴ってぶっ飛んでったんだから。

 

 

 

 

 にしても危ねぇ……!? さ、流石に今回は冗談抜きでヤバかった!

 

 

 

 

 

 偽ソロモンの左手に性剣を挿入(意味深)したのを覚えてるか? 腹パンからの腹パンからのフェイント性剣お見舞いしたのを。

 俺は大賢者モード時の俺がやったことだから、思い出すのに苦労したが、何とか間に合って良かったぜ!

 

 

 大賢者時の俺がだが、性剣の刀身部分にあたる疑似ケフィア(意味深)を左手に中出し(意味深)しといたことで、奴の左手を侵食しておいたのさ! ……オエェェェッ!!(違う想像をして嘔吐)

 ゲプッ……うぇ…………失礼、吐きました(内心)

 

 

 しかも秘蔵の封印を疑似ケフィア(意味深)自体に使っていたことで、奴に気付かれずに侵入させ容易く侵食できた。

 大賢者……アレだけキレてたのに意外と冷静で抜け目ないんだよな(有能)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっと? ちょうどよく四本の魔神柱(チンコ)がとうとう圧搾に耐えきれず、中身(意味深)を吐き出したな。

 

 

 

 いやー? まるで射精みたいだなーとか思ってないからね?

 

 マスターが顔を赤くして両手で顔を隠しながら指の隙間から見てたりとか。

 

 マシュも頬を染めながら、顔を下に向けてはいるものの興味はあるみたいで、上目遣いでチラチラ見てるっぽいとか。

 

 モードレッドはゴミを見るような目を向けてるとか。

 

 

 

 そんなこともあったけど、いくら魔神柱の外見がチンコだからって出てきた中身が白濁してる訳じゃないし、射精には見えないって!(白々しい)

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、これで性剣『天我裸ティン(TENガラティーン)』は使えるようになった。

 

 状況は未だ好転とは言えないが、火傷もマスターが治療してくれたし、これである程度戦えるはずだ。

 

 

「…………」

 

 

 ちっ、やっぱ戻ってきたか。

 いやあんなんで仕留めきれたとは思わなかったけども。

 

 

「……興が削がれた。私は帰る」

 

 

 ってあれ? 何事もなかったかのようにこっちに戻ってきたかと思えばそれ?

 

 

「なっ!? 逃げんのか?」

 

「先程私が言ったことを繰り返させるつもりか叛逆の騎士? 低脳にも限度があるぞ。貴様らなど本来どうでもいいのだ」

 

 

 なんか妙に冷静になってやがる。

 えっ? 頬を殴られて冷静さを取り戻した?

 いや、これは……まさか!

 

 

「あまりにも幼い人間よ。人類最後のマスター、藤丸立香よ。これは私からの唯一の忠告だ。おまえはここで全てを放棄する事が、最も楽な生き方だと知るがいい。私の実力を垣間見た貴様らには理解できるはずだ」

 

 

 自身の左手で殴られたことが原因ではなく、四本の魔神柱(チンコ)が果てた直後にこんな冷めた態度になったんだとしたら……それはつまり。

 

 

 

 

「──灰すら残らぬまで燃え尽きよ。それが貴様らの未来である」

 

 

 

 

 賢者モードですね、わかります(共感)

 やっぱり魔神柱(チンコ)は偽ソロモンのチンコだったんだよ!

 じゃあさっきのはやっぱり射精だったんだな、うん。

 

 

 うわぁ、汚い(ブーメラン)

 

 

 なんかマスターとマシュに哀れみのこもった視線や口調をしてたけど、お前の方が哀れまれる立場じゃん(お前のせいでな)

 あんなのがラスボス候補とか……頭が痛いな。

 

 

 

 

「最後に訊かせろ。貴様は何者だ?」

 

「……我は世界の復讐者。ただのアヴェンジャーだ。賢者と呼ばれているから、賢者のアヴェンジャーとでも呼べ」

 

「賢者のアヴェンジャー……覚えたぞ貴様のことは。次に会う機会があれば、貴様は私直々に今度は全力を以て葬ってやろう。……七つの特異点を解決できればの話だがな」

 

 

 

 

 あっ、帰ってった。

 アイツ、思ってた以上にヤバイわ。

 

 露出趣味なのはわかってたが、魔神柱(チンコ)から中身を出すとこを見せびらかすのも好きとは……変態の中の変態ってのはあーいうのを言うんだろうな(ブーメラン二つ目)

 

 

「あの、賢者さん……」

 

「どうしたマシュ」

 

「その、何故かブーメランが頭に二つも刺さってますよ」

 

「………………やけに頭が痛いと思った」

 

 

 オイ誰だよ俺にブーメラン(物理)投げた奴!

 さては脳内フレンズ(我 が 同 胞)の誰かだな?

 

 

 許さ……あれ? 脳内フレンズなのに、ブーメランぶつけて来るっておかしくね? …………うっ、頭が。

 

 

 

 ま、いっか! 細かいことは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聖杯も回収したし、後はレイシフトでカルデアに帰還するだけだ。

 

 最後の変態のせいで乳上のおっぱいの余韻を台無しにされたけど、まあ良いさ。

 揉めたことは揉めたんだからな!

 

 そのことを心の記憶も体の記憶もちゃんと覚えてる!

 よし! 明日になったらその記憶をオカズに抜きまくるとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 こうして第4特異点『ロンドン』の戦いは漸く幕を下ろした。

 

 あ、もちろんモーさんもお持ち帰りしたぜ? カルデアのモーさんと合体してもらったさ。

 ……まあおかげで記憶が引き継がれたらしく、うやむやになっていた勝負を続行ということになり、また特異点に連れ出されたりしたけど(汗)

 

 あと、カルデアに帰還したら、ドクターロマンが酷く落ち込んでたんだよね。

 なんか胃に穴が空いたんじゃないかってくらいに。

 マスターもマシュも無事だったんだからあそこまで落ち込まなくても良いのにな(見当違いな感想)

 

 ダ・ヴィンチちゃんとかはそんなロマニを見て笑い堪えたりしてたし、逆に気楽だなーとは思ってたけどさ。

 

 ダビデなんか腹抱えて爆笑しながら「僕の息子気の毒過ぎワロタ(要約)」的なこと言ってたし。

 

 何故かロマニがちょっとした癇癪を起こして、ダビデに八つ当たりしてたけど、そこまでストレス溜まる程に心配してたんだなー(見当違いな解釈)

 

 心労で倒れかねないし、確実にマスターやマシュを守れるように素早く()()()努力と、童 帝 神 技(ドウテイシンギ)の解禁も考えておくかね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、無事帰ってこれたからって、気が早いけど、次の特異点(合コン)は女の子ばっかだといいなー(願望)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。

 

 よく眠れたぜ! おかげでタンクは再び満タンだ!

 

 そんで今日はビッグイベント! マスターが第4の聖杯を回収できた記念に、聖晶石使って誰か新しく召喚するってよ!

 

 やっぱ女の子が良いよな女の────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ランサー、アルトリア。召喚に応じ参上した。我が愛馬が雷雲を飲むように、我が槍はあらゆる城壁を打ち破る。あなたの道行きを阻むもの、すべてを打ち……そこの貴様、何処かで会ったか? 何故か酷く懐かしい薫りが……オイ待て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────戦略的撤退ッ!!

 

 いやー、流石に昨日の今日で揉んだばっかな相手を前に涼しい顔で出ていけるほど、肝据わってないから!

 

 あとランサーアルトリア・オルタさん。薫りじゃなくて物理的な香りだったりします?

 

 

 鎧に包まれていてもわかるたわわに実った胸部。

 

 

 それを見て感触がリフレインしちゃってさ、実は大量に出ちゃったんだよね☆

 

 

 

 本当に下品ですまない(陳謝)

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうでも良いけどさ、陳謝って言いながらチン射してみたくない?(反省の余地なし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソロモンは玉座に帰ってきた。

 彼の根城であるどの時代からも切り離された神殿に。

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 妙に疼く左手。

 左手の傷口に彼は魔術を行使した。

 すると、傷口から漏れ出す白濁の光の粒子。

 

 

「賢者のアヴェンジャー……奴が使っていた光の剣の残滓か」

 

 

 

 その白濁の光の粒子をソロモンは魔術を行使してその場の空間に留める。

 

 

「フン、こいつを解析すれば奴の素性、真名も判明するはずだ」

 

 

 そう、怒り狂っていたソロモンが唐突に帰還した理由は簡単な話。

 あの謎過ぎる賢者のアヴェンジャーの正体を突き止めるためだったのだ。

 

 

 所詮、消えゆく運命のサーヴァントの一人に過ぎないが、面倒極まりないサーヴァントなのは事実。

 それに不名誉な異名を付けてきた挙げ句、色々と出し抜かれたのも確かだ。

 

 であるのなら弱点を暴くに越したことはない。

 そう思い持ち前の千里眼と、最高峰の魔術を用いて解析を始めたのだが……。

 

 

「くっ! 無駄に何重にもセキュリティが張り巡らしてあるとは……どれだけ奴は自分のことを知られたくないんだ。…………いや、もしや抑止力が秘匿しているのか……?」

 

 

 幾重にも張られたセキュリティの数々が、真の情報を暴くのを邪魔する。

 これだけで賢者のアヴェンジャーがどれだけ秘匿性の高いサーヴァントかがわかる。

 ソロモンは帰還して正解だったとほくそ笑んだ。

 

 ……まあ、帰還したタイミングがタイミングだっただけにさらなる誤解が増えたことを知らない彼的に、プラスかマイナスか微妙なとこだが。

 

 何枚もの壁、幾つもの錠。

 それらを順番に魔術で強引にこじ開けていく。

 極めて順調。

 このまま行けば奴の真相に辿り着ける。

 ソロモンはそう思っていた。

 しかし────

 

 

 

 

 

 [エラー。管理者以外の侵入者が閲覧しようとしています。よって自壊プログラムを起動します]

 

 

 

 

 

 

 ────やはり甘くはなかった。

 

 

「なっ!? 待て! 消えるな!」

 

 

 魔術を用いて白濁の光の粒子の消失を妨げようと試みるが、徒労に終わる。

 白濁の光の粒子は綺麗さっぱりこの場から消滅した。

 

 

「おのれ、奴の唯一の手がかりが……」

 

 

 これで賢者のアヴェンジャーの正体を看破することは難しくなってしまった。

 だが収穫が一つも無かった訳ではない。

 

 

 かなり厳重なロックがかけられていた為、かなり重要度の高いサーヴァントだということ。

 恐らく抑止力の切り札のような存在な可能性が高い。

 

 そしてもう一つ。

 

 

「あの光の粒子……微かだが生命反応を感じた。それも一粒一粒から。…………まさか私と同じように()()()()()()()()()()()使()()しているのか……?」

 

 

 だとすれば賢者のアヴェンジャーの脅威度は一気にはね上がる。

 何せ自身と似たようなことができる可能性があるのだから。

 楔としてあらゆる時代に投錨した魔神たち。

 

 魔神は1体1体を撃破されてもその場限りの撃退に留まり、根本的な打倒が出来ないという性質を持つ。

 

 これは「七十二柱の魔神」という存在自体が一つの術式・概念となっており、ソロモンの周囲に常に七十二柱が存在していることを前提とする使い魔であるため、撃破されていずれかの個体が消滅してもこの概念により再生され、常に「七十二体存在する」状態を保持されるためである。

 

 また、仮にいずれかの個体が失われたとしてもソロモンは簡単に補填することができる。

 

 

 

 もし賢者のアヴェンジャーが使役する生命体も、これらと似たような性質を持つ存在なら非常に厄介だ。

 

 これでは完全にいたちごっこだ。

 互いに消耗しようと、直ぐに補填されるのなら無駄な労力でしかない。

 

 となれば使役している本体を撃破する必要が出てくる。

 

 

「真名を明かしてない時点で、全力を出してるはずがない。奴の戦闘力は未知数だ。……よりにもよってあんなイレギュラーが人類最後のマスターの元に召喚されるとは」

 

 

 計画を邪魔する不穏分子。

 マスター自体は然したる脅威ではないが、賢者のアヴェンジャーがどう動くのかがまるで読めない。

 奴の行動によって未来は左右される。

 おかげで今見えている千里眼の結果も、まるであてにならなくなってしまった。

 完全に想定外な事態。

 

 何せ賢者のアヴェンジャーが存在しない前提での未来予知などなんの意味もないからだ。

 

 

「フン、だが弱点の1つはわかりきっている。マスターだ。いくらイレギュラーなサーヴァントであろうと、マスター無くして、現界し続けることはできまい。たとえ奴が単独行動のスキルを持っていようと、いずれ魔力切れを起こす。マスターは藤丸立香ただ一人。代えはいない。であれば残りの特異点で排除は充分に可能だ。……なんだ何も問題ないではないか、フフハハハハハハハハハハハハ!」

 

 

 安堵したのか一通り高笑いをあげる。

 だが、直ぐに冷静になった。

 

 

(だが万が一なこともある。賢者のアヴェンジャーがマスターを守り抜く可能性だ。……やはり何らかの策を練っておくべきか。例えば……賢者のアヴェンジャーが()()()()()()()()()()仕向ける一手などをな)

 

 

 ソロモンは賢者のアヴェンジャーというイレギュラーと出会ったことで、傲り高ぶった慢心を多少捨てる選択を取る。

 これにより未来は変わる。変わってしまう。

 

 元々想定されていた未来の筋書きは上書きされた。

 

 

 

 結果的にカルデアのマスター・藤丸立香の旅路はさらに過酷なものへと変貌を遂げるだろう。

 

 

 

 だがまだわからない。

 

 イレギュラーなサーヴァント、賢者のアヴェンジャーの存在が含まれない場合の話だからだ。

 

 

(5つ目の特異点には既に新たな『爆弾』を仕掛けた。さぁ、超えられるものなら超えてみせよ藤丸立香、そして賢者のアヴェンジャー。……まあ、邪視をくらわせたカルデアのマスターが生きて帰って来れればの話だが)

 

 

 別にソロモンは見逃した訳ではなかった。

 姑息な罠だが、あのマスター程度なら邪視による呪詛でくたばるだろうと見越しての判断だった。

 暫く経てば魂を縛られるはずだ。

 しかし、懸念事項として謎のサーヴァントが存在する。

 奴ならマスターを救う手立てを用意しているかもしれなかった。

 

 

(とはいえ賢者のアヴェンジャーが何をしでかすかわからん以上、念には念を入れての『爆弾』だ。あと残り2つも用意だけはしておくか)

 

 

 ただしここに来てソロモンの厄介さが上がっていた。

 賢者のアヴェンジャーのせいで警戒心を持つように、即ち慎重になっているのだ。

 これでは付け入る隙が激減する。

 魔術王は元々強力過ぎるサーヴァントなのは間違いないが、強力過ぎるが故に慢心気味だった。

 なのに彼は学習してしまったのだ。

 まだ3つの特異点が残っている現状で、ソロモンは警戒心を強めてしまった。

 

 

 これについては賢者のアヴェンジャーの行動が裏目ったとしか言いようがない。

 ソロモンに汚名を被せた代償といったところだろうか。

 

 

 こうして規定のレールからは外れた。

 

 

 

 

 これは、ただの未来を取り戻す物語、ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────規定よりずれた道筋を、賢者と歩む物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベレトより要請。これは我ら72柱の魔神の過半数が賛成の意を示す重要な案件である」

 

 

 

「なんだ? ベレトよ」

 

 

 

「我らのビジュアル変更を早急に要請する。指摘されたから変更するのは如何なものかと否定意見もあったが、これ以上あの屈辱を受けるのは許容不可と我々肯定派は判断した。総括局よ、あの場にいた代表として再度改めて進言する。我らのビジュアル変更を早急に要請する」

 

 

 

「……総括局より返答。検討しておこう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一から第三の特異点に登場したフラウロス、フォルネウス、バルバトスのビジュアルは全て黒い体色に丸い目を持つタイプで統一されていた。

 

 しかし今回のことをきっかけにして、次の特異点以降に出現する魔神柱は個体ごとに異なるデザインのものも登場するようになり、後に遠くない未来に再び現れるフラウロス、フォルネウス、バルバトスの体色も黒以外に変わっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォウフォーフォウ、フォウゥ……(特別意訳:いやデザインじゃなくて根本的に形を変えろよ、結局チンコのままじゃないか)」

 

 と、後日小動物からツッコミが入るのだが、幸いなのか不幸なのか、その意味が魔神柱に伝わることはなかった。




ちょいちょいシリアスを混ぜ込んでいくスタイル

【もしもマスターがぐだ男だったら】
賢者な彼「チンコが4本……来るぞマスター!」
ぐだ男「えぇ…………」
魔神柱「誠に遺憾である」

【さらにもしもソロモンが女だったら】
女ソロモン「用を足しに来ただけ」
賢者な彼「お前が便器になるんだよ(直球)」
ドクター「」


茶番も含めこれにて第4特異点『ロンドン』完結です



次回は一応本編に関係ある監獄塔イベをアバンでさらっと流して第5特異点の話になると思います
次回の投稿は暫くかかると思うので気長にお待ちください

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