とある転生屋敷しもべ妖精の努力話   作:零崎妖識

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賢者の石終了

クリスマスにはターキーと特大のケーキを。ターキーはオリジナルであるロック鳥のものと、某道頓堀に投げ込まれた人形の店のものを用意。ケーキは教師用特製ケーキをさらに豪華にしたバージョンだ。

てっぺんには羽を持ったイノシシの砂糖菓子を配置。その一段下から四つの区画に分けて、それぞれの寮のモチーフを。グリフィンドールは獅子の砂糖菓子を置き、ケーキはイチゴとパイナップルのミルフィーユ。レイブンクローはブルーベリーに烏のホワイトチョコレート。銅のカプセルをケーキの中に入れてあり、その中には少し難しい謎解き(リドル)が入っている。ハッフルパフは蜂蜜味で上にはチョコレートスプレーを。ケーキの中には穴熊マークの金貨チョコ。メロン味のケーキにアラザンをかけたのはスリザリン。蛇型にしたマスカットグミを乗せて。

これを、毎年クリスマスに出している。カロリーと味が気になるが、そこは魔法で調節した。魔法ってマジ万能。

それと、ハリー宛に箒の手入れセットをクリスマスプレゼントとして贈る。これは、ポッター夫妻が購入したものだ。まだ出歩けるほど回復しているわけではないが、ホグワーツ校内ならしもべ妖精の手を借りればフクロウ小屋まで行ける。

俺自身は磨き粉と銀の磨き方、燻し銀にする方法を書いたメモ帳を贈った。ハリーのブレスレットは小鬼(ゴブリン)の銀で出来ている。そうわからないように加工したから、グリンゴッツの奴らにもわからないだろうけどね。綺麗な銀にしたいか、燻し銀にしたいかはハリー次第。

 

 

翌年六月。ホグワーツ校内に、とある噂が蔓延した。ハリーが悪い魔法使いから『何か』を守ったと言う噂だ。

ジェームズは狂喜乱舞し全快を遠のかせ、リリーはあらあらと微笑むだけだったが瞳の奥には「危ないことはしないように叱らなくちゃ」と言う意思が見て取れた。

ハリーにはお見舞として胃に優しいお菓子を送っておいた。

少しして、ハグリッドからポッター夫妻の写真を持っていないか、持っていたら譲ってくれないかと言われた。もちろん譲る。ただし、ちょっとした悪戯心で、一枚だけ現在の写真を含んでおいた。

 

「君も人が悪いね、ギヴァー」

 

「あなた様に言われたくはないのですがね、ジェームズ様」

 

「ハリー、気づいてくれるかしら?」

 

「きっと気づいてくれるでしょう。何せ、あなた方の息子なのですから」

 

ついでに、シリウスにも同じ写真を送っておいた。どんな顔をすることやら。

 

 

今回の優勝記念ケーキはグリフィンドールモチーフ。上の飾りつけはスリザリンなので、部下達は混乱していたが、ダンブルドア校長からの指示だと言うとみんな納得した。これまでもこういったサプライズはよくあったから。

翌日、ハグリッドに話しかけられた。

 

「お前さん、あの写真はどう撮ったんだ?」

 

もちろん、紛れ込ませたあの写真のことだろう。ハグリッドに話すと、いつどこで情報を漏らして来るかわからないから言うわけにはいかない。だから、とある小説の言葉を借りてこう言おう。

 

「世の中には、知るべきではないこともあるのですよ」

 

一年が終わる。次はバジリスクだったか。アレも救って置きたいが……はてさて、どうするかね。




ここまでハリー達三人が喋らない小説があっただろうか。

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