七月三十一日。
ホグワーツに届いた『日刊予言者新聞』を読みながら、ハリーに贈った誕生日プレゼントのことを考える。今年はお菓子の詰め合わせだ。喜んでくれるといいが……。
新聞には、小さな記事ではあるが、ウィーズリー一家がくじを当てたことについて書かれていた。写真付きだ。明日にはシリウスが脱獄した記事が一面に載ってるだろう。
八月一日。
やはり、シリウスの脱獄があった。その記事をジェームズ達に見せてみた。
「さすがパッドフットだ!とうとうやりやがった!くそう、僕も手伝いたかった、そうすればバレずに済んだだろうに!!」
「ジェームズ、あなた犯罪者になりたいのかしら?それはともかく……ギヴァー、教えてくれてありがとう。もしも、彼がホグワーツに来たらここでかくまってあげてくれないかしら……?」
「リリー、『もしも』じゃない、あいつは必ずホグワーツへやってくる。多分、あいつはまだワームテールを追いかけてるんだ。昨日の新聞を見ただろう?ほら、ワームテールが映ってる!これを見たんだろうね」
「ええ、私としてもシリウス様が冤罪のままなのは心苦しいです。ですので、精一杯の協力をお約束しましょう」
ジェームズは喜び、また貧血で倒れ込んだ。そろそろ学習してくれ。完全回復するのが遅くなるぞ?
八月四日。
漏れ鍋にいるレギュラス──今はレイナード・ノワールと名乗っている──から、ハリーが漏れ鍋に泊まることになったと連絡があった。やはり、マージは膨らませられたらしい。
そこの似た者夫婦、笑ってないでちゃんとご飯食べなさい。完全にあなたの遺伝じゃないか、ジェームズ。
数日後、
新任の教師──教えるのは『闇の魔術に対する防衛術』だ──がしもべ妖精達に挨拶に来た。その理由が…………『時々盗み食いに来るかもしれないから』。まったく…………時が経っても変わらないようだ、リーマスは。
「まだ君がいるとは思ってなかったよ、ギヴァー」
「貴方が、教師になるとは思ってもいませんでした、リーマス様」
「このご時世、人狼を雇ってくれるところなんか少ないからね……ダンブルドアには感謝してるよ。ところで、どこに向かってるんだい?」
今は、リーマスを隠し部屋に案内している。そして、十何年越しに、彼らは再会した。
「───プロングズ?まさか、本当に?それにリリーまで!?君たちは死んだはずじゃ……」
「ところがどっこい、生きてたのさムーニー!感謝ならギヴァーに言ってくれ、彼のおかげで助かったみたいだからね」
「久しぶりね、リーマス。積もる話もあるでしょうし、今夜はゆっくりしていきましょう?」
今日の彼らの夕食は、少しだけ豪華になった。