ハロウィーン直前。厨房とは離れた一室で『絶命日パーティ』用の料理を作る。このパーティ料理は腐っていたりしないと意味がないために、他の料理に被害が及ばないように、注文が入った時は必ずここで作る。誰も使わない地下牢だから俺以外には被害はない……はず。
数日後のハロウィーンの日、ミセス・ノリスが石になった。
スリザリン対グリフィンドールのクィディッチ試合の日。だいぶポッター夫妻が回復してきたので、コートからは見えないように観戦することを許した。
どこかでドビーがブラッジャーに細工したのは変わらないようで、一つがハリーばかりを狙っていた。
「おい僕を試合に出せあのブラッジャーを粉々に砕いてやる僕の杖はどこだ箒を持ってこい!」
「落ち着きなさい、ジェームズ。私だってあれを砕きたいけどね?これはハリーの試合なの。今は選手じゃないあなたが手出しすることじゃないわ」
ブラッジャーがハリーの腕に当たった瞬間、ジェームズが飛び出そうとしてリリーが軽く絞め落とした。この家族の力関係はリリー>ジェームズのようだ。
ハリーがスニッチを取った瞬間、気絶していたジェームズが飛び起きた。
「ギヴァー、カメラを貸してくれ!息子の勇姿を写真に収めるんだ!そしてパッドフットに自慢する!」
「落ち着いてください、ジェームズ様。絞め落としますよ?」
で、案の定ロックハートがやらかして、ジェームズとリリーがお怒りに。今手出しするのはまずいので、就寝時間の後に夜襲を仕掛けることを許しておいた。
翌日。ロックハート教授が無残な姿で発見されました。残念なことに生きていますが。
ロックハートが『決闘クラブ』とやらを開くことになった。ハリーも参加するようだと言ったら、ジェームズとリリーが見たいと言ったので、上の方にある隠し小窓から見ることに。
「ロックハートだったか?あの男は少なくとも実戦じゃ役に立たないな」
「ええ。決闘なんて、実戦だと全くないものね。『例のあの人』が時々見せしめにやったぐらいだったかしら?」
ロックハートが杖を上げた所で、夫妻はもう興味をなくしたようだ。
少しして、広間の真ん中にドラコ・マルフォイとハリーが出てくる。
「あれは……マルフォイのとこの坊ちゃんか?親父に似て嫌味なやつだ」
決闘が始まった途端、ドラコの杖から蛇が出る。そして、
自身のことがバレるのを厭わずにジェームズが出て行こうとした時、ハリーが蛇語を使った。翻訳魔法を作っていないので、なんと言っているのかはわからない。
「まさか、ハリーは
「そのようですね。恐らくは、『例のあの人』の力の一部がハリーに移ってしまったと思われます」
呆然とするジェームズとリリーに解説する。まさか、実の息子を恐れるなんてことはあるまい──と思っていたら、
「ハリーがヴォルデモートの力を奪っただって?凄いじゃないか!僕でもそんなことはできなかったぞ!?」
「ハリーに悪影響がないといいんだけど……ダンブルドアならなんとかしてくれるかしら?」
親バカだということが発覚しただけだった。