破壊の悪魔は川神市に住まう(仮)   作:BATTU

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ついにやっちまった

とりあえずこんな感じというお試し感覚で見てください


prologue 『B』

?? SIDE

 

 

「ッ!!!カカロットォォォ!!!」

 

後ろの男、憎き好敵手『カカロット』

 

カカロットは極太気功波を放出させると先ほどまで押されていたはずのカカロットの息子達、悟飯と悟天の気が増していき、極太気功波の太さがまた更に増していき、包み込まれていた3個の緑色の光弾は消滅していった

 

危険と感じ、全身に気を最大まで高めていき、周りに緑色の球体の障壁、バリアを作り出して3人の超極太気功波を防ぐ

 

唸り声をあげながら足を岩山の地面に踏ん張るが、威力に耐え切れず足場であった岩山が崩れてしまいその超極太気功波の中に包み込まれていき、天よりも高く飛ばされて行った

 

 

「ウッ!?ウオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォッ!!!???」

 

 

体が光に飲まれていく

 

憎きカカロットとその息子達が放った超極太気功波の青白い光

 

そして背後の太陽の光に

 

 

(何故だ!この俺が・・・負けるはずがない!)

 

 

そんな中でも彼は困惑し、憤怒する

 

 

(俺がカカロットに負けるはずが無いんだ!カカロットなんぞに負けてはならないんだ!)

 

 

視界が光に覆われる

 

だが意識だけは失わない

 

手放すものかと必死に好敵手の名を考え続ける

 

 

(カカロット・・・!カカロット!)

 

 

それでも無残にも意識は消えていく

 

視界が紅く染まっていく

 

破壊の悪魔は光に飲み込まれていく

 

そして最後に悪魔は恨みの対象に向けて吠えた

 

 

「カァカロットオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

瞬間、破壊の悪魔『ブロリー』は太陽に消えた

 

最後に上げた咆哮も宇宙に消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“筈だった”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??

 

「あー、もう少し楽しめると思ったのにな」

 

溜息混じりに自身の部屋で仰向けになりながら呟く少女

 

艶のある長い黒髪に、同性でも見惚れるであろう貌とプロポーション

手足はスラリと伸び、体は女性らしさにあふれ

されでも内には確かな鍛錬と修練の結晶を宿して、美しさと強さを兼ね揃えた肉体だった

 

彼女の名は川神百代

 

今日は彼女の家、武の鍛錬場として名の知れた川神院で久方ぶりの他流派の武術家との正式な手合わせが行われた

 

相手は古くから伝わってきた流派の達人、実力は申し分なくまず一般な武術家かでは勝つことは極めて難しい

百代もその達人の話は幾度か聞いており今回の手合わせをとても楽しみにしていた

 

もしかしたら、そいつなら解消出来るかもと期待していた

自分の疼き、乾きを

 

確かに凄かった

確かに強かった

 

だが、それだけだった

蓋を開けてみれば、いつもと同じ様に相手が倒れ伏し、自分はただそれを静かに見下ろしていた

 

自分が渇望していた時間は、あまりにも短く終わってしまった

 

終わって胸にあるのは、物足りなさ

飢えにも似た強者を求める己の疼きだった

 

 

「なまじ実力があった分、余計に物足りなく感じてしまうな…」

 

 

空腹時に下手に食い物を口にしてしまうと、余計に腹が減る…その感じが今まさに百代が感じている事だ

 

足りない、これでは足りない、全然足りない

 

自分はもっと戦いたい

 

こんな不完全燃焼な戦いではない

 

もっと強い者と闘いたい

 

もっと血が滾る様な、もっと心が脈打つ様な、もっと魂が震える様な

 

そんな強者と、心行くまで戦いを楽しみたい

 

 

しかし、その望みは今日も叶える事が出来なかった

 

 

「はぁ...もう寝るかな」

 

 

そう思い、そろそろ明かりを消そうとした時だ

 

 

 

ドゴーーーン!!

 

 

 

「おわッ!じ、地震?...いや違う、この振動はこの山からか?」

 

 

突然の揺れに倒れそうになるが何とか態勢をとり、倒れるのを防ぐ

 

部屋を出ると川神院にいる門下生たちなどの慌てる声が響く

その中に妹の声も聞こえたような気がしたが百代は川神院の近くにある森へと急いで向かった

 

 

「じじぃの事だ。またなにかあるとやばいとかで止められそうだからな ...確か、この辺りだったか」

 

 

揺れの発生源らしき場へとやって来た

そこでまず百代の目に入ったのは少女たちだった

 

1人は白と黒を基本としたヒラヒラした服装にゲームや漫画などでありそうな魔法使いっぽい大きな帽子をかぶった少女

 

もう1人は先ほどよりも背が小さく、しかし髪色は似た金髪で赤色の服を身に纏っている

 

 

「なんでこんな所にかわいいおにゃの子達が?...?!!」

 

 

そして更にその奥には悲惨な現場が残されていた

 

地面は大きく陥没し、一つのクレーターが出来上がっており、その真ん中には赤い液体が全身にこびり付いた1人の大男が横たわっていた

 

赤い液体は焼け焦げでもしたのか、鼻がもげそうな異臭を発していた

 

百代は吐き気を抑えながら、横たわる男に近づく

 

 

「全身血まみれ...酷すぎる」

 

 

近づいて見るだけでその悲惨さは更に増した

両腕両脚、頭と五体満足ではあるがその男の右胸にはポッカリと大穴が空き、背中にまで貫通していた

 

このご時世でここまで悲惨な“死体”は聞いたことも無ければ見たこともない

一体何があったらこんな風になったのか、もしかしたらこいつをやった奴がまだ近くにいるんじゃないかと色々考えてしまうがただ一つ分かる事は自分では何もできる事がないという事だ

 

殺人だったとしてもこの死んでいる男とはなんの関わりも無ければ、殺した奴を捕まえる義理もない。これはあくまで警察の仕事だ、武術家の役目ではない

 

 

「とりあえず、あの女の子たちを家に運ぶくらいはするか...なにから守っていたかは知らないがな、あの子たちの保護くらいはしてやる」

 

 

せめて出来る事はしてやると男に向かって言った後、背を向けて少女たちの所へ行こうとした

 

その時だ

 

 

「...ッと」

 

「ッ...」ピタッ

 

 

突然背後から聞こえる声

 

 

「カ....ット..!」

 

 

そんな馬鹿な、百代の脳裏にはその言葉が浮かぶ

ゆっくりと後に振り返る

 

腕が動き手は大地を掴み、足は重い体をしっかりと支えるように踏みしめて体を起こす

手は大地から離れ、男は立ち上がった

 

右胸から流れていた血は勢いがおさまっていき、さっき見た程よりも穴は小さくなっていた

そしてゆらゆらと揺れる髪から光が漏れ金色に輝きだし、彼の体からは同様に金色のオーラが溢れ出す

 

 

(な、なんなんだ...こいつは)

 

 

どうして生き返った?

なぜ穴が塞がっている?

何を喋っている?

 

そして、なんだこの気のでかさは...?!

 

 

今、川神百代の目の前に立つ金色の男

 

両手を握りしめ、男は天に向かって叫んだ

 

 

 

 

「カァァァカァロッットオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

叫ぶと共に気が更に溢れる

 

大地が揺れる

 

そして金色の男の叫びは空をも揺らし

川神市全域、否、それ以上先まで轟かせた

 

 

 

世界最強と謳われた2人の老武人に

 

九鬼の当主とその妻、そして娘息子たちに

 

九鬼に殉ずる従者たちに

 

川神百代と親しきファミリーたちに

 

道場を破門にされた男とその弟子達に

 

とある島にて秘密裏に暮らす4人の少年少女たちに

 

世界で戦う軍人達に

 

関西の武人たちに

 

 

 

彼らの耳には確かにかの男の叫び声が届いた

 

 

運命は定まった

 

世界よ聞け、少女よ見よ、今破壊の悪魔は産声をあげた




いきなりクライマックスみたいになってしまった

とりあえず人狼行軍の風神録が落ち着いてきたらこれの続きを書くつもりでっす

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