↑作者の様子
UA13094、お気に入り264件…………皆様に感謝感激です!
今回はこの作品の主人公と原作の主人公がぶつかります。
楽しんで頂けたら嬉しいです。誤字や間違った表現などがありましたらご報告ください。
後私事ですが劣等生の映画見に行きました!達也すごすぎ、リーナ可愛い、とても大満足でした!また見に行こうかなと考えています。
それでは「空閑悠一VS司波達也」どうぞ!
「……何で俺なんだ?」
「入試1位とやらの実力を見てみたくてな」
成る程、確かに入試1位ということは深雪より実力があるからそれを確かめてみたいと。だがな達也…………
「少しだけ嘘だな」
「、!!」
おー、さすがに驚いてる。普段からポーカーフェイスだからそれほど大きく表情には出てないけど驚いてるのは分かる。他の人は分からないといった表情でポカンとしていた。深雪以外は。
残念だったな達也、俺には[嘘を見抜くサイドエフェクト]がある。何気ない会話だったら使わないけどこういうときには使うぞ。
「……まぁ、俺も模擬戦見たら戦ってみたいって思ってたからいいけど」
「………そうか」
警戒心MAXだな、帰り道に九重さんついてきそうだけど調べられることなんて何もないから問題なし。
「じゃぁCAD取ってくるから少し待っててくれ」
俺は走ってCADを取りに行った。
<達也視点>
「達也くん、さっきのは嘘だったの?」
「いえ、自分としては本心のつもりで言っただけなんですが」
「そう…………」
確かにさっきのは一部だけ嘘だ。俺が悠一に模擬戦を挑んだ理由はあいつが〔黒い悪魔〕かどうか確かめるため。俺はあの日からずっと考えていた。見たこともない力、
消す
<悠一視点>
CADを取りに行った悠一は廊下を走って戻っていた。
「さーて、どうするか」
達也間違いなく俺を疑ってるな。勿論こんなことでトリガーなんて使わない。そもそもトリガーはトリオンを使ってるからな、反則以前にデバイスオタクの中条先輩や達也に詰め寄られるだろう。
達也との模擬戦は俺もやりたいって思ってた。今の俺がトリガーなしでどこまで達也とやれるか知りたい。
今のところ[ニブルヘイム]、[フォノンメーザー]などの高等魔法もなんなく発動できるが今回は使わないで、硬化魔法を常に発動して、牽制に[ドライ・ブリザード]とか使うか。
「お待たせしました」
演習室に到着すると皆俺を見ていた。正確には俺の両手を。俺は汎用型のCADを両手につけている。理由は…………まぁ念のためだ。
「待たせたな達也」
「いや、大丈夫だ。それにしても…二つ使うのか」
「一応念のため、って感じかな」
「それでは両者所定の位置に」
この試合も渡辺先輩が審判を務めるみたいだな。たぶん間近で見たいかという理由だろう…
達也は俺をジーっと見ている。そんなに見つめられても…………やめておこう、これ以上そんなこと考えたら氷漬けにされる。
「(さて達也はどんな手でくるかな)」
「(お前が何者なのかは今は知らないが、深雪を上回ったその実力見せてもらうぞ!)」
「それでは…始め!」
達也は服部先輩の時と同じように忍術で間合いを詰めてきた。俺の右に移動すると左足で横腹を蹴ろうとする、すぐさま硬化魔法を発動して全身を硬化させ、それを両手をクロスにして防いだ。
「…!(思ったより重いな!)」
「ほう…まさか防がれるとは思ってなかったな」
「今のぐらいだったらまだ見えるよ(当たり前だ、こちとらラービットの速さに見慣れてるんだよ)」
「それにしても試合の途中に喋るとは余裕だな達也」
「驚いたからな、つい喋ってしまった」
「そうか…よ!」
左足をはね除け、左手で殴る。
それを避け、殴り返してくる。
そして、避け、殴り、蹴るの格闘戦が5分ぐらい続いた。
このままではらちがあかないため、悠一は一旦距離をとった。
「ふぅー」
「悠一、硬化魔法以外も使ったらどうだ」
「あの状況で他の魔法使う余裕ないだろ」
「お前なら余裕なはずだ」
「なんでだよ」
「入試の実技の記録を聞いたらそう思っただけだが」
「…買い被りすぎだと思うけどな、そんなこと言われたら使わせてもらう!」
俺は真由美さんが得意としている魔法[ドライ・ブリザード]をマシンガンのように打った。この魔法では達也相手では牽制ぐらいが精一杯だろうが、魔法の発動速度には自信があるので体制を崩すのには十分。
「…!(展開が速い!)」
達也は避けるが距離を離されてしまう。それが俺の狙いだ。室内の端の方へ誘導して俺は片方のCADで圧縮空気弾を30発放った。
圧縮空気弾とは九校戦で一条将輝がモノリス・コードで達也との打ち合いに使った魔法だ。
勿論威力は当たっても打ち身ぐらいの威力にしている。
たが[ドライ・ブリザード]のマシンガン、圧縮空気弾の雨が降り注ぐのに対して達也は回避を取れず直撃した。
さて、動きを封じて決着を…
「な、…!」
達也は先程の攻撃で出来た煙から出てきて真っ直に俺に走ってきた。しかも無傷で。
「(ありえない、いくら威力を加減したからといっても多少の怪我はともかく服まで…)」
しかしの疑問はすぐ解決した。達也が持っている固有魔法の存在によって。
「(あの一瞬の間に[再生]で無傷の状態に戻したのか!つかいくら固有魔法といっても早すぎるだろ!)」
すぐにもう一度[ドライ・ブリザード]を発動しようとCADを構えるが
魔法式がサイオンで吹き飛ばされた。
「これって…………
達也は銃型のCADをこちらに向けながら距離を詰めてくる。
「(これじゃ牽制は使っても意味ないな、まったく)」
「達也、お前やっぱりすごいな」
つい笑って言ってしまった。
「!!(なんだ、この殺気は!?)」
悠一は右手にサイオンを集め、魔法で加速する。達也の攻撃を避けてカウンターで一気に終らせるためだ。
達也と悠一お互いの距離が間合いに入ろうとした瞬間…
「そこまで!時間切れによりこの試合引き分けとさせてもらう!」
渡辺先輩の声が室内に響き渡る。
「時間切れか」
「そのようだな」
俺は右手にサイオンを集めるのをやめ、達也はCADをおろした。
「真由美さん、この後は生徒会室に戻るのですか?」
「え、えぇそうよ」
「俺は事務室にCADを預けてから向かうので先に行ってください」
「自分も預けてから向かいます」
「そんじゃ行くか達也」
「あぁ」
達也と一緒に俺は事務室に向かって歩いた。
<真由美視点>
「…摩利、ありがとうね」
「さすがにあれは止めなければまずいからな」
摩利が試合を止めたのは時間切れじゃなくて、あのまま続けていたら互いに…主に達也くんが重傷を負う危険性が強かったから。
達也くんが
悠一くんから出てたのは威圧では無くもはや殺気。わたしは家の関係上人を殺したことがある人を何人も見てる。殺人をした人ならではの雰囲気、あのときの悠一はそれに近いものを出していた。
「はわわわわ…………!」
「落ち着いてください中条さん」
「深呼吸だ中条」
ビクビクしているあーちゃんをリンちゃんとはんぞーくんが声をかけているけど二人の顔に汗が浮かび上がっていた。
「……………………」
「深雪さん、大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
冷静そうに見える、けど何か考え事をしているようにも見える。
「みんな、とりあえず戻りましょう」
とにかく家に帰ったら調べてみよう、彼のことを。
<悠一視点>
俺たちはCADを預けると生徒会室に戻った。
俺が部屋に入ると中条先輩が市原先輩の後ろで怯えながら俺を見ていた。
「あの~中条先輩?」
「は、はい!なんですか!わたしなんて食べてもおいしくないですよ!」
「いや、何を言って…………」
「ごめんなさい、ごめんなさい、何でもしますから食べるのだけは!」
そう言いながら土下座をした。
「え、えぇぇ?」
「あー、ごめんね、悠一くん。あーちゃんさっきの試合の悠一くん見て恐がってるみたい」
あははと苦笑いをする真由美さん。
「俺…………そんなに恐かったですか?」
「特に最後のあの威圧がね。わたしも冷や汗かいたわよ」
「…まじですか」
俺はかなりショックで膝をつく。
「そんなにショックだったの?」
「悪意のない恐れが一番嫌なんですよ、特に中条先輩のような純粋で可愛い人からは特に」
「え、わたしが?可愛い!?」
「はい、可愛いですよ」
「、!…………ふにゃ~~///」
「中条さん!?」
中条先輩は顔を赤くして市原先輩にもたれかかるように倒れた。
「悠一くん、少しストレート過ぎじゃないか」
「?だって事実ですし」
「だからといって…………あのような言葉は好きな人に言うべきだ」
「可愛いと思ったから言っただけですよ」
「「(あー、これは鈍感だな(わね)」」
渡辺と真由美はそう思った。
「、ん。さて、達也くんと悠一くんは風紀委員会本部に行こうか」
渡辺先輩………これからは委員長と呼ぼう。
委員長に連れられて俺たちは生徒会室にある非常階段から本部へ向かった。てか消防法どうした。
部屋は…………まぁ男だらけということもあり、整理整頓がきちんとされているはずもなく、俺と達也で片付けをし、終わった後二年の沢木碧先輩と三年の辰巳鋼太郎先輩が入ってきて軽く自己紹介をした。先輩たちは実力を見て人を判断するようなので達也に対して優越感を見せつけるようなことはなかった。この人たちとなら上手くやっていけそうだ。ただ、辰巳先輩は委員長のことを「姐さん」と呼んで委員長に頭を叩かれていたことが、少し面白かった。
それからCADを取りに行き俺は一人家に帰った。
自宅
「ユーイチ」
レプリカが指輪からニュっと出てくる。
「なんだレプリカ?そういえばお前今日学校で俺と喋ってなかったな」
「少し用があってな、そのことで話したいことがある」
「何?」
「今日九重八雲がユーイチについて調べていた」
まぁ何となく予想はしていたけど。
「調べられたことは?」
「ユーイチの経歴や住所が主にだな。この家にも来たが敷地内には入ってきていない」
「まぁ、入ろうとしても無駄だからな」
実はレプリカと一緒に玄関のドアや窓ガラスの全部をトリオンで作ったのだ。トリオンなら魔法で無い限り破壊されることはまずないし、魔法でも難しいだろう。達也の[分解]みたいなのは除いて。
「それと今日の試合のような殺気を出すのは控えた方がいい」
「俺殺気なんか出していたか?記憶にないけど」
「試合の終盤タツヤに攻撃しようとサイオンを集めていた時だ。無意識だから気づかなかったのかもしれないが」
「成る程、だから中条先輩怯えていたのか(それだとしても少しショックだったけど)」
「それに今分かったがマユミも調べているみたいだ」
「真由美さんが?あの人十師族だから情報力高いからな~、まぁ多分大丈夫だろ」
「今のところはな、ところでユーイチ。今日はどうする」
「今日もやるよ。あの印は必要になるときが来るはずだから」
俺は今日もレプリカと一緒に開発室に行く。
<達也視点>
自宅 リビング
「お兄様、コーヒーをどうぞ」
「ありがとう深雪」
妹が淹れてくれたコーヒーは苦くもなく甘くもなくちょうどいい味だ。
「美味しいよ」
「ありがとうございます」
「…深雪話してごらん」
「…………やっぱり、お兄様は何もかもお見通しですね」
「お前がさっきから一人で考え事をしているのはすぐ気づいたからな。大方悠一のことだろう」
「はい…………今日の試合でお兄様に放とうとした最後の攻撃…」
「あぁ、確かにあれはまずかったな。もし当たっていれば体を貫通していただろう」
「…!それは、お兄様を殺そうとしていたのですか!?」
「いや、違う。確かに悠一から出ていたのは殺気だが本人にその自覚がなかったように見える。恐らく無意識に出ていたのだろう」
「そうですか………」
「とにかく明日師匠のところに行けば何かわかるはずだ。最悪の場合…………叔母上にも伝える」
「、!それでは叔母様に借しを作ってしまいます」
「大丈夫だ。もし悠一が[黒い悪魔]だとすれば叔母上にとっても朗報となる。借しにはならないはずだ」
「………私としては悠一くんとは仲良くなれそうな気がします」
「俺もだ。だがあいつが俺たちの日常を壊す存在ならその時は容赦しない」
リビングに静寂な空気が広がった。
<悠一視点>
「~~ん!ようやく完成したな!」
「お疲れ様、さすがにもう12時だ。早く風呂に入って寝たまえ」
「そうする」
悠一が部屋を出るがパソコンは画面がついていたままだった。
そこには新しく作られた印の名前が表示されている。
決して戦闘用ではないがレプリカと合わせることで戦闘にも使える。この印の主な目的は達也たち疑われないようにするため。
画面にはこう書かれている。
【
それでは次回もお楽しみに!