魔法科高校の黒トリガー使い   作:三日月達也

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 それでは「入学式」どうぞ!


入学編
入学式 8月24日リメイク済み


 国立魔法大学付属第一高校

 

 

 

 

 

 

 

 この学校は国立魔法大学へ最も多くの卒業生を送り込んでいる高校として知られている。

 

 

 

 この高校で求められるのは魔法師としての才能。故に徹底した才能主義であり、残酷なまでの実力主義。

 

 

 

 それが魔法の世界。

 

 

 

 この学校に入学した時点でエリートと認められる。

 

 

 

 しかしこの学校には優等生である一科( ブルーム)と劣等生の二科( ウィード)の二種類に入学した時点で分かれている。

 

 

 

 今までは一科( ブルーム)二科( ウィード)より優秀なのは当たり前、その逆はありえない、という常識が定着していた。

 

 

 

 しかしこの第一高校に優等生の妹と劣等生の兄が入学することでその常識が崩れ始めた。

 

 

 

 そして、

 

 

 

 後に世界最強の魔法師とまで言われる少年も第一高校の中庭の木の上で

 

 

 

 ……静かに寝ていた。

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ユーイチ起きろ。入学式十分前だ」

 

 レプリカは口から計測器を出し、それを悠一の頭にペシペシと叩いた。

 

「痛い、痛い、起きてるからレプリカ」

 

 悠一はふぁ~ー、と大きなあくびをした。

 

「十分前になっても起きなかったら叩いても起こせと言ったのはユーイチだが」

 

「いや言ったけどお前のそれ地味に固いから結構痛いんだよ」

 

 悠一は木から飛び降りると講堂に向かって歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「うわ、結構いるな」

 

 悠一が着いたときには五分前だったので席は殆ど埋まっていた。

 

 だが、前の方を見ると1つ空いているところがあった。

 

「あそこに座らしてもらおう」

 

 ちなみに悠一は一科なので前に座っても問題ない。たぶん二科でも座っていたかもしれないが。

 

 空いている席の隣には二人の女子が仲良く話していた。たが悠一は見てすぐに気づいた。

 

「(まさかのほのかと雫!?どうしよ、またまた原作キャラ会ってテンション上がってきたぁ!!でもいきなりテンション上がっている状態で話しても気持ち悪いって思われても嫌だからここは冷静に…………)」

 

 二回深呼吸をして悠一は二人に話しかけた。

 

「あの~」

 

「は、はい!」

 

 ほのかさん、そんなに怖がらなくても…………

 

「席空いてないからここに座っていいかな?」

 

「ど、どうぞ」

 

「どうぞ」

 

 雫さんは相変わらず。

 

「あ、俺は空閑悠一だ。これからよろしくな」

 

「わたしは光井ほのかと言います。よろしくお願いします」

 

「私は北山雫、よろしく」

 

 とりあえず自己紹介できて安堵した悠一。

 

「あの、もしかして悠一さんってA会場にいました?」

 

 第一高校は倍率が例年高いので、AからEまでの会場に別れて受験する。悠一はA会場だった。

 

「そうだけど、何か?」

 

「あなたの実技雫と一緒に見てたんです、すごいですよ170msって大人のA級魔法師でもいませんよ!」

 

「うん、すごかった」

 

「(あ~ー、だから周り騒がしかったんだ…………なんか恥ずかしい)」

 

「全力でやった結果だ、自分としてはあそこまでいくとは思ってもみなかったけどな」

 

 実は悠一、自己最高記録は98msである。たが、入試当日は調子が悪かったので本人的にはあまり喜べなかった。

 

「空閑さんは……」

 

「悠一でいいよ」

 

「でしたらわたしもほのかと呼んでください」

 

「私も雫でいいよ」

 

「それじゃぁお言葉に甘えて。で、ほのかは何かな」

 

「悠一さんは新入生総代じゃないんですね、あれだけの記録を出したから総代だと思ってたので」

 

「(実はスピーチとか苦手だから断りました、なんて言えるはずがねぇ!)多分筆記の方がだめだっただと思う。自信なかったし」

 

「でも魔法を使う上では知識も必要」

 

 雫の的確なツッコミに、冷や汗がダラダラと出る悠一。

 

 ちょうどその時に入学式を始めるアナウンスが流れた。

 

「と、とりあえずもうそろそろ始まるから、この話はここまでで」

 

 そうですねとほのかが答えるが、雫はジーっと悠一のことを見ていた。

 

「(雫、こっち見ないでくれぇ………)」

 

 

 

 

 

 これといったこともなく入学式が終わった。今はIDカードをもらうためにほのかと雫と一緒に歩いていた。

 

「新入生総代の深雪さんとっても綺麗でしたね」

 

「そうだな、俺が総代よりあの人の方が適役だな」

 

「別に悠一さんでも大丈夫だよ」

 

「(雫さん、あざーっす!)」

 

「(ユーイチ大丈夫か?)」

 

 原作キャラに出会ってキャラ崩壊気味な悠一である。

 

 

 

 

 

「ふー、やっともらえた」

 

 思ってたより人が多く、混んでいたので貰えるのに10分ぐらいかかった。

 

「ほのかと雫は何組?」

 

「わたしはA組です」

 

「私も」

 

「俺もA組だ、二人ともよろしくな(よっしゃぁ!しかも深雪もA組、俺運ほとんど使いきったんじゃねぇかな…………)」

 

「悠一さんはこれからどうするの」

 

 雫が問いかける、そこで悠一が空想状態から戻ってきた。

 

「とりあえず家に帰ろうかな。やりたいこともあるし」

 

「わかった」

 

「悠一さんまた明日教室で」

 

「おう、また明日」

 

 廊下で二人と別れると悠一はそのまま家に帰った。

 

 

 

 

 

 翌日、今度は余裕をもって15分前登校した悠一はまっすぐに教室に向かっていた。

 

 そして教室に入ると

 

「悠一さんおはようございます」

 

「悠一さんおはよう」

 

 ほのかと雫が悠一に気づいて挨拶した。

 

「二人ともおはよう」

 

 悠一は自分の席を見つける、そこは雫の前だった。

 

「お、雫の後ろか」

 

「そうだね」

 

 おそらく席の順番は名字のあいうえお順だろう。

 

「なんかわたしだけ仲間はずれ…………」

 

「まぁそこはしょうがないって」

 

 そんな他愛のない話をしていると教室のドア付近がざわつきだす。何かな、と三人が見てみると。

 

 そこには昨日答辞をした司波深雪が近づいてくる人たちに対して軽く挨拶をしていた。

 

「さすがに人気だな」

 

「答辞の時は遠くからしか見えませんでしたけどやっぱりすごく綺麗な人ですね」

 

「ほのか、深雪さんに挨拶しなくていいの?」

 

「え、挨拶したいけど…あの状態じゃ………」

 

「ほのか、こういうのは早めの方がいいぞ」

 

「そうそう」

 

「わ、わかりました、行ってきます!…………やっぱり雫もついてきて…」

 

「はいはい、わかったよ」

 

「頑張れよ、ほのか」

 

 二人は深雪のところに行く。

 

 だが途中でほのかが転ぶ。

 

 けどそれがいい機会となったのか手をさしのべた深雪と挨拶することができた。雫は普通に挨拶した。

 

 深雪が二人に何か聞いている、聞き終わると悠一の方にまっすぐ向かっていった。

 

「(?なんでこっちに来るんだ)」

 

 深雪は悠一の前に立つと

 

「始めまして、空閑悠一さん。司波深雪と申します」

 

 丁寧にお辞儀をする。

 

「知ってるよ、昨日の答辞すごかったからね」

 

 …………なんか怒ってないか?

 

「ですが本来であれば入試1位のあなたが答辞をするはずでしたのに、なぜ断ったのですか?」

 

「…………え?(なんでそれ知ってるの!?)」

 

 深雪の言葉にクラス中がざわつく。ほのかは驚いて、雫はやっぱりと皆反応はそれぞれだった。

 

 

 

 

 

 空閑悠一の波乱の学生生活はここから始まった。

 

 

 

 

 

 




 それでは次回もお楽しみに!

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