それでは「恋のフラグ」どうぞ!
「…97…98…99…100っと」
俺は背筋を終えると寝転がった。
「ふぅ、さすがに100回はきついな……」
あれから3ヶ月、特になんもなく平穏に過ごせている。
今はトレーニングルームで腕立て、腹筋、背筋の定番の3つを100回3セット終わったところだ。
「え~と、今日はレモンにしよう」
このトレーニングルームには何種類ものスポーツドリンクが自動で出る自販機みたいなのが置かれていた。もちろんタダである。
「~ー、酸っぱい!けど運動した後はこれがいいんだよな」
毎日トレーニングと魔法の勉強をすることが俺の日課になっている。後このルームにはトリオンで作られた訓練室があることに気づき、最近ではラービットと印なしで戦っている。今のところ戦績は五分五分だ。
二階にあった機械はCAD関連と魔法の処理速度を計測するものだった。魔法の処理速度は魔法力の一部で現代魔法師にとっては重要な項目である。
魔法力とは
・サイオン情報体を構築する速さが魔法の処理能力
・構築できる情報体の規模が魔法のキャパシティ
・魔法式がエイドスを書き換える強さが干渉力
の三つを総合して魔法力と呼ばれる。
これらの機械のお陰で200msぐらいになった。確か深雪で235msだったはず、この時点で俺深雪に勝っちゃったよ…………
今は11月、試験の3月まで家庭教師ことレプリカと一緒に二度目の受験勉強を取り組んでいった。
試験当日
『試験終了』
筆記テスト終了のアナウンスが流れると共に鉛筆を置く音が一斉に鳴った。テストならではの音である。
え、試験まで早くないかって?気にするな!
自分としては実技も筆記も上手くいけた自信があるので大丈夫だろう。なんか実技の時やたらと注目されていた気がするが気のせいだろう。
俺はケーキを買って帰り、レプリカとテレビゲームや将棋などをした。もちろん全敗、レプリカに勝てる気が一向にしなかった…………
合格発表
第一高校の合格発表は掲示版に番号が書いてあるのが貼り出されるという昔ながらの方法だった。これはこれで一種の春の風物詩みたいな物なので個人的にはいいと思った。
結果は一科で合格。
資料を受け取り、そのまま帰ろうとすると
「ちょっと待ってください」
振り向くとそこには第一高校生徒会長、七草真由美さんがいた…………って原作キャラきたぁぁぁ!!達也の時は感激してる場合じゃなかったからなぁ……やばい、めっちゃテンション上がってきた。
「あの~」
「あ、すいません。何でしょうか」
「空閑悠一君…ですよね?」
「はい、そうです」
「良かった、間違ってなくて。私はここの生徒会長を務めている七草真由美です。漢字の7とくさと書いて七草と書きます」
はい知ってます、とはさすがに言えない。なので
「やっぱり七草さんでしたか」
「私のこと知ってるの?」
「はい、九校戦見に行った時によく印象に残っていましたから」
嘘ではない、俺は去年と一昨年の九校戦を実際に見に行っている。とても白熱した試合で見ごたえがあった。
「そう、なんだか照れるわね」
「エルフィンスナイパーと呼ばれることはあると思いましたよ」
「出来ればその名前を言うのはやめてほしいんだけどね」
「そうなんですか、可愛い七草さんにはぴったりだと思いますけど」
「ちょ、可愛いって…」
「?、どうしました?」
「ううん、何でもないよ(まさか無意識に言ったの?)」
「ところで七草さんは何の用で俺に」
「っとそうだった、すっかり忘れてたわ。後私のことは真由美と呼んでちょうだい」
「いや、それはさすがに……
「真 由 美!」
「……はい、真由美さん」
多分達也もこのノリに負けたんだろうなぁ。
「ふふ、それでよし!で、用件だけどあなたには新入生総代をやってもらいたいの」
「…………へ?」
「要するに入学式で答辞をやってもらいたいの」
「いやいや、俺が答辞!?そういうのは入試トップの人がやるものでしょう!」
「だからあなたがトップなのよ、入試の」
「…………俺が、ですか?」
「そう、筆記はほぼ満点、実技に至っては過去最速記録よ、これで入試1位じゃなかったらおかしいでしょう」
まじか…………いやまぁ11月の時点で実技深雪に勝ってたらこうなることは大体予想つくだろうけど、前世で1位という文字からかけ離れていた俺にとっては信じられなかった。人が多くいるなかで話すとか無理!だから
「すいません、俺そういうスピーチみたいなの苦手なのでお断りさせてもらいます」
「え、ちょっと待って悠一君、新入生総代だよ、降りるってことは新入生総代じゃなくなるんだよ?」
さりげなく名前で呼ばれてる。なんか嬉しい。
「それでいいですよ、総代なんて興味ないですし」
「…………まぁ嫌なら仕方ないか、じゃぁ次席の人にやってもらうことにするしましょう」
「すいません、ありがとうございます」
「大丈夫よ、後
真由美さんは俺の耳に口を近づけ
「可愛いって言ってくれありがとう、嬉しかったよ」
と囁いた。
「え、ちょっと、真由美さん!?」
「ふふ、じゃぁね悠一君!また会いましょう」
真由美さんは走って校舎に戻っていった。
「………まったく、本当に小悪魔みたいな人だな」
「(ユーイチは天然タラシの素質があるな)」
<真由美side>
私は今スキップしながら生徒会室に向かっている。
「空閑悠一君かぁ、あの子も結構可愛いとこあったわね」
さっきの慌てぶりようを見てクスっと笑う。
「可愛い、か…………あんなに直球で言われたの初めてかも」
そしていつもの生徒会室にたどり着く。中には摩利、はんぞー君、リンちゃん、あーちゃんが入学式に向けて準備していた。
「皆お疲れ様」
「おー真由美、どうだった入試1位は」
「それが断られちゃった」
「、はい?」
「なんか人の前に立って話すのが苦手みたい、別に自分が総代じゃなくていいって言っていたから次席の深雪にお願いすることにしたわ」
「なんか変なやつだな」
「でも可愛いところもあったわよ」
真由美は思いだしもう一度クスっと笑う。
「……お前何かあったのか?」
「え、何が?」
「お前顔赤いぞ」
「え、え、!?」
「ははーーん、さてはお前、もしかしてそいつに惚れたか?」
「「「!!??」」」
服部と市原、中条が驚きの顔で真由美を見る。特に服部は青ざめた顔をしている。
「違うって摩利!別に私は悠一君に惚れてなんか……」
「その割りには名前で呼んでいるじゃないか」
「あ、いや、その」
「良かった、お前にもちゃんと自分の意思で好きになる人ができてあたしは嬉しいぞ」
「だから違うってば~ー!!」
真由美の声が校舎中に響いた。
ちなみに前回トリオンがどうたらとレプリカが言っていましたが、この世界でも黒トリガーはトリオンを使います。
主人公のトリオン量は千佳ぐらい、まじチート
それでは次回もお楽しみに!