天才の支えとなる凡人は果たして何をみる   作:通りすがりの猫
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第53話

『正解は「空気」だよ。よって徳河チームは正解!!3pt獲得~!!』

くそっ!結構いい案だと思ったんだが看破されたか。実際に見えないものは作るのが難しい、だが空気は確実に世間の半数以上は知っている。これは強敵かもしれんな。

「いまのを看破されたのはしょうがないよ龍馬っち、次に繋がる作戦もいくつか考えられたからちょっと試そうよ。」

まったく、敵になるとめんどうだが仲間となるとこんなにも強力になるものなのか。ほんとに頼りになるやつだ。


織田チーム3pt 徳河チーム3pt

『それじゃあそろそろ3セット目を始めるよ。』

出題ターン:島津涼
制作ターン:上杉潜夜
妨害ターン:徳河周馬
回答ターン:織田龍馬


出題ターン

『では島津さん「お題」を決めてボードに書いてね。』

「うむ!徳河が考えてくれたから大丈夫だ!!徳河は頭がいい!!・・・コレだ!」


制作ターン

『では上杉さん、60秒で「お題」を粘土で表現してね。』

「は~い!さって『お題』はっと・・・。『粘土』?なるほど、これはさっきの龍馬っちのを参考にしたんだね。ただ粘土となるとそのままでもいい気がするけどそれだと『空気』とか『酸素』とかになりかねない・・・。そうだな、ちゃんと粘土の特徴を捉えて作れば問題はないかな。」


妨害ターン

『では徳河さん、20秒で粘土作品を邪魔してね。』

「うい~。ってか作品めっちゃ小さくね~?これってまるで妨害してくださいって言ってるようなもんじゃん、ってことはほかにもこれ以外のも策があるってこと?しょうがない、とりあえず目の前にあるものだけ潰しとくか。」

『徳河さん、終了だよ。待機部屋に戻ってね。』

「ん~。」


回答ターン

『では織田さん粘土作品をみてお題を当ててね。』

「わかった。・・・ふむやはり予想通りか、潜夜が考えた作戦は的中したようだな。」

潜夜が考えた作戦はこうだ。制作ターンでお題を作った後にもう一つ同じものを作る、そしてそれを未使用の粘土の中に隠す。一番でかい粘土の塊の一部を抉るようにとり、それで作品のコピーを作り抉った窪みに作品をいれ残った粘土で窪みの存在を隠す。後は爪で小さく場所を示す傷を作り完成。

「まったくとんでもない作戦を考えたもんだ、普通こんな作戦思いつかないぞ。・・・お題は『粘土』だな。」

『お題は「粘土」!!よって織田チームは正解!!3pt獲得~!!』

「いえ~す!!」

「よくやった潜夜!」

潜夜とハイタッチをし作戦が成功したことを二人で称える。

「徳河!!やばいぞ!!正解された!!」

「・・・落ち着きなって~、まだ負けたわけじゃないから~。」

『はい、プレイヤーの皆さんは椅子に座ってね。4セット目織田チームの出題ターンの人だけゲーム部に入ってね。』


出題ターン:上杉潜夜
制作ターン:島津涼
妨害ターン:織田龍馬
回答ターン:徳河周馬


出題ターン

『では上杉さん、「お題」をボードに書いてね。』

「は~い。・・・さてシンプルかつ複数を連想させやすいもの・・・。『タイル』とかかなぁ~?うん、問題はないと思う。よしこれでいこう!」


制作ターン

『では島津さん、60秒で「お題」を粘土で表現してね。』

「うむ!!お題は・・・おお!!タイル!!これはわかるぞ!!よいしょ。・・・ついた?・・・よし!」






いま島津が行った行為は徳河の作戦である。島津が知ってるお題ならばグーを、知らないお題だったらパーを机の下に粘土を用いて印としてつける。そして徳河が島津に授けた作戦はもう一つ。

「んとね、最後にもう一つ。とりあえず大きく作ってね、よろしく。」

たったこれだけの作戦で勝てるかと問われたら常人ではまず不可能だろう。だがそれを超えるのが島津なのである。島津は日本の秘密兵器とし育てられたのだ。彼は小学2年生の時に友人が上級生に虐められていたことに激怒し助けようとして加害者の上級生を殺害したのだ。相手は6年生4人、全員が死亡し事件の凄惨性から島津は少年刑務所へと送られたのだ。ただし先程述べた理由じはあくまで表向きな理由である。島津は当時体重が300kgあったとされている、力士でさえも300kgもある人はいないだろう。だがそれだけの質量が2年生相応の体格の中に詰まっていたのだ。幸いにも思いやりに溢れており力をセーブしてそれまで生きていたがいじめを受ける友人を前にして爆発したのだ。

ただの子供の喧嘩で終わるはずだったが島津の場合は子供扱い(それ)では済まされなかった。彼が戦った6年生は皆体の一部が欠損してのショックと失血死だったのだ、島津が殴るとまだ体が完全に出来上がっていない6年生には耐えきることはできずくりぬかれたようにその部分だけが消失したのだった。それをきっかけに島津の身体能力に国が目をつけた。あり得ない密度で詰まった筋肉にもかかわらずしなやかに曲がる関節、これがどれだけ今後の日本に影響力を及ぼすかは想像に難くなかった。彼の為に国の管理下にある特別教育施設が創設されそこでは情操教育と道徳教育が徹底して行われたのだ。

間違っても彼が危険な思考を持つ人間に育たぬように、人間の脅威にならないようにと。その結果今の彼があるのだ。




『はい、制作ターン終了だよ。』

島津は1分足らずで床一面に粘土のタイルを敷き詰めたのだ。