尖閣諸島決戦 VS中国軍【空母いぶき】   作:カカシ

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第二章 迫る影

海上自衛隊

横須賀基地

自衛艦隊司令部内

第2潜水隊群司令執務室

 

田所「いやはや、深町二佐、訓練ご苦労だった」

 

田所進

第2潜水隊群司令

階級 海将補

 

田所「第5護衛隊群の様子はどうかね?」

 

深町「どうやら「いぶき」の若造は結構な曲者だ」

 

深町「浦田一佐や涌井海将補の目の前で「アジア最強の艦隊を目指す」と言っちまったからな」

 

深町「あの場は梅津一佐のお陰で収まったが・・・・」

 

田所「いぶき艦長、秋津竜太は確か空自からの転属と聞いておる」

 

田所「そして最年少艦長でもある・・・・夢を見るのも当然じゃろう」

 

田所「一応君より階級が上じゃからな」

 

田所「君も行動や言葉に気をつければ一等海佐になれるのだが・・・」

 

深町「ほっといてください!」

 

深町「・・・・・しかしあの艦長に「ペガソス」を任せていいものなのですかね?」

 

深町「あの艦長じゃ「ペガソス」どころか「イカロス」になるかもしれませんよ?」

 

田所「そうならないために涌井海将補や新波二佐がおるのだ、心配するな」

 

 

 

浅草

浅草寺

 

浅草寺から出てくる秋津

 

秋津「さすが東京で最も外国人観光客が喜ぶ場所だな」

 

秋津「それにしてもこのところ中国人観光客が増えている」

 

秋津「去年から見ると・・・・倍増か?」

 

秋津「・・・・・・」

 

中国人観光客?(あれが尾行対象の・・・・・)

 

秋津「・・・・・・」

 

反対方向をあるき始める秋津

 

中国人観光客?(ヤバっ・・・・)

 

秋津「・・・・」

 

中国人観光客?(ほっ・・・気づかれてな・・)

 

秋津「ご苦労さんです!」

 

中国人観光客?(!?)

 

秋津「残念でした、私の目は3キロ先の鳩とカラスを見極められる」

 

中国人観光客?「クッ・・・」

 

走り去る中国人観光客

 

秋津(いぶき艦長に尾行か・・・・中国人だな)

 

秋津「やはりそういうことか・・・」

 

 

東京都内のとあるホテル

 

一の瀬「おう!待たせたな!」

 

一の瀬 一

東都新聞政治部所属記者

 

片桐「お待たせしてしまって申し訳ないス」

 

片桐

フリージャーナリスト

みらいに乗船しリムバック演習についての取材をしたことがある

 

沢崎「ここは禁煙だぞ」

 

一の瀬「おっと」

 

持っていたタバコをしまう一の瀬

 

一の瀬「いぶき艦隊の帰還だからな、ヘリ飛ばしてきた」

 

片桐「そのヘリに乗せてもらいました」

 

沢崎「ほう・・・・ニュースではデモが出てたな」

 

一の瀬「横須賀基地ゲートに500人ほどな」

 

片桐「あれは凄かったですね、「いぶきは違憲だ!」とか「STOP軍拡」とか」

 

一の瀬「ネットの呼びかけだが結構盛り上がっていたぜ」

 

一の瀬「いぶきに戦争の臭いを感じた人たちの危機意識は健在だ」

 

一の瀬「あんなもん作ってどうするんだ?戦争ごっこか?」

 

沢崎「今後アメリカの軍事プロセスはアジアから後退する可能性がある」

 

沢崎「自国は自国で守る、日本の国防は新時代に入ったってことだ」

 

片桐「なるほど・・・・」

 

一の瀬「おいおい、垂水総理のプレーンに入った途端にこれか」

 

沢崎「一の瀬、お前は中国の太平洋進出の可能性を信じていないのか?」

 

一の瀬「そりゃそうだ、仮にそうなったとしたら外務省の交渉の見せ所だろうが」

 

一の瀬「軍事じゃとめられねえよ」

 

一の瀬「すでに中国は遼寧に次ぐ空母「広東」「天津」を就役させている」

 

一の瀬「それに付き合わされているんだ日本は・・・・」

 

一の瀬「怪獣用兵器という核に次ぐ兵器を持っている日本が軍拡してみろ、あっという間に軍事大国になり世界を恐怖に落とす」

 

一の瀬「日本は間違った道を踏み出したんだよ」

 

一の瀬「俺は反軍キャンペーンをとことん打って」

 

一の瀬「いぶきを潰す」

 

片桐「だ、大胆ですね・・・」

 

一の瀬「これくらいやらねえと潰れそうにはないからな、片桐」

 

片桐「そ、そうですね・・・・」

 

沢崎「・・・・・」

 

 

 

東京都内

寿司屋

 

寿司職人「大トロです」

 

中国人男性?「ほう、イキが良さそうだ」

 

中国人男性?「・・・美味い!」

 

中国人男性?「やはり魚は鮮度ですね」

 

寿司職人「はい・・・」

 

中国人男性?「経済発展した我が国の沿岸部でもこの頃は寿司がブームですが」

 

中国人男性?「まだまだ日本のような味にはなりませんね」

 

女性?「魚も情報も鮮度が命です」

 

女性は男性にUSBメモリを渡す

 

中国人男性?「これはまたイキが良さそうだ」

 

女性?「味は保証します」

 

中国人男性?「ほう・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国大使館

駐在武官事務室

 

中国人男性?「・・・・」

 

USBメモリをパソコンに挿し、中身を見ている

 

中国人男性?「これが与那国島第303沿岸監視隊分屯地配置図か・・・・」

 

中国人男性?「レーダー、庁舎も完璧だ」

 

中国人男性?「・・・北海艦隊司令部政治委員、王志強中校につないでくれ」

 

馬「・・・・予約切符を入手。曙光工程準備整った」

 

馬大奇 

階級 大校

中国人民解放軍

海軍駐在武官

 

 

 

 

 

 

20XY年

4月22日

 

航空機搭載護衛艦「いぶき」を旗艦とする第5護衛隊群は

四度目の練習航海のため、横須賀基地を出航

演習海域「南鳥島沖」を目指していた

 

秋津「やはり遠いな」

 

地図を見る秋津艦長

 

新波「横須賀から1800キロ、尖閣諸島からだと3000キロ以上になりますね」

 

新波「本土の基地から遠い海域こそ本艦の威力が発揮できるのです」

 

秋津「そういうことだが・・・」

 

新波「ところで艦長、尾行は・・・」

 

秋津「ああ、先の休日では3人に増員されていたよ」

 

秋津「国家の要人並だ、面映ゆいがね」

 

秋津「私に尾行がつくぐらいだ、中国海軍もこの第5護衛隊群を丸裸にしようと必死だ」

 

新波「我々の機動力を知ることは中国海軍の最優先事項でしょう」

 

秋津「軍艦の真の力を知るには、軍事行動を起こすしか無いだろう」

 

新波「それが可能ならば・・・ですね」

 

秋津「4月に入り暖かくなった」

 

秋津「尖閣領有を目的とし、なお、我が艦隊の機動力を計るには尖閣から遠く・・・」

 

秋津「3000キロ離れている今が好機だ」

 

秋津「今ならアメリカ第7艦隊もアフリカ南端喜望峰付近で遊弋中」

 

秋津「さらに中国海軍の新型空母「広東」「天津」も演習航海に出たという情報もある」

 

新波「日本が尖閣を国有化して以降・・」

 

新波「中国政府は「日中開戦もやむなし」」

 

新波「「適切に処置する」と明言しています」

 

秋津「・・・・・」

 

新波「・・・・・」

 

海自隊員「艦長、副長、コーヒーを」

 

秋津「お、ありがとう」

 

秋津「何かあれば難しい局面になる」

 

秋津「だが、何があろうと我々も適切に対応せねばなるまい」

 

新波「自衛隊・・・としてですね」

 

秋津「もちろんだ」

 

 

潜水艦「たつなみ」

 

速水「しかし最近、中国も大人しいですね」

 

南波「確かにそうですね、艦長」

 

深町「ああ・・・」

 

深町(なんだこの胸騒ぎは・・・・)

 

深町(何か嫌な予感がしやがる・・・・)

 

深町(この感じは・・・「あの時」以来だ)

 

続く

 

 




人物解説

田所進
第2潜水隊群司令
階級 海将補
深町の上司
部下たちの活躍に頭を痛めながら期待もしている


馬大奇 
階級 大校
中国人民解放軍
海軍駐在武官
曙光工程を初めさせようとしているが・・?

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