The Irregular of IS High school   作:ネヘモス

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運命の分岐点

IS〈インフィニット・ストラトス〉、それは宇宙を目指す翼として作られた。しかし、それには大きな欠陥が存在した。

 

ISは女性にしか動かせない。

 

これにより、女尊男卑という風潮が広まってしまった。

ISの生みの親たる篠ノ之束はこれをよしとせず、姿を晦ました。

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ISの世界大会、第2回モンド・グロッソ、開催地のドイツにてそれは起こった。

 

世界最強(ブリュンヒルデ)」の称号を持つ織斑千冬の弟、織斑一夏が誘拐されたのだ。犯人の要求は織斑千冬の決勝戦の棄権、即ち織斑千冬の世界大会二連覇の阻止だった。

だが、日本政府はこの要求を尽く無視、織斑千冬にその事を伝えなかった。

 

その頃、日本の「対暗部部隊暗部」更識家にて。

 

「日本政府は織斑一夏を見捨てるようだ。刀奈よ、現地の『101部隊』と合流して、織斑一夏を救出、保護せよ」

 

「了解しました、楯無様」

 

「それにしても、あの子(・・・)は予言者か何かか?」

 

更識家16代目当主、更識楯無はそう呟いた。

 

実は、この事を既に予見していた少年が存在した。

 

その少年は齢13にして、軍人と渡り合う実力を持ち、恐らく世界で唯一

 

「ISと生身で渡り合える男性」だった。

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ドイツ某所のとある倉庫。

 

「おい、織斑千冬が大会に出てるぞ」

 

「出来損ないの弟よりも自分の名誉を取ったか」

 

出来損ない、誘拐された織斑一夏は言われた言葉を聞いて俯いた。

 

ああ、俺はここで死ぬんだな。僅か13年の人生、俺は千冬姉の「出来損ない」として生きてきた。俺は最後まで出来損ないだったか。できれば、千冬姉、マドカ、そして、「ーー」にもう一度、いや、もう無理か

 

「おい小僧。言い残すことは?」

 

「…殺せよ」

 

パァン…

 

乾いた銃声が倉庫に響いた。その鉛玉は俺の脳天を

 

貫くことは無かった。

 

突如、俺の前に黒い影が走り、銃弾と思しき物体を握り潰した。

 

「っ!?貴様!」

 

「深雪、銃を黙らせてくれ」

 

パキパキ…

 

誘拐犯の手元、いや銃から何かが凍るような音がした。

ここで俺は黒い影の正体に気がついた。その影は、自分と同じくらい年の少年だった。

 

「何だ!?銃が、使えない!?」

 

「愚か者…。お兄様に向けられる殺意を私が気が付かないと思いましたか?」

 

新たな人影が現れた。その人物は黒髪を背中まで伸ばしており、その鳶色の瞳は途轍もない冷ややかな殺気を発していた。

 

「銃を使えなくする女!?コイツら、ニホンの『101部隊』!?」

 

誘拐犯の顔から絶望の色が見える。

 

「まさか、このガキ…」

 

「さて、その口を閉じろ、下衆ども」

 

少年が銃の様な何かのトリガーを引く。すると、誘拐犯の1人が消え失せた。

 

「…何故だ?何故貴様が出しゃばってくるのだ!?摩醯(マへー)ーー」

 

最期の言葉を言い終わる前にもう1人が消え失せた。

 

「ヒッ!?助けてく…」

 

「貴方がたの様な人さらいの人間は殺す価値すらありませんね。だから、永遠に眠りなさい」

 

何故か物理的な寒さを感じ、目を閉じると、誘拐犯の1人が氷像と化していた。

 

「クソッ!だったら、織斑一夏ァ!貴様を殺すまで!!」

 

俺は、その叫び声を聞いた直後、脇腹に鈍い痛みを感じた。そして、俺は

 

「織斑一夏」は死んでしまった。

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護衛対象の織斑一夏が死んだ。

 

ああ、なんてことを。

 

ISを纏った女は織斑一夏を殺した。

 

あろう事か、私の想い人を、殺した。

 

「お兄様…、いえ、特尉」

 

「ああ、許可する」

 

私は右手をその女に向ける。そして、

 

「お前には死すら生温い。永遠に、凍りつけ」

 

私の本来の力を使い、その女を「精神的に」凍らせた。

そして私は一夏の元に駆け寄り、お兄様を見つめた。

 

「お兄様!お願いです、どうかご慈悲を…」

 

「人間相手に使うのは初めてだが、やってみるか」

 

そして、次の瞬間、

 

「っ!?ぐぅぅぅぅぅ!!?」

 

倉庫にお兄様の呻き声が響き渡った。

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俺は知らない部屋で寝かされていた。

 

「目が覚めたのね…、織斑一夏君?」

 

不思議な声の女性が俺に話しかけてきた。

 

「俺は、死んだんですか?」

 

「ええ、あの時『織斑一夏』は死んだわ。でも、あなたは蘇った」

 

「なんで…」

 

「一夏!」

 

「目が覚めたか」

 

あれ?この声、どこかで?

 

まさか、

 

「深雪に、達也…?」

 

俺の想い人「司波深雪」とその兄「司波達也」がそこに居た。

 

「すまない、俺が未熟だったばっかりに…。『織斑一夏』は死んだ。だから、俺が…」

 

「おい、達也!?まさか、あれを俺に使ったのか!?」

 

「ええ、私の個人的な願望で、貴方をつなぎ止めました」

 

深雪が願った!?でも、その為に

 

「お前!反動は…」

 

「食らったな、モロに…」

 

そんな…たかが他人の俺のために…。

 

「ああ、でもたかが他人じゃないさ。深雪の想い人を、黙って死なせるわけには」

 

ちょっと待て!?まさか、

 

「深雪?もしかして…」

 

「ええ、お兄様と私を普通の人間として見てくれたし、それに…」

 

深雪が顔を赤くした…!?

 

「それで、私の話を聞いてもらってもいいかしら?」

 

そう言えば最初の女性のことを忘れていた。

彼女の名前は四葉真夜。とある異端の一族「四葉家」の現当主で深雪と達也の叔母に当たる人物だということ、そして、深雪がその次期当主だということだった。

 

「何で達也じゃないんですか?当主って普通男がなるものなんじゃ?」

 

「ちょっと事情があってね…」

 

曰く、達也が当主になれない理由はその異端の力の強さが問題してるとのこと。

達也の異端の力ー四葉家は「魔法」と称してるらしいがーその魔法が世界を滅ぼす力を宿してるとのこと。そして、

 

その「魔法」が俺にも宿ったという衝撃の事実だった。

 

その日から俺は「司波戒人」と名前を変えて四葉家での生活を始めた。




判明している現在使える魔法

・達也
原作通り「分解」「再成」

・深雪
原作通り「コキュートス」「ニヴルヘイム」「凍火(フリーズフレイム)

・戒人(一夏)
現在不明。

後で設定を書いときます。

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