フラン「魔法が何か失敗して娘出来ちゃった。テヘッ☆」紅魔館一同「ファッ!?」   作:鋭利な刃

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続くかは分かりませんが、書けるだけは書きたい今日この頃。
口調の違和感は……これくらいが自分の限界です。


人間で言う誕生日(上)

 

 〇月〇日。

 ほんの2年前までは大したことのない平凡な日だった。

 いつものように部屋に引きこもり、既に飽きてしまってはいるが、まぁ多分適当に絵とか、積み木とか、熊のお人形弄りとか、そこら辺で暇を潰していたであろう日。

 

 だが! 今日は! というか去年の今日からは! そんな必死になって暇を潰すような日ではなくなった!!

 

 何を隠そう今日は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日は! 人間の言葉を借りると! レナの誕生日なのだから!!!

 

 「うぉぉぉぉ!!! レナちゃんの誕生日ぃぃぃぃ、キタぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 「はい!! 来ましたぁぁぁ!!」

 

 「いやっほうぅぅぅ! 祝うぞ! 酒だ! 酒を持ってこい!!」

 

 「「「おぉぉぉぉ!!」」」

 

 「……はぁ、うるさいわね。本に集中出来ないじゃない」

 

 「ははは、まぁ仕方ありませんよ」

 

 

 ……ちなみに今いる場所は私とレナの地下室で、さっきの叫びは、上からお姉様、咲夜、普段(主に太陽の出てる時間)紅魔館の門番をしている“紅美鈴”、殆どいる意味のない妖精メイドたち、パチュリー、小悪魔だ。

 ……この騒ぎのある意味原因のレナは、皆の声(主に美鈴の叫び)にビックリしたのか、私の背中に隠れて頭をすりすり擦り付けている。可愛い。

 

 ……いや、そうじゃなくて。

 

 「お姉様、そっちで叫ぶだけじゃなくて早く飾り付けを手伝ってよ……。私一人じゃ全然進まないじゃない!」

 

 「……ええ、分かったわ。早くしないと日が明けるものね」

 

 「その間は何よ……」

 

 「……コホン。さて、じゃあいちよう役割を決めましょうか。そうね、咲夜と美鈴は高い所の飾り付けをお願い。私とフランはテーブルとかの飾り付けをしましょう。そしてパチュリーはそのまま本を読んでいて、小悪魔は万が一発作が来たときの為の見張り。後はこの邪魔な大量の妖精たちだけど……レナちゃん。飾り付けが終わるまで、この妖精たちの相手をしてあげて」

 

 お姉様のその言葉に、レナは少し戸惑った様子で私を見上げてくる。飾り付け、手伝いたかったのかな?

 私は、そんなレナの頭を軽く撫でる。

 

 「レナをお祝いしようとしているのに、その本人がお祝いの準備を手伝ったら、あまり意味がないでしょ。だからレナ。飾り付けは私たちがやるから、レナは私たちが妖精たちに邪魔されないように、あいつらを引き付けておいて」

 

 それを聞くと、レナは納得したのか、パタパタと妖精軍団へと突っ込んで行き、期待度通りに引き連れて行ってくれた。それを確認すると、私たちは目線を合わせ、頷き会う。

 

 実は今回の誕生日パーティーには、一つの目的がある。それは、『レナに私の魔力から卒業してもらおう』というものだ。

 

 とは言うものの、これを言い出したのは私ではない。パチュリーだ。

 

 なんでも、「レナはフランの魔力だけでなく、もっと他の大事なものを食べているから」らしい。

 

 なぜそう言い出したのか。その理由は、2~3ヶ月程前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 事の発端は、紅魔館の大図書館に、普通の魔法使いとか呼ばれている“霧雨魔理沙”が、本を盗み……コホン、死ぬまでの間借りる為に訪れ、ついでに私と弾幕ごっこ(幻想郷で流行っている、霊力とか魔力とかで弾を作って相手にぶつけるという、今や揉め事はこれで解決しろとまで言われるようになった“遊び”)をして、私が負けたことだった。

 

 

 

 「ううー、負けたぁ……」

 

 「んー、なぁフラン。お前今日調子悪いのか?」

 

 「え? ううん、普通だけど……」

 

 「んーおっかしいなぁ。なんかいつもよりフランが弱く感じたんだけど」

 

 「弱く? 本と「その話、詳しく聞かせてもらえるかしら?」……どうしたの? パチュリー」

 

 見ると、珍しくパチュリーが本から顔を上げ、こちらの話に興味があるようだ。

 

 「詳しくって言われてもなぁ……。なんとなくなんだが、フランの弾幕が少なかったり遅かったりな気がしただけだが」

  

 「……そう。分かったわ」

 

 そういうと、パチュリーはまた、本へ顔を戻してしまった。

 

 「……何だったんだ?」

 

 「さぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙が珍しく本を盗らずに帰り、私もレナの所へ戻ろうとした(まだレナと魔理沙は顔を逢わせていない)時だった。

 

 「ねぇフラン。ちょっといいかしら?」

 

 「何? パチュリー」  

 

 「さっき魔理沙が話していたことなんだけれど、ちょっと気になることがあるのよ。だからちょっと、フランを調べたいのだけど」

 

 「調べる?んー、うん。いいよ。でもレナが寂しがってるかもしれないから早くね」

 

 そう忠告しておき、私はパチュリーに調べられた。そうしたら…… 

 

 「やっぱりね。フラン。あなた生命力が著しく減ってるわよ。これじゃあ魔理沙にあんなにあっさり負けるわけだわ」

 

 「生命力って? ……そんなにあっさり負けてた?」

 

 「ええ、普段の勢いはどこへ行ったのか、ってぐらいにはね」

 

 ガビーン、ショックだ。

 

 「ねぇパチュリー。生命力って?」

 

 「そのままの意味よ。生命が健康に生きる為に必要になる力。これが少ないと、病気にかかりやすかったり、体調が悪くなったりするわ。そしてフラン。今のあなたにはこれが不足している。……それも、普段の貴女からは考えられないくらいにね」

 

 「そんなに? うーん、心当たりは……ないなぁ」

 

 何が原因何だろう?体調が悪くなるような事なんて1つも……1つも……

 

 「……1つ、あったなぁ」

 

 「何? 心当たりでもあるの?」

 

 「それが原因なのかは分からないけど、レナに私の魔力をあげたあと、変に体がダルいなぁっていう感じがする……かな」

 

 「体が、ダルい? ねぇフラン。貴女、今までそれ以外でダルさを感じたことはある?」

 

 「え? うーんと、初めて魔理沙と弾幕ごっこをしたときぐらいかな」

 

 「……間違いないわね。フラン。貴女の生命力不足の原因は、レナへの魔力の譲渡よ。恐らく、貴女は魔力と一緒に無意識のうちに生命力まで与えてしまっているんだわ」

 

 「無意識のうちにって……というか、そんなに簡単に分けられるものなの? 生命力って」

 

 「いいえ。だから気になっているのよ。もしも自由自在に生命力を分け与える魔法なんてものが開発できたら……いい、いいわね、フフフ……」

 

 ……あ、ダメだこれ。パチュリー自分の世界にいっちゃった。

 

 思わずため息を吐いてしまった。……まぁいいや、レナの所に行こう。

 

 

 

 そして、その後何回かパチュリーと話し合い、実際にレナへ生命力を与えてしまっているのを確認し、当面の目標が『レナに私の魔力から卒業してもらおう』になり、その一貫として、そして単純にめでたいから、レナの誕生日パーティーを大々的に開くことになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「………ン。…ラン。ちょっとフランったら! ぼぉッとしてないで飾り付けしなさい!」

 

 「あ、ごめんなさいお姉様」

 

 まぁ、そんな私たちの考えはともかく、レナには名一杯楽しんでほしい。

 

 私の……私たちの、考えだった。

 

 

 




この小説内での紅魔館勢の性格というか、何と言うか。

レミリア お子様。どっから見てもカリスマなんて無い……と思っていたのか?
咲夜 レミリアのストッパー兼火付け役。ある意味一番面倒。
美鈴 トラブルメーカー。それ以外にない。
パチュリー もう本の妖怪でいいんじゃないかな……。とりあえずパチュリーに聞けばなんとかなる。
小悪魔 実質パチュリーの保護者。
妖精メイド軍団 邪魔なやつら。
フラン 紅魔館勢でもしかしなくても一番マトモ。レナへの愛情のおかげか、狂気は押さえられている。連載することに決めたら、全体的な主人公。
レナ フランの娘で紅魔館勢全員の守るべき存在。もしこの小説を連載することに決めたら、後半辺りから主人公。


続くということはぁ~、少なくとも後1話は投稿するのが確定ということ!!

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