フラン「魔法が何か失敗して娘出来ちゃった。テヘッ☆」紅魔館一同「ファッ!?」   作:鋭利な刃

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完璧な思いつきです。
続く可能性は低いと思ってください。



2017/7/4
レナちゃんの容姿をちょい変更。


始まり

 

 運命とかいうものを、あまり信じたくはない。だってその言葉を信じるなら、自分は誰かの手のひらで転がされているってことになる。

 

 自分の考えが、答えが、退屈が、狂喜が、幸せが、楽しみが、笑顔が、不幸が、喜びが、悲しみが、憎しみが、涙が、感情が、自分と自分の回りの全部が、誰かに勝手に決められたものになってしまう。

 

 そんなの、嫌だ。

 

 やっぱり自分は、自分の意思で悩んで、迷って、答えを出して、歩んで行きたい。格好つけているわけじゃないし、これが格好いいとも思ってない。それでもやっぱり、自分が選んだ道を真っ直ぐに、歩んで行きたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 私には、姉が一人いる。

 

 意地っ張りで、ワガママで、ポンコツで、カリスマなんてどこにもなくて、でも私や、紅魔館の仲間に優しくて、沢山変なことをやらかすけど、その分だけ笑顔を沢山くれる。

 

 私のたった一人の血の繋がった、大切な、大切な……

 

 

 

 

 

 

 

 腕の中で、それが、モゾモゾと動く。

 

 私はほんの少し苦笑を浮かべ、腕の中のそれを……いや、腕の中で私に抱き抱えられている私の“娘”を、ずり落ちていかないように、上に抱き抱え直す。

 

 その娘は、私、フランドール・スカーレットの“娘”であるこの娘「レナ・スカーレット」は、私の腕の中でスヤスヤとあどけない寝顔を浮かべていた。

 

 時折、ニヘッと笑みをこぼすのはきっと、幸せな夢でも見ているのだろう。

 

 私のお姉様……紅魔館の現当主である、レミリア・スカーレットの水色の髪とは違い、私の金色の髪に似た色に覆われたこの娘の……いえ、レナの頭にそっと手を伸ばし、サラサラとした髪の感触を楽しみながら、ゆっくりと撫でる。

 

 笑みが、こぼれる。

 

 ふと、私はレナが生まれたきっかけを思い出した。

 

 生まれたと言っても、人間みたいにお腹を痛めて生んだ訳じゃないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そもそもの、レナが生まれた切っ掛けは、はっきり言って偶然だった。

 

 私は495年程地下室に閉じ籠って居たのだが、流石に地下室で出来る暇潰しにも飽きが来て、暇潰しの暇潰しにと、紅魔館の地下にある大図書でひたすらに本を読み続けてる「動かない大図書館」と呼ばれているらしい、“パチュリー・ノーレッジ”に頼み込んで、魔法を教えてもらい始めたのだ。

 

 そして、自他共に中々の腕前になってきた時、私はふと、「人間って作れるのかな?」と思い、試してみた。

 

 そして何か失敗して爆発し、その衝撃で紅魔館は半分は崩壊して吹っ飛び、私はその爆発で怪我をした。

 

 そして、そのときの血が材料にかかり、何か光って、レナが生まれた。 

 

 ……何を言ってるか分からないかも知れない。実際、わたしにも分からない。

 

 当然、紅魔館はパニックになった。

 

 お姉様は、なんか慌ててるのかはしゃいでるのかよく分からなかった。メイド長の“十六夜 咲夜”は、お姉様が暴れすぎて屋敷を汚さないようになだめながら、チラチラと私が抱いているこの娘と私を見て、時折鼻を押さえていた。パチュリーは何時ものように本を読んでた。ぶれない。パチュリーが使役している“小悪魔”は、咲夜よりもじっとこっちを見て、なんか笑顔を浮かべてた。……可愛いよね、うん。

 

 それでまぁこの娘をどうするべきか……って話になった。

 そしてパチュリーが

「フランの血も流れてるし、吸血鬼だし、フランの娘じゃないの?」

 

 と言い、私の娘となった。

 

 それからまぁ、なんやかんやがあって、この娘を“レナ・スカーレット”と名付けて、(ちなみに名付け親はお姉様)私の娘として育てることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「んん……まー…………」

 私が昔を懐かしんでいると、レナが目を開けた。

 ……どうやら、お腹が空いたみたいだ。

 

 ちなみにレナは、生まれてまだ1年くらいしか経っていない。つまりまだ、上手く喋れないのだ。

 加えてさらに、レナはお腹が空いても、人間のように授乳などはしない……と言うか、紅魔館にそれを出来る存在はいない。よって却下。

 なら血はどうかと試したのだが、少食でよく口の回りを血でベタベタにしてしまうお姉様よりもさらに少食だった。具体的には、コップ1/4以下。掃除も大変だし、なによりレナがとても嫌がる。よって却下。

 そして、紅魔館一同一丸となって色々試した結果、とりあえずは「フランの魔法から生まれたのだからフランの魔力で大丈夫じゃない?」というパチュリーの言葉を試してみて、実際にそれでなんとかなったので、そうしている。

 

 ただ、一回に取られる魔力の量が尋常じゃないから、しんどいと言えばしんどいけど。

 だけど……

 

 

「…………♪」 

 この顔を見れば、疲れも吹っ飛ぶというもの。

 ああ、これが母親になるって事なんだなぁと思いつつ、満足した様子のレナを再び抱き抱え直し、地下室から出た。

 

 まだまだ今日は、始まったばかりだ。

 さて、今日は何をしよう?


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