あと、アインズ様の出番は少ないです。
クラスメイトである鹿目まどかと美樹さやかの2人と一緒に街の案内をお願いした。
この見滝原という街どうやら近代化が進んでいるらしく、近未来なビルや一般家庭ではタッチパネルの操作などがあるみたいだ。
「そしてここがゲームセンタだよ。」
「ゲームセンターか・・・。」
「どうしたの?」
「・・・いや、ゲームセンターなんて来たことないからね。」
俺のいた世界ではゲームセンターというものは古い時代にしかないものだった。普段は働くか家でゲームをするぐらいだった。
「よかったら入ってみる?」
「ああ、せっかくのゲームセンターだからね。」
俺はまどかの案内でゲームセンターの中に入る。
そこには多くの人の活気にあふれ笑い声や夢中になっているものがいた。
「ここがゲームセンター・・・。」
「ほら、悟。ボーっと突っ立ってないできなよ。」
さやかは俺に手招きしてこっちへ来る様に言う。
こうやって誰かと一緒に来るなんて久しぶりだな。
「うん、今行くよ。さやかさん」
「私たちクラスメイトなんだから、さやかって呼んでいいよ。」
「そうかい?なら、よろしくねさやか。」
「任せときなさい!」
「鈴木君はどんなゲームをやるの?」
「そうだね、特に決まってないね。」
「それじゃあ、このゲームなんてどう?」
さやかが指したゲーム機はシューティングゲーム。
「これは?」
「拳銃型のコントローラを使って画面にいる敵を倒すゲームだよ。」
「へぇー。じゃあ、これをやってみようか。」
「ふっふっふっ、私のスコアを越せるかな。」
それから数十分・・・。
「そ、そんなバカな!?」
結果は鈴木の完全勝利。
さやかも銃での正確な射撃は良かった。
しかし、敵が出てきてからの瞬時の判断力が低いのか予想外な攻撃に対応ができていないところがあった。
鈴木はユグドラシルや異世界で突発的なことが多く経験をしてきたので比較的焦らず楽にクリアした。
「すごいね鈴木君」
「いや~本当だよ。初めてゲームセンターに来たとは思えないよ。」
「いやいや、まぐれだよ。」
「鈴木君、さやかちゃんこれからどうする?」
「ん~そうだね。疲れたし何処かで休もうか。」
ゲームを終えて俺たちは何処かで一服しようと移動する。
とりあえず何か食べられるところに行こうとゲームセンターを出て移動していたとき、壁に何かが刺さっているのを俺たちは見つける。
「これって!?」
「グリーフシード!?」
「グリーフシード?」
ゲームセンターの壁には黒い飾りみたいなのが刺さっており、そこから若干ながら禍々しい物を感じた。
「えっと、とにかくここから離れよう!」
「え?ちょっ!?」
まどかに手を引かれこの場を離れようとするが、
グリーフシードと呼ばれる物が突然光って、辺り一体が白く包まれる。
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「ん、ここは?」
先程の白い光でさっきまでいたゲームセンターとは変わって、以前に来た魔女の世界と似ていた。
ただ今回の世界は以前のような植物ではなく、電子機器やゲームのようなのが宙に浮いていたりしていた。
「まどか、悟、大丈夫?」
俺が周りを見ていたときさやかがこちらに駆け寄ってくる。
「私は大丈夫だよ。」
「ああ、俺も大丈夫だ。」
「無事で良かった。それにしてもまた来ちゃったか。」
「一体何が起こったんだ?」
「いい、よく聞いて。実は・・・」
さやかからこの世界は魔女によって作られた空間だと説明を受ける。
「・・・なるほど理解できた。」
「そうよね。あまりのことで理解が出来な・・・今何て言った?」
「理解できたといった。」
「うそ!マジで!?」
「ああ、この世界が魔女によって作られた空間でさっきあったグリーフシードが魔女と関係があるものだね。」
「え、えっとそういうこと。」
なるほど、ならあのグリーフシードによって魔女は発生していると言うことか。
だがあのグリーフシードを魔法少女が集めて何かに使うということか。
「ここにいたら危ないから安全な所にいこうか。」
「え、ちょっと!?鈴木君!」
俺はここに留まるより移動して安全な場所へと移動する・・・という建前で探検へと出る。
安全もいいがやはり探究心に勝てず、この空間について色々と調べたいと歩き始める。
「あ、あまり動かない方がいいんじゃないかな?」
「こういうときは取り敢えず1つの場所に留まらず動いた方がいいよ。」
「そうなの?」
もちろん嘘だ、時と場合によるが基本は動かない方が安全だ。
だがせっかく魔法少女を知っている二人がいるんだ。
これを期に動いた方が色々と情報が集まりやすい。
「ね、ねぇ、あれ!」
さやかが何かに指を指して俺はその方向を見ると、そこには小さなゲームのようなのが何体もふわふわと浮かんでいた。
「さやか、あれは?」
「たぶん、あれは魔女の使い魔だよ。」
使い魔ということは、相手の魔女は魔力で作ったものか。
なら、実験体にちょうどいい。
《ファイヤーボール/火球》
俺は二人に見えないところで魔法を放つが、火球が敵に当たると、大きな火柱ができて周りにいた敵も一掃する。
そしてその爆発の熱風はこちらにも飛んできた。
(あちちち!
そうだったいまの俺の体は生身だから火属性の耐性がないんだった!?というか、魔法の威力が強すぎる!)
「なに、いまの!?」
「き、きっと、魔女の攻撃よ!」
いや、違うんだ。いやでも勘違いしてくれて助かったけど、でも違うんだ!!
「今のは一体・・・う!!」
俺が内心で戸惑っているときさやか達のようすがおかしなり、突然さやかとまどかは突然頭を抱え地面へと座り込む。
「さやか!まどか!どうしたんだ。」
俺は二人の元に駆け寄り声を掛けると二人は顔をお越す。
「一体どうしたんだ?」
「あれ私まるでゲームの世界にいるみたい。」
「さやか?おい、さやか!?」
「あはは、あれはパンチングマシーンか~。あれをぶっ壊せばいいんだね。」
さやかは立ち上がり、そしてまどかも同時に立ち上がる。そしてお互いに向き合い殴る体勢を取る。
さやかとまどかは互いを見てゲームをしているようなことを言っている。
もしや、洗脳か?
だとしたら、面倒だな。
おそらく魔女は仲間同士の同士討ちを目的としているみたいだな。
《マインド・キュア/精神治癒》
「あ、あれ?私一体・・・。」
「どうやら正気に戻ったみたいだね。」
「す、鈴木君、私、一体なにを?」
「どうやら魔女の洗脳を受けてたみたいだ。」
「洗脳?」
「ああ、突然ゲームの世界にいるみたいだ何て言っていたぞ。」
「えっと、確か私、パンチングマシーンのゲームが目の前にあって『全力で壊せ』って書いてあった。」
なるほどこれで確定だ。
魔女は洗脳をするということは精神攻撃系の魔女のようだ。
俺には精神耐性があったからなんともないが、2人はモロに受けてしまうだろうな。
アインズはそんなことを考えているとき周りの四角いキューブが動きだし、キューブは1ヶ所に集まる。
そこにはドット絵のような魔女が空中に浮かんでいた。
「あれが魔女か。」
「悟、ここから逃げるよ!」
「え?あ、ああ!」
あくまで、今の俺は普通の人間。
さやか達の後を着いていき魔女から逃げていく。
しかし、魔女は俺たちを簡単に逃がすはずもなく、逃げようとする俺たちの前に立ち塞がる。
(ちっ、予定より早いが仕方がない。)
さすがに危険と感じて、俺は指輪に手を掛けてはずそうとする。
相手の戦闘力が未知数なので指輪を付けている状態で戦えるか分からない。
しかも第3位階魔法までの魔法しか使えない状態で戦うのも危険なので鈴木が指輪をはずそうとした瞬間。
「ティロ・フィナーレ!」
魔女に魔力の塊が当たり、魔女は体勢を崩す。
「今のは・・・。」
「あなた達大丈夫だった?」
上から声が聞こえて、上を見ると以前見た黄色の魔法少女が降りてきた。
「「マミさん!」」
「魔女の気配がすると思って来てみたけど無事でよかったわ。」
(どうやら指輪は外さなくてよさそうだな。)
黄色の魔女少女は銃を魔法で精製し、ドット絵の魔女に攻撃する。
相手は防御力
魔女の結界は無くなりさっきまでいたゲームセンターの前にいた。
「えっと、あの、鈴木君。」
まどかはドギマギしながら俺に話掛けてくる。
正直、あそこまで見せられたら誤魔化すのはさすがに無理だな。
「いやー凄かったね今の。」
「え?」
「あの魔法少女の戦い。まるで映画みたいだったよ。」
「え、えっと、そうだね。凄かったね。」
「それであの魔法少女は誰なの?」
「え、えっと、それは・・・「私よ。」マミさん!?」
まどかと話しているとさっきの黄色の魔法少女が制服姿でやって来た。
「あなたがさっきの魔法少女?」
「ええ、そうよ。」
「そうですか。」
「さて、ここで話すよりも私の部屋にいらっしゃい。」
彼女の案内で俺は彼女の家へと向かう。
さて、俺のこの行動が幸か不幸か、どっちだろうな。
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~巴マミの部屋~
「紅茶は飲むかしら?」
「ええ、では頂きます。」
マミという少女の案内で部屋へとやってきたが案外普通の部屋のようだった。
だがこんな時間なのに彼女の家族が見当たらないな。仕事か?
「それじゃあ、改めて自己紹介させていただくわ。私は巴マミ。魔法少女よ。」
「鈴木悟です。まどかたちと同じクラスメイトです。」
「よろしくね。さて、早速本題なのだけれど、あなた魔法少女や魔女についてどこまで知っているのかしら?」
さっきのやわらかい雰囲気とは変わり、彼女の顔は真剣になる。
とりあえず、このことは向こうのほうが詳しい下手に情報を隠すと向こうに怪しまれてしまうな。
「そうですね。まず俺が見たのは魔女そして魔法少女、ソウルジェムとグリーフシードぐらいですね。」
「そう、ある程度こちらのことも知っているみたいね。」
「ええ。あれは一体何なんですか?」
「わかったわ。それじゃあ、まず魔女と魔法少女について話させてもらうわ。」
巴マミの話を聞き、魔女と魔法少女についての説明を受けた。
魔女・・・。魔法少女が倒すべき敵。いろいろなところに潜んでおり人間に呪い等を撒き散らすらしい。
その呪いは『魔女の口付け』と呼ばれる印があり、自殺や殺人などが発生するらしい。
それ以外は今日みたいに結界の中にいて潜んでいるらしい。
そんな魔女を倒すのが『魔法少女』なのだ。
「・・・というわけよ。」
「なるほど、その人間の死を利用して魔女は魔力・・・いわば力を貯めているのか。」
「驚いたよ。まさか
突然聞こえた声に後ろを振り向くとそこには白い生き物が窓に座っていた。
(探知スキルに反応がなかった?くそっ、ぬかった。やはり人間の体だとスキルも弱体化するのか。対策を考えないとな。)
「キュゥべえ。」
「なんですか?この白い生き物は?」
「キュゥべえよ。この子が魔法少女にしてくれたのよ。」
(これが?)
「始めまして僕の名前はキュゥべえ。」
「はじめまして、鈴木悟だ。」
「君も魔法に興味はあるかい?」
「ああ、魔法なんて御伽噺にしかないと思ったがまさか現実にあるとは。」
「良かったら君も魔法少女になってみるかい?」
「いや、遠慮しておくよ。(魔法"少女"?)」
「どうしてだい?」
「俺には必要なさそうだからね」
「そうかい。もし魔法少女になったらどんな願いでも叶うけど無理には言わないよ。」
「どんな願いでも?」
「もちろん、マミや魔法少女たちは己の願いを叶えて対価に魔法少女になって魔女を倒しているのさ。」
どんな願いでも・・・、もし俺が願うならかつてあったナザリックの友と会いたいと願うだろう。
だがこいつはどこか胡散臭さがある。
簡単に魔法少女(?)にはなるつもりはない。
「どうだい?それでも魔法少女にはならないのかい?」
「・・・ああ、また今度に。少し考えさせて貰うよ。」
「わかった。決まったらいつでも。」
それから、目的を達成した俺はこの場で特でやることはなくなったので、巴マミの部屋を出て帰路に向かう。
さやかやまどかはマミの部屋で用事があるらしいので今は俺一人だった。
「魔法少女か・・・。」
俺が聞いた情報は予想よりも色々とあり面倒ではあったが、同時に面白いと思った。
魔法少女、ソウルジェム、グリーフシード、魔女、未知のパワー。
それがナザリックに役立つか分からないが、折角の機会なのだ最大限に利用させてもらおう。
アインズの口は自然と笑い次はどうしようかと模索しながら、帰るのであった。
ゲームの魔女 性質:依存
ドット絵の魔女
相手を洗脳してゲームの世界をしているような感覚にさせ、仲間で同士討ち又は、自滅させる。
精神攻撃が得意だが戦闘は苦手。
その為戦闘は使い魔が行い、その間に魔女は精神攻撃をする。