日常パートの執筆が進まねぇ。
俺は人間の姿になり日本の見滝原市へとやって来た。
ただここはどうも俺のいた日本とは違うようだ。
日本には見滝原市などというは名前はなかったのだから。
取り合えず『ヒューマンリング/人間指輪』を着けているから人間にみられてもなんの問題もないだろう。
だが警戒するに越したことはないだろう。
アインズはとりあえず、この場から離れてこの見滝原の散策に出る。
街は日本の光景に似ており、今まで異世界にいたからまるで夢を見ているのかと思った。
「ここね。」
「ここが・・・魔女の巣」
ん?
どこからか子供の声が聞こえるな。
アインズは廃墟となっている建物をこっそりと覗くと、そこには女の子三人が謎のゲートのような所の前で話していた。
2人は学生服でもうひとりは私服?のようなのを着ていた。
そして、更に離れた場所にも黒い髪の少女が3人の様子を伺っているの確認できた。
「絶対に私のそばを離れないでね。」
「「はい!」」
3人の少女はゲートの中に入り込み異空間の中へと消え、その後に黒い髪の少女もゲートの中へと入った。
4人の少女がゲートに入った後、アインズも近づきゲートを覗きこむ。
「ふむ。どうやらユグドラシルの魔法とは違うようだな。」
その魔法はユグドラシルにはなかった魔法だった。
本来のゲートなら時間が経つと消える時間制限つきの魔法。
だがこの魔法は壁に固定され長時間展開できる魔法のようだった。
「実に興味深い。」
ユグドラシルのプレイヤーとしてか、未知の魔法を見てるとアインズにある探究心に火がつく。
「では、我・・・ゴホン、俺も行くとするか。」
いつもの癖で支配者としての口癖が出てしまっているが、いまは人間の姿なのだから普通に行こう。
アインズは心でそう思ってゲートの中へと通る。
中にはいると、日本とは程遠い異空間だった。
不気味な空間でこれこそまさに異世界と思える世界だった。
「ほう。中はこうなっているのか。外と異空間を繋げて出入できるようにしているようだな。」
普通だったら慌てふためいている所だがいままで過ごした環境と精神安定化が長かったせいかアインズは驚くことはなくむしろゲートの中がどうなっているかを解明している。
中にはさまざまなモンスターがいた。
蝶型や植物型のモンスターがいて、こちらを敵と認識したのか全員がこちらに向って襲ってくる。
「ふむ。ではついでだ実験に付き合ってもらおう。」
以前にも実験をしたとき第5位階魔法を使用したが今回はさらに弱いのを使って実験する。
(俺の持っている中でも弱いのだと。)
アインズは手を蝶型のモンスターに向けて魔法を放つ。
第1位階魔法《マジック・アロー/魔法の矢》
ユグドラシルの中でも使い勝手はいいが、威力が弱いこの魔法。
《マジックアロー/魔法の矢》が蝶型のモンスターに当たり、矢は貫通したあとモンスターは霧になる。
「は?」
一発で倒してしまったことにアインズは間の抜けた声を上げてしまう。
(ウソだろ!?《マジックアロー/魔法の矢》でやられるのかよ!?)
あまりにも呆気ない結果にアインズは驚きを隠せない。
(い、いや。まだ雑魚敵だからやられたのかもしれない。もしかしたら奥に進めばもっと強い奴がいるかもしれないな。)
アインズはそう思って立ち直り、再び前に進む。
・・・しかし、結果は違った。
(全部一瞬でやられているじゃないか!)
そう、アインズの攻撃に耐えられる敵はいなかった。
第1位階魔法はほんとにプレイヤーが最初だけしか使わない魔法。
そんな魔法でも倒せてしまうとなるとこの世界のモンスターは基本的に弱いと思えてしまう。
攻略的にはいいかもしれないが、アインズの探究心には大きな落胆しかなかった。
(は~、期待はずれだな。)
だが、いくら弱体化していても元はユグドラシルでLv100までやりこんだプレイヤー。アインズのステータス自体がこの世界では強すぎるのだ。
それに気づくことのないアインズは落ち込みながら前を歩いていると、広い空間に出て中は丸い空洞が縦に伸びている場所だった。
自分のいる場所はその空洞の中間辺りだった。
下を見てみると先程の3人の少女たちがいて、さっきまで戦っていたのとは違うモンスターと戦っていた。
2人の少女は後ろで待機しており、黄色の少女は1人で戦っていた。
(様子をみる限りあの2人は非戦闘員みたいだな。)
そして、視線を変えると先程見つけた黒髪の少女も離れた場所で見ていた。
アインズはそう考えていると黄色の少女が手から銃を出してモンスターに銃の弾丸を放つ。
「あれは・・・。」
アインズは黄色の少女が手に持っているのが魔法によって作られたのを見逃さなかった。
(アニメとかでやっていた魔法少女っていう奴か。
実在していたのか。
いや、そもそもここは俺のいた日本とは違うのだ、いてもおかしくはない。
そういえば、ぶくぶく茶釜さんも確か魔法少女の声優をやっていたとか言っていたな。)
アインズは自分が異世界に転移した経験があったので魔法があってもさして驚くことはなかった。
そして、仲間と共に過ごした懐かしい会話を思い出すが今は目の前の戦闘を見なければならない。
もしかしたら有益な情報を得られるかもしれない。
アインズは再び視線を戻すと、黄色の魔法少女は大型のモンスターに対していい戦いしていたが、隙ができてしまい足元に小型のモンスターが纏りついて、モンスターが集まると一本の触手へと変わった。
壁に打ち付けられたり、触手につかまった状態なのでやられるのかと思ったが、黄色の魔法少女は再び手に銃を生成し、銃弾を地面に撃つと地面からリボンの様なのが生え、大型のモンスターに絡みつく。
「なるほど、魔法の銃弾を地面に埋め込んで銃弾自体を魔法の発生源にさせたのか。」
そして、黄色の魔法少女は大型のモンスターを倒し、先程いた空間は歪み、元の見滝原市に帰ってきたようだった。
3人の少女たちは戦闘が終わったので帰路についている姿をアインズは遠くから眺めていた。
「魔法少女か・・・・・・・・・おもしろい。」
アインズは新しいおもちゃを手に入れた子供のように微笑んだ。
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それから数日後。
見滝原中学校のクラス
「ねえ、さやかちゃん。」
「ん?なにまどか?」
「今日、マミさんとまた行こうかと思っているんだけど、一緒にいく?」
「いいよ、またマミさんが魔女をやっける姿みてみたいしね。」
「え~、危ないよ。」
クラスではまどかとさやかが楽しく話しているときに教室の扉が開き、教室にクラスの担任である早乙女和子先生が入ってきた。
「はい、それではHRを始めます。」
早乙女先生が教壇の前に立ち、さっきまで立っていた生徒達はみんな席へと付いていた。
「ですが、その前に皆さんにお話があります。今日から転校生が新しく入ってきます。」
ざわざわざわざわ
転校生が来るということにクラスは騒がしくなる。
(ねぇ、転校生だって。)
(今度はどんな人なのかしら。)
(暁美さんと同じように女性の方かしら。)
(ウホッ、いい男はいねぇかな。)
(前の席の奴から邪気が!)
「はい、静かに!静かに!」
(ねえ、まどか。なんかうちのクラス転校生が多くない?)
(ウ~ン、そうかな?)
転校生がやってくることにクラスの皆が盛り上がっていたが、一人だけ明らかに違う表情をしていた。
(転校生?そんなのいままでいなかったはず。)
同じくつい最近クラスに転校してきた黒髪の少女暁美ほむらだった。
「それじゃあ、入ってきて。」
教室の扉が開き中に入ってきたのは一人の男の人だった。
「では、自己紹介をお願いします。」
「はい、始めまして鈴木悟です。今日からよろしくお願いします。」
中に入ってきたのは見るからに普通の男。
だけどその人物が転校してきたのが波乱の始まりだった。
次回はもう少し早めに投稿します。