「このあたりか?」
朝の鍛錬を終えて必要な荷物を持った俺はシンクに言われた待ち合わせの紀乃川インターナショナル・スクールの入口近くに来ていた。
「シンクはどこいったんだ?」
だが近くにシンクらしき人物がいないので辺りを見ていると
「おーい、レーンこっちこっちー」
と呼ばれたのでそちらを見てみると見慣れた金髪が確認できた。だが、たっている場所が問題だった。金髪の少年、シンクは普通に入口から出てきたのではなく入口となっている建物の上に立っていた。だが、いつもの事なのであまり気にはしないが知り合った直後だと会う度に驚かされていた。
「お前は普通に出てこれんのか?」
「ま、まぁちょっとみててよ」
そしてシンクはバックを放り投げ自身も大きくジャンプした。そしてそのまま空中で宙返りをして綺麗に着地した。こういうことはちょくちょくあるので見慣れている。
「しかし、相変わらずすげーなお前は」
「そんなことないよ。それにレンだってこれくらいは出来るでしょ?」
「まぁ、できないことはないが...」
そう、こいつは俺とは違い素の身体能力でバク転ややっきやったような高いところからのジャンプを普通にこなしてしまう。これが13歳だから驚きだ。それにアスレチックに関してはアイアンアスレチックという名前の大きな大会で2位なったりもしている。
「そういえば、今年は優勝狙って頑張るんだろ?」
「そう、今年こそは優勝目指してがんばるんだ!それにレンだって今年は出るんでしょ?アイアンアスレチック」
「あぁ、だが初参加だからな。優勝は目指すがまずは自分の力を見極めないとな?自分がどこまで通じるのかを」
アイアンアスレチックはこの身体能力をもってすれば充分優勝は狙えるだろうが俺だって人間だから失敗もするしミスもするからな、ちゃんと自分の力を把握しないと。
「そういえば、ベッキーにはもう言ったんだけどレンは春休みの最後に和歌山にある別荘に行くんだけどレンもくる?」
「まぁ、時間があったらお邪魔させて貰うよ」
そんな雑談をしながら校門へ行こうとした時近くの花壇から剣をくわえた犬が飛び出してきた。犬はそのまま剣を地面に突き刺した。そして突き刺した剣を中心にピンク色の魔法陣が出てきた。魔法陣の真ん中は穴が空いておりその中にシンクのバックが落ちてしまった。
「ぼ、僕のバック」
「バカ、待てシンク」
とシンクを止めようとするがシンクはそのままバックと一緒に穴に落ちてしまった。犬もそれに続きあなのなかにはいっていった。
「クソッ」
穴に落ちてしまったシンクを見捨てるわけにも行かないので穴が閉じる前に俺も穴の中に身を投げた。
喋り方がむ、難しい...