皆さんも風邪に気をつけてくださいね
「龍樹君!義経と試合をしてくれないか?」
朝起きて朝食を食べていると義経に試合を申し込まれた、朝起きてから時間が経っているとはいえ朝から大きな声出されると頭が痛くなったが気にせず話を聞く。
「試合?なんで?」
「龍樹君の実力は聞いている、武人として龍樹君と試合をしたい!」
「私も興味があるなー」
義経の話に弁慶も乗り出してくる。武士道プランの子達、クローンの実力はきっと高いだろう。義経と弁慶....武を習っている者として彼女らの実力は気になる
「俺は構わないぞ、俺も義経たちの実力を見てみたいからな」
「そうか、ならこの後頼む」
「私もね」
俺達は朝食を再開した––————
○○
朝食が終わり俺達は外に出る、外は快晴雲ひとつない晴天だ、日差しが照りつけ少し暑い。
「クラウディオさん審判お願いします」
「はい、わかりました」
俺と義経双方向き直り対峙する
弁慶と与一と清楚は少し離れたところで見学している
「義経は刀を使うのか?」
「ああ」
「相手が刀を使うのなら俺は刀でやらせてもらう」
当然怪我をさせる訳にはいかないので使う刀は模擬刀だ。刃は潰れて厚くなっている。当たっても衝撃はあるがそこまで痛くはない。
「お互い準備はよろしいですね?」
「はい」「ああ!」
「それでは只今より!神道 龍樹様と源 義経様の試合を開始します!それでは試合....開始!」
「源義経!いざ参る!」
義経は俺に向かって刀を一閃する、一閃された剣筋は凄まじく俺を襲いにかかる
中々速いな...だが避けられない程ではないな...
俺は身体を斜めに傾ける、一閃された刀は空を切る。俺は後方へ飛躍し着地する。義経は開いた距離を一気に詰め寄り瞬時に俺の後ろに回り刀を振り下ろす。
「ハアッ!」
さっきより速いな...これは避けれねぇな...
俺は前を向いている状態で義経の一閃を受け止める
刀が双方触れた直後
ガキン!!
という音が鳴り響く。
「見事な一閃だな」
「龍樹君も義経の一閃を受け止けとめたのは驚きだ!」
ッッッ!結構力あるな...力も申し分ない、そろそろ俺も反撃するか...
俺は刀を受けたまま身体を回転させ横へ飛躍する、その回転を利用し左から切り上げる。
「ぐッッ!」
回転を利用した龍樹の一閃は重く鋭く速いものだった。力では勝てないと思った義経は距離を取り体制を立て直すが、龍樹はすぐさま義経に詰め寄り刀を振るう。一方的に義経は守りに徹してしまっている。
「まだまだ行くぜ!」
龍樹は何度も何度も刀を振り義経を追い詰める
激烈と状況の中で遂に刀が止まった....
双方の刀が刃が重なり動かなくなる、いわば鍔迫り合いだ。
「ぐッ!」
「………」
義経は苦悩の声を出すが龍樹は苦悩の顔は一切していない。力の勝負に持ち込まれると圧倒的に龍樹が勝っている。龍樹は更に力を込めた、頑張って踏ん張っているのがわかる様に砂が積もっている。
———————そろそろ終わらせるか....
龍樹は力を一気に緩めた、義経は力を込めていた....
これを利用する、義経は何とか踏ん張って体制が崩さない様前に力を押していた。片方がそれを緩めるとどうなるか....軸がブレるという結果になる。
俺は思いっきり刀を下から上に切り上げる
ガキンッ!!!
っという音がなり義経の持っていた刀は宙を舞い砂浜に突き刺さった。武器を離した義経の首筋にピタリと刃をくっ付けた。
「ぐっ....義経の負けだ」
「勝者!神道 龍樹様!」
試合終了の言葉が辺りに響き刀を降ろす
○○
「すごい....」
「主が...負けるなんて...」
「すげーな」
3人共龍樹の実力を目の当たりにし驚きの表情を浮かべていた。
○○
「強いな義経は」
「いや、龍樹君には全く叶わなかったよ」
「まあ、勝負に関しては負けるつもりはないからな」
「龍樹君、お願いがあるんだが...いいかな?」
「何だ?」
「また、試合をしてくれないかな?」
「ああ、別に構わねーよ」
「ありがとう!感謝する!次は負けないからな!」
義経は満面の笑みでそう言う、その表情の可愛さに思わず此方も笑みを浮かべてしまい頭を撫でてしまっていた
「あっ...えへへ」
頭を撫でると義経気持ち良さそうに目を瞑り笑みを浮かべ微笑む。その姿はまるで小動物の様な感じで可愛い。暫く撫でてしまっていることに気付き頭から手を離すと....
「あっ....」
なんか残念そうな表情を浮かべる義経....もう一度頭を撫でてみると
「えへへへ」
また気持ち良さそうに笑う
なにこの可愛い生き物....あまりにも可愛さに思わず
「可愛いな、義経」
「なっ!///義経は可愛くないぞ!///」
俺の言葉に義経は顔を赤くしながら否定してくる
「否定しなくていい、義経は誰から見ても可愛いいって」
「ううっ///」
顔を真っ赤にさせ俯いてしまう義経...何で顔を赤くするんだ?と考えてると弁慶が近づいてくる
「なに主を口説いてんの?」
「いや口説いてねぇって、本当の事しか言ってねえのに」
「天然たらし」ボソ
「ん?なんか言ったか?」
「別に、それより龍樹、私との勝負忘れてないよね?」
「ん?ああ、忘れてねぇよ、やろうか」
○○
「それでは神道 龍樹様と武蔵坊弁慶様の試合を始めます....それでは試合開始!」
「こないのか?」
「じゃあ...いかせてもらおうかな...そい!」
弁慶は距離を瞬く間に詰め寄り当身をくりだす
「....!!」
なんつー力!...モモといい勝負か....いや下手したらそれより上かもしれねぇな...
龍樹は直ぐに距離を詰め寄り右脚で上段蹴りを横腹に喰らわそうとするが弁慶はその一撃を錫杖で防ぐ。
龍樹は一旦弁慶から距離を取り氣を溜め始める。
「武装」
龍樹は腕に武装をかけ一気に詰め寄りそして渾身のストレート!
「腕が黒く!..ぐッッッ!」
龍樹のストレートに苦悩の声を上げる弁慶はすぐさま後ろに飛躍する。弁慶は文字通りパワーで押し切るタイプか...なら力は力で押し切る!
龍樹は先程のストレートより桁違いの突きを弁慶腹めがけて打ち込む。
「(さっきよりも速い‼︎)」
二度目の防御、先程と同じ様に錫杖で防ぐと...
———————————パキンという音と共に弁慶が持っている錫杖が砕けた...
「「あ....」」
開いた口が塞がらないとは正にこの事だろう...
○○
「ええーーー!!弁慶ちゃんの錫杖が粉々になっちゃったよ!!」
驚く清楚に対して
「九鬼家が作った特別製の物をこうもあっさりと」
「龍樹君は凄いな!!」
「アイツどんな腕してんだよ」
冷静過ぎる3人であった
○○
「なんかゴメン、でも砕いといて何だけど結構脆いんだなそれ」
「いやいや、普通はこんな粉々に砕けるものじゃないんだけどね」
「あーー...どうする?続きするか?」
「いや、降参」
弁慶両手を上にあげ降参のポーズをとる動作をする
「ん?いいのか?」
「自分の得物が無くなったら戦う意志はないよ、それに龍樹の実力はわかったしね、私じゃ勝てないよ」
「そう...わかった」
「だけど」
そう言うと弁慶は俺の顔をじっと見つめ
「代償は取ってもらうよ」
「わかった」
「じゃあ、この後付き合ってね」
「急すぎねえか!?」
「錫杖」
「わかりました」ビシッ
○○
「プハァ!美味い!これに限る!」
おっさんみたいな台詞を吐き出しながら器を口から遠ざける、因みに弁慶が飲んでいるのは川神水ノンアルコールだが場で酔えるというもの。あと弁慶はアルchゲフン!ゲフン!なんでもないです。まあ彼女らと何日かは過ごしてきたからこの様な光景は日常化した様なモンで見慣れている。
「またそんなにのんだら義経に怒られ「錫杖」ハイ....」
「ばれなかったらいいの」
そう言う問題か?
「そう言う問題」
「心の中読むなよ」
「ん?...そんな事考えてたの?」
「はめたな..」
「ほら、取り敢えず魚焼いて」
「はいはい」
俺は釣りたての魚を七輪の網の上にのせ焼き上げる、只今錫杖の分の代償を払う為に弁慶に摘みを作っております。
「それにしてもなんでそんなにホイホイ釣れるの?」
視線を横に眼をやるとクーラーボックスの中には溢れんばかりの大量の魚が入っている
「いや、これ位普通だぜ?」
「いやいや、龍樹の普通っていう言葉は普通じゃないよ」
「それよりさ、1つ気になったている事があるんだけど」
「なに?」
「なんでくっ付いてるんだ?」
弁慶は俺の肩に頭をコテンと置く様な感じでくっ付いている
「...いや?」
「嫌じゃねえよ、なんでくっ付く必要があるのか聞いてるんだよ」
「ん〜〜...私がこうしたいからだよ」
「なんじゃそりゃ」
俺は作業に戻り魚の焼き目をチェックしていく
「ほら焼けた」
俺は魚を灰皿に乗せ弁慶に差し出す
「いただきます、ハム、モグモグ、んーん!美味しい」
「そりゃよかった」
余程気に入ってくれたのか凄い勢いで魚の身が減っていっている。
「龍樹少し聞いていい?」
「どした?」
——————龍樹はどうしてそんなに頑張れるの?
「何だよ突然」
「いいから教えて」
普段の私は自分でもよくわかっている、めんどくさい事はやりたくはない性分。クローンの私は主である義経を支えていくため、将来は決まっている様なものだから。だけどわからないどうしてそこまで頑張れるのか、何のためにそこまで出来るのか気になっていた。
「【夢】なんだ...」
「夢?」
「そう....夢...後悔したくないから...その為に頑張るんだよ、そして親父との約束があるから...俺の夢は世界最強になる事だ!」
「世界最強?なれるの本当に?」
「なれるかじゃない...なるんだよ」
「え?」
「俺がなるって決めたんだから、どんなに高い壁が立ち塞がろうとも何度でも乗り越え...そして...大切な人達を守るんだ」
後悔したくない...あの日の出来事を繰り返したくないから俺は先へ進まないといけない、修羅と言う道を歩むことになったとしても...
「近道なんてしない...長い道のりを乗り越え先へと歩き続ける...俺の夢は遥か彼方の先...挫折したとしてもどんな事でも俺は死ぬまで夢を諦めねぇ!」
俺は海の遥か彼方の方向を見ながら語る
「………」
俺の言葉に終始無言の弁慶
「あれ?答えになってないか?」
「……ううん、充分答えになってるよ、大切な人達を守るため...か...ねぇその大切な人達って私達は入ってる?」
「当たり前だ、弁慶達は俺が守ってやるよ」
俺はそう言い弁慶の頭を撫でる
「んっ///」
「あっ悪い、嫌だったか?」
「ううん、嫌じゃないよ、そのまま撫でて///」
「わかった」
俺はそのまま弁慶が満足するまで頭を撫で続けた
○○
「弁慶ー!龍樹君!おーい!」
声がする方に向いて見ると義経達が手を振っている。
気づけば空はオレンジ色になっており夕方になっていた。随分と此処にいたようだ。楽しいと感じていたからなのか時間が経つのが早く感じると言うのはよく言ったものだが本当に改めてそう感じた。
「弁慶、そろそろ戻ろうぜ」
「...うん、そうだね」
そう言いながら歩き出す龍樹の背後を見る弁慶
—————もう少し二人きりでいたかったな...
そう心の中で呟く弁慶。
彼女の心は自然と彼に惹かれていた
——————好きだよ....龍樹...責任とってもらうからね
大好きな彼の背中を見つめながら義経達の元に戻る弁慶だった。
急すぎましたかね?
ご都合主義の作品なのでごめんなさいm(_ _)m
次回も読んで頂けたら幸いです