1人の男と武士娘の川神学園   作:龍仁

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リアルの生活がようやく落ち着いたので書ける時間が取れるようになりました。これからも頑張って行こうと思います。宜しければ読んで頂けたら幸いです。


9話 武士道プラン登場‼︎

英雄...つまり偉人と呼ばれた人達がいた。

偉人と呼ばれた人達は後世でも語り継がれている。豊富秀吉、坂本龍馬、西郷隆盛、といった様に偉業を成し遂げた者達。

 

そんな偉人、つまり英雄のクローンを作ろうとしている財閥がいた。

 

 

ーーーーーーー九鬼財閥

 

 

九鬼の目的は、偉人達のクローンで現代の人材不足を解消させることが目的らしい。その武士道プランの発案者は九鬼序列2位のマープルと云う女の人らしい。

 

そして生み出されたクローンは4人だと、クラウディオさんから聞いた

 

1人は源義経、2人目は武蔵坊弁慶、3人目は那須与一、あと1人は...何故か教えてくれなかった、クラウディオさんに聞いてみると「私達にも分かりません」と云われた。

 

クラウディオさんは、九鬼の序列3位だ...知らないのはおかしいと思ったが、まあ...あまり気にしないでおこう。

 

 

そして、俺は今何をしているかと云うと、俺とクラウディオさんは一緒にクローンの子達の所へ船で向かっていた...

 

何故こんなことになっているのかと云うと

 

二時間ぐらい遡るーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二時間前、俺はハクと一緒にトレーニングをしていた。

トレーニングメニューは鬼ごっこだ。鬼ごっこがトレーニングになる訳ないと考えている人も居るだろう。だが俺は、いいトレーニングだと思う。鬼ごっこと云うのは俊敏性とスタミナが鍛えられる。

 

ハクはスピードが途轍もなく速い、だからトレーニングの相手にピッタリだ。勿論スピードだけ鍛えている訳ではない、筋力やスタミナも勿論鍛えている

 

最初の頃はハクにスピードで追いつくことは出来なかった、だけど最近はなんとか食らいつくことができるまでにはなってきた。

 

トレーニングが終わって俺と親父とハクは昼食を取っていた。そこにある人がやって来た。

 

そう、九鬼従者部隊序列3位のクラウディオさんだ。

 

「あっ、クラウディオさんこんにちは!」

「クラウディオ、どうしたんだよ」

「ワン」

「龍樹様、刃様、ハク様こんにちは」

「何か用ですか?」

「ええ、実は龍樹様に頼みたい事があるのです」

「頼み...ですか?」

「ええ、実は....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と云うことでして」

 

 

クラウディオさん話によると四人のクローンと1ヶ月間共に過ごして欲しいそうだ。クラウディオさんは四人に俺の事をよく話しているらしい、それで俺に会ってみたいと云っているらしい。

 

俺は話を聞いている内に俺もその四人に会ってみたいと思い始めた。だけどまた家を開ける事になる、しかも今度は1ヶ月間と云う結構長い期間だ。

 

俺は悩んだ末親父に相談してみると当然の様に「行って来い」と笑顔で云ってくれた。本当に良い人だとつくづく思う。

 

行く事に決めた俺は1ヶ月間長い期間過ごす為部屋に戻って荷物の支度をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

————————そして今に至る

 

船を出してから二時間ほど経ったがまだ島は見えて来ない、流石に暇過ぎる...

 

「二時間経ちましたけどまだ島は見えて来ないんですか?」

 

「その場所は人が発見できない様な場所にありますからどうしても時間がかかってしまうんです、もう少しで見えてくると思いますよ」

 

まあ、確かにクローンと云う情報が漏れない為にも人が立ち寄らない場所にしているのは当たり前か...地図にも載っていないらしいしな....まあ、九鬼が所有している島に立ち入ろうとする奴はまずいないと思うけど...と云う風に考えていると島が見えて来た。

 

「あの島ですか?」

 

「ハイ、あの島です」

 

船が島に近づくに連れて島の大きさもわかる様になってきた、まあまあかなりデカイ島だ。ビーチに人影が見えてきた、女の子3人と男の子1人、スーツを着た男の人、彼は九鬼家の関係者だろう。

 

船が岸に着き、俺は荷物を持って船から降りる。

その後に続く様にクラウディオさんも船から降り、俺と並ぶ様に歩く。そして、一人の女の子が声をかけてきた。

 

「クラウ爺、義経は待ちわびたぞ!その子がクラウ爺が云っていた?」

 

「ハイ、そうですよ」

 

自分の事を義経と云っている子が、此方に近づいてくる。その義経に連れて三人も此方に近づいてきた。

 

「初めまして、義経は義経だ!よろしくな!」

 

自分の事を義経と名乗る女の子は自己紹介をしながら手を差し伸べてきた、こういう風に積極的に接してくれると此方も接しやすい、俺も自己紹介をしながら義経と握手をする。

 

「よろしくな義経、俺は神道龍樹、1ヶ月間世話になる」

 

「よろしくな!龍樹君!、それでコッチが」

 

「弁慶でーす。よろしくー」

 

義経の横に居た女の子は片手に器を持ちながら気だるそうに挨拶をしてくる、髪の毛が癖っ毛の女の子。挨拶をしてくれたので俺も挨拶をしてかえす。

 

「よろしくな、弁慶!」

「はいよー」

 

のほほんとした返事をかえす弁慶。片手に器を口に付け、クイっとあげる。何かを飲んでいるようだが、気にしないでおこう。そして、弁慶の隣にいる鼠色の髪をした男の子に挨拶をしようと手を差し伸べようとすると...

 

「おっと、気をつけな...俺の手に触れると邪悪な気がお前に呪いをかけるぞ」

 

ーーーーーーーーえっ?……邪悪?ドユコト?どしたんだろ...っと考えていると弁慶が男の子に近づき...

 

「ちゃんと挨拶をしな」

 

男の子にプロレス技をかけ始めた。

 

「痛デデデデデデデ!痛いって姉御!痛いって!」

 

「ごめんねー龍樹、与一は厨二病なんだ気にしないでね」

 

 

目の前の出来事に呆気に取られているが気にしないでおこう、与一は与一できっと事情があるんだろう、うん。

 

「すまない、龍樹君、与一は人付き合いが苦手なんだ、だが悪い奴ではないんだぞ!」

 

義経は必死に与一をフォローしてくる、優しいんだな義経は...

 

「弁慶、一様挨拶しておきたいから離してあげて欲しいんだが」

 

「ん?ああー了解ー」

 

弁慶は与一を解放し義経のとなりに並ぶ、俺は与一の側に行き倒れている彼に手を差し出す。

 

「大丈夫か?顔真っ青だぞ...」

 

「すまねぇ、助かった...」

 

与一は龍樹の手を取り起き上がる。服に付いていた砂をパンパンと払いのける。

 

「よろしくな」

 

「ちゃんと挨拶をしとかねぇと、また姉御に何されるかわかんねえからな、那須与一だ」

 

やっと素直になったのか与一はようやく握手をしてくれた、そしてもう一人の女の子が俺に挨拶をしてくる。その女の子は清楚な感じでまさに大和撫子という単語がピッタリの子だ。

 

「私の名前は葉桜清楚っていいます。宜しくね龍樹君」

 

「宜しくな!清楚!」

 

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「龍樹君は、ハクッて云う犬を飼っているのか?」

 

「いやぁー犬というより狼っていうか何というか、よくわかんねぇんだよな」

 

「ぷっ!なにそれ!?」

 

『アハハハハ』

 

俺たちは自己紹介の後別荘の中に入り和気藹々と話し合っていた。みんなからの質問攻めのラッシュがあったが俺みんなの質問に答えていた。俺ばかりに質問攻めにも飽きてきたので今度は俺からも質問してみるか

 

「俺ばかりじゃなくてさ義経達の事も教えてくれよ」

 

「でも、義経達の事を聞いてもなにもないぞ」

 

義経はそう云い少し表情を暗くしてしまう。それを見た三人も少し申し訳なさそうな感じだ。

 

「何でも良いんだぞ?好きな食べ物の事とか好きな遊びとかさ、なんでもな」

 

「そんな事でいいのか?」

 

「ああ」

 

「其れなら義経達だっていっぱいあるぞ!」

 

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随分と話していたのかもう夕方になっていた、楽しかったから時間が経つのも早く感じるな。すると『グゥゥゥゥー』と云う音が聞こえてきた。

 

「主ーお腹空いたー」

 

弁慶は義経に持たれながらそう呟く。

 

「私もお腹空いてきちゃった」

「義経もだ」

「俺も」

 

弁慶の言葉で清楚、義経、与一も空いたと口に出す。まあそろそろ夕飯の時間だしな、俺も腹が減ってきた

 

「ねークラウ爺ーお腹空いたー」

「そうですね、そろそろ晩御飯を作りましょうか」

 

クラウディオさんは、読んでいた本をパタッと閉じ、台所へ向かう。

 

「あっクラウディオさん、料理なら俺が作りますよ」

 

「そういうわけにはいきませんよ、龍樹様は皆さんと寛いでいてください」

 

「俺、親父と一緒に作ってるから料理は得意なんですよ。それに、俺はまだ四人と会ったばかりだから、もっと俺を知ってほしいんです。四人に俺の手料理を食べてほしいんです、もちろんクラウディオさんにも」

 

「龍樹様...わかりました、それではお願いしますね。何かあったら呼んでください」

 

クラウディオは四人のいる所に戻り、読んでいた本を読み直し始めた。

 

「さて始めますか」

 

 

 

 

 

 

 

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「龍樹君大丈夫かな?」

「腕に自信があるみたいだから大丈夫だと思うよ」

「どんな料理か義経はワクワクだ」

 

三人は龍樹がどんな料理を作るのか興味津々で台所にいる龍樹を見ていた。与一は漫画を読んでいたが料理をしている龍樹が気になるのかチラチラと横目で見ていた。

 

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「よし出来た」

 

皿を六人分用意をする

ご飯を皿に乗せ、その上にルーをかける。俺が作ったのはカレーライスだ。スパイスの匂いが鼻をくすぐりより一層空腹を引き立てる。

 

「お待ちどうさま」

 

俺はカレーライスを五人の元に運んでいく

 

「わあ!美味しそう!」

 

「う〜んいい匂い」

 

「わあー!」

 

「おお!」

 

「ほおー」

 

皆んな驚いてくれている。作ったのは普通のカレーライスだけどな、問題なのは皆んなの舌に合うかどうかだ。皆んな人それぞれの好みとかがあるからな。

 

「食べてみてくれ、感想が聞きたいから」

 

『いただきます!』

 

五人がスプーン手に取りカレーをすくう、出来立てなので湯気が出ている。五人はカレーが乗ったスプーンを口に運びいれた。

 

 

 

 

 

『!!!』

 

 

 

 

皆んなの動きが止まった……

もしかして口に合わなかったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『美味しい!(です!)・美味い!』

 

 

 

 

 

「ほおっ!?」

 

突然大きな声でビックリして変な声がでてしまった。

 

「龍樹君!とっても美味しいよ!」

 

「幾らでも食べれそうだよ」

 

「こんなに美味しいカレーは義経は食べたことがないぞ、龍樹君!義経は感激だ!」

 

「………(うめぇ!)」パクパクパクパク

 

「素晴らしいですね、スパイスの香りが広がりより一層美味しさを引き立てている。そして肉の柔らかさ....九鬼の専属コックでもここまでの品は出せないでしょう」

 

おおー!皆んな喜んでくれた。

よかった...内心すげードキドキしてたからな。こうやって人に作るのは親父以外で初めてで緊張したが上手くいったようで安心した。

 

「ありがと、口に合ったようで嬉しい」

 

「ねえねえ龍樹、他にも料理は作れる?」

 

「ん?ああ、大体のものは作れると思うぞ」

 

「じゃあさ、今度摘み作ってよ」

 

弁慶は俺に持たれながら頼み込んでくる

 

「摘み?ああいいよ」

 

「約束ねー」

 

弁慶は俺から離れ中断していた食事を再開し始めた、俺も再び食事を再開した。

 

 

————––———————––——————–——————––——————––——————––——————––——

 

『ご馳走様でした!』

 

「龍樹君ご馳走様!とっても美味しかったよ!」

 

「美味しかったよ龍樹」

 

「美味かったぞ!龍樹君!」

 

「……美味かった」

 

「とても美味しかったですよ」

 

皆んなが美味しいと言ってくれた、ただそれだけの言葉で嬉しくなってくる。

 

「お粗末様、ありがとな」

 

食事を終え後片付けをする俺たち。俺は食器を台所に持って行き皿洗いを始めた。

 

「龍樹様、皿洗いまでやる必要はありませんよ」

 

「えっ、でも...」

 

「龍樹様今日はもう休んで下さい、後は私がやりますから」

 

「わかりました、じゃあ俺は風呂に入ってきます」

 

俺は自分の荷物から着替えとタオルを持ち風呂場えと向かい、その日の疲れを癒した……。風呂からでた後はリビングで足を伸ばし寛いでいた。暫く寛いでいると眠気がし始めてきた。

 

「ふぁ〜」

 

時計を見てみると10時を回っていた。義経たちは俺より先にもう寝たらしい。明日も早いだろうし俺もそろそろ寝よ

 

「クラウディオさん、俺そろそろ寝ます、おやすみなさい」

 

「はい、おやすみなさい」

 

用意された部屋に行きベッドの中に入り、1日の出来事について振り返る。クローンの子達との出会い……源義経、武蔵坊弁慶、那須与一、葉桜清楚……皆んないい子達でよかった。この1ヶ月間彼等達と過ごす事で俺は何を得るのか楽しみだ、そろそろ寝よう……

 

俺は眼を瞑り眠りについた———

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回も読んで頂けたら幸いです。

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