本日二話目
2018/04/01 投稿
世界総人口の約8割が何らかの特殊体質となった超人社会になってなお、人間の理解の及ばぬ怪奇、オカルトは存在していた。
心霊写真は度々話題に上がり、ポルターガイストや幽霊の目撃談はあとを絶たない。
学校には七不思議はあるし、新しい都市伝説は増えていく。
いつの世になっても無くならない「怪談」「怪奇」「怪異」……
緑谷出久はそんな“ありえないモノ”を惹きつける体質だった。
「さて、緑谷くん。君はどうやらこういった存在に好かれる質らしいね」
夕闇の公園で、アロハシャツを着た男が出久の前に立って話をしている。
その足元で“白いナニカ”を押さえつけながら。
「僕はこういうやつらーー“怪異”と僕らは呼んでるんだがーーそれの専門家でね。だから一言忠告させてもらうとなんだが、君、このままだと死ぬよ?」
4歳で個性が発現した出久は、厄介な個性を宿していた。
母親の“物を引きつける”個性が変異して遺伝した結果、“ありえないモノを惹きつける”個性として発現したのだ。
以来、出久の周辺では怪奇現象が頻発し、周囲の人間は離れていった。
絶望している中現れたのが、怪異の専門家を名乗るこの男。
出久はこのままでは本人だけでなく周囲の人間も被害が出ると、この男に対処法を学びながら一緒に旅をすることとなったのだった。
ーーーー10年後。中学生になった出久は相変わらず全国各地を転々としていた。
「緑谷出久です。諸事情により転校してきました。よろしくお願いします」
何度目になるか分からない転入の挨拶をする出久。
三重県、露座柳中学校。
そこで出久は“重さ”の無い少女、麗日お茶子と出会う。
「昔、個性が暴走してからずっと体重がないんだ」
『
いつからか自分を浮かせたままになり、医者にも原因が分からないという。
話を聞いていた出久は、しばらくブツブツとつぶやいて考察をした後、お茶子にこう投げかけた。
「ねぇ、麗日さん。大きな化け蟹に出会ったことはある?」
〜『おちゃこグラビティ』編〜
ーーーー静岡県 辺須瓶中学校
転校してきて数日。出久は、ずっと欠席しているクラスメイトがいることに気がつく。
そのことをクラスメイトに聞いてみると、
「耳郎さん? 彼女、元々個性の関係で耳が良かったんだけど、急に聞こえすぎるようになっちゃったらしいんだ。それでずっと休んでるよ」
事情を聞いた出久は何かを感じとったのか彼女をお見舞いする名目で訪れることにした。
「あんたが来てから音が酷かったんだけど、今は大丈夫。あんた何したの?」
出久が焚いた不思議な香の煙が満ちる部屋のなかで、件の少女、耳郎響香が出久を見つめて問いかける。
出久は困ったように苦笑いしながら返事をした。
「ごめんね。昔からいろいろと惹きつける体質みたいで、集まってきたみたい」
「惹きつける? 集まる? あんたなんのことを言ってんの?」
出久の要領を得ない答えに怪訝そうな表情をする響香。
その額には柔らかな角が生えていた。
「耳郎さんの身に起きている怪異の原因だよ。……ねぇ、耳郎さん。聞こえすぎるようになる前に、静かなところ、たとえば冬山とかに行かなかった?」
〜『きょうかノイズ』編〜
怪異を惹きつける少年、緑谷出久。
これは、彼が不思議と出会う物語だ。
『いずく怪異ハンター」、近日連載開始!
喪服のようなスーツの男
「今日の日付を確認してほしい。そう、年に一度のあの日だ。
つまり、この次回予告の本編がいつ投稿されるかは言うまでもないだろう。
今回の件から得るべき教訓は、投稿された日付にも気を配れ、ということだ」
読みたい出久の系統は?
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後付け個性系(1/2、Dハートなど)
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両親個性変質系(ヒロイン、恋愛追跡など)
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無個性技能特化系(バトラー、メイドなど)
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その他