2017/11/21 投稿
◎オールマイト、冷や汗。
オールマイトコラボイベントのヴィランイベント“平和の象徴を倒せ”だが、ヴィランプレイヤーからは大変不評である。
何せオールマイトが強すぎる。現実のNo.1ヒーローということで多少は強く設定されていると思っていたら、想像以上の強さで話にならない。
たとえば、
『“回復力アップ強”“打撃ダメージ8割減”“パワーステータスアップ強”のアビリティをつけた装備だ。完璧なオールマイト対策。これなら勝てる!!』
『私対策!? ならばさらに上からねじふせよう!!』
Plus Ultra!
その掛け声と共に繰り出される連続スマッシュにぶっ飛ばされるヴィランプレイヤー。
究極のごり押しに絶句。あえなくヴィランプレイヤーたちは……全滅した。
「出久くーん、こんなに苦情が来てるんだけど~」
「大丈夫ですよ、課長。あらかじめ一定ダメージが積みあがれば弱体化するようになってますし、関連クエストの報酬でも弱体化しますし!」
そんなこともあろうかと、イベントの設計段階から仕込みを済ませてある出久。
“オールマイトの古傷を探れ”:ヒーローに守られたオールマイトの主治医の持っているカルテを奪うクエスト。成功報酬はオールマイトの脇腹にウィークポイントが追加される。
“オールマイトの残酷な真実”:オールマイトのスクープを手に入れた記者を見つけ出し、記事を奪うクエスト。成功報酬は、かつての恩師の家族がヴィランになっていてそうと知らずに自分が倒していたという真実を突きつけることで心理的なショックでオールマイトのステータスがダウン。
“オールマイトを迎え撃て”:オールマイトの迎撃のためのトラップを作るための素材収集クエスト。成功報酬はオールマイトのHP減少。
などなど。いろいろな弱体化クエストが用意されていたりする。それにプレイヤーが気がつけば攻略は可能なのだ。
「なるほどね。考えてあるんだね!!」
「はい! でも、このことを伝えたらオールマイトの様子がおかしかったんですけど……やっぱりヒーローに弱点が出来るのは気分悪いのかなあ?」
と、不安に思う出久だが、事実は違う。
というのも、弱体化の理由のいくつかが現実にあてはまりそうで、いや、本当に弱点を言い当てているものもあって、ゾッとしたというのが事実だ。
『本当に偶然なんだよな? 緑谷少年~ン!!』
オールマイトの苦悩が尽きない。
◎〝ヒロオン”の影響
ヒーローとヴィランを扱う“ヒロオン”だが、現実にもヒーローがいる以上、影響を与えないわけがない。
「な、なんと!? 我と“ヒロオン”がコラボだって!?」
座っていた椅子を蹴飛ばして立ち上がり、驚くシンリンカムイ。
電話越しの相手、“ヒロオン”のメイン企画の担当を名乗る『ミドリヤ』が慌ただしく説明を始める。
『は、はい。シンリンカムイは若手の中でも注目株ですから。僕、じゃなくて、私もあなたの活躍を見まして、これはやるしかないと。特に必殺技のウルシ鎖牢なんかすごい有効な技ですよね! それに今度のエリアは山岳や森林なんかも追加するので、森林保護や緑化事業にも力を入れているシンリンカムイにピッタリだと思うんです。それから――――』
電話からマシンガンのように語られる自分の話に、シンリンカムイは嬉しさを隠せない。
これだけ自分の活躍を見てくれている人がいるのだ。
電話の主は声が若く、ビジネスマナーもまだ慣れていないように感じたが、熱意は伝わってきた。
そして、こんないい話は受けるに決まっている。
なにせこのゲームとコラボすることは多くのヒーローの憧れになっているのだから。
「我、感動!!」
よかったね。シンリンカムイ。
◎先生がゲームにハマったわけ
オール・フォー・ワン。
裏社会を支配し、悪逆の限りをつくした闇の帝王。
数年前にオールマイトによって重傷を負い、一時は死亡の噂も流れていたが、本人はこうして生きていた。
ただし、視力を失い、身体能力の多くを失った状態で。
この現実にさすがのAFOも怒りと絶望を覚えた。多くの個性を持ちながらもどうしようもない現実。
それに救いを与えたのが“ヒロオン”だった。
失ってしまったはずの視力。
失ってしまった身体能力。
自由に動く自分の身体。
仮想現実の世界で再び取り戻すことができた“風景を見る”ということ。それは悪の帝王をして感動させるに十分だった。
グラフィックの美しさとはまた違う、何気ない日常に感動する心。
人の数倍も生きてきた悪の心に、光を差し込んだのがこのゲームだったのだ!
「フフッ、スタミナ回復を待つだとか、キャンペーンを待つだとか、そんなものは子供の遊びだよ。大人の遊びというものを教えてあげよう」
「うわあああ、なんだこの人! 課金アイテムで装備固めてやがる!?」
……感動した結果がこの廃課金ユーザーだったり。
ガチャ? 回転率がすべてだ!!
良い子は真似しちゃだめだぞ!
VRでヒロアカ世界探検できたらなー。
雄英高校VRとか。
さて、現在の執筆状況は、
1/2 20%
バトラー 45%
アンラッキー50%
といった具合です。
近日中に投稿できる予定です。あくまで予定ですが。