魔法少女リリカルなのは~魔王の再臨~   作:シュトレンベルク

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同盟成立と

 一面に見える焔。そして、その外側にいる人々の嘲笑。そのどれもがとても卑しい物に感じてしまう。人々の善性などを信じた結果がコレだ。どうせ、人々は裏切るのだ。自分たちの命が危機に晒されれば、人は容易く他人の命など踏みにじる事ができる。

 

『本当に?』

 

 当然だ。そうでなければ、何故あの者たちは自分を見捨てた。自分はただ、神の声に従って人々を、国を救うために戦っただけだというのに。自分の存在がなければ負けていただろう。自惚れではなく、それだけの仕事をしていたつもりだ。

 別に英雄として称えられたかった訳ではない。人々が平和な日常を過ごせるように、あの国を守りたいと願っただけだ。神の声がきっかけだったとはいえ、そういう想いが確かに自分にはあったのだ。なのに、あの連中は私を売ったのだ。これを恨んで何が悪い?

 

『本当に?』

 

 ……不快だ。一体、誰なのかは知らないが、私は本音で話している。それの一体何が不満だと言うのか。

 

『あなたの言葉は矛盾している』

 

「矛盾?私の行動の一体どこに矛盾があると?」

 

『恨んでいるのなら、憎んでいるのなら。どうして簡単に殺してしまう?苦しめれば良い。痛めつければ良い。自分と同じ痛みと苦しみを与えてやれば良い。なのに、あなたはそうしない』

 

「当然です。憎しみはある。恨みもある。怒りもある。しかし、そのような外道はしない」

 

『それは何故?』

 

 自分がその誰かと話している事にすら気付かず、それでも言葉を連ねる。この問いからは逃げてはならないと、心のどこかで察していたからだろう。この問いは、ジャンヌ・ダルク()復讐者(ワタシ)としてあるために必要な物なのだと。

 

「復讐に意味なんてない。やられたからやり返すだけ。私はあいつらを苦しめて殺すほどの価値を見出してない。私が苦しんだから相手も苦しめ、と思うなら。それは連中と同じ外道に成り下がるだけ。私には何の得もないのよ。私は復讐者であって、悪魔じゃない!」

 

『……ならば、何故復讐する?意味がないのなら、行動する必要などない。違うか?』

 

「ハッ!何も分かってないのね。意味などなくても、価値などなくても、無駄であったとしても。それをしなきゃ始まらない事がある。私は心の中にあるこの焔を刻み込まなきゃ始まらない。私の復讐()を、侮るな!」

 

『………………』

 

「この戦いは、この復讐は私の意志だ!創られたからじゃない!私が私自身の意志で決めたんだ!復讐(コレ)は私が、ジャンヌ・ダルクという器から脱するためにやってる事なのよ!私を見縊るな!」

 

 意味など求めていないし、価値など欲してはいない。そうあれかしと望まれたからそうする訳じゃない。私が私自身の意志でそうする事を願ったからに他ならない。だからこそ、私の行動に他人の意志が介在する余地などないし、そんな物を私が認める訳がない。

 

『そうか。ならば、私の言葉など必要ではないだろうな』

 

「ええ。不要よ、ソロモン王(・・・・・)。あなたからすれば私は子供なのかもしれない。けれど、あなたのソレは私にとってはお節介なのよ」

 

『そのようだ。いやはや、長く生きるとこういう弊害も起こるから困る。では、自らの本懐を果たしたまえ。あり得べからざるジャンヌ・ダルク――――いや、ジャンヌ・ダルクの正反対(オルタナティブ)。ジャンヌ・ダルク・オルタよ』

 

「言われるまでもない。私は私らしくあるだけよ。精々玉座に踏ん反り返って見ていなさい。神の声を聴いただけの小娘、その紛い物の足掻きをね」

 

 いつの間にか、少女だけを包んでいた焔は周りに広がり始めていた。その焔は老若男女の区別なく、少女を嘲笑していた人々を呑み込んだ。それどころか、建物も燃やし始め……果てには世界そのものを焼き尽くした。最早、燃やす物など何処にもないのにそれでも焔は燃え続ける。

 少女の総てを燃やし尽くしても尚、それでも燃え続ける焔。それこそが、復讐者の本質なのだという事を理解しても尚、声の主は彼女を――――ジャンヌ・ダルク・オルタと名付けられた少女を惜しく思う。鮮烈に生きる彼女が(・・・・・・・・・)死ぬために行動している(・・・・・・・・・・・)事が。

 

『しかし、それがあの娘の願いだというのならば自重せねばなるまいな……』

 

 己の願いのために。声の主はそう言い残し、その場から離れていった。残されたのは誰もいなくなった世界でも燃え続ける焔のみ。その焔はまるでオルタの命であるかのように燃え盛り、総てを灰に包みこんだまま尚もあり続けるのだった。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 双方共に犠牲を被った事によって、両国――――特に連合国側は重い腰を上げる選択をした。そう、復讐者(アヴェンジャー)ジャンヌ・ダルク討伐のための協定である。聖杯戦争が勃発して以来、互いに仲違いを続けた両陣営は一時的ではあっても歩み寄る選択をしたのだ。

 

「ま、そういう訳だ。よろしく頼むぜ?黒のランサー」

 

「分かっています。同じ陣営であるならば是非はありません。しかし……赤のランサー、忘れぬ事です。我々は元々敵同士でしかないという事を」

 

「分かっているさ。しかし、今は味方だ。ならば、協力する事に否はあるまい?」

 

「それがマスターの選択であるならば、否定はしません。事実、あのサーヴァントの実力は常軌を逸している」

 

「大聖杯に直結してるんだろうさ。アレはこの星の地脈と接続している。実質、使える魔力量は無尽蔵と言って相違ないだろうな」

 

「やはり、ですか……それで、赤のランサー。あなたの見解は?」

 

「敵方のサーヴァントか?そうだな……俺は神代の人間だから詳しくは知らんが。それほど知名度が高い相手じゃないだろう。あまり動きに違和感を感じられなかったからな。ああいう動きが出来るのは生前と同じ様な身体能力の奴だけだ」

 

 神代の人間であればあるほど身体能力は劣化し、現代の人間であればあるほど身体能力は上昇する。それがサーヴァントという物だ。たとえ、戦い方を理解していても、変化した身体能力に自身の能力をアジャストさせるというのは意外と難しい物だ。だからこそ、赤のランサーにはそう結論付けた。

 

「生前とあまり変わらない身体能力の混沌か悪属性のサーヴァントですか。中々、面倒な相手と言わざるを得ませんね」

 

「そんな事は今更だろうが。それに、気を配るのはサーヴァントだけじゃないだろ?」

 

「真龍ですね。まったく、厄介な相手を引っ張てきてくれたものです」

 

 真龍――――それは聖杯が使われた日に現れた巨大な龍の事である。かつて、神代の時代に存在したとされる龍のことを真龍と呼ぶ。ほぼ総ての真龍は世界の裏側と称される場所に行ったとされ、二度と現代に戻ってくる事はないだろうとされていた。

 それは、神代が終わった後の世界は真龍を始め神々や精霊の類が生きる事が難しくなったからだ。神々が猛威をふるった時代。そんな時代に生きていた者たちが、人間の時代に適合できる訳がない。弱体化は免れないし、何より生きていく事自体が難しくなったのだ。

 

「弱体化した私たちでは彼らを殺しきれるかどうかも怪しいのが実情。万全を期すならば、選ぶ選択肢は一つでしょう」

 

「だが、それは無理と。俺より後世を生きた奴だってのに頭が固いんだな?」

 

「別にあの王は頭が固い訳ではありませんよ。ただ、自分が力を貸す必要はないと判断した。だから手を貸さない。そういう事なのでしょう」

 

「……俺たちでどうにかなると?」

 

「そういう事でしょう。しかし、彼の言う『可能』とは犠牲を容認したもの。例えば、そうですね。私とあなたが霊基を崩壊させる事を承知で宝具を使えば、真龍を殺す事は『可能』でしょう?」

 

「おいおい、それじゃあ何の意味もねぇだろ。そりゃあ、相手が相手だ。犠牲くらいは出るだろう。しかし、それ在りきで話をするなんて冗談じゃない。ならざるを得ないならしょうがないがな」

 

「それがあの王のやり方です。伊達や酔狂で『魔王』などと呼ばれる訳ではないのですよ」

 

 ソロモンは魔王と呼ばれたのは魔導の王の略称だけではない。何よりも、他人を平気で捨て駒として扱う事も辞さない悪魔のような男だったからだ。歴史上、彼ほど自らの国を繁栄させた者はいない。だが、同時に彼ほど国の成長の過程において人を殺した者もいないのだ。

 それほどまでに、ソロモンという王は恐れられた。勝利のためにという題目を掲げて生き抜いた王はいない。善性を持たず、悪性を担わず、ただ勝利を持って人々を導いた者はいない。王であれば、否、人であれば誰もが掲げる題目を掲げずにソロモンはかくあり続けたのだ。

 

「しかし、赤のランサー。私は事実として知っているのです。あの王にはそれだけの事を成し遂げるだけの力があった。善性も悪性も必要とせず、ただ絶対の力を持って総てを蹂躙できるだけの力があった事を。いえ、これは古代ベルカを生きた総ての英雄が知っていましたが」

 

「分かっていたのに、それでも戦ったのか?」

 

「当然です。勝てない事など分かっていた。戦えば敗れるなど赤子が大人に挑むよりも分かりきった結果です。それでも、私は王だった。ならば、王としての責務を果たさなければならなかった。あの王と戦った因縁はただそれだけの事です。納得できますか?アルスターサイクルの魔眼の槍手」

 

「分からんでもないよ、ダルクスの最後の雷帝。しかし、俺は責任で戦っていた訳じゃない。俺の人生は、俺の意思で選んだ物だった。だから、俺は俺のやりたい事をしていただけに過ぎないんだよ。ただ、父より賜った命を後悔で失いたくはなかっただけだ」

 

「そんなあなたが、何故聖杯戦争に?」

 

「ふっ、決まっているだろう?――――再戦を。俺を殺した奴との、何のしがらみもない再戦を果たすため。ただ、それだけのためだよ」

 

 いつの間にか手に持っていた朱色の槍を振り回すと、銀髪の男――――赤のランサーはその場を離れた。そのいっそ清々しいと言えるような願いに、黒のランサーはため息を吐いた。自分はあんな風に正直ではいられないだろう。そう察する事が出来てしまったが故に。

 

「ランサー」

 

「セイバー、どうかしましたか?」

 

胸元と背中が開いた鎧に身を包んだ男――――黒のセイバーが黒のランサーに近付いてきた。黒の陣営は普段、戦場か王都に控えており、黒のセイバーは最初期から戦場にいたためあまり顔を会わせた事をがなかった。それでも、彼が実直な人間である事を黒のランサーは重々承知していた。

 

「マスターたちが作戦会議をするので諸将を集めるようにとの仰せだ。あなたは総指揮官に近いのだから、参加した方が良いのではないか?」

 

「そうですか……まともに軍議が成立すれば良いのですが」

 

 なにせ、つい先日まで敵だった者同士だ。相手はこちらの戦力を削っておきたいだろうし、こちらは相手の戦力を削っておきたい。それに……自分のマスターを悪く言うつもりはないが、マスターは平凡だ。サーヴァントという存在は彼にとってあまり認めたい物ではない。

 

「四面楚歌、と言いたいところですね。聖杯戦争の終わりは、この戦争の終わりを意味する訳ではありませんし」

 

「それでも、我々は戦わなければならない。そうだろう?」

 

「そうですね、セイバー。……ふぅ。それでは、失礼させていただきます。セイバー、これからは連合国側の人間とも会う事になるでしょう。気をつけてくださいね」

 

「ああ、分かっている。しかし、それはそちらにも言える事なのではないのか?」

 

「ふふっ、残念でした。私は寿命で天寿を全うした人間です。あなたのように明確な弱点なんて私にはないんですよ」

 

 華のように微笑みながら、黒のランサーはそう言った。そして、その表情のままその場を離れていった。その後ろ姿を数秒眺めた後、黒のセイバーは鍛練場に足を運んだ。閑散として誰もいない筈の場所で、四組の少年少女がサーヴァントからの訓練を受けている姿が目に入った。

 見覚えのない彼女たちに首を傾げた後、マスターから聞いた話を思い出した。管理局の人間が今回の事態解決のために動いているという。この世界で赤と黒の陣営に属さないサーヴァントがいるとすれば、それは管理局のサーヴァントだからあまり手を出すなと言っていた。

 

「……あなたは黒の陣営のサーヴァントですね?クルス王から訓練場の使用許可はいただきましたが、問題ありましたか?」

 

「いや、許可を取っているなら問題ない。俺は普段、戦場にいるから誰かがいるとは思わなかっただけだ」

 

「戦場勤め?では、あなたが黒のセイバーですか」

 

「知っているのか」

 

「ええ。黒の陣営において最高峰の剣士だとお伺いしています。お会いできて光栄です」

 

「こちらこそ。次元世界の平和に貢献している人間たちに会えるとは思っていなかった。これからの戦いで共に戦えることを期待しよう」

 

 黒のセイバーは話しかけてきたランサーと握手をした後、その場を離れようとした。彼らとは仲間では無いし、なにより彼らは別世界の住人だ。それに見たところ、まだまだ幼い子供たちがマスターのようだ。自分のような武骨な人間がいてはやりづらいだろうと思ったのだ。

 

「あ、あの!」

 

「……どうかしたのか?少年」

 

「もし、もしよろしければ僕の槍を見てくれませんか?」

 

「マスター?私の指導に不満でも?」

 

「そ、そんな事はないよ!でも……僕は早く強くなりたい。たくさんの人を助けられる人になりたいんだ!」

 

 最初は恩人の力になりたかった。早く自立して、自分を助けてくれた人のように酷い目に遭っている人々を助けたかった。でも、この世界に来てその考えが甘いものだと分かった。今のままでは足りないのだ。助けられる命を助ける事すらできない。今の自分では圧倒的に力不足なのだ。

 だからこそ、力が欲しい。命の危機に瀕している人々を助けられるだけの力が。しかし、そんな一朝一夕で力が手に入る訳ではない事ぐらい、自分でも分かっている。ならば、経験を積んでいくしかない。多くの経験を積んで、どんな事態にも対応できるようにしなければならない。その為に必要な事は何でもする。そう決めたのだ。

 

 そんなエリオの意志が伝わってきたのか、黒のセイバーはじっとエリオを見つめていた。覚悟を測るように、ただじっとエリオを見つめている。自分が測られている事をエリオは無意識で理解していた。だからこそ、物理的な重みすら感じる大英雄の視線を受け止める。決して視線をそらさない。

 

「少年、何故戦う?」

 

「力のない人々を助けるため」

 

「少年、何故力を求める?」

 

「無力な自分でいる事が嫌だから」

 

「少年、君は何故――――大人に頼らない?君の傍にいる人間はそんなにも頼りないのか?」

 

「そんな事はない!フェイトさんもなのはさんも、皆良い人で頼りになる人だ。でも、それは僕が人を助けるための力を求めない理由にはならないんだから――――!」

 

 エリオの啖呵は子供の戯言と言えばそうなのかもしれない。しかし、黒のセイバーにとってとても心地よい物だった。だからこそ、背中に現れた大剣を抜き構えた。これより言葉は不要。武を持って語るのみ。そう告げる黒のセイバーの態度にエリオも槍を構えた。

 

「――――来い」

 

「行くぞ――――!」

 

 それ以上の言葉はいらず。少年とセイバーはぶつかり合った。他のサーヴァントとマスターたちは二人の戦いを見守っていた。ランサーは不貞腐れたように。アーチャーは苦笑を浮かべながら。ライダーは誇らしげに。アヴェンジャーは興味なさげに。ティアナは男の子ねと思いながら。スバルは尚やる気を出しながら。キャロは心配そうに。

 

「そう不貞腐れるもんじゃないよ、ランサー。彼も君の事を頼りにならないと言った訳じゃないだろう?」

 

「不貞腐れてなどいません。ただ、あまり良い傾向とは言い難いでしょう」

 

「この特異点に限った話じゃないけど、これから生きていく上ではまず要らない経験だからね。でも、彼はあれで良いと思うよ。守るべき者、守りたい者のために強くなる。それは――――英雄の条件の一つだ」

 

「……くだらない。お前らは何を心配してやがる。どうせ、なるようになるしかない。あのガキが英雄に至るか、それとも途中で死ぬ愚者になるか。そんな物、なった時まで分からんだろうが。それより前にしなきゃならん事があるんじゃないのか?」

 

 エリオとセイバーの戦いを心配そうに見つめる己のマスターを見下ろしたアヴェンジャーはそう言った。そもそも、此処にいる誰一人として英雄と呼ばれる事を望んだ者はいない。ただ、結果として英雄と呼ばれる存在になったに過ぎない。だからこそ、今を生きる者が英雄になるかどうかなど分かる筈がないのだ。

 英雄の資格があるかどうかなど、動いてみなければ分からない。やってみなければ分からないのだ。ならば、そのようにあるしかないだろう。先達たる彼らが今を生きる後進にしてやれる事など限られているのだから。

 

「……まっ、それもそうだね。さぁ、訓練に戻ろうかマスター。あの子に負けたくはないでしょ?」

 

「もちろん!私だって人を守れるようになりたいんだから!」

 

 スバルとライダーのペアは気合十分とばかりに向かい合った。空間に青色の道が現れ、スバルがその道を駆ける。ライダーは相棒をある程度巨大化させて乗り込む。そうする事で疑似的な空戦を再現する。

 

「そうね。私だってあの子に負ける訳にはいかないしね。頼むわよ、アーチャー」

 

「分かっているさ。この身はマスターのために、だからね」

 

 ティアナとアーチャーのペアは相方を見て苦笑しつつも、やる気を窺わせる。この二人も頑張る人間の傍にいてやる気を出さない人間ではない。アーチャーは自分の持ち得る技術をティアナに叩き込み、ティアナは少しでもその技術を掴もうと懸命に思考を働かせ続ける。

 

「マスターも心配ばかりしてないで自分の訓練に集中しろ」

 

「でも……」

 

「マスターもあいつの相方なら、あいつを信じろ。相方を信じられないなら、そんなのは相棒(バディ)とは言わない。今のお前にできるのは、強くなったあいつの傍にいられるように努力する事だろう?」

 

「……分かった」

 

「(やれやれ、本当に大丈夫なのか……?)」

 

 明らかに不安を露わにしているマスターを相手に、アヴェンジャーは内心でそう思わずにはいられない。それでも、マスターが生きていけるように力を貸すしかない。元より、アヴェンジャーはそのためにこの場にいるのだから。

 一部の不安を他所に、ランサーはマスターが死なないようにセイバーとの戦いを見守るのだった。




~ソロモンと作者によるQ&Aコーナー~

「いよいよ新社会人生活目前となりつつあり戦々恐々。シュトレンベルグです」

「今回の話が恐らく自由に投稿できる中で最後の投稿となるだろう。ソロモンだ」

シュ「はぁ、来週には社会人ですよ。王様としてなんかアドバイスないの?」

ソ「なるようにしかならん。不条理ならまだしも、納得できる理由で怒られたとしても我慢できるようになれ」

シュ「まっ、そりゃそうだよね。なるようにしかならないか……んじゃ、質問へ」

Q.ソロモンってエルトリアの後にミットチルダにはちょくちょく行ってたりしてるの?

ソ「時々だな。暇だからと言って行っていた訳じゃない。鍛練していた時もあったし、リーナの相手をしていたりとする事は色々あるからな」

シュ「今回の事件を把握してから仕事が凄く増えたしな。でも、行った事はあるんでしょ?」

ソ「誘われた時ぐらいはな。それ以外だと電話で済ませる事になっている。触れた時ぐらいは、と思ってな」

Q.あのステラァァ!で有名はアラーシュさんについては、どんな印象を持ってますか?

ソ「献身、と言うべきだな。少なくとも、俺ではあんな風には生きられん。それだけは確実だろうな」

シュ「ネットではネタにされてるけど、あの軽い雰囲気で重い経歴の持ち主だからな。wiki読んでビビったわ」

Q.ソロモンでも根源に接続してる奴(式や愛歌とか)、相手だと苦戦はしますか?

ソ「苦戦は時々だが、基本的に面倒くさい。連中は獣の前兆をプンプン臭わせてるから警戒しないといけないが、警戒しすぎると獣になったりする場合がある。悪いだけの奴らではないが、基本的に面倒。これに尽きる」

シュ「獣が分からない人はtype moon wikiで確認しよう。ただ、基本的に相手をするのが面倒な人たちなので、根源接続者は物語には関わってきません。それだけはご了承を」

Q.これは質問よりかは悩みだね。最近、これを質問しよう!って決めたはいいけど書く時や時間が空くと忘れるだよね。シュトレンベルクさんとソロモンにはありませんか?

シュ「まぁ、ありますね。こう書こうと思ってたけど、動画とかに気を引っ張られて忘れるとかはあります。どうにかしますけど」

ソ「やろうと思ったらやっておけ。忘れそうなら、何かにメモっておく事だ。最近はスマホでメモアプリもある。思い立ったが吉日、という奴だ。とはいえ、重要な事でもないならどうにかなるだろう。どうせそのうち思い出すだろう」

シュ「さて、それでは今回はここまで。次の更新が一体何時になるかは分かりませんが、よろしくお願いします」

ソ「期間は空くだろうが、また会う時もあるだろう。では、その時まで」




別室

「少しは時間が空きそうで安心している。ディアーチェだ」

「苗も植えたし、これからが楽しみだね。レヴィだよ」

「異種生物の掃討もだいぶ終わりましたしね。シュテルです」

「今日はお姉ちゃんの代わりに来たわよ~。OKK!キリエよ」

ディ「さて、こんな調子ではどうなるか分からないな……では、質問へ」

Q.シュテル達って姉妹兄弟居たの?あの苛烈具合を聞くと冗談抜きでシュテル達が子供作ったって言うよりは、結婚した事が信じられない。シュテル達の姉妹兄弟が子供作ったって言われた方が、まだ信じられる。(君達のソロモンに対する忠誠心の高さが原因だからね!?質問したのは!)

シュ「本当に失礼ですね。……まぁ、分からなくもないですが。私は妹が一人いました」

レ「僕は弟が二人いたよ。可愛い盛りだったけど、一人は戦場で死んじゃった。もう一人は家の当主になったしね」

ディ「我にはいなかったな。特にそういうのを欲する事もなかったしな。……まぁ、認知されいないだけで他にはいたかもしれんがな」

キ「王様とレヴィは意外。てっきり上とか下に誰かいるのかと思ってたけど」

レ「そんな事ないよ。まぁ、騎士の先輩とかからは可愛がってもらったりしてたけどね」

ディ「我は面倒を見なければならない者が他にもいたからな。それに、貴族家の当主としての教育もあった。自然とこういう性格になっただろうさ」

キ「なるほど~」

Q.ソロモンの写真とかの実物に安心感とか得らないの?俺は実物がここにあるって安心感があったら心が落ち着くけど、忠誠心のブレーキが壊れてると無くてもいけるのか?

シュ「安心感など必要ないのですよ。我が心は殿下と共にあり、我が魂は殿下の物。ならば、殿下は私たちの傍におられる。ならば、不安など存在しないのです」

レ「そうだね。僕たちの総ては殿下の物。だからこそ、何も心配する事はないんだ」

ディ「我らは殿下と共に同じ時代を駆けた。その想い出があるだけで十分なのだ。だからこそ、殿下は我らにとって絶対なのだよ」

キ「(……う~ん、口には出せないけどやっぱり王様たちってちょっと異常よね。普段は良い人なんだけど)」

ディ「そう言えば、キリエ。お主にこんな物が届いておったぞ」

キ「え?何?……ああ、アミタの事ね。アミタはあれ以降、届いた手紙を読み直して嬉しそうな表情したりとか、唇を撫でて顔を真っ赤にしたりしてるわよ~」

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