is 油の匂い   作:Mau
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第7話

ある日のこと、同室である更識さんもよくどこかに行っているみたいだから聞いてみた。
「そういえば更識さんはよくどこか行ってるけどどこに行ってるの?」
「整備室に行ってる。」
「ということはis関係?」
「うん。私の専用機完成してないから。」
「そうか。がんばれよ。」
「うん。ありがと。」
そういうや否や彼女はそそくさと部屋から出て行った。

彼女をちょくちょく見てみると整備室には基本的に彼女一人しか出入りしていないようだった。
何で知ってるかって?ストーカー?
違うからね。
ちゃんと自分の整備室に行く途中だから。
数日が経つとクラスメートの布仏さんのが話しかけてきた。
「あやあやってかんちゃんとおんなじへやっだたよね?」
「ああそうだぞ。」
「ちょっとお願い聞いてくれないかな。」
「なんだ?」
「かんちゃんの専用機が完成してないのは知ってる?」
「ああ。」
「で、あやあやってそういうの得意でしょ。だから手伝ってあげてくれないかな。」
「わかった。けどあんまり期待しないでくれよ。」
「ありがとー。」
ちなみにあやあやというのは俺の愛称だ。
最初は俺もどうにかしようかと思ったんだが諦めるほうが早かった。

その日の放課後に簪にあって手伝いを申し出たのだが。
「要らない。」
だそうだ。
「そういえば整備室にはいつも一人で行ってるよな。なんでそこまで一人にこだわるんだ?」
「お姉ちゃんが一人で作ったから。だから私も...」
「へぇ。意外とバカらしい理由なのな。」
「なっ!?」
「更識さんの姉が実際に独りでis作ったかは知らないが、なんで更識さんまでまでそれをしなきゃなんないんだよ。」
「だってそうしないとお姉ちゃんに追いつけない。」
「それはおかしいぞ。目標にするのは構わんがなんでその人と同じになろうとするんだ。自分は自分、姉は姉だろ。姉ができたからって自分ができる保証もない。できなかったら周りを頼ればいい。そういうのも人として大切な部分じゃないのか?」
「っ!人の気も知らないで。」
「ああ知らないよ。だって俺は更識さんじゃないからな。でも理解はできる。それに聞いた感じ更識さんはお姉さんの気持ちちゃんと聞いてないだろ。」
「そんなの聞かなくたって!」
「わかるってか?いいや、人っていうのはもっと複雑だよ。『何もしなくていい』だっけ?その意味はちゃんと聞いたのか?意外とその完璧姉さんポンコツかもしれないぞ。」
「お姉ちゃんのことをバカにしないで!」
「ほら。更識さんもなんだかんだ言いながらお姉さんのことをけなされたと思って怒ってる。」
「それがなに。」
「いやわざとそう言ったんだけどさ。さっきのポンコツっていったのはただ口下手って意味だけだよ。家族に対してね。」
「そんなのわからないでしょ。」
「だから聞けって言ってるんだ。聞いて、気に障ったら怒って、喧嘩して、そんで仲直りしたらいい。家族の縁ってのは切っても切れないもんだよ。それに多分お姉さんは更識さんの子と嫌ってないんじゃないかな。」
「え?」
「本当に嫌いなら見向きもしないよ。でも君に要らないお節介焼いてるんだろう?ただ単に妹を助けようと変に気合入ってるだけかもしれないよ。」
「そ、そんなこと。」
「あるよ。俺が小さいころの話なんだけど近所に兄みたいな人がいてね。いろいろお節介焼いてくれたんだけどはっきり言ってやりすぎだったんだ。で、やりすぎだって怒って喧嘩した。」
「...その人とはどうなったの?」
「なんもなんなかったよ。普通に喧嘩して、普通に仲直りして、普通に日常に戻っていったよ。」
「...」
「だからさ。更識さんも勇気を出して聞いてみたらいい。私のことをどう思ってるの。って。逃げたりごまかそうとしたら鉄拳制裁くらいの気持ちで。」
「鉄拳制裁って...うん。わかった。頑張ってみる。」
「あ、そうだった。仲直りしたら俺にも開発手伝わせて。」
「え!そ、そういえばなんで?」
「表向きの理由としては布仏さんに頼まれたっていうのと打鉄弐式のデータがほしいってところでどうかな。」
「表向き?」
「うん。本当はただ更識さんのことが気に入っただけ。だめかな?」
「ふぇ?///う、うん。いい、よ。」
「それじゃあ今日のところはお邪魔だろうしそろそろお暇しようかね。」
「あ、ちょっと待って。」
「うん?なに?」
「あの///...か、簪!」
「へ?」
「簪って呼んで。...///いや、あのそのそ、その調子だったら能群君お姉ちゃんのことも更識さんって呼ぶでしょ!だから、あの、お姉ちゃんと混同しないように...」
「ぷっ。あはははは。...はぁ。久しぶりにこんなに笑ったわ。わかったよ。簪。俺のことも技人でいいから。」
「うんわかった技人...君。」
「そこでヘタレるか~。」
「わ、笑わないでよ!」
「すまんすまん。それじゃあまたあとでな簪。」
「うんまたあとで。技人君。」

簪が部屋に帰ってきたとき話してもらえた。
あのあとすぐに簪はお姉さんに会いに行ったらしい。
どうやらいろいろと誤解があったみたいでやっぱり簪のお姉さんは家族に対して口下手だったらしい。
isに関しても実際は友人たちにいろいろと手伝ってもらっていたようだ。
そこで改めてこんどは簪から俺に手伝いをお願いしたいそうだ。
もちろん俺は了承した。
簪はお姉さんと仲直りできて、俺は簪の手伝いをすることになって、めでたしめでたし。
...で終わったはずだったんだけど、どうしてこうなった。



自分じゃよくわからんけどキャラ崩壊とかご都合主義とか過ごそう。