SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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今回は特に話は進みません。すいません....次から少し進んでいきます。クロナまでいけるといいなぁ...。



第6話[死神様の策略?八幡の何もない1日]

布団の上で目が覚めて時計を見る。良かった今日は遅刻ではないようだ。そしていつも通りの俺の生活が。

 

「おはようございます♪先輩」

 

音もなく崩れ去った。

 

昨日一色という少女がうちに来たのは夢では無かったようだ。こんな思春期真っ最中のような夢を見るだけで悶えてしまうが現実だと疲労感しか襲ってこない。

 

「おう...」

 

「おうってそれだけですか?」

 

他に何があるの?

 

「はぁ...まあー良いですけどね。朝御飯出来てるので早く食べましょう」

 

は?朝御飯?

リビングの机の上には一般的な朝食で出てきそうなご飯とベーコンエッグ、味噌汁が並べられていて空腹感を刺激する匂いがしていた。

 

「どうして朝御飯を?」

 

「何もしないで住まわせて貰うのは流石に気が引けますし。なら朝御飯くらいは作ろうかと思いまして。あっ先輩朝はパン派でしたか?」

 

少し落ち込んだような何処か哀愁を漂わせながら聞いてくる一色にパン派等と言えるはずもなく俺は首を横にふる。

 

「いや驚いただけだ。その.....なんだ。ありがとな」

 

「.......」

 

一色は呆けながら俺の顔を見てくる。俺の顔に何かついてるのだろうか?

 

「なんだよ」

 

「驚きました。先輩、お礼なんて言えるんですね」

 

俺はこいつにとってどんな奴に見られているんでしょうね....。うん、聞くのはよそう。朝からテンション下げたくないし。

 

俺は椅子に座り箸を使ってベーコンエッグを口にいれる。

 

「うまい.....」

 

「え?何か言いましたか?」

 

一色には聞こえなかったみたいだが一色が作ってくれたベーコンエッグはとても美味しかった。

 

「別に....」

 

俺の目の前で割り箸を使用して食べている一色を見て箸でも買ってあげようかなと我ながららしくないことを考えている俺がいた。

 

 

 

朝食も終わり死武専に向かうために仕度をして扉を開けると何故か一色がいた。

 

「やっぱり先輩は一人で先に行こうとしてましたね」

 

「やっぱりってなんだよ。てか普通別々に行くだろ?」

 

一緒に登校なんてしたらブラック☆スターやソウルに何を言われるか分かったものではない。

 

「えー普通一緒に行きませんかね?」

 

「いや行かないから。てか一色だって嫌だろ?俺みたいな目の腐った奴と登校とかしてみろ。変な誤解されるかもしれないぞ?」

 

実際されることは多い。なんせパートナー同士で付き合ったり、結婚したりする奴は多いのだ。パートナーになっただけでも男女なら誤解されることもあるくらいだ。それが朝から一緒に登校してみろ、絶対に誤解される。

 

 

「わたしは別に構いませんよ?周りの意見なんて気にしませんし。そこまで仲が良い友達もいませんから」

 

昨日今日知り合ったばかりだが一色は時折この表情を見せる。それがむじかくなのかはまだ分からないが俺としてはこの表情はあまり見ていたくなかった。

 

「なら好きにしてくれ.....」

 

「はい♪」

 

俺は諦めて歩きだし隣を一色が歩きだした。

普段から俺の隣を歩く奴がいなかっただけにどこかこそばゆいというか.....この感情が何なのかは分からないが、歩くペースを何時もより遅くした。

 

 

さて死武専に着いてノットである一色とは別れ俺は教室に来ていた。

 

「よう、八幡。遂にお前にもパートナーが出来たんだってな」

 

第一声はソウルに話しかけられた。何故その事を知っていると聞きたかったが恐らく死神様が話したのだろう。

 

「ああ....まあな」

 

「八幡君、おはよう。なんか何時もより疲れてる?」

 

ソウルと一緒にマカも来て俺の様子を見て心配になったのか体調の心配をしてくれる。

 

「ああ、おはよ。色々あってな....」

 

自身の言葉で思い浮かべるのは、昨日知り合ってパートナーになった一人のあざとい後輩の顔。

 

「ふーんそうなんだ。でも驚いたよ、八幡君がデスサイズを目指すなんて」

 

死神様は何処まで話したのだろうか....全て筒抜けの気がしてきた。

 

「目指したくて目指すんじゃないんだけどな....」

 

俺は溜め息を吐きながらマカに言葉を返す。マカはどうやら俺が自主的にデスサイズを目指すと思っていたらしく死神様は伝えるべき場所をしっかりと伝えていないようだ。

 

「よう!八幡!お前デスサイズを目指すんだってな!!」

 

教室に入ってくるなり俺の机の上にジャンプしてきたブラック☆スターが何やら叫んでいる。

 

「ご、ごめんねハチ君。ブラック☆スター!机の上に上っちゃいけません!」

 

ああ...なんていうか。椿さんの気苦労が伺えるなぁ。ストレスで死なない事を祈ってるよ。

 

「ああ?椿!俺様のステージを邪魔するんじゃねぇ!!俺は今八幡に言いたい事があってここに立っているんだ!!」

 

「........何のようだ。ブラック☆スター」

 

話を聞いて早く立ち去ってもらおう。

 

「おう!俺と勝負しやがれ!!前まではパートナーがいねえってんで本気でやれる時はなかったからな!!」

 

「お、良いなそれ!俺も混ぜてくれよ」

 

ブラック☆スターとソウルの予想以上の絡みに若干イラつきマカと椿さんに視線を移すとマカはソウルにマカチョップを椿さんはブラック☆スターの耳を引っ張りながら苦笑いで俺に謝りながら席に戻っていく。心の中であの二人に感謝をして授業開始までまだ少し時間があるので寝ようとしたが次の来訪者で寝ることは出来なくなった。

 

その人物が教室に入ると若干クラスがざわついた。俺は見てみぬフリをして頭を下に下げた。

 

「やあ比企谷。相変わらずシンメトリーが取れていない髪型だな」

 

「ほっとけ」

 

下に下げた頭を上にあげれば目の前にはキッドが立っておりその後ろにはリズさんとパティも立っていた。

 

「よう比企谷。あの後大変だったんだぞ?」

 

「ぐふふふふ。あのあとキッド君ね」

 

リズさんは完全に俺に対して怒ってるのか怖くて視線を合わせられないが....パティはよく分からないし話を聞いたら巻き込まれるのでキッドに視線を移す。

 

「キッドは席につかないのか?正直目の前に立たれるのは気が散るんだが」

 

「それはすまなかったな」

 

そう言いながら俺の隣に座ってくるキッド。大体分かってると思うが死武専の机は横一列繋がっており一人一つの机のタイプではない。ある程度間をあけて座り複数座るタイプだ。

 

「何故隣に座る?」

 

「少し話があってな。父上から話は聞いた」

 

どうやら息子であるキッドにも話は届いているらしい。ほんと俺にプライバシーがあるのか疑いたくなるレベルで話してるな。

 

「それで?」

 

「俺の知りうる情報を渡しておこうと思ってな」

 

キッドにしては以外とまともな内容だった。てかシンメトリー、左右対称を抜きにすればこいつはまともなのかもしれない。

 

「実は最近。魔剣が現れたという情報が届いている」

 

魔剣?

 

「魔剣ってなんだ?」

 

「あくまで情報の範囲内なのでなこれといって情報がない」

 

つまりはこれ以上は分からない、ということか。

 

「分かった。ありがとなキッド」

 

「なに構わないさ。父上が無理矢理何か君に頼んだのは知っているからね」

 

「因みに死神様からはどこまで聞いたんだ?」

 

実際気になっていたことをキッドに聞いてみた。マカからも一応聞いてはみたが遠慮して話さないところもあるかもしれないからな。

 

「ああそうだな....比企谷がデスサイズになると決意したこと。それと」

 

ふむふむそこまでは一緒だな。

 

「ノットの後輩をたぶらかしパートナーにし「ちょっと待て....」どうした?」

 

いやどうした?じゃねーだろ。あきらかに聞き逃せない単語が含まれていたんですが?

 

「俺が後輩をどうしたって?」

 

「なんだ聞いていなかったのか。だからたぶらかして」

 

「あの糞駄死神がぁぁあああああ!!!」

 

その日俺の叫び声はノットの教室まで届いたという。


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