SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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第3話[大ピンチ!?補習授業は解剖実験!?]

俺の予想通りというかあの後ブラック☆スターを連れてきた椿さんは10分ほど遅れてきた。だが椿さんは怒られることは無かった。そう椿さんは。

 

その理由は10分ほど前に遡る。

 

何故か俺達の担当の先生のシド先生は死んだらしくデスサイズである人物が目の前にいた。

 

大鎌のデスサイズでありマカの実の父親。そして死武専にいる唯一のデスサイズ。他のデスサイズは各地にいて色々としているらしい。

 

マカに視線を合わせるとなんか非常に怒っていた。うん目が怖い。んでソウルに目を合わせると俺に聞いても分かんないぜ?ただシドにそっくりなゾンビに生徒が襲われるという事件が起こっているらしいと言われた。

 

と、言うわけで。最初に戻り椿さんは怒られることはなかった。

 

何故ならこのデスサイズ度が付くほどの女たらしだからだ。それが原因でマカの母親とも別れたらしいし。

 

ブラック☆スターと椿さんが教室に入るとマカとソウル。そしてブラック☆スターと椿さんは死神様が呼んでいるらしく授業を受けずにそのまま死神様の部屋。デスルームに行くらしい。

 

マカ達が行った後は普通に授業が始まった。授業内容は魂についてだった。

 

誰しもが持っている魂。それは良い人と悪人の魂の二種類がある。

 

鬼神の卵と化していない魂を武器が食べると大きな力が手に入るらしい。だが当然デメリットもある。人間の魂を武器が食べ続ければ狂気に支配されていずれは鬼神になってしまう。というものだ。

 

用は楽して強くなれるなんて思うなよって事だな。

 

授業が終わってもマカ達が戻ってこないことに違和感を覚えた俺は魂感知能力を使い何処にいるのか探ろうとした。が何処にも反応は無かった。俺の魂感知能力は死武専の中くらいなら何処にいても感じ取れるくらいには広いのだがそれが無いということは....。

 

「死武専内にはいないって事か.....」

 

俺はトイレに向かい鏡に息をはぁーと吹き掛け42-42-564と数字を書いた。

 

すると鏡はまるで画面のようになりデスルームにいる死神様を写し出した。

 

「お久し振りです。死神様」

 

「はろはろ~グットモーニーング♪どうしたの?何か用事?」

 

体を左右に揺らしながら問いかけてくる死神様。正直このテンションにはついていけない。

 

「マカとソウル。ブラック☆スターと椿さんが死武専にいないのですが知りませんか?」

 

「おやおや~?どうしてそんなこと気になるのかなぁ~?」

 

顔はドクロの仮面で見えない(本当に顔があるのかすら分からないが)が何処と無く馬鹿にされている気がする。

 

「授業途中で抜けたんで気になっただけですよ」

 

「ふふーん。彼らの居場所なら知ってるよー?でもー君に教えるつもりはないんだよね」

 

「っ!...それは何故ですか?」

 

「だってこれは彼らの補習だから。きっと君が知ったら助けに行っちゃうと思うし。ね」

 

俺が知ったら助けにいく?それほどにヤバイ相手が補習の相手?魔女か?いや流石にそれはないだろう。マカもソウルもブラック☆スターも椿さんも優秀だし、そんな無茶をさせるような人ではないな。死神様ではないことは俺も知っている。なら誰なのか....逆の立場になって考えてみればどうだ?

 

「ねえねえ?ちょっと聞いてる~?もーしもーし?」

 

「..............」

 

殺される心配は無い。ならこの死武専内にいる先生の誰か。シド先生は殺されたとデスサイズが言っていた。ん?何か引っ掛かるな....何故そんなに軽いんだ?確かに死とは常に隣り合わせだ。だがもう少し労いの言葉があっても良いだろう。それに色々と噂も聞いた。ゾンビが生徒を襲っている。

 

仮にそのゾンビがシド先生なら?

 

「ゾンビとなったシド先生の討伐?」

 

俺はボソッと呟いた。考えながら思い付いた答えを。

 

「......あららー誰かから聞いていたのかーなー?」

 

何処か半分諦めた用な声が鏡越しに聞こえてきた。

 

「当たりですか?」

 

「どうかなー。まだ半分ってところだねー」

 

まだ半分って事は本来の目的があるってことか。まずシド先生がゾンビになっているということは否定しなかったところを見ると本当なのだろう。それなら人をゾンビにすることが可能な人物が犯人ということか......それって。

 

「シュタイン先生ですか....」

 

「当たり。こんなにも的確に答えに辿り着くなんてね.....もう、ビックリー!!」

 

最初の真剣な表情は何処にいったのか一瞬でいつも通りに戻る死神様。

 

シュタイン先生の居場所なら知っている。出来れば行きたくはないが行かねばならないだろう。下手をすれば4人が死んでしまう。

 

「それでは死神様。俺は用事が出来たので」

 

「だから駄目だって言ってるでしょー!?」

 

「相手がシュタイン先生では信用できません。悪いですけど行かせてもらいます」

 

「罰は受けてもらうことになるかもよー?」

 

「構いません」

 

俺はそれだけ言い残しシュタイン先生がいる墓地近くのツギハギ研究所に向かって走った。

 

4人の無事を祈りながら。

 

 

 

さて急いで走ってきたのは良いのだが問題が起きた。あの変態博士はマカのお腹に何やらカキカキしているタイミングだった。俺は仕方なく視線を反らす。いやだって見るわけにもいかないだろ.....。

 

「眼鏡カチ割んぞてめぇー!!俺様の存在を忘れんなよ!」

 

とブラック☆スターが物凄いスピードで変態博士の後ろから直接魂の波長を流し込んだ。

 

正直この才能は凄いと言わざる得ない魂の波長を相手に流すなんて離れ業出来るやつそこにいる変態博士かブラック☆スターくらいしか俺は知らない。もしかしたら他にもいるのかもしれないが俺の友達の友達までの関係までには存在しない。

 

ブラック☆スターの波長を流されても変態博士は悠然とその場に立ち尽くしていた。

 

俺は心の中で舌打ちをする。ブラック☆スターの魂の波長の威力は一級品だ。才能だけなら変態博士をも凌ぐかもしれない。だが圧倒的に経験が足りていなかった。

 

変態博士は両手をブラック☆スターの頭に近付けて魂の波長を流し込む。

そんなことをされれば頭は電子レンジでチンされているようなものだ。最悪使い物にならなくなる。

 

俺は自分自身を手裏剣に変身させて変身した勢いを使いシュタイン先生の喉元目掛けて飛んだ。

 

「くっ.....」

 

突然の事で一瞬対応が遅れたシュタイン先生だが流石と言うべきか瞬時にブラック☆スターから意識を手裏剣に変えて魂の波長を込めたまま素手で俺を弾いた。

 

割られるかと思うほどの痛みが襲ってきたが変身を解き少し離れる。

 

この時ソウルがマカに何か言っているが聞いている余裕が無いほどに俺は戦慄していた。

 

「やあ。誰かと思えば比企谷君じゃないですか。どうしたんですか?解体されに来たんですか?」

 

そう言いながら魂が大きく膨れ上がっていくシュタイン先生から少し後ずさってしまう。希に見る、というか久し振りに見るシュタイン先生は怒っていた。

 

「しゅ、シュタイン落ち着け。そいつは死武専の生徒の「関係ないですよね?今回の補習には含まれていませんから。それに」」

 

シュタイン先生は煙草を捨てながら言い放ってきた。

 

「容赦なく僕の喉元目掛けて飛んできましたし」

 

あ、というかシド先生いたんですね。なんかゾンビだけど、そして縛られてるけど。

 

あーこれ久し振りにピンチのやつだ。

 

「でもシュタイン先生。武器も無しに俺と戦う気ですか?そのままでは魂糸拡散縫合はおろか魂糸縫合ですら使えないでしょう?精々魂の波長を打ち込むだけだ」

 

「確かにそうだがそれでも武器であり一ツ星の君に負けるつもりはない」

 

そうなんだよなぁ....。

 

はぁ....家に帰りたい。

 

ブラック☆スターは未だに伸びていて椿さんが膝枕してるし、マカはシュタイン先生の魂が見えたからなのか震えてるし、ソウルが何とかしようとしてるが.....さてどうするか。

 

「よし決まった」

 

俺は右手と左手を銃の形に変えてシュタイン先生を見据える。以前キッドの戦い方を見て真似しようとして銃を逆さまに変身したが上手くいかなかったため今は普通に変身させている。

 

「ほほう。距離をとって僕に魂の波長を打たせない気ですか」

 

勿論その通りだ。てかあれ痛いし。

 

「あんたと戦うんだ。これくらいのハンデは良いだろう」

 

因みにこの銃だが只の銃ではない。俺は魂の波長をコントロールして銃弾として相手にとばすのだ。ハッキリいって疲れるが当たったところは氷るのだ。この能力はまだ誰にも言っていない秘密である。

 

俺は軽く距離をとりながら右手の銃から銃弾を打ち出す。シュタイン先生はそれを避けながら俺に迫ってくる。正直笑いながら迫ってくるのは止めてもらいたい。

 

俺はある程度近付いて来たシュタイン先生の足元に魂の波長をコントロールした銃弾を打ち込む。

 

シュタイン先生は普通に横に飛び避けたが地面が氷ったことに驚愕している。

 

「これは....」

 

「驚きましたか?」

 

「まさかここまで魂の波長をコントロール出来るとは....」

 

この氷らす能力は友達の友達がカンテラという武器で炎をだして攻撃していたことをヒントにして習得した業だ。ある意味形に捕らわれていない俺だから出来たのかもしれない。

 

そしてシュタイン先生と会話している間も地面は氷続けてシュタイン先生の足元を氷らした。

 

「っ!これは」

 

シュタイン先生は気付いたようだが既に遅い。なんたって。

 

「八幡君ごめん。迷惑かけた」

 

「俺は自分がやりたいと思ったからしただけだ。お礼を言われるような事はしてねーよ」

 

「ははは、ありがとう。すぅ.....はぁ....。ソウル行くよ」

 

大鎌の状態では此方にはソウルの返事は聞こえないがおう!と言っている。そんな気がした。

 

「(魂の共鳴!!)」

 

「っ!!」

 

シュタイン先生もマカとソウルの共鳴率に驚いている。本来魂の共鳴は職人が武器に魂を流し込み、それを何倍にもして武器が職人に返すことを繰り返すことで大技を使ったりすることが出来るのである。

 

分かりやすく言えばギターが職人でアンプが武器と言うことだ。

 

「はぁああああ!!」

 

「驚いたな....この年で魔女狩りが打てるのか」

 

シュタインはさらに驚愕に目を開いている。あ、でもこのままだとシュタインよけれないし死んじゃうかな?まぁそれならそれでいいか。

 

マカー!ソウルー!頑張ってくれー!

 

「鎌職人伝統の大技魔女狩りぃぃいいい!!!」

 

大鎌の形が三日月になりシュタイン先生目掛けて降り下ろされる。

 

気のせいだろうか....シュタイン先生が何処と無く笑っているように見えるのは....。

 

降り下ろされた魔女狩りはシュタイン先生の真剣白羽取りよろしく、綺麗に捕まり砕かれた。

 

本当にシュタイン先生は人間なのだろうか.....。

 

砕かれた余波で吹き飛ぶマカに覆い被さるようにするソウル。

 

そのソウルに少しずつ近付きそして........。

 

 

ポフンという音が似合いそうな間抜けな音がしたかと思うと合格と言われて撫でられるソウル。

 

ここにいる全員が?マークだろう。

 

そしてシド先生も補習の為に演技をしていた事を皆に伝えていた。シド先生と何があったのか分からない俺は何が何だか分からんが。

 

「それで比企谷君ですが、僕と居残りをしましょう」

 

そう言いながらヘラヘラと笑って追いかけてくるシュタイン先生から必死になって逃げる1日となった。


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