ガラクタと呼ばれた少女達   作:湊音

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艦娘として生まれ変わってから初めての正式な作戦でした。

私は布団に入り目を閉じても眠れなかったので少しだけ海を見ようと宿舎から出ました。

途中であの人を見つけて声をかけようとしましたが、あの人は私の知らない誰かと楽しそうに話をしていた。

どこか安心したように笑うあの人を初めて見た気がする。

一緒に暮らしている間に何度も笑顔を見せてくれましたが、その笑顔とは全く違うように感じる。

私はそれが少しだけ寂しく感じましたが、目を閉じてゆっくりと深呼吸をする。

今は明日の作戦に集中するべき、この鎮守府や大勢の人を守るために。

頭の中で誰かが素直になれと言っているような気がするけど、艦娘である私にはあの人はあの笑顔を向けてくれないと諦める事にした。



助けを待つ仲間の元へ(1)

 時刻は0600、救助作戦の決行の前に士気を高めるために大湊の提督から簡単な演説が行われると放送があり俺や赤城達は広場で整列をしている。周りの連中は物珍しそうに俺達の事を見ていたが赤城の活躍もありその視線には期待が込められている事が分かった。

 

「なんだか恥ずかしいですね」

 

「堂々としていれば良い、この鎮守府で赤城達は間違いなく作戦の要なんだからさ」

 

 大勢の視線が集まっている張本人はどこか恥ずかしそうに縮こまっていたが、俺は軽く背中を叩いて胸を張る様に伝える。

 

「大丈夫です、赤城さんに危害を加えようとする人間は私が爆撃しますので」

 

「そ、それをやったら問題になるんじゃないですかね……?」

 

「でも、普段から私達の胸を見てる人多いような気がするけど……」

 

 後ろから加賀や蒼龍達の声が聞こえてくるが、流石に場違いな発言が多くわざとらしい咳ばらいをして黙る様に促す。

 

「敬礼!」

 

 観測板を持った男が声を発すると、広場に居た人間は全員姿勢を正し敬礼をする。理由は分からないがこの張り詰めるような空気は嫌いじゃない、これから始まる長い話は好きではないのだがこの瞬間だけは何度経験しても胸が高鳴る。

 

「楽にして良い、出撃前に無駄に体力を使う必要は無いからな」

 

「全体、休め!」

 

 一斉に聞こえる腕を下した際の布が擦れる音や、足を肩幅程に開く際の音はこれから作戦が始まるのだと強く実感させてくれた。

 

「単刀直入に伝えるが、儂等の大切な仲間が助けを待っている。 しかし行く手には化物共が立ちはだかるだろう」

 

 提督は壇上から強い眼差しで俺達の表情を確認しているようだった。

 

「生きて帰れる保証など何処にも無い、死にたくない者は辞退してもらっても構わない。 しかし儂はこの鎮守府にそのような臆病者はおらんと信じておる!」

 

 その一言で全員の背筋が伸び、背中に回された手は固く握り拳を作った。

 

「先日の警備府襲撃の際の諸君らの活躍には感謝しておる、諸君らの努力の甲斐あってこの警備府の被害は最小限に食い止められたのであろうからな」

 

 実際に現場に居た俺にはその発言は認められないが、士気を上げるためだからと割り切る事にする。

 

「見えない敵の砲撃、燃え盛る炎、想像するだけで過酷な状況だった事は容易に分かる。 しかしそんな中懸命に救助活動を行った若者が居ると報告を受けておる、作戦の前に儂はそんな若者を紹介したい」

 

 何やら嫌な予感がしてきた、後ろで蒼龍や飛龍が笑いを堪えているのが分かる。

 

「湊少佐、前へ」

 

「は、はいっ!」

 

 やられた、この手の事は事前に本人に連絡を入れておくはずなのだが、こんなやり取りをするなんて俺は聞かされていない。しかしここで逆らって場の空気を悪くする訳にもいかず俺は背中に視線を感じながら前に出ると提督に敬礼をする。

 

「この度の警備府防衛に関して君の行動を高く評価する、救出作戦でも誠心誠意励むように」

 

「はっ!」

 

 目の前の男は真面目な顔をしているが、絶対に内心大笑いしているに決まっている。そう思ったのだがどこか提督の顔が青白いような気がする。

 

「湊少佐は若くして提督見習として鹿屋から大湊に来ておる、元々は陸の出身だと聞いておるがその優秀さを見込んだ呉の提督が直々にこちら側に来るように説得したようだ」

 

 提督の言葉に集まっている男達がざわめきだす、陸から海に移ったというだけでも異例なのだがその理由が呉の提督が俺の実力に惹かれたという内容に驚きを隠せないようだった。実際はそんな大げさな物では無いと思うのだが、第三者から見ればそうなってしまうのだろうか。

 

「彼にはこの大湊で多くの事を学び、いつしか平和な海を取り戻すためにその命を賭けるという覚悟がある!」

 

 そんな事を言った覚えは一切無い、しかし歓喜の声を上げた男達を見てデモンストレーションなのだと諦める。

 

「だからこそ儂等は彼に大湊の真の強さ……を……見せてやれ……」

 

 突然提督は壇上で膝を付きそのまま地面目掛けて崩れ落ちそうになった、俺は慌てて提督を受け止めると観測板を持った男にすぐに軍医を呼ぶように叫んだ。最高点に達しそうになっていた士気が一気に不安に飲み込まれていくのが分かる。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

 俺は提督に声を掛けるが、提督は痛みを堪えるように眉を寄せうめき声をあげている。すぐに担架を持った軍医が駆けつけ提督を担架に乗せたのだが提督は俺の腕を掴んだまま離さない。

 

「士気を……下げるなっ……! 続きは貴様が……やれっ……」

 

「そんな事より自分の身体を……!」

 

「これは命令……だ!」

 

 俺の腕を掴む提督の力が緩んだのが分かる、顔中に脂汗を浮かべた提督は苦しそうに呼吸をしていた。俺は軍医に運ばれる提督を見ながら覚悟を決める。

 

「……列を乱すな、まだ式は終わってないだろ!」

 

 俺は提督の代わりに壇上に登るとマイクがあるのを無視して大声で叫ぶ、俺の声に驚いた男達は黙ると一斉に俺に視線を向けてくる。

 

「あんた達の提督は最後に言ったよな、俺に大湊の強さを見せてくれるんだろ?」

 

 半数以上は俺の事を睨みつけてきていたがここで退く訳にはいかない。

 

「確かに提督が倒れ動揺してしまうのは分かる、それでも敵を目の前にしてそんな姿を晒せるのか? 自分達の指揮官が居なくなっただけで統率が取れなくなるほどこの警備府は練度が低いのか? そうだとしたら提督のさっきの発言は大嘘だったんだな」

 

 正直緊張で喉が痛む程乾いているが、それでも今踏ん張らなければ救出作戦を行う前に全てが崩壊してしまうような気がする。

 

「警備府襲撃の時には提督は不在だった、しかしあんた達はこの警備府を守り切った。 必死で火を消し怪我人に肩を貸し、たった数時間で警備府としての機能させるところまで持ち直した。 俺はあんた達の事を凄いと思った、北の最前線で戦い続ける男達は本当に強いと思った」

 

 1度落として持ち上げる、これは隊長が良く使っていた手だった。俺は昔の事を思い出しながらどのように話せば良いか必死で頭の中で整理する。

 

「俺達が騒いだ所で提督の容態が良くなる訳じゃない、どこが悪いのかは分からないが心労を抱えたままじゃどんなに提督が努力したって良くなるものも良くならない。 じゃあどうしたら良い?」

 

 俺は目の前に居た髭の生えた男を指差すが、男は何も言わずに俺の事をじっと見ていた。

 

「救助作戦は決行する、そして成功して当たり前だったという態度で提督に報告しようじゃないか、あんた達ならそれができるって俺は信じているからさ。 俺から言いたい事は以上だ、余所者の俺にそんな指揮権なんて無いのは分かっているし不満なら提督代理を立てて作戦を中止にでもさせるんだな」

 

 途中から頭の中は真っ白になってしまっていたが、どうにか最後まで言い切る事はできた。後はこんな情けない演説で士気を維持できるかどうかが問題だった。

 

「生意気だが気に入った、呉の提督に認められたその実力を見せてくれ!」

 

 誰の物かも分からない声が聞こえてくる。

 

「見せてやろうじゃねぇか、大湊の強さってやつをよ!」

 

「提督への見舞は化物共の残骸で決定だな!」

 

「陸出身のあんたに海の男達の戦いってのを見せてやるよ!」

 

 歓声と一緒に拍手が聞こえてくる。正直に言ってしまえば不安しかない、恐らくこの場に居る全員が同じ気持ちだと思う。それでも鼓舞するように声を上げている男達を見ると、この警備府の連中は練度が低いというより、提督という柱が居ないという不安がそうさせていただけなのかもしれないと思った。

 

「全員、敬礼!」

 

 観測板を持った男が全体に指示を出す、俺は全員が敬礼したのを確認してから敬礼をする。

 

「深海棲艦の残骸を見舞にするって言ってた奴が居るが、あの人なら見舞いは酒以外に考えられないだろ」

 

 俺はそう言って右手を下すと、広場には大きな笑い声が響いた───。

 

 

 

 

 

 

「やばい、吐きそう」

 

「だ、大丈夫ですか……?」

 

 式を終えて建物の陰に移動すると俺は壁に手を付き胃の中身が逆流するのを必死で我慢する。駆けつけてくれた赤城達が心配してくれていたが流石に情けなくなってきた。

 

「良い演説でした、私も少しだけ気分が高揚しました」

 

「なんか鬼気迫るって感じで迫力あったよ!」

 

「多聞丸程じゃないけど、良い感じの威圧感だと思った!」

 

 実際必死だったし、あそこで失敗してしまえば大湊の連中に袋叩きにされていたような気がする。我ながらかなりの無茶をやってしまったのでは無いかと思える。

 

「それで、この作戦の総指揮を行うのは湊さんという事で良いのでしょうか……?」

 

「え?」

 

 赤城の言葉に変な声が出てしまった、士気を下げないようにと必死だったが確かに俺の取った行動は言葉にこそしていないが『俺について来い!』に近いような行為だったかもしれない。

 

「なんかまた吐きそうになってきた」

 

 提督から作戦の内容は聞いているし余程のイレギュラーが無ければ問題は無いと思うのだが正直胃の痛みが半端ない。

 

「なんや、姿が見えんと思っとったけどこんな所におったんか」

 

「龍譲か、提督はどうだった?」

 

「今は麻酔打ってもらって寝とるよ、あの人は自分の歳を考えずに行動するところがあるからなぁ」

 

 あまり良いとは言えないのだろう、無理をさせる訳にもいかないし俺も覚悟を決めた方が良いようだった。

 

「それじゃあ作戦説明に行こっか?」

 

「あぁ、覚悟はできたよ」

 

 土壇場でまた1つ学ぶことができた。俺は今覚悟を決める必要があると思ってしまったが、それはつまりこの作戦を他人事と捉えていた証拠だろう。大湊の提督の優秀さに驚きあの人の指揮なら大丈夫だとどこか甘えがあった事に気付けた。

 

 会議室に入ると各部隊の隊長と思われる男達が俺に一斉に敬礼をしてきた、正直今まで俺から先に敬礼をする立場だっただけに違和感がすごい。

 

「楽にしてくれ、事前に提督から今回の作戦は聞いていたしそれを説明する」

 

 俺は昨日提督から預かった資料を全員に見せながら話し合った内容通りに説明していく。

 

「基本的には釣れた深海棲艦を時間差で出撃する艦娘が挟み撃ちにしていくって作戦だ、恐らく敵は救出作戦を妨害してくる……と思う……」

 

 他人に説明していてとてつもない違和感に襲われる。俺は提督の言葉を必死で思い出してみる。

 

 《目的と相手の持っている情報が分かればできる事など限られている》

 

 その通りだと思うのだが、どうして俺や提督は深海棲艦の目的が救助作戦の妨害だと決めつけたんだろうか、もし俺達を殺すことが目的ならどうして無人島に漂流した艦は追撃を受けていないのだろうか。

 

「少し待ってくれ、考えをまとめる」

 

 そもそもどうして無人島のある方角へと誘導したのだろうか、そんな事をしなくても数で勝る深海棲艦なら周囲を包囲して逃げ道を塞ぐのが得策なんじゃ無いのか。まるで俺達が救助作戦を行うために仕向けたような。

 

「今の説明は無しにしてくれ、今回の作戦なんだが───。

 

 

 

 

 

『よし、一気に決めるで!』

 

「いや、龍驤は大人しく赤城が敵を釣るまで待機していてくれ」

 

 救助船に乗った龍驤の声が聞こえてくるが、一気に進んで赤城と連携が取れなくなってしまえばそもそも龍驤が危険な目にあってしまうと思うのだが。

 

『あぁー、何や……その、うち……。 あぁ、別にいいんや!退屈しとるわけやないで?』

 

「暇なのは分かるが今は作戦中だ、なるべく私語は慎めよ?」

 

『今回の作戦の司令官は随分とお堅い人やなぁ』

 

 まずは魚群探知機の調査結果がどのように影響しているかを確認するために提督と話したルートで救助船を進める。提督の読みは正しかったのか深海棲艦と遭遇する事無く無人島との距離を半分ほど進める事ができている。

 

「索敵班、様子はどうだ?」

 

『こちら異常無しです、それにしても静か過ぎて逆に不安になってきますね』

 

「あまり気を抜くなよ、レーダーが頼りにならない以上はあんた達の目が生命線なんだからさ」

 

『分かってますよ、右90度に海鳥の群れが居るようですが』

 

 魚の群れが通ったルートでは深海棲艦と遭遇していない、魚が深海棲艦を避けているという仮定が正しいのであれば、それを餌にしている海鳥が居る。ならばそちらは安全な方角なのだと推察できる。

 

「針路をそっちに向けてくれ、少し遠回りになるかもしれないが問題無い」

 

『了解!』

 

『なんや様になっとるなぁ、意外と向いてるのかも知らんよ?』

 

 龍驤が色々と口を挟んでくるが今は相手をしてやる余裕が無い、実際艦隊の指揮など初でこっちは必死で無い知恵を働かせているのだから。

 

「赤城、そろそろ出撃してくれ」

 

『分かりました、一航戦赤城、出ます!』

 

 あまり救助船との距離を開けてしまうと赤城による追撃ができなくなってしまう、ギリギリまで様子を見ていたが出撃させるタイミングは今しか無いだろう。

 

『私の出撃はまだかしら?』

 

「加賀か、事前に説明しただろ……」

 

『あなた、赤城さんに何かあったら責任を取れるのかしら?』

 

 加賀の赤城にかける執念は一体何なのだろうか、そもそも総指揮を行っている以上全ての責任は俺にあるし取れる取れないじゃなく、取るしかない。

 

『加賀さん、落ち着いてください。 艦載機を飛ばして索敵をしてもらっていますが、敵影は無いようですよ』

 

『そう……』

 

 赤城を出撃させたが、敵は食いついてくるのだろうか。当初の作戦では敵は赤城を優先して狙うと考えていたが俺の予想が正しければまだしばらくは平和な航行が続くと思う。

 

「龍驤、島が見え次第艦載機を発艦させて周囲の索敵を」

 

『ほっほ~ん……? ついにうちの出番ってことやね?』

 

「可能な限り後方以外の全方位に大きく展開してくれ」

 

『うちも弓があったらええのになぁ』

 

 龍驤に関しては未だ自力で艦載機を発艦させる方法が見つかっていなかった。しかし揚力さえ確保してしまえば飛ばせるという事が分かれば、それを別の方法で補えば良いだけだと気づいた。

 

『それじゃあ発艦させるで、艦首風上によろしくー』

 

『了解!』

 

 龍驤の言葉を合図に救助船は針路を風上へと変える、少し島から方角は逸れてしまうが1度艦載機を発艦させてしまえば着艦させるまではある程度自由に飛ばせることも作戦前に確認しておいた。

 

『艦載機のみんな! お仕事、お仕事!』

 

 龍驤が艦載機を発艦させてからしばらくして、敵発見の報告を受ける。

 

「赤城、届くか?」

 

『もう少し近づかないと厳しいですね、予想以上に島に近い位置で交戦を開始してしまったようなので』

 

「速度を上げて救助船に追いついてくれ」

 

『分かりました』

 

 赤城の位置を考えると警備府からの陸上支援が可能な範囲から出てしまうだろうか、しかし俺は提督から受け取った作戦通り指示を続ける。

 

『この距離なら、第一次攻撃隊、発艦してください!』

 

『いっててて! ふぇえ……こりゃマズいでぇ!』

 

「敵の種類の報告をしてくれ」

 

『敵はイ級、数は4です。 しかし徐々に数を増やしてます!』

 

「魚雷だけは絶対に貰うなよ、砲撃なら数発は耐えられる。 俺が乗ってた艦も何度か受けたが沈むほどの損傷は受けなかった」

 

 恐らくその4匹は俺達の意識を集中させるための囮だろう、しかし囮だからと言って無視できる戦力では無い。

 

「龍驤、出撃しろ」

 

『さぁ仕切るで! 攻撃隊、発進!』

 

『イ級目標変更を確認、救助船では無く龍驤ちゃんを狙っているようです!』

 

 龍驤……ちゃん?少し不思議な呼び方をしたような気がするが今は無視する事にした。やはり細かな配置は指示できるようだが艦娘を優先して狙うと言う根本はそのままらしい。

 

「龍驤は赤城の居る方向に移動しながら迎撃を続けてくれ、赤城はその援護を」

 

『任せとき! うちがいるから、これが主力艦隊やね!』

 

『第二次攻撃隊、全機発艦!』

 

 ここまで作戦通りというのも確かにつまらない、提督が残念そうにしていた理由も少し分かるような気がする。

 

『アカンで! イ級が着いて来うへん!』

 

「もう少し細かく報告してくれ」

 

『なんや分からんけど、少し距離を離したらイ級の目標が救助船に戻ってまう!』

 

「索敵班、イ級を初めて発見した位置から奴らが移動しているか分かるか?」

 

『……動いていません! 恐らくは砲撃の届く範囲に居る目標にしか攻撃していないようです!』

 

 なるほど、確かにその方法なら知性の無い種類でも簡単な指示で最大限の行動をさせる事ができる。恐らく向こうの指揮官はイ級にその場を動くなと命令したのだろう。だからこそイ級は自分の攻撃範囲に艦娘が居れば艦娘を、居なければ救助船を狙う形になる。

 

『司令官、敵増援を確認! 7,8……15近くは居ると思われます!』

 

 このタイミングで敵の増援、当初の予定とは違う事が起きていると言うのに頬が緩む。

 

「赤城、全力で救助船を守れ」

 

『そんな事したら撤退する時の戦力が無くなるで!?』

 

 無線から龍驤の慌てる声が聞こえてくる、しかしここで救助船を沈められてしまっても俺達にとっては負けなのだ。少し危険な橋を渡る事になるかもしれないが今は間違いなく赤城の力で敵を殲滅するしか無かった───。




いよいよ大湊での作戦開始です。

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