東方錬金録   作:水無月幽

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どうも、水無月幽です。
今回は前回使ったスペルカードの説明回&魔理沙との絡みです。
それでは、どうぞ!!


一章 銀斗と魔法使い

俺の体はすぐに動いた。能力で走力を強化し、魔理沙の方へと向かう。何故だかはわからないが助けないといけない気がした。・・・あの時もこんな感じだったな、と思いながら。

(っ!)

背中に激痛が走る。俺は魔理沙を木から庇った。

「・・・え?」

魔理沙が疑問の声を上げる。恐らくなんでここまでこれたのかわからないのだろう。できるのなら話してもよいのだが油断すると木が落ちてきてそうなので早々に木を処分することにした。俺は木に当たっている背中の一部分に神経を集中させ能力を発動させる。すると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サァァァァァァァァァァァという音とともに木が屑のように細かくなっていった。余裕が出てきたため魔理沙を見ると、彼女は腰を抜かし、足も震えていた。

「ほら、さっさと立て魔理沙。霊夢たちのところに戻るぞ」

俺は手を差し出す。

「お、おう・・・」

そう言って魔理沙は手を取る。しかし・・・

(さっきからこいつ、俺のほう向いてくれないんだよな・・・)

「・・・どうした魔理沙、なんか変だぞ?」

「べ、別に変じゃねーよ!それより、早く霊夢たちのところ行くぞ」

「わ、わかった・・・」

(やっぱ変だな、急に声張り上げて。まるでいつかのあいつみたいだ)

俺は魔理沙の対応に疑問を持ちながらも霊夢のところへと向かった。

~少年達移動中(短距離)~

「銀斗!なんなのあのスペルカードは?!」

霊夢の第一声はそれだった。どうやら俺のスペルカードの原理がわからなかったらしい。まあわからないのも当然だが。

「まあまあ霊夢、そう慌てないで」

紫が霊夢をなだめる。

「そうだな、霊夢。一からしっかり説明してやるからとりあえず落ち着け」

「そ、そうね・・・」

そう言って霊夢は深呼吸。

「あ、そうそう。魔理沙、少しこちらに来て頂戴」

そして紫は魔理沙を自分の方へと呼ぶ。

「それで、まずは雨のスペルカードについてほしいんだけど」

「あれは俺の能力でそこら中にあった水蒸気を雨雲に変え、雨を降らしただけだ」

「だけって・・・」

「流石だぜ銀斗!」

「いやいや、これぐらいできないとこの能力ただのガラクタだから。そして魔理沙さりげなく戻ってきたな・・・」

「おう、紫が励ましてくれたんだぜ!」

「そ、そうか・・・」

よりによっても紫がか・・・。あんなやつでもそういうところはあるんだな。ますます八雲紫という女性がわからなくなってきた。

「それじゃ、あの斧は何?」

今度は霊夢が聞いてくる。

「ああ、それは・・・地球の中心部にある鉄を固体化させて作った」

「「・・・はぁ?!」」

「・・・俺そんな舐められてんの?」

「・・・まあ舐めていると言えばそうかもしれないわね」

「ちょっと紫!舐めてるなんて言わないでよ、人聞きの悪い」

「ごめんなさい、それ以上に適切な表現が思いつかなかったよ」

「・・・」

霊夢と紫は言い争っていた時、魔理沙は・・・

「・・・」

俺のことをとろけた眼で見ていた。

(さっき頭打ったのか?そうだったら俺は・・・)

「どうした、魔理沙?」

「っ!だ、大丈夫だぜ銀斗」

「・・・さっき頭をぶつかたのか?」

「い、いや!銀斗のおかげで私には一切被害なかったからな」

「・・・ならよかった」

表面上では納得が本心では納得はしていない。俺を気遣って嘘をついている可能性だって十分否定できない。根拠にはもちろん勘は含まれているもののしっかりとしてものもある。それは本人、魔理沙の状態だ。頬が赤みを帯びている。これは・・・魔理沙が無理をしている証拠だ。そしてほかにも魔理沙の俺に対する奇行の数々。・・・やっぱりあの時と同じだ。

「無理すんじゃねえぞ」

「お、おう!」

そして意識を魔理沙から霊夢たちに戻すと

「だから別に銀斗を過小評価してるわけじゃないの!」

「あれを見ても過小評価できるなんて・・・あんたやっぱり異常ね」

「だから私は「おいいい加減やめないと話し切るぞ」・・・今回だけは許してあげるわ」

「いつも許されてるけどね」

「はぁ~。で、あの斧についてもう少し詳しく説明して頂戴」

霊夢は先ほどとは少し違い真面目な表情をする。そしてそれと同時に魔理沙は銀斗のもとに来る。

(・・・霊夢と言い紫と言いこうすぐに切り替えられるのはすごいな・・・)

「わかった。まず、さっきの話であの鉄は地球の内部にある鉄を使ったのは言ったな」

「ええ、わかってるわ」「おう!」

「俺の能力は俺の身体か俺の能力で作られたもののどちらかが触れているとき使用できるんだ。そして地面は俺の能力で作った雨雲で濡れた土、これはいわば俺が濡らした土、俺が作った濡れた土ということだ。つまりその濡れた一部分は俺の能力を行使できる。ここまでわかるか?」

「ええ、なんとなく」「大体はな」

「あとは簡単だ、『地球の一部分』である土から同じ『地球の一部』の内部を構成している鉄をすこし錬金しただけだ、まぁ濡らした面積と同じ面積にある鉄しか使えねえんだけどな」

「・・・普通じゃないわね、貴方」

「はっ、霊夢も魔理沙も普通じゃねえだろ」

「・・・まあ、そようね」

「失敬な、私は普通の魔法使いなんだぜ!」

「・・・霊夢に実力認められている時点で普通じゃねえよ」

「そう・・・なのか?」

「間違いなくな」

「マジかよ!」

魔理沙は今更気づいたのかのように激しい驚き方をする。

「・・・それじゃ今後普通の魔法使いを名乗れねえじゃないか・・・」

「別にいいじゃねえか、そんぐらい。てか新しい二つ名作ればいいじゃないか」

「た、確かにそうだな。ナイスアイデアだぜ銀斗!」

「・・・そうか、それでだゆか「それじゃあさあ!」なんだよ、まだなんかあるのか魔理沙」

「そ、その・・・」

「・・・なんだ、早く言ってくんねえ?」

「わ、私の新しい二つ名、銀斗が考えてくれたり・・・しねえか?」

「なんだ、そんなことか。もちろんいいぞ」

「え?」

「何驚いてんだよ魔理沙、友達なんだしこれぐらいして」

「そ、そっか、友達・・・だよな」

「?」

魔理沙の表情には悲しさと虚しさが感じられた。

「い、いやなんでもないぜ。それより、私の二つ名早く決めてくれよ~」

「分かってる、今考えてるところなんだよ。ええと、俺との弾幕勝負の時魔理沙はスペルカードなに使ってた?」

「え、スペルカードか・・・確かこの二つだったな」

「・・・成程、『魔符 スターダストレヴァリエ』と『恋符 マスタースパーク』か、

・・・なあ魔理沙」

「なんだ、銀斗」

「『恋星の魔法使い』ってのはどうだ?スターダストのスターと恋符の恋を合わせた二つ名、これなら満足だろ」

「うん、すっげえ気に入ったぜ!これから私は『恋星の魔法使い』霧雨魔理沙、だぜ!」

「まあ、喜んでもらえてよかった」

「・・・嬉しそうね、魔理沙」

「おう、霊夢。そういえばお前どこに行ってたんだ?」

「少し紫と銀斗のことについて話していたわ」

「そ、そうか。なんか仲間外れにされたみたいで少し嫌な感じだぜ」

「・・・まあ独りぼっちじゃねえしいいだろ」

「ぎ、銀斗・・・」

魔理沙がキラキラした目で俺を見てくる。

「そうだ紫、俺の住むところは何処だ?」

「ああ、忘れてた。紫、俺の住む場所はもちろん用意してあるんだろろうな、居候はなるべく勘弁だぞ」

「・・・分かってるわよ、あと一時間もすれば用意できるわ。だから、幻想郷巡りでもしてなさいよ、これから暮らす世界のことを知っていても損はないと思うわ」

「・・・仕方ねえな、とりあえず紫は後で一発、受けてもらうぞ」

「なんでよ!」

紫は涙目になって抗議する。

「お前、絶対どっかに居候させようとしただろ」

「ま、まさかそんなわけ」

「もういいわけ聞くの面倒くさいからこれは確定な」

「そ、そんな・・・」

紫は立っていた位置に崩れた。すると霊夢が駆け寄り紫の体を揺らした。

(なんだかんだ言って仲いいんだよな、きっと)

俺はそんな二人をボォ~っと見ていると

「・・・銀斗」

魔理沙が頬を膨らませて俺のことを見ていた。

「なんだよ魔理沙、そんなに頬を膨らませて」

「・・・何でもないぜ」

「はいはい、で何の用?二つ名なら決めただろ?」

「そ、それはそうなんだけど・・・い、一緒に幻想郷巡りしねえか?」

魔理沙は少しオロオロしながら俺に提案をしてきた。しかしさっきから魔理沙の言動がおかしすぎる。やっぱりあの時頭打ったのか?

「いいよ、別に」

「ほ、本当か!?」

「当たり前だ、案内してくれる人も必要だし、何より友達の願いを聞き入れない程俺は頑固者じゃねえ」

「そ、そうか。とりあえずありがとうな!銀斗」

「こちらこそ、それじゃ早くいこうか」

「お、おう。そういえば銀斗って空を飛べるのか?」

「・・・一応、重力を浮力に交換すれば可能だけどコントロールが難しんだよ。今すぐに飛べるようになるのは無理だな」

「そうなのか・・・だったら私のほうきに乗らないか?」

「ほうきって・・・ああ、あの飛ぶほうきか」

「そ、そうだ。私のほうきは一応二人乗りだからな」

「それなら好都合だ。早くいくぞ魔理沙」

「お、おう!」

魔理沙はほうきをどこからか出して魔理沙の隣に持ってきた。そして彼女はそれに飛び乗る。

「銀斗、早くしろよ!」

「分かってる」

そう言い俺もほうきに飛び乗る。

「それじゃ飛ばすから捕まってろよ!」

その直後、ほうきはかなり速度で動き出した。

 ・・・この時、俺は幻想郷巡りは安泰に終わると思っていた。しかし、この予想は大いに崩されるのであった・・・。




長文すいません。
説明、分かりやすかったでしょうか・・・。わからないことがあったらコメントをくれると嬉しいです。
魔理沙との絡みも書いてみたんですが、好評だったら魔理沙視点の番外編を作ろうと考えています。
アドバイス、感想、批評などがあったら遠慮なく書いてもらえると嬉しいです。
それでは次回まで待っていてください!

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