東方錬金録   作:水無月幽

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一章 魔法少女

「霊夢~遊びに来たぞ~・・・って誰だそいつ?」

「・・・てめえの吹き飛ばされたごく普通の人間だよ」

「しょ、初対面でてめえはないだろ!」

「魔理沙、少し落ち着きなさい」

「でもよお霊夢、初対面のやつにてめえ呼ばわりされたら誰でも起こるぞ!」

「・・・その初対面の奴を吹き飛ばしたのは誰だよ・・・」

「そ、それは済まねえ・・・いつもの癖で飛ばしすぎちまった」

「・・・いつもそんなに飛ばしているのか・・・」

「え、まあ・・・そうだな・・・っていいかげんお前が誰なのかって教えろ!霊夢の彼氏なのかどうかてことも含めてな」

「魔理沙、私と銀斗はさっき会ったばかりで別にそう関係じゃないわよ」

「そういうことだ。ちなみに俺の名前は青桐銀斗、ちょっとした能力を持った人間だよ」

「おう、銀斗な!私は霧雨魔理沙、魔理沙って呼んでくれ!」

「魔理沙な、わかった」

俺と魔理沙が自己紹介を済ませると、蚊帳の外だった霊夢が口を開いた。

「それで・・・銀斗の能力、早く教えて頂戴」

「それ私も聞きたいんだぜ!」

「仕方ねえな・・・教えてやるよ。俺の能力はさしずめ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

錬金術「違うわよ」・・・八雲紫、人が最後まで言っていないのに否定するのはどうかと思うが?あとあたかも元々いましたよ、って感じで話に加わるのはやめてくれ」

「いいじゃない、別に、だって本当に違うのだから。あと紫って呼んで、八雲紫って呼ばれるとなんか堅苦しいから」

「わかったよ。・・・それで紫は知っているの?」

「ええ、もちろん」

「それなら早く教えなさいよ!」

霊夢は声を荒らげる。

「そう焦らない、そうね・・・彼の能力は「錬金術だ」違うわ」

「・・・なんでそこだけは即答すんだよ」

「・・・魔理沙、言いたいことはわかるわね」

「ああ、痛いほどわかるぜ」

「・・・なんだよ、別にそう言っても大丈夫だろ。ほら霊夢も言ってやんな」

そう言って霊夢を見てみると・・・彼女は肩を震わしていた。

「な・・・」

「な?」

「なんでそれを早く言わないのおおおおおおおお」

「・・・はぁ?」

「錬金術、ってことは上手くいけば金が沢山作れる、そしたら私は・・・えへへ~」

彼女は顔をにやつかせながら上を向いて色々とぶつぶつ言っている。

「なあ魔理沙、なんでこんなことになってんだ?」

「霊夢はな、超がつくほどの貧乏なんだ」

「あもうなんとなくわかったからいいや」

        ・・・

つまり霊夢は俺が無償で金を作れると思っているのか・・・はぁ・・・

「霊夢、悪いが俺の能力は金をただで作れるなんてそんな夢みたいな能力じゃないんだ」

「え、そうなの?」

「ああ、金を作るには金が作りたい分必要なんだ。だから材料としたなんでもいいから金を集めなければ金を作ることはできない」

「・・・そんなぁ」

俺の能力の詳細を聞いた彼女は顔を下に向け意気消沈していた。すると今度は紫を口を開く。

「物事そんなうまくいかないわよ。まあこのように彼の能力は何か別のものを新しいもの変えることができるの。さしずめ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あらゆる交換をする程度の能力』とでも言えるんじゃないかしら?」

「ふむ、なんとなくわかったぞ」

「・・・錬金術じゃダメなのか?」

「まああなたがそう言いたいのならそれでいいんじゃないのかしら?能力の呼び方は自由よ」

「なら『錬金術を操る程度の能力』でいうことにしよう」

「そう・・・」

紫は俺に冷たい視線を送ってきた。ちなみに錬金術にこだわるのは「あいつ」に「この能力は錬金術だ」って言われたからだ。

「へえ、お前って結構すごい能力持ってんだな」

魔理沙が目を輝かせてこちらを見てくる。・・・この能力はそんなすごい能力じゃない。

「でも素材がないのならこの能力はただ無駄なものだ」

「ふーん。で、銀斗・・・私と弾幕勝負しねえか?」

「・・・はぁ?」

「だから、弾幕勝負やろうぜって言ってんだよ」

「会って数分のやつに勝負ふっかけてくる奴久しぶりに見たぞ・・・」

「え、久しぶりって・・・」

「あ、いや、何でもない。で、別にやってもいいがそもそも『弾幕勝負』ってなんだ?」

「え、弾幕勝負知らないのか?」

「当たり前だ。だって俺は今日ここの世界に来たんだからな」

「お、お前外来人だったのか!?」

「ああ、そうだ。てか服観た時点で気付け」

「あ・・・」

そう言うと魔理沙は下を出し頭部に軽く握った手を当ていかにも「てへっ」という効果音が付きそうなポーズをとっていた。魔理沙のような美少女がこのようなポーズをとったら

                          ・・・・・・

普通の男子は十中八九落ちてしまうだろう。しかし、俺は普通ではない。

「そんなことしてるんだったらさっさとその『弾幕ごっこ』について教えろ」

俺は魔理沙に淡々とかえす。すると魔理沙は不満そうに口を尖らせた。

「少しは反応してくれてもいいじゃないか」

「別に、反応してもなんの意味もないしな」

「そ、そうか・・・で、弾幕ごっこだったよな!おし、今からパパッと説明してやるからよーく聞けよ?」

「はいはい」

~少女説明中~

「・・・ようは自分で弾幕っていう光る玉を作ってそれをぶつけ合って戦う、ってのが主な流れで、その中で限られた数の『スペルカード』っていう特定の技は使うことができる。で、戦闘不能になるか降伏した方の負け。これで合ってるか?」

「ああ、概ね合ってるぜ。それじゃルールがわかったことだしやろう「おい待て」なんだよ銀斗、まだ私に不満があるというのか?」

「ああ、大ありだ。弾幕ならまだ戦いの最中に作れるとしてスペルカードは専用の紙がねえと作れねえんだろ?俺にスペルカードなしでやれって言ってのかお前は」

「あ、それは、その、えっと・・・」

「はぁ・・・。楽しみなのはなんとなくわかるが少しは相手の気持ちにもなってみろ。そんで・・・霊夢、もういいかげん戻ってこい」

俺は再起不能になっていた霊夢を現実へと呼び戻した。すると

「え、あ、うん。ごめん」

・・・案外普通に復活した。

「それで、何の用?呼び戻してくれたのはありがたいけど、まさかそれだけじゃないわよね?」

「当たり前だろ。霊夢、スペルカードを作れる紙ないか?」

「スペルカード?」

霊夢は首を傾げたが数秒後驚いた表情で俺を見てきた。

「もしかして、魔理沙と戦う気!?」

「ああ、もしかしなくてもそうだぞ」

「無茶よ!」

「・・・霊夢にそこまで言わせるほど魔理沙は強いのか?」

「ええ、強いわ。私と肩を並べられるぐらいには」

「・・・へえ、そうなのか。てかそもそも霊夢の実力がわからないから『肩を並べられる』と言われても全く分からないんだけど」

「霊夢はこの幻想郷の中で五本の指には入るほど強いわ」

そう豪語したのは紫だった。その目つきはいつもとは違う真剣なものだった。

「さっきは気圧されていたけど、霊夢はこんなでも博麗の巫女、私と一緒に幻想郷を統治する存在よ」

「・・・わかった。その目の時は信用できる」

「そう、わかってくれて嬉しいわ」

「ちょっと紫!あんまり言わないで頂戴!恥ずかしいじゃない!」

「まあまあ本当の事なのだからいいじゃない」

「・・・もう、で銀斗、スペルカードだっけ?それならついてきて」

「わかった。それじゃ魔理沙、パパっと作ってくるから待ってろ」

そう言って俺は霊夢と一緒に神社の中に入った。

~少女達移動中~

「ここにあるわ、少し探してくるから待ってて」

そう言って霊夢はさらに奥へと行った。そこで一人になった俺は少し物思いにふけることにした。

「・・・弾幕勝負、ねえ」

もちろん、主題は弾幕勝負。確かにこれがあるのならば俺のあの炎の大きさが小さくなることは納得がいった。

「しかしこのままでは弾幕として使うには使いにくい。さて、どうしたものか・・・」

しかし考えて見ても名案のようなものは一つも浮かばなかった。それどころか考えれば考えるほどあの炎の方が適している気がするほどだ。

「・・・結局工夫の仕方ならいくらでもあるはずなのに、その工夫を自分で考えつくことができないただの単細胞なやつだってことだな、俺は」

俺はため息をつく。

「・・・一刻も早く、あいつに会いたいなぁ」

俺は上を見ながら言った。木のみで作られた天井はあの時泊まっていた屋敷と同じでとても懐かしかった。

「銀斗、見つかったから取りに来て~」

「・・・なんだ、持ってきてくれねえのかよ」

そう愚痴をこぼしながらも俺は部屋に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

~???~

「ナンカコワシガイノアルヤツガキソウナヨカン!ハヤクコワシタイナァ」




主に弾幕ごっこに事が説明されていましたが、私自身原作未プレイで、しかもにわかなのでもし間違ってくれたらどう間違っているのかを書いてくれると嬉しいです。
次回は魔理沙と銀斗との弾幕勝負です!銀斗はどんなスペルカードを作るのでしょうか、楽しみにしていてください。
次回もよろしくお願いします。

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