それではどうぞ!
1章 邂逅
「さて・・・ここどこなんだ?」
そう言って俺は辺りを見渡してみる。周りは木ばかりで建物らしくものが全くなかった。
「チッ、あの野郎。せっかく来てやった俺をこんな場所に落としやがって、一回殴んねえと気が済ま「グオオオオオオオオオオオオオオ!」・・・うるせえなあ」
叫び声が聞こえた後ろを見て見るとそこには巨大なクマがいた。そしてそのクマは振り向いた途端手を俺に向かって振り下ろした。
「・・・もう一発追加だな」
そう言いつつ、俺は半歩下がり、その手を躱す。そして手の上に炎を出そうとした。だが
「・・・は?」
・・・・・・・・
俺が出した炎はあまりにも小さく、このクマを倒せるほど火力を持っていなかった。それの理由を理解した俺は呟く。
「そういうことか・・・だったら・・・」
そう言っているうちにクマはもう一度俺に向かって手を振り下ろした。
「この世界は、最高の世界じゃねえかよ!」
そう叫び、俺はクマの手に向かって殴りつけた。
~???視点~
「あ~、全くもう、面倒くさいわね!」
愚痴をこぼしながらも私は叫び声のした方向へ向かう。一応妖怪退治を生業としている私だが、異変が起こらない限り動きたくない。だが今回は話が別、私の領域で叫び声があったのだ。一応は私が統治しているので最近は大きな問題が起こってないがたまにこのように厄介事を起こす妖怪が出てくる。そのたびに私はお灸をすえてやっている。
「私にぼこぼこにされることがわかっているのだから、しっかりしてほしいものよ・・・
早く終わらせて、また家でゴロゴロしよ」
そう言、私はスピードを上げた。その直後
「グギャアアアアアアアアア!」
先ほどとは違う、まるで悲鳴のような叫び声が聞こえた。その声を聴いた私は全速力でそこに向かった。数分後そこにつくと、そこには・・・
・・・・・・・・・
血まみれの青年と同じく血まみれで横たわっているクマの妖怪がいた。
「え・・・」
私は言葉が出なかった。この状況から、青年が妖怪を倒したのは一目瞭然だった。そしてそんな殺し合いを終えた後だというのに、その青年はのんきな声で私にしゃべりかけてきた。
「あの・・・こんな格好で頼むのも申し訳ないんですけど、この妖怪どうにかしてくれるとありがたいのですが・・・。あと僕をどこでもいいので建物へ連れて行ってくれませんか?」
「え、ええ・・・」
私は目の前の状態に圧倒されながら妖怪のもとに駆け寄る。そしてその妖怪を間近で見て、
さらに驚かされた。
「・・・ちょっとあなた」
「ん、どうかしましたか?」
「・・・これ、あなた一人でやったの?」
「ん?ああ、まあそうですけど?」
「・・・嘘でしょ?」
「いや、ここで嘘つく理由ありませんし」
「・・・なら、」
そう言い私は出来る限りの眼力で彼をにらむ。
「貴方を・・・ここで排除する!」
そう言って私は彼に向かって弾幕を放つ。不意を狙った弾幕であったためその弾幕は彼に直撃した。辺りが煙に包まれる。私はすぐさま後ろに下がる。この弾幕は私が打てる弾幕の中でも威力の強い弾幕だ。しかし・・・
「・・・初対面で打ってくるのはよくありませんよ?」
彼は無傷だった。それがわかった瞬間私の体から力が一気に抜け、そして、死を、覚悟した。
~銀斗視点~
(まあ、仕方ないよな・・・)
俺は目の前の少女を見て心の中でこう思った。俺の近くにあるのは血だらけのクマの死体。余程実力に自信がない限りここから逃げているだろう。しかし彼女は逃げるどころか俺になんか飛ばしてきた。俺は空気中の水蒸気を氷に変え、それを盾にして防いだが、それでもいくつか貫通していた。どうやら実力は本物らしい。しかしそれでも無傷の俺を見て戦意喪失したらしい。流石に放っておけないので誤解を解くことにした。
「あの・・・」
「・・・え?」
「え?じゃなくて、早くここから出させてくれませんかね?」
「わ、私を殺さないの?あの妖怪みたいに」
やっぱそう思ってたか、なら誤解を解くのは簡単そうだな。・・・ん?ちょっと待てよ?今妖怪って言わなかったか?
「俺はむやみやたらに人を殺すようなやつではありません。あのクマは急に襲い掛かってきたんで仕方なかったんです」
「え、でも私も「それは仕方ないことです。知らない人の傍らに死体が転がっていたら誰でも怖がるか怪しむかしますよ、だからあなたのしたことはある意味当然ボことなんです。」ええ、わかったわ」
「分かってもらえて何よりです。それなら早くここを出たいのですが・・・案内宜しいですか?」
「大丈夫よ、流石にここまで話されて見捨てるのなら本気であなたに殺されそうだわ」
「まさか、そんなことはしませんよ」
おし、誤解も解けたし一件落着。あとは八雲紫を殴るだけだ。・・・んにしても、さっさとこの血だらけの服着替えたいな。
~少年達移動中~
「ここが私が住んでいるところよ」
「・・・この古い神社がですか?」
「もう!古い言わないの!」
彼女に案内されたのは古い神社で名前は・・・博麗神社という(名前んとこ見た)
「あ、忘れてた。私の名前は博麗霊夢、霊夢って呼んで。あと敬語なしでいいわ」
「ああ、わか・・・った。俺は青桐銀斗、呼び方は何でもいい。あと服を少し着替えたいのだがいいか?」
「ええ、いいけど・・・そのバッグの中に入ってるの?」
「いや、この中には入ってないぞ」
「え、じゃあどこから・・・」
「ちょっと待ってろ」
そう言って俺は全神経を集中させる。すると俺の着ていた服は光に包まれ、その光が消えた時には・・・
俺の服はもとの制服に戻っていた。
「え、貴方いったい何をしたの!?」
霊夢が顔を近づけてくる。俺はその顔を手で押し返した。
「あとで教えてやるからとりあえず落ち着け」
「それもそうね・・・にしても銀斗の服って見たことないわね・・・もしかして外来人?」
「?その外来人ってのはわからないがついさっき八雲紫ってやつに連れ「呼んだかしら?」・・・八雲紫、出てきたところ悪いがちょっと一発殴らせろ」
「え、ちょっと待って、いきなりそれは酷くない!?あといくらなんでも女性の顔殴るのはよくないと思うわよ」
「・・・確かにそうだな」
「なら!「だが俺があそこに落とされて迷惑被ったのは事実、すこし痛い目に会ってもらうぞ」・・・え?嘘でしょ?」
俺は炎をいくつか作り八雲紫に投げた。
「熱い熱い!ごめん、謝るから!あとちゃんと理由があるから!気まぐれとかじゃないから!だから早くこの炎消して!」
「・・・あとで理由絶対に聞かせろよ」
そう言って俺は八雲紫に投げた炎を消した。
「ふぅ・・・これでいいか?」
「ええ、いいわ。それじゃ話しましょうか」
そう言った瞬間彼女の雰囲気が厳格なものに変わった。俺は思わず息をのんでしまった。
「私があそこに呼んだ理由は・・・ただの気まぐれよ!「おーし霊夢、こいつ燃やすから少し手伝ってくれ」待って嘘だから!勘弁して、ほら霊夢からも「了解したわ銀斗」霊夢!」
霊夢は紫が逃げないように彼女をホールドする。・・・ナイスだ、霊夢。
「覚悟はできてんだろうな八雲紫、遺言があるのなら聞いてやる「銀斗の反応が案外つまらなかった」よろしい、骨も残らず燃やしてやる」
「ごめんごめん、ちゃんと謝るから許して」
「・・・それさっきも聞いた」
その直後、言葉にもならないほど支離滅裂な悲鳴が聞こえた。
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「・・・でそこの奴は置いといて、外来人とはなんだ?あとここはやっぱり『幻想郷』という場所なのか?」
「ええ、そうよ。そんで外来人ってのはあなたが元々いた世界、私たちは『外の世界』と呼んでいるわ、そこから来た人たちを指すのよ」
「ふーん・・・それで、あのクマみたいのを霊夢は『妖怪』って言っていたよな・・・」
「ええ、確かにそう言ったわ」
「・・・そうか」
そう言った後、彼女は俺の顔をまじまじと見てきた。
「・・・俺の顔になんかついてるか?」
「いえ、なにもついてないわ。でも表情からして驚いてなさそうだから不思議に思って」
「このぐらいのことじゃもう驚かねえよ。幻想郷の話聞いた時点でもう驚きつくしてる」
「・・・そうなの?」
「ああ、そうだよ」
「そう・・・。それじゃ銀斗も質問したんだし、私も質問してもいいかしら?」
「ああ、別にいいぞ。俺も霊夢にいろいろ聞いたし、ある程度なら答えるぞ」
「それじゃ先ほどの質問に答えてもらうわ、あともう一つ質問させて頂戴・・・貴方はいったい何者なの?」
「・・・俺は普通の人間だよ、ただちょっとした能力を持っているだけ」
「それってさっきのことと関係しているでしょ?詳しく教えてちょうd「おーい霊夢ー!」メンドくさいのが来たわね、なんでこんな時に来るのよ・・・」
「え?メンドくさいやつっt」
そして俺が言い終わる前にその「メンドくさいもの」は神社に突っ込んできた。
どうでしたか?
最後に突っ込んできた「もの」はなんだか皆さんには分かったと思います。
次回は戦闘描写入れようと思っています。
次回まで気長に待っていてください!
評価、コメント、アドバイスなど待っているので是非くれたら嬉しいです。