オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

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時系列一部前後してますけど、そこはストーリー上お許しを。

まだ読んでいる方がいて駄作者は感激です(なお駄文で評価はガタ落ち)。投稿諦めようとすると背後のアルドゥイン様にソブンガルデに送られそうになるので頑張ります。


チーズのためなら死んでもいい

「いてて……」

 

 

伊丹は慣れない乗馬でお尻をさする。

ジープの席が恋しい。

 

 

伊丹一同は冥府の神ハーディを祀る神殿都市、ベルナーゴに着いた。

 

本当はベルナーゴから招待状(と言う名の強制招集命令)はずっと前から貰っていたが、めんどくさかったり、なかなか行く予定がなかったり、はたまた今のトラブルでそもそも遠征に行けなくなったりと延ばしに延ばしてしまった。

 

そして一応、帝都への道のりからそう遠くないということで(ついでに)行くことにした。

 

ロゥリィは(ついでで)もう付きまとわるな、ストーカー!と言いに。

ヤオは(ついでで)もうお前なんぞ信仰しない!と言いに。

伊丹は渋々行くと言う形で、他は興味本意だったりと。

 

ただ、セラーナは違った。

 

 

「この世界の神でしょう、なら私を元の世界に戻す術をご存知のはずでございますわ」

 

「まあ、あの門の原因がこちらの神様が作ったかしらないけど、できるかもねえ……」

 

「ところでぇ、セラーナの世界の神はどんななのぉ?」

 

 

ロゥリィが興味本意で聞く。

 

 

「そうですわね。基本的には伊丹殿の世界の神々よりは、こちらの世界に近いですわね。八大神と呼ばれまして、それぞれ異なるものを司っておりますわ。他にも正確にはいるみたいですが」

 

「へぇ、じゃあ亜神とかいるのぉ?」

 

「いいえ、でも使徒のようなものはございますわ。ただ、この世界と違って一つの神、だけではなく複数信仰する者も少なくはないですわ。中にはニホン人のように中途半端な信仰する不届き者など……」

 

「ねえ、日本人の扱い酷くない!?」

 

 

伊丹はツッコミを入れるがセラーナは特に気に留めなかった。

 

 

なんやかんやで神殿に入る。

 

そこで伊丹が招待状で悪ふざけしてロゥリィに怒られながら地下への入り口に通される。

 

 

「また地下ですの?最近飽き飽きしたのですのよ。どうしてもと言うなら行きますが」

 

 

セラーナはどこか不服そうだったが、一応着いてきた。というか来ないと神様に会えないので彼女の目的が達成できないからでもあるが。

 

 

(太陽は嫌だと言ったり、洞窟は飽きたと言ったり、ホントこの吸血鬼お嬢は何がしたいんだ……待てよ……これはもしかして、ツンデレというやつか!?)

 

 

など妄想しているとロゥリィのハルバードが軽く後頭部を直撃する。

 

 

「〜〜〜っ!?」

 

「馬鹿なこと考えてないで行くわよぉ」

 

「何も言ってないよ!」

 

「あんたの目と顔が言ってるのよぉ!」

 

「う……」

 

 

などと茶番劇を繰り広げながら階段を降りると、地下とは思えない空間にたどり着く。

 

 

「来訪者たちよ。主上ハーディがご降臨される。それぞれの流儀で最上の敬意を示せ」

 

 

神官たちが一斉に膝まづく。そして言われた通りそれぞれの流儀で敬意を示す。

 

すると空から光の粒が降り、それが次第に形を成して美しい女性の姿を作り出す。死を司る神とは思えないほどの美しさである。

 

 

(うっひょー、すんげー美人!……いや待てよ、前ロゥリィから神様は容姿は自由に変えられるとか……なんだ、整形美人か……)

 

 

伊丹一喜一憂してると、ハーディは傷ついたような表情になり、ロゥリィに何か訴え始めた。伊丹には何を言ってるのか聞こえないが。

 

 

「……ヨウジィ、ハーディは『整形じゃない』と言ってるわぁ」

 

「げっ、心読まれてたのか。これは失礼致しました」

 

 

ハーディは分かればいいのよ、と言わんばかりの笑顔を見せる。

 

 

迂闊なこと(エロ同人的なこと)も考えれねえ……」

 

 

仕方ないので伊丹はできるだけ無心(賢者モード)になろうと努める。

 

そんな中、半透明のハーディは何かを探すように周りを見渡す。

すると神官たちが一斉に膝まづく。

 

 

「何してんの?」

「自分の身体を使ってくださいというアピールよぉ」

 

 

伊丹の問いにロゥリィが答える。

 

 

「何!?身体を使()()だと!?さてはいやらしいことだな!?やはりこやつらの神官服が下着のようにいかがわしいのそのためだったのか!?」

 

「おい、誰かこのエロエルフ(ヤオ)を黙らせろ!」

 

「フガフガ!(こういうの嫌いではないぞ)」

 

 

テュカとセラーナがヤオを拘束して猿轡を咥えさせるが、ヤオはなぜか嬉しそうだった。

 

 

「で、話を元に戻すとハーディは誰かの身体を借りたいと」

 

「そうよぉ。でも生半可な身体じゃ自我が崩壊したりして廃人になるけどぉ」

 

「じゃあ何で彼女(神官)らはそんな自殺に近いことするんだ?」

 

「それが神官にとって最大の誉れであり、位を上げるチャンスだからよぉ。神様から力を授かる事もあるしぃ」

 

「ロゥリィみたいに神様になることも?」

 

「ある時はあるしぃ、ない時はない」

 

「ふーん」

 

 

そんな会話をしていると、ハーディは品定めをするように神官たちを見る。

 

 

(どっかで見たような光景だな)

 

 

伊丹はデジャブを感じた。アキバで同類の志(オタク)がフィギュアを舐め回すよう見る姿を思い出した。

 

 

(あ、なんかロゥリィが嫌がる理由がわかった気がする……)

 

 

しばらく見るが、どれも力不足なのかがっかりした様子だった。

 

しかし、視界の隅に入った女性に目を輝かせる。

 

 

「ま、まさか……」

「え、ロゥリィ()()はまずくないか!?」

 

 

そして()()に憑依しようとした。

 

 

「!?」

 

 

静電気のような光が走り、ハーディは驚いた表情をした。

 

 

「……」

 

 

しかしセラーナは動じなかった。どうやら憑依は失敗したらしい。

 

 

ハーディはお預けされた犬のように渋々諦め、次のターゲット(レレイ)に憑依した。

 

 

「「あーー!?」」

 

 

先ほどの出来事に唖然となっていた隙を突かれてしまった。

 

 

「レレイ、大丈夫か!?」

 

 

気を失ったレレイは目が開くと同時にショートヘアが一瞬で腰まで伸びた。

 

 

「遠路はるばる、よくおいでくださいました。私がハーディです」

 

 

レレイが普段浮かべることのない微笑みをうかべた。

 

 

***

 

 

(まさか、これ全部食うの!?)

 

 

伊丹たちはレレイの身体に憑依したハーディに連れられて、神殿外の超高級料理店にいた。

 

どうもハーディは腹が減ってるとのことで付き合わされたが、量が異常である。

 

そんなご馳走を口にしながら、一同は色々と話をすることになった。

 

 

まずはハーディが兎に角色々と楽しませてくれないとレレイの身体を返さないということ。もちろん色々とは食欲、睡眠欲を除く人間3大欲求(キマシタワー)のことである。

 

もちろんロゥリィは断固拒否し、両刀を見抜かれたテュカも断った。

 

 

「貴女は?私、異世界の女性にも興味あるし、貴女好みですよ」

 

「それは光栄ですわ」

 

 

セラーナは冷静に答える。

 

 

「しかし私にはそのような資格はございません。もしどうしてもというならマーラの首飾りをお付け願いますわ」

 

「へー、女の子同士きにしないのですね」

 

「なぜ気にするのですか?」

 

 

セラーナはキョトンとする。

 

 

「異世界って、すすんでるのねぇ……」

 

「どうもそうみたいだなあ……」

 

「何よ、お父さん。ニホンも人のこと言えないじゃない。BL、オカマ、ゲイバー、シュードー……」

 

「テュカ、どこでそんな言葉を……」

 

 

小声で話すロゥリィと伊丹にテュカも割って入ってきた。

 

 

「では貴女はどう?」

 

 

そして毒牙はムッツリダークエルフ(ヤオ)にも向けられた。

 

 

「ハーディ様、以前のこの身ならともかく、今や貴女への信仰を捨てたこの身は断固拒否します!」

 

「あら残念」

 

「貴女ならお分かりであろう、我々ダークエルフの一族や、(イケメン)オークたちが貴女の仕業でどうなったか!一族は炎龍に食い殺され、オークたちもあの漆黒龍に滅ぼされたのだぞ!」

 

「ええ、確かに炎龍をけしかけたのはこの私です。しかし、それがどうかしたのですか?万物は生きるために他者を犠牲にするものです」

 

「しかし何もダークエルフを餌にしなくとも!」

 

「そんなこと、私の知ったことではありません」

 

 

堪忍袋の緒が切れたヤオは腰のサーベルで切りかかるが、辛うじて伊丹に止められる。

 

 

「止めろ!身体はレレイだぞ!」

 

 

そんな騒ぎを横目で見ながらハーディはふとため息をつく。

 

 

「ただ一つ、貴方方は大きな誤解をしている」

 

「「「え?」」」

 

「あの漆黒龍は、私とは何の関係もありません」

 

「どういうことよぉ、貴女神なら何でも知ってるんじゃないのぉ?」

 

「理由は順を追って説明します。とりあえず、最後のデザートを食べてまた話しましょう」

 

 

ハーディはウェイターを呼ぶ。

 

 

「デザートを持ってきて」

 

「かしこまりました。本日は旬のイチゴのトルテでございます」

 

「ええ、それをいただくわ……っ!?」

 

 

そこにいた(ウェイター除く)全員が違和感を感じた時は既に遅かった。

 

周りの空間が歪み、まるで幻を見せられたか、別世界に連れてこられたような感じだった。

 

 

「固有結界か!?それとも敵のスタ●ド攻撃か!?」

 

 

伊丹はオタク知識を借りてまず思い浮かんだのこの言葉だった。

 

だがたどり着いたのは何とも寂しいどんよりした風景の屋外だ。何故か長テーブルとご馳走が置いてある。

 

そしてそこには一人の身なりの良い初老の男が座っていた。

 

 

「なんなんだ、ここは……」

 

 

ヤオが辺りを見回す。

 

 

「みんな、怪我はないか?」

 

「ええ、大丈夫よお父さん」

 

「ハーディさん、ここは?」

 

「?、ハーディじゃない。私はレレイ」

 

「え?」

 

 

よく見るとレレイは元の髪の長さにポーカーフェイスに戻っていた。

 

さらに驚いたことに、ハーディが分離して実体化していた。

 

 

「く、何という魔力……いや、魔力ではない?」

 

 

ハーディはいままでのように涼しい表情ではなく、険しい表情を見せる。

 

 

「とりあえず、あの爺さんに何か聞いてみるか」

 

「そうねぇ」

 

「ちょっと、待ちなさ……」

 

 

しかしハーディが止める前に男の方から口を開いた。

 

 

「新しい訪問者たちよ、よくぞ来たな嬉しいそ。お前たちの腸を引きずり出して大縄跳びをしたいくらいだ!」

 

「ふぇ?」

 

 

唐突に恐ろしいことを口走る男。伊丹たちは思考が追いつかない。

 

皆ぽかーんと開いた口が閉じない。

ハーディとレレイを除いて。

 

 

「とりあえずお茶にするか!宴にするか!正直どっちでもいい!チーズさえあればな!ああ、チーズのためなら死んでもいい」

 

 

意味不明な言葉を陳列する男を前に、伊丹は必死思考を巡らす。ナゾナゾか?お告げか?単なる狂人か?そもそも人間なのか!?

 

 

「私が説明しましょう」

 

 

突如背後から女性の声がした。

 

全身悪魔のような鎧(デイドラ装備)を纏った女性と思われる人物がワームホールのようなものから出てきた。

 

 

「彼は狂人の王にしてデイドラ王子の一人、シェオゴラス。今宵は、我々の晩餐会に招待致します」

 

「いやいや、君たちは実に運がいい。今日は特別でな、もういっぱい来ているのだよ!」

 

 

ハイテンション爺さん(シェオゴラス)はそう言い放つと、背後からワームホールのようなものが複数現れ、中から異形のものが10体ほど現れた。

 

触手に目を沢山生やした物や、狼男のような霊やら普通人型だったり……クトゥルフ神話に出そうなものが多い。

 

 

「いやぁぁああ!だから地下とか嫌なのよ!」

 

「失礼ね!私の領域にはこんなのいません!そもそも地下かどうかも分からないし!」

 

 

ロゥリィが悲鳴を上げるとハーディが異論を唱える。

 

 

「ようお前ら、久しぶりだな!」

 

 

聞き覚えある声に振り返ると、そこには(バルバス)がいた。

 

 

「なんであんたがいるのよぉ!?」

 

「何でって、呼ばれたからに決まってるだろ。本当はご主人がめんどくさがって行かされたけど……」

 

「それでは、始めましょうか」

 

 

デイドラ装備の女は不気味な抑揚をつけて宣言する。

 

 

「第1次異世界会議を!」

 

 

***

 

 

一方、日本

 

 

「ったく、緊急事態だからってマスコミたちは立ち入り禁止かよ」

 

 

マスコミ関係者の男が門の近くのビルから門を眺める。

 

 

「これでは社会の公平性はどう保つんだよ。自衛隊も色々と問題起こしたみたいだしよ。しかしまあ、アメ公相手は悪いな……」

 

 

自分以外のマスコミ関係者が強行手段を取った際、数名が銃口突きつけられて連行されたのを思い出す。

 

 

「あー、くそっ……やってられないぜ」

 

 

そう言ってタバコを咥え、火をつける。

 

 

 

そして爆音は銀座中に響いたという。

 

厳戒態勢の自衛隊、米軍、警察はすぐに対処したが、原因は不明、ガス爆発が推定された。

 

 

そしてこれを見た米軍の一人は報告を上げる。

 

 

「キャプテンへ、こちらヴェノム。対象は()()()()()。繰り返す、対象は()()()()()

 

『こちらキャプテン。了解、すぐにジョーカーに報告しろ』

 

「了解」

 

 

その米兵門をくぐると、メモに暗号を書いて近くで待機していたヴォーリアバニーに近づく。

 

 

「変態」

 

「……紳士」

 

 

互いに頷くとメモを渡さす。

 

そしてそのメモは数日かけて、何人もの手を渡る。

 

 

「ほらよ。ジョーカー宛てさ」

 

 

ノッラは加藤に紙を渡す。

 

 

「さすが笛吹き男(パイパー)の諜報力は高いな」

 

 

そう言って加藤はそのまま草加に渡す。

 

 

「ふむ……敵の目と耳(メディア)を潰したか。そろそろ動くな……」

 

 

草加はそう呟くと紙を焚き火に放り込む。

 

 




MHWのコラボにウィチャーは驚きましたね。次回作アイスボーンのコラボにスカイリムキボンヌ(ドラゴンボーンもかけて)。

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