オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

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最近また Skyrim SE 始めましてね、アルドゥイン様の勇姿を見て涙が出そうになりましたよ。

よく見たら漆黒龍というより濃い銀色かも。


神降臨す

 

「遅いぞお前ら……」

 

 

と夏制服の伊丹。今日は久しぶりの本国への帰還である。そのため準備していたのだが、彼以外は全員遅刻の模様。

 

ちなみに彼の部下は私服、テュカはスーツ、ロゥリィとレレイはそのままの服でロゥリィはハルバードの葉の部分を布で巻いて見えないようにしている。

 

ロゥリィは不満だったがこうしないと銃刀法違反などに引っかかるので我慢してもらうしかない。

 

 

「よし、行くか」

 

 

としようとすると柳田が運転する官用車が目の前に止まる。

 

 

「伊丹、姫様たちもお忍びで本国へ行くことになったからよろしく」

 

 

姫様たち、つまりピニャとボーゼスである。

 

 

「おい、聞いてないぞ」

 

「言ってなかったか?まあ今言ったぞ。てのは冗談で、翻訳の人材が揃っていて慣れているお前たちが適任だと思うのよ」

 

 

そして白い封筒を伊丹のポケットにこっそり入れる。

 

 

「狭間陸将からだ。娘っ子たちの慰労に使え」

 

 

これは袖の下なのか、それともお小遣いなのか手当なのか。尋ねない方が良いだろうと伊丹は判断した。

 

ちなみに、ピニャとボーゼスは柳田と目を合わさないようにしてすごく気まずそうであった。一体どんなことを言われたのやら。

 

 

「ん、お前たちも今日戻るのか」

 

 

声の方向を見ると約20名のスーツ姿の隊員が、先頭の2人を除く全員がサングラスをして整列していた。どこの宇宙人管理者(メン・イン・ブ○ック)なのだろうか。

 

サングラスをしていないのは草加と加藤であった。ボディガードにしては多すぎるし、逆に目立つ気もするが。まあ伊丹は正体の予想はついてるので何も言わなかったが。

 

 

「ちゃんと資料目通しておけよ、伊丹」

 

「了解。加藤1尉はどちらへ?」

 

市ヶ谷(防衛省)だ。こっちもしごとだよ」

 

 

加藤はやれやらと軽く頭を振る。

 

 

「せいぜい伊丹は国会で変なこと言うなよ。あとリフレッシュは適度にな」

 

「伊丹2尉、その方はどなたですか?」

 

 

どうやら栗林の丈夫(ますらお)レーダーが探知したようだ。もし軍事転用すればかなり有用かもしれない。

 

 

「栗林、後で説明するから」

 

 

栗林はお預けされた犬のように渋々後退する。

 

 

「可愛いじゃないか。紹介してくれよ」

 

「え、いいの?」

 

「え?」

 

 

加藤は半分冗談のつもりだったのか、予想外の答えに驚く。

 

 

「別に加藤1尉がいいと言うのなら」

 

「え、本当なの?本当なら嬉しいが」

 

「へいへい、紹介しときますよ」

 

 

実は心の中でガッツポーズしてるのは加藤だけではなかった。伊丹もなぜかしていた。なんでだろう。

 

 

「それでは殿下、私はここで失礼します」

 

 

草加もこの間ピニャたちと何か話していたようだ。ピニャも実は狭間陸将や柳田2尉と会談する際に草加3佐とも面識があったりする。

 

 

「んじゃ、よろしく」

 

 

そう言ってスーツ集団は先にゲートを通り抜けて行った。

 

 

「なんだか丈夫の気配がしたなあ」

 

「あれね、この前栗林とロゥリィが紹介してって言ってた人。さっき話していたのは加藤1尉ってね。また後で詳しく言うから」

 

 

それを聞いた栗林とロゥリィの目は完全に獲物というか、そんなものを見つけた野獣そのものだった。

 

 

(なんか背筋が寒いな……風邪かな?)

 

 

と誰かさんは背中に冷たい視線を感じるのであった。

 

 

***

 

 

「な、なんだこれは!?」

 

 

ピニャを始め、特地出身者は全員目を丸くして驚いていた。何に驚いているかというと銀座の高層ビルの並ぶ町街並である。まあ戦国時代の人間が現代に来るようなものだからそれは仕方がないだろう。

 

 

「伊丹2尉ですね」

 

 

と近くにいたいかにも、といった感じの黒服の代表の中年風の男が伊丹に声をかける。

 

 

「情報本部から来た、駒門です。今回のご案内と、エスコートを仰せつかってます」

 

 

雰囲気は何かと自衛官とは異なる鋭さを持った男だった。

 

 

「おたく、公安とかの人でしょ?」

 

 

と伊丹の問いに対し駒門はニヤリと笑みを浮かべる。

 

 

「やっぱり分かりますか?」

 

「空気が違う感じがするからね。もし生粋の自衛官でそんな雰囲気を身にまとえるような職場があったら、今時情報漏洩とか起きないだろうし」

 

「あんたやっぱり只者じゃないねぇ。流石二重橋の英雄と言われるだけあって、『S』に所属していただけはあるねぇ」

 

 

S、つまり特殊作戦群のことである。現在陸自が保有する部隊で正式に特殊部隊とされており、その内容は謎につつまれている。

 

 

「ひぃぃぃぃぃぃ」

 

 

栗林から普段絶対に聞けることのない悲鳴が聞こえた。

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

かと思えばまた奇声をあげて猛スピードで走り去ってしまう。といってもそんな遠くまでではないが。

 

 

「嘘よ、誰かさ嘘だと言って……そうよ、きっと夢なんだわっ。これは夢」

 

 

オタクで怠け者の上司は実は憧れの特殊作戦群、という事実を築き上げられた栗林は現実逃避を始めていた。

 

 

***

 

 

というわけで、特地出身者一同を連れて服を揃えたり、ご飯を食べたりしてそれぞれの予定へと入る。ピニャとボーゼス、栗林と富田は諸事情により秘密会談へ。伊丹とレレイたちは国会答弁に向かうのであった。

 

ちなみに、ピニャたちも日本の文化や捕虜の処遇や取り決めなど、基本となりうることに関しては情報を得られたようである。今後の進展に期待したい。

 

 

そして待ちに待った国会答弁にである。

 

 

「よし、みんな準備はいいな。そんな難しいことではないから緊張しないようにな」

 

「問題ない」

「大丈夫よ」

「いいわぁ」

「おもしろそーだな」

 

 

刹那、その場にいた全員が時間が凍りついたのを感じた。特に伊丹。

 

 

「あ?なんだ。俺がいて驚いたがお前ら。こんな楽しそうなこと俺を除け者にしやがって。安心しな、俺は喋るのは好きなんだぜ」

 

「なんでお前がいるんだぁぁぁあああ!!!」

 

あんまり来てほしくない奴が来てしまったようだ。

 

 

***

 

 

本日の国会中継は異様な視聴率の高さ記録した。なんせ異世界のファンタジーのエルフたちが現れるという情報だけで日本中の紳士(おたく)が視聴するから当たり前であろう。

 

というわけで、議場に例の3人と1匹と伊丹が現れると周囲が一斉にどよめく。余談だが、バルバスも一応許可は下りてるので問題はない、今のところは。

 

最初の質問に立ったのは、少数野党の女性党首。名前はこの際どうでも良いので割愛する。

 

 

「伊丹参考人に質問します。特地甲種害獣、通称ドラゴンによって、コダ村避難民の半分、約300名が犠牲になったのはなぜでしょうか?」

 

伊丹参考人、と委員長に呼ばれ伊丹は前に出る。

 

 

「えー、それはドラゴンが強かったからじゃないですかねぇ」

 

 

この回答に、質問者を含め多くが絶句する。

 

 

「そ、それは力量不足を転嫁しているだけなのではないのでしょうか?300名が亡くなっているのですよ。それについて責任は感じないのですか?」

 

「力量不足と言えば、銃などの武器の威力不足は感じましたよ。はっきり言って、豆鉄砲でした。もっと威力ある武器よこせと思いましたよ。プラズマ粒子砲とか、レーザーキャノンとか、実用化しないんですかねぇ。レーザーキャノンは米海軍ですでに試験段階とは聞きますが。あと大勢の人が亡くなったことは残念に思いますよ」

 

 

この言葉に与党からは苦笑が、野党からは不謹慎だなどのヤジが飛ぶ。すると防衛大臣が手を挙げて補足の許可を得る。

 

 

「えー、伊丹2等陸尉から提出された、ドラゴンのサンプルを解析した結果、鱗の強度はタングステン並の強度を持つことが判明しています。モース硬度ではダイアモンドの『10』に次ぐ『9』。それでいて重さはなんと約7分の1です」

 

 

つまり空飛ぶ戦車相手に犠牲者無しで戦うことは不可能と暗に告げていた。そしてさらに続ける。

 

 

「さらに超重要危険乙種害獣、通称『漆黒龍』はその通常ドラゴンの鱗を貫通する武器ですら攻撃を通さず、死亡したドラゴンを蘇らせ、爆風を起こし、瞬時に姿を消すなどの、人知を超える現象を起こすことが確認されてます」

 

 

それ、何のファンタジー映画ですか、それとも僕の考えた最強のドラゴンですか、と叫びたくなるものである。本当に創ったやつ出てこいといいたくなる。

 

 

「分かりました……次の質問です。特地において、任務中のヘリコプターが墜落したとの情報を得ましたが、これはほんとうですか?」

 

 

一体どうやってこんな情報をえたのだろうか。日本のメディアが優秀なのかそれとも自衛隊の情報保全に問題があるのか……

 

 

「はい、それは事実です」

 

「ではなぜそれを今まで公開していないのでしょうか。隠蔽するつもりですか?」

 

「いえ、現在我々はその原因と対策を思案中でして、まだ公開するには早すぎると判断したまでです」

 

「それを隠蔽と呼ぶのでは?」

 

「少なくとも、現時点で私がその事実を認めている以上隠蔽ではないという認識です。それに、早く公開し過ぎてももしその原因などに間違いがあれば国民の皆様に間違った情報を与えてしまいます。これは避けなければなりません」

 

「……では原因と対策を現時点で教えていただけますか?」

 

「原因はドラゴンの小型種である翼竜の群れによる襲撃です。これにより、翼竜は想像以上に知恵は高く、さらに他の動物と異なり生存本能を優先した行動ではない行動、つまりなんの利益もない自らの命が犠牲になるような行動をとることが分かりました。つまり、翼竜は食料確保以外にも人間、さらには自らより強いと認められる相手にも攻撃すると考えます。それを考慮できなかったため、そしてそれを十分に対処するための武器装備などが整っていなかったことが原因だとか考えます。また、対策は現在また協議中です」

 

 

先ほどの伊丹とは人が変わったような言い方である。内容はわからないものの、レレイたちも感心した様子である。

 

 

「わかりました、もう一つ質問します。盗賊団相手に、催涙ガス、またはそれに類似、準ずるものを使用したという情報が入っています。これはご存知ですか?」

 

「はい、それは私も現場の1人として確認しています」

 

 

質問者はしめた、とばかりに食いついた。

 

 

「あなたは、これは国際法違反ということをご存知ですか?」

 

「いいえ」

 

「そうですか。催涙ガスは化学兵器禁止条約に記載される化学兵器に含まれます。自衛隊は国際法を無視せているのでしょうか?」

 

 

質問者はこれでどうだ、とばかりにドヤ顔になる。

 

 

「我々は国際法を徹底しております。故に、国際法違反はありえない」

 

「何を言っていますか!?貴方は先ほど使用を認めたのでしょう?言葉に責任を持ちなさい!」

 

「ええ、使用は認めます。ですが国際法は違反しておりません。なぜなら、その化学兵器禁止条約に書いてあります。

『第2条、定義及び基準。9項、「この条約によって禁止されていない目的」とは次のものいう、の(d)国内の暴動の鎮圧を含む法の執行のための目的』

つまり我が領土である特地内において、法を執行し、盗賊団を鎮圧するために使用しました。さらに、この催涙ガス仕様による死傷者はいません」

 

 

死傷者はゼロ、とまで伊丹は釘を刺していた。これにはぐうの音も出なかった。質問者ももう少しばかり勉強してなければこんな恥をかかなかったかもしれない。

 

 

「わ、わかりました……ではレレイ参考人に質問します。日本語は分かりますか?」

 

「はい、少し」

 

 

そして自己紹介が終わると、質問が始まる。

 

 

「今はどこに住んでいますか?」

 

「今は、難民キャンプで共同生活している」

 

「不自由はありませんか?」

 

「不自由の定義が不明。自由でないという意味ではそれは当たり前のことは。ヒトは産まれながらにして自由ではないはず」

 

「いえ、そう意味ではなくて……生活する上で不足しているもの、他にも必要なものは満たされているでしょうか?」

 

「衣・食・住・職・霊のすべてにおいて、必要はみたされている。質を求めるとキリがない」

 

「そうですか……では、多くの村人が亡くなった件について、その原因に自衛隊側の対応に問題はなかったでしゃうか?」

 

「…………ない」

 

「……分かりました。質問は以上です」

 

 

次に呼ばれたのはエルフのテュカであった。

 

 

「失礼を承知の上で質問しますが、それは本物の耳ですか?」

 

「はい、本物ですよ。触ってみますか?」

 

 

とピクピクと動かしみせる。その反応に周囲からどよめき、シャッター音に溢れる。ちなみに某動画配信サイトでは「キター(^ω^)」などの文字で画面が埋め尽くされていた。

 

質問者は触れることについて遠慮すると、レレイに最後に質問した内容と同じの内容をまた質問する。

 

 

「よくわからない。その時気を失っていたから」

 

「分かりました。以上です」

 

 

どうやら思い通りの答えを得られずかなり不満のようだ。

 

そしてふとある存在に目が行く。

 

 

「伊丹参考人に再度質問します。その犬は何でしょうか?」

 

「彼はバルバスというものです。急遽、特地からの参考人の1人と加えられました」

 

「なぜ犬が?」

 

「それはご自身で質問なさってみてはどうでしょうか?」

 

「そうだそうだ」

 

 

そのとき会場が凍ったように静かになった。

 

 

「あの、今のは一体……?」

 

「ああ、俺だよ。お前が犬と呼んでいるバルバスとは俺のことだ」

 

 

またもや周囲がどよめく。

 

 

「い、犬が喋った……」

 

 

質問者はマイク越しに関わらず驚きのあまり声が漏れてしまった。

 

ここで一部お気付きの読者もいると思うが、彼は今日本語を話している。世界の言語の中でも難易度ベスト3に入るといわれるあの日本語である。

 

 

「ああ、喋ったよ。俺からしたら二つの世界がたった1つの門で繋がることのほうが不思議だがな。それにおれは黙るつもりはないぜ」

 

「自己紹介お願いしてもよろしいですか?」

 

「俺はバルバスってんだ。デイドラプリンスの相棒さ。タムリエル地方から来た」

 

 

話す犬のインパクトが強すぎて、誰も内容なども気にしていない。特地の3名を除いて。伊丹に至ってはバルバスが日本語話していて全身冷や汗が走っていた。

 

 

「え、えーと。バルバスさんはいつ頃から彼らと共に行動をしていますか?」

 

「まだ2日ぐらいだね」

 

「特に何か変わったことなどは?」

 

「変わったこと?わかんねーよそんなこと。この世界が変わってるなと思うけどな」

 

「バルバスさんは一体なぜ彼らと共に行動しているのですか?

 

「あん?そんなことも答える必要があるのか?おもしろそーだったからよ」

 

「そうですか……貴方が喋れるのは、それは元からですか?それとも魔法などの特別なものですか?」

 

「んなこと俺は知らねーよ。いつの間にかこうなってたんだから」

 

「わかりました。質問を終わります」

 

「あん?どうでもいい質問しかしねーんだな」

 

 

喋り方は癪に触るものの、これ以上この犬と話せば精神的によろしくないと感じ、質問者は早々に撤退する。

 

そしてようやくゴスロリ(ロゥリィ)の番となる。そのゴスロリチックな神官服を喪服と受け取った質問者はこれは政府を攻撃するのにいい材料になると感じた。

 

 

「お名前を聞かせてもらえる?」

 

 

今までと違い、子供に対するような口調になる。

 

 

「ロゥリィ・マーキュリー」

 

「避難民キャンプではどのような生活をしている?」

 

「エムロイに仕える使徒として、信仰に従った生活よぉ」

 

「どのような?」

 

「わりと単純よぉ。朝目を覚ましたら生きる。祈る。そして命を頂くぅ。祈る、夜になったら眠るぅ。また、肉の身体を持つ身だから、それ以外の過ごし方をすることもあるけどぉ」

 

「貴方のご家族が亡くなった原因に、自衛隊の対応に問題なかった?」

 

 

レレイは翻訳に困る。なんせロゥリィの家族は遥か昔にこの世から消えているのだから。でも一応そのまま伝える。

 

そしてしばらくの沈黙。

 

質問者はしめた、とばかりに思ったが、彼女の予想とは全く異なる反応が返ってきた。

 

 

「貴女、お馬鹿ぁ?」

 

 

ロゥリィまでもが日本語で発した。

 

 

「に、日本語?失礼、今何と言ったの?」

 

「あなたはお馬鹿さんですかぁ?と尋ねたのよぉ、お嬢ちゃん」

 

 

と直接日本語でやり取りするロゥリィ。なぜかバルバスは面白がってニタァ、としている。

 

 

「お嬢ちゃんねぇ…」

 

 

と誰にも聞こえないようにつぶやいたが、ロゥリィの視線が一瞬バルバスに向いた気がした。

 

 

「さっきから黙って聞いてみると、まるで伊丹たちが頑張らなかったと責めたいみたい。炎龍相手に生き延びたことを褒めるべきでしょうにぃ。半分が亡くなった?違うわぁ、半分を救ったのよぉ。それが分からないなんて、この国の兵士もさぞかし苦労してるでしょうねぇ」

 

「お嬢ちゃん、こういった場所は初めてだから分からないかもしれないけど、悪い言葉を使ってはいけませんよ。それに大人に対して生意気な態度をとってはいけませんよ」

 

「お嬢ちゃん?それってもしかして私のことぉ?」

 

 

バルバスはなぜかむせて笑いをこらえようとしている。どうしたのだろうか。

 

 

「委員長!質問者は重大な勘違いをなさっているようなので申し上げたいことが!」

 

 

これはやばいと感じた伊丹は委員長に発言の許可を得る。

 

 

「えー、皆様。我々は若い人に年齢を武器にして物を言うことがりますが、時としてそれが我が身に返って来ることがあると思うのです。実を言いますと、ロゥリィ・マーキュリーさんはここにいる誰よりも年長者でして……」

 

 

またまた会場はざわめく。一体何歳だ?と皆が思ってるので仕方がない。

 

 

「おいくつですか?」

 

 

と質問者。

 

 

「961歳になるわぁ」

 

 

今度は会場は静まる。なお、ネットでは神降臨wwwなどと大変なことになってるが。

 

他の参考人の年齢も質問すると……

 

 

「165歳」とテュカ。

「15歳」とレレイ。

「んなもん知らねーよ」とバルバス。

 

 

そしてレレイの解説が入り、レレイはヒト種、テュカはエルフのなかでも稀少な妖精種で、寿命は永遠に近い。そしてロゥリィは元ヒトではあるものの、亜神であり1000年ほどの年月を得て肉の身体を捨てるのだという。

 

バルバスに関してはレレイも知識不足で答えられないとなった。バルバス自身への質問はあったが、彼はなにかはぐらかすようにしてなかなか答えなかった。わかったことは、ロゥリィ同様亜神のような存在であるということだ。

 

 

「質問を、終わります」

 

 

ようやく1人目の質問が終わった。その後も何かと質問はあったものの、とくにトゲトゲしい質問もなかった。そして、最後にはロゥリィの哲学的な回答によって幕を閉じた。

 

最後の質問を簡単に説明すると、ぶっちゃけエロ系漫画への規制するべきかどうかに対してだが、ロゥリィはそんなものに答えなどない、無理やり答えをつけるのならそれは結果的に害悪なるとだけ答えた。

 

こうして、長い長い国会答弁が終わった。

 

 

余談だが、この間に向こう側では漆黒龍によって村が一つ滅ぼされたとかないとか。

 




FT(ファストトラベル)って便利だよね。
バルバス「それな」

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