オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

3 / 85
こんな壮大なサブタイトルのスタートしても人類は炎に包まれませんから安心してください。

帝国はいずれ包まれるかもしれないけど……


時は20XX年

今日も日本は平和である。

 

少なくとも、ごく普通の一般市民そう思っている。この毎日繰り返される平和は当たり前過ぎて平和とは何かすら意識されない。

 

しかしその平和は突如として崩された。

 

真夏の暑い銀座のど真ん中に、それはいきなり現れた。

 

異世界への門(ゲート)

 

中から出てきたのは中世ヨーロッパ風の騎士、歩兵、そしてファンタジーに出てくるようなモンスター、所謂(いわゆる)ゴブリンやオークなどである。

 

もちろん、そこにいた人たちは何らかのアトラクションか映画の撮影だと思ったのだろう。

 

しかし彼らがそこにいた人々を無差別に殺戮し始めたことにより、非現実的なことが目の前で起きていることにようやく気付いた。

 

しかし既に時遅し。気がつけばその異世界の軍隊は殺戮によってできた死体の山に黒い軍旗を立てて一方的に領有宣言を行った。

 

まあ、半日でこの軍隊は警察、自衛隊、などによって制圧されることになったが。

 

このような比較的早めに制圧できたのも、日本のインフラの整備がされていたこと、自衛隊の中央即応集団が編成されて数年経っていたため十分な運用方法が確立していたためであろう。

 

ただ、本部で

 

「中世の騎士とファンタジーの化物が攻めてきた!」

 

という報告を受けた者は他国の特殊部隊が攻めてきた、と報告されるときよりも対応に困ったことだろう。

 

これが後に『銀座事件』と呼ばれる日本の歴史の一つである。

 

 

***

 

 

そして時は流れ(2、3日)、日本国政府はこの事件を(一応)テロリズムとして扱うこととした。

 

国際的には、戦争のようなものも国際法において正式な手続きをしなければそれは戦争ではなく、紛争または単なる違法行為なのである。

 

手違いとは言え、我が国も間違えて宣言布告が間に合わず、1941年12月8日に米国に対して似たようなことをしたもんだからそりゃ怒るよね、というわけである。最も、こちらの方は陰謀論説などもあるが。

 

とにかく、まず『(ゲート)』の向こうの未知の世界にいる未知の勢力を話し合いのテーブルに着かせるためにも、未知の世界をあくまでも日本の領土、特別地域、略して『特地』として調査をすることとした。

 

おそらくこの日本ではこのような行為を戦争行為だの、侵攻だの、とやかく反対する『自称』平和団体、政治家はたくさんいただろうが、なんとかこじつけたようだ。

 

政治家の皆様、ご苦労様です。

 

主な目的は、特地の調査、未知の勢力の主犯格の拘束及び厳正な処罰、そして賠償及び謝罪となるだろう。他にも門の向こうの勢力を国家として認めるなら国境線の設定、政治体制の変更などの細かいところも後ほど逐次要求する必要があるかもしれない。

 

とまあ、色々政治の都合もあるが、まず門の確保、そしていつ来るか分からない攻撃に備えるために自衛隊を派遣することとなったのだ。

 

 

***

 

 

原作通り、門は容易く制圧され、特地側に着いた自衛隊たちは異世界に驚愕しつつも、すぐに陣地構築へと移った。

 

門の向こうの側は後にアルヌスの丘と判明する場所である。

 

専守防衛及び元々限られた戦力を効率的に用いるという性質上、陸自は陣地構築を非常に得意とする。

 

いつ敵が攻めてくるかわからないため、即席の陣地を作ったが、彼らにとっては十分であった。

 

重機を持ってくる暇がなかったので、ほとんどが人の手による塹壕みたいなものである。

 

異世界の人間からしたら貧相に見えるだろう。砦もなければ櫓もない。兵士が穴を掘って隠れているだけのように見えるだろう。

 

しかし見る人が見れば簡易ながらもしっかりした防御陣地だとわかる。

 

迫撃砲、大砲、機関銃のような援護武器も多く設置され、戦車も草木を用いて巧妙にカモフラージュされて配置された。

 

さらにこれらの陣地の周りを鉄条網や鉄製フェンスなどが何層にも設置された。

 

防衛戦に地雷などは非常に有効だが、日本は所持していないことになってるので、使用されていない。

 

陣地構築が終わり、これが訓練ならここで終わりである。しかし今回は実戦である。

 

隊員は点呼をとり、各人は装備、弾薬を受領して各人の持ち場についた。

 

今回隊員が装備しているのは64式小銃。今となっては旧世代のものであり、一部では骨董品扱いされるが、威力、精度自体は問題ない。

 

実際、銀座事件での教訓により、現役の89式では対人以外、つまりオークなどに対して威力不足だったことが散見されたこと、そして万一破棄するような自体になっても比較的問題のない旧式を選んだわけである。

 

実際、小銃だけではなく他の大砲や戦車も同様である。

 

また、新入隊員や比較的若い隊員は64式に触れたことすらない者も多かったため、多くの戦闘員は古参兵の曹以上の隊員であった。

 

彼らは土嚢の後ろや簡易バンカー、掩体の中などの各人の持ち場に着くと、集中力及び士気を上げて来るべき敵をまった。

 

ふと西を見れば陽が沈みかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなりました。少し資料の読み返してましまた。

どうぞよろしくお願いします。

アルドゥイン「我の出番はよ」

だって、ラスボス出しちゃうとねぇ…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。