オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし 作:ArAnEl
リア充共は満喫しておりますか?
私はなんとか紳士としては満喫しております(泣)
前回ピニャが見た夢の参考元を知りたい方は「アルゴニアンの侍女」と調べると幸せ(?)になれるかも。
今回もまた作者の妄想がいっぱい○っぱい!
オリキャラ出ます。許してね!
でも主人公は伊丹だから!
アルドゥイン「は?」
アルヌス駐屯地、陸将室
狭間陸将の前には2人の白い制服を着た男が気をつけの姿勢で直立していた。
「3等海佐、草加拓海、以下20名。特別任務の命を受け只今特別地域駐屯地に着任しました。よろしくお願いします」
狭間陸将から見て左の海上自衛隊の幹部が紹介を終わると、10度の敬礼(頭を軽く下げるお辞儀のような敬礼)をし、狭間陸将をそれに答礼する。
「草加3佐、よろしく。そして君が……」
狭間陸将は右の男を見る。
「1等海尉、加藤
見た目にこれと言った特徴のない男だった。
敢えて言うなら普通の模範的な自衛官。髪は短めに手入れされ、細すぎもせず太すぎもせず。身長も平均より少し高いぐらいだった。怖そうな顔でもなく、むしろ優男のような感じ。
しかし、他の自衛官とは明らかに異なるものがあった。左胸の金色の徽章、そしてそれが見慣れない形をしていた。
これは草加の艦艇徽章とは違うものであった。つまり、彼らは元は異なる部隊ということである。
「ふむ、君が……噂には聞いておるよ」
「はて、何のことでしょう?」
加藤1尉はごく自然な表情で答えた。
狭間陸将はそれで大体は察した。
「来てもらい早々仕事を回すのも気が引けるが、あまり猶予はない。早速君たちにも支援をお願いしたい。現在幾つかの偵察隊が展開中であるが、それに即応できるよう補佐をして貰いたい」
「お言葉ですが、特殊作戦群の方が適任では?」
草加3佐は冷静な思考力の持ち主だ。陸には陸で対応するのがベストだと考えたようだ。
「恥ずかしいことに、絶対数が足らん。それに数日前、本土で不穏な動きがあったため一部を原隊に戻したのだ。全てとは言わん、陸でカバー仕切れない部分をどうかカバーして貰いたい」
「ええ、喜んで」
答えたのは加藤1尉だった。
「いいのか?しかし草加3佐の許可なしでは……」
「彼が良いと言うなら良いでしょう」
今度は草加3佐が答える。
「私は現場は現場に任せる方針です。私より現場慣れしている彼なら問題ありません」
「そうか、助かる。ではすぐに準備に取り掛かってくれ」
「「わかりました」」
「あと一つ気になったのだが、加藤1尉、君はすぐに是認したが、なぜかね。ただ気になっただけだが」
「はて?私は当たり前のこと当たり前に実行しているだけですが。『上官の命令は絶対である』それだけです」
「そうか、しかし命令ばかりではなく、柔軟に対応するように」
「わかりました」
そして2人は退室する。
「あんまり誤解を招くようなことは控えるように、加藤」
草加は歩きながら言う。双方ともまっすぐ前を向いたままだ。
「ええ、しかしこれも草加さんの教育のおかげです」
「そんな教育した覚えはないな」
「『指揮官、上官、先輩の命令へは、ハイかイェスか喜んで』と防大の同部屋のとき教えてくれたではありませんか」
草加は軽く笑みを浮かべる。
「では何故そう答えなかった?」
「狭間陸将は防大の体育会系のノリを理解して頂けないからだと判断したからです。だから意訳を」
「お前らしいな。賢明な判断だ。私はこれからのことを防衛省に報告する。君はすぐに現場の指揮へ向かえ。権限は全て与えたと認識してもいい」
「了解」
「だが、くれぐれもやりすぎないように」
「了解」
そう言って2人は別れ、草加は部屋へ、加藤は隊舎へ向かった。
加藤1尉の右胸に光る徽章は
***
ピニャは対応に困っていた。
見たこともない荷車なので敵か味方かどうかも分からない。なので敵でないなら姿を見せろ、と言ったのは良いものの、予想外の人物達の出現に参ってしまったのだ。
出てきたのは明らかに魔導師と思われるプラチナブロンドの髪の少女。服装は見たことのないもの(伊丹達からもらった現代洋服)ものだが容姿で判断できるエルフ、そしてエムロイの神官装束の少女。
特にピニャが危惧しているのはエムロイの神官、ロゥリィ・マーキュリーである。政治の宗教的なお付き合いで見たことあるので、正体を知っているためだ。
(まずい、魔導師とエルフだけでも厄介なのにロゥリィ・マーキュリーまでいるとは……)
ピニャの頭の中はいろんな思考がぐるぐると回っていた。
彼女らは敵なのか?ではなぜ先ほどの戦闘にいなかった?いたら既に陥落しているが……拒否するか?しかしもし味方になってくれるならこれ以上頼もしい存在はない。でももし敵なら?もし味方なら?ああ、お前たちそんな目で妾を見るな……妾だって判断がつかないのだ……
とこのように混乱している。無理もない、この世界では成人とはいえまだ少女のような歳なのだから。しかも初陣。部下などからのプレッシャーや皇女としてのプレッシャーがどんどんのしかかってきたのだろう。
一方、伊丹達も対応に困っていた。
イタリカに着いたは良いものの、どうやら
簡単にいうと絶対絶命、というか街としての機能が全く無いのだ。
いざ着くと弓矢やら弩弓やら熱湯やらを向けられて歓迎される始末。
伊丹的には事を起こすつもりも無いし、巻き込まれるのもごめん。なので引き返そうと提案したにも関わらず魔法少女レレイによって一蹴される。レレイ曰く、ここで逃げたら敵と認識され、今後の活動に支障をきたす可能性が高いとのこと。
ということでレレイは誤解を解くために車両から出てしまい、それを守るためとテュカやロゥリィも出てしまったのこと。
というわけで、伊丹も困ってしまったのだ。
恐いの痛いの嫌いだか、みっともないのはもっと嫌。
そしてこれって大人として、男として、自衛官として、というか人として女の子(?)たちを危険にさらすのはどうよ、と思ってしまったのだ。
「俺、やっぱ行ってくるわ。おやっさん、なんかあったら助けてね」
「誰も行くなとは言っておりませんわ」
なぜか桑原曹長の代わりにお嬢様自衛官から返事が来る。
ちょっと複雑な気持ちになりながら伊丹は相手をこれ以上警戒させないためにも小銃を置いて出て行った。
しかし、ここで不幸が起きてしまった。
考えに考え抜いたピニャは、もう勢いでとにかくこの3人を巻き込んで味方にしてしまおうとしたのだ。
勢いだ、そう勢いでやってしまえ。
「よく来てくれた!」
思考回路がおかしくなったのだろうか、ピニャは勢いよく城門を開け、出迎えた。はずだった。
目の前に仰向けに白目向いている緑のまだらの服装の男が倒れていた。
そしてレレイ、テュカ、ロゥリィは一度伊丹に視線を向けると、次はピニャに冷ややかな視線を向けた。
「……もしかして、妾?妾なのか?」
冷ややかな視線を向ける3人は揃って頷いた。
もういっそ草加さんもオリキャラとして認識してください。見た目、性格とか変わりませんが。
オリキャラ苦手な方はごめんなさい。でもぶっちゃけゲートでもお前誰だっけ?という名前付き自衛官いますしおすし。