亜蘭作務村様、誤字修正ありがとう御座います。
ローチとモモンガは今、第九階層にあるモモンガの個室に集まっていた。
「…………ローチさん、どうしましょう?」
「…………と、取り敢えず。この世界の事を知る為に情報収集しましょうか」
「ローチさん……現実逃避は駄目ですよ? きちんと現実を見ましょう?」
「そう……ですね。すいません、モモンガさん。自分に対する評価ぎ高過ぎて受け入れられませんでした」
階層守護者達にモモンガ達の評価を聞いてみた結果が、予想だにしなかったのであった。
モモンガの場合。
シャルティア曰く、美の結晶。まさにこの世界で最も美しいお方であります。
コキュートス曰く、ナザリック地下大墳墓ノ絶対ナル支配者ニ相応シキ方カト。
アウラ曰く、慈悲深く、深い配慮に優れたお方です。
マーレ曰く、す、凄く優しい方だと思います。
デミウルゴス曰く、賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力も有された方。まさに端倪すべからざる、という言葉が相応しきお方です。
セバス曰く、至高の方々の総括に就任されていた方。そして最後まで見放さず残っていただけた慈悲深き方です。
アルベド曰く、至高の方々の最高責任者であり、私どもの最高の主人であります。そして私の愛おしいお方です。
ローチの場合。
シャルティア曰く、まさに生命の象徴。ありとあらゆる生物の力を行使するお方であります。
コキュートス曰く、ドンナ戦況デモ諦メズ勝利ヲ目指スオ方カト。
アウラ曰く、あらゆる昆虫の王に相応しきお方です。
マーレ曰く、か、カッコイイお方です。
デミウルゴス曰く、あらゆる生物の力を使い、ナザリックを必ず勝利に導く為にも常にナザリックの行き先を祈って下さるお方です。
セバス曰く、私の創造主のたっち・みー様と互角以上に闘う方です。
アルベド曰く、ナザリックに所属する全ての者をその、深き愛にて平等に接して下さるお方です。
「評価高過ぎじゃないでしょうか?」
「それは言わないお約束です。ですけどローチさんの評価は割と適切ですけどね」
「何処がですか?」
「生命の象徴とか、常にナザリックの行き先を祈って下さるお方とかですかね?」
「あれは仕方なく祈ってたんですよ。スキルの《神への祈り》の効果が祈ったプレイヤーの周囲のプレイヤーのステータスを、
「本当にあの時は感謝してますよ。で、これからどうします?」
「先ずは情報収集に徹した方が良いかと。情報が無いと非常事態に対して対処できませんから」
「そうじゃなくて、ほら、余りにも高過ぎる評価に適した振る舞いをすべきだ!とかナザリックを運営する為の資金だとか。色々ありますし、その辺の所ですよ」
モモンガは大袈裟に手を広げて話をする。
「えっと、そうですね。振る舞いについては置いといて。資金に関しては一応当てはあります」
「え? その当てとは?」
「ほら、今私達が居るのは異世界ですよね? でしたら冒険者みたいな職業に就いて資金稼ぎすれば解決すると思うんですよ」
ローチは何処と無く怪しかった。具体的に言えば目が泳いでいた。
「で、本音は? ローチさん」
「綺麗な景色を眺めたり、美味しい物を食べたいです!」
「別に良いですけど、その姿でですか?」
「そこは大丈夫です、宝物殿に何かしらのアイテムがある気がするんですよ。ほら? 要らないアイテムをポンポン放り投げて仕舞ってたんですよ私。今からパンドラズ・アクターに連絡して探して貰えばワンチャンありますよね?」
「守護者達が許すと思います? ナザリックに所属する大半は人間に余り良い感情を持って無いですよ? 絶対アルベド辺りが反対しますよ。後、パンドラズ・アクターはどうしてました?」
「モモンガさんも一緒に説得してくれればいけますって! 後、パンドラズ・アクターがモモンガさんの事を待ってますよ? ほら、パンドラズ・アクターにとってモモンガさんはお父さんですからね」
「はいはい、分かりました。一緒に説得しますよ。ですが、条件があります」
「モモンガさんと一緒に行く事と誰か一人NPCを連れて行く事。ですよね?」
「人の台詞取らないで下さい。それと、後ほど宝物殿に顔を出してきますのでその時は守護者達を任せます」
「今、パンドラズ・アクターに連絡して、姿か種族を偽れる物を探して貰ってます」
「ローチさん、凄くどうでも良いんですけどどうやって連絡したんですか?魔法使えませんでしたよね?」
ローチは手にあった黒い板をモモンガの前に持って行く。長方形の形をした板である。
「これですよ、これ。これ、魔法が使えない私にはとても重宝するアイテムなんですよ。
「はい、それ完全に携帯ですね」
「ですけどこれ、普通の携帯じゃ無いんですよ?私が
「え?運営からメッセージ?」
「はい、そのメッセージにはこう書いてあったんですよ。【ユグドラシルを遊んで頂き、まことにありがとう御座います。この度、プレイヤーネームローチ様におかれましては、此方の予想をはるかに上回り、テラフォーマーの最上位種の
確かに運営はぶっちゃけ過ぎているが、仕方ない事である。何故なら、ゴキブリを極めるなんて誰が予想出来るだろうか、この事は誰も予想出来ない出来事であろう。理由としてはユグドラシルに存在する数ある異業種のなかでテラフォーマーは余り人気の無い種類であった。
「え、あ、その、げ、元気出して下さい。ローチさん」
「大丈夫ですよ、モモンガさん。心が折れた代わりにこのぶっ壊れ性能を持つアイテムを望みました」
「ローチさん!どれだけぶっ壊れ性能なのか教えて下さい!」
「落ち着いて下さい、モモンガさん。いくらコレクター癖があると知っていても目の前が骨しか映って無いとか怖いんですよ?」
ローチの前にモモンガがかなりの近さで興奮している。人型ゴキブリの眼前で骨が興奮してるとか、考えたくも無い出来事である。
「す、すみません」
「このアイテムの名前は見た目と性能をそのままに、魔法記憶式端末。基本的な魔法が全て入っています。今入っている魔法は第1位階だけです」
「そうですか、あまり凄く無いですね」
「ただし!私の部屋にある本体端末に繋いでデータを記憶させれば、第10位階魔法さえも使用可能!」
「本当ですか⁉︎チートです!それはチートです⁉︎」
「魔法を使う度に電力を消費済ますけどね。魔法の位階掛ける5%消費します」
「これで怖いもの無しですね」
「でも実際、魔法使うより変態して殴った方が早いんですけどね」
「パラポネラは止めて下さい、死んでしまいます」
「安心して下さい。私がモモンガさんを攻撃する理由はありません。もし、何かあったら口撃しますので」
モモンガとローチは雑談を交えながらナザリックの今後について話し合うのであった。